北海道・函館本線・函館〜札幌間に1986年11月まで運転されていた夜行普通列車、道内を行き交う「旅師」達はこの列車を「ムーンライトエクスプレス」と呼んでいた・・・
当時、夜行の普通列車は全国に8系統運行されておりましたが、このうち正式に愛称があったのは指定・寝台車を連結していた「からまつ」(小樽−釧路)等3系統のみで、他は全車自由席だったので、愛称はありませんでした。それを、均一周遊券(ワイド周遊券)を使って、殆ど「旅を住処」とする若者達=旅師達がニックネームを付けておりました。
函館本線、それも「山線」と呼ばれる長万部−小樽間の山間部をこの汽車が行く時、窓の左右に現れて消える月の光は、薄暗いシートにこもれた光跡を映し、時にレールが月に照らされて幻想的な映像を著してくれたものでした・・・誰とも無く、ムーンライトエクスプレスと呼んだこの汽車は、この路線が開業して以来走り続けていたのです。
そもそも北海道鉄道研究会が「C623機復活」に向けて具体的な研究を開始した際、「我々の出来るSL活動は、団体専用臨時列車の研究と接客などの客務(パッセンジメント)である」と方針を決定し、1986年8月16日、札幌−歌志内−上砂川−砂川間にディーゼルカー2両による団体専用臨時列車を運行しました。これが「そらち」号で、私達のオリジナルトレイン第1便です。
以来16年、各地で時にはレールファン親睦として、時には地域連携イベントとして運行された団体専用臨時列車企画シリーズは、ささやかですがレールファン達にはセンセーショナルなテーマを提供して居た様です。と同時に、今日多様な影響を残しつつ、一部のレールファンの間では伝説となっている「ムーンライトエクスプレス」を御紹介して参ります。
「そらち」キハ22カーペットサロンカー2両
(1986年8月16日/札幌〜歌志内〜上砂川〜砂川間119.5km)
「北海」キハ82系4両※都合により運転休止
(1987年8月21〜23日/函館〜小樽〜稚内間往復)
「東日本一周」在来型一般車4両+EF5889機他※事故により企画中止
(1987年8月28〜30日/輸送番号・北832/上野〜松戸〜青森〜秋田〜小出〜上野間)
「八ヶ岳高原」スハフ12+マニ50×2=3両+DD16機
(1988年3月20日/輸送番号・長315/小諸〜小淵沢間78.9km・共同運行)
「会津ムーンライトエクスプレス」在来型一般車4両+EF5889機他
(1989年3月25〜27日/輸送番号・北335/上野〜会津若松〜新津〜水上〜上野間714.2km・共同運行)
「足尾エクスプレス」在来型一般車4両+EF5889機・DE101705機
(1989年3月28日/輸送番号・高332/上野〜高崎〜足尾間往復366.4km・共同運行)
「ドリーミング・ムーンライトエクスプレス」在来型一般車4両+ED7711機他
(1990年5月26〜27日/輸送番号・北534/上野〜水戸〜仙台〜米沢〜上野間779.6km)
「わたらせエクスプレス」在来型一般車3両+EF8189機・DE101705機
(1992年3月29日/輸送番号・高343/上野〜高崎〜足尾間往復366.4km)
「D列車」167系アコモ改善電車4両
(1994年4月17日/輸送番号・西417/品川〜(鎌倉)〜府中本町〜我孫子〜田端操車場〜品川間236.9km)
「レールフェステエクスプレス」(D列車2)185系電車5両
(1995年5月21日/輸送番号・北538/上野〜成田〜中野〜品川間161.4km)
「エクセレントエクスプレス」尾久14系欧客7両+ED75711機他
(1996年6月22日/輸送番号・北628/小牛田〜水戸〜上野間406.3km)
「DEX・ミステリークルーズ」(D3)167系メルヘン電車4両
(1996年6月23日/輸送番号・北629/新宿〜成田〜松戸〜上野間142.0km)
「ふれあいエクスプレス」(D4)167系メルヘン電車4両
(1996年11月3日/輸送番号・北1151/上野〜成田〜品川間152.6km)
「サンタクロスエクスプレス」(D5)三鷹165系展望電車6両
(1996年12月22日/輸送番号・北1212/上野〜成田〜品川間152.6km)
「わたらせエクスプレス2」尾久14系欧客7両+EF5889機
(1998年1月25日/輸送番号・北128/上野〜南流山〜高崎〜小山〜南流山〜上野間319.5km)
「フェスタ・エクスプレッソ」三鷹165系展望電車6両
(1999年7月24日/輸送番号・東762/大宮〜田端操車場〜松戸〜南浦和間71.0km)
交通文化連盟では平成17年度に地域活性化と鉄道事業支援を主眼とした団体専用臨時列車の運転を計画するものとなりました。そこで広く組織内外から御意見・御要望とスタッフを募集致します。御意見等は「交通文化連盟総合掲示板」か「とれいん倶楽部掲示板」を、御要望(運転誘致・協賛・御支援)やスタッフ応募は電子メールにてお寄せ下さい。
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