PHOENIX-NEXT01構想/運転・運用及び乗務員に関する基本設計

A・運転

(1)想定使用区間・路線

 0系を幾つかに分類したのは想定される機材使用区間や路線によって、条件が大きく異なる為で、機材一車当たりの重量を極力減量化したのは、牽引力が現用電気機関車やディーゼル機関車に比較して、蒸気機関車は小さく更に機関車自重も大きいと言う蒸気機関車の特性と、その蒸気機関車による列車による地域観光経済の活性化が、軌道規格の低い地方路線にこそ必要であるとの基礎理念にある為である。

 故に冷房省略としてはいるが、それら蒸気機関車並びに「レトロ列車」単独による運転での「対象地域への観光旅客の誘引」を考えた場合、例えば上野駅や大阪駅・名古屋駅からの直送運転は非常に有効な誘引素因となる事から、「最軽量・区間専用列車」とは別の設備を持つ編成や補助機関も必要となると推測され、これらから次の様に想定区間を設計(編成)別に設定した。

「010系丙類(011系)=三等座席3両/100トン以内」

 東信西甲地域(小海線中込〜小淵沢間)/北信地域(飯山線長野〜越後川口間)/西越地域(大糸線糸魚川〜大糸間)/渡良瀬地域(わたらせ渓谷鐵道桐生〜足尾間)/西濃地域(樽見鉄道大垣〜樽見間)/など

「010系乙類(015系)=三等座席及び喫茶室車4両/130トン以内」

 只見川地域(只見線喜多方・会津若松〜只見間)/秩父地域(秩父鉄道熊谷〜三峰口間/真岡地域(真岡鐵道下館〜茂木間)/東野地域(烏山線宇都宮・宝積寺〜烏山間)/中越A地域(城端線高岡〜城端間)/中越B地域(氷見線高岡〜氷見間)/など

「030系乙類(031−50系)=二・三等座席及び食堂5両/200トン以内」

 北羽地域(五能線青森〜秋田間及び上野〜秋田間夜行)/渡島地域(江差線函館〜江差間)/南羽地域(米坂線米沢〜坂町間)/会津南地域(会津鉄道喜多方・会津若松〜会津田島間及び上野〜会津若松・喜多方間夜行)/東信継送ルート(品川〜野辺山間)/渡良瀬継送ルート(上野〜小山〜足尾間)/など

「030系甲類(031系)=二・三等座席及び食堂6両/250トン以内」

 後志地域(函館本線小樽〜長万部間及び函館相互夜行)/釧網地域(釧網本線網走〜釧路間及び小樽〜釧路間夜行)/空胆地域(室蘭本線苫小牧〜岩見沢間)/奥久慈地域(水郡線水戸〜郡山間及び上野〜郡山間)/磐岩地域(磐越東線いわき〜郡山間)/など

「020系=7両/300トン以内」

「050系=7両/300トン以内」

 MoonLightExpress(上野〜常磐線〜小樽間)/会津MoonLightExpress(上野〜会津若松間)/東京Orient Express北ルート(上野〜稚内間)/東京Orient Express西ルート(品川〜神戸間)/津軽MoonLightExpress(上野〜羽越本線〜函館間)/NordExpress(神戸〜小樽間)/など

(2)運用

 運用は蒸気機関車企画に限れば、当該機関車の運用に沿ったものとなるのは当然だが、当該機材の所管形態によって大きく異なる。

 しかし、機材の経済性を考慮した場合、特定区間に限定した運用では無く、機材保有と接客サービスを包括して提供する事業体が効率的に対処する方が望ましいし、蒸気機関車企画の特殊性から考慮しても、経験の豊かな乗務員と運営・保安チームとセットで運用される事が最も存在価値を高める結果となる。

※国際寝台車欧州急行列車株式会社の様な第三種事業者又は第一種事業者に機材と要員を貸与する形態と想定している。

B・乗務員及び運営要員

 乗務員は大別して、(1)鉄道会社に所属する「運転車掌」、(2)専任の接客及び輸送業務並びに食堂等要員を包括した「列車専従乗務員」、(3)蒸気機関車企画や団体専用臨時列車等であれば当該主体者の担当者等の「主催団体添乗者」、(4)交通文化連盟等ボランティアによる「輸送警戒要員」、の4つとし、この他に蒸気機関車運行等の場合は並行或は定点に於ける「沿線警備要員」や、乗降駅での乗車受付・整理・誘導を行う「地上要員」を総じて「スタッフ」と指している。

 「運転車掌」とは別に「機関車の機関士及び機関助士」や、添乗する「鉄道会社の検修技師」も大きく考えれば要員となるが、当該機材に直接関係するとの意に於いて区分した。

 以上のうち、「専従乗務員」に関してはその習熟度合が御客様の満足度に直接反映される為に、「編成ごとにチーム」を組成し文字通り「専従」とされる事が望ましい。


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