平成15(2003)年8月23日、遅れていた鉄道輸送警備隊規約(規程第3号)の改訂(それまで任意団体の規約だったものを、特定非営利活動法人に適合する様に改めた)が完了して、臨時総会で承認され、鉄道輸送警備隊はようやく活動を再開しました。
この規約で定められている鉄道輸送警備隊の活動は、
(1)企画列車等運行に於ける当該列車の扉開閉及び乗降監理と利用者の誘導任務
(2)企画列車等運行に於ける駅等沿線の防災防犯警戒任務
(3)公益団体等主体の催事に於ける防災防犯警戒任務
(4)鉄道駅及び周辺の安全確保・犯罪防圧警備任務
(5)地域の治安増進を目的とした防災防犯警戒任務
(6)災害発生時に於ける避難誘導・救助・防犯警備任務
(7)鉄道利用促進を目的として、その災害・気象・運転状況等の調査並びに広報任務
(8)上記各項に関する情報等調査・分析・提案・助言等協力任務
(9)青少年の健全育成を目的とした研修及びその経験・技術の他公益団体等への提供
と、「レールボランティア」から「市民セキュリティボランティア」へと拡大しております。
実際の活動は大別して3つあり、具体的には、<1>イベント・企画列車等の運行・開催に際して派遣される不定期的な任務(派遣地域は原則として全国としております。)<2>駅周辺やボランティア施設、地域街頭に常設派遣される定期的な任務(派遣地域は千葉県・東京都など関東地方です。千葉県流山市や松戸市での新選組観光案内活動もこれに該当します。)<3>事務やインターネットによる調査・研究・情報収集・分析などの内勤任務(事務所や御自宅が活動の場となります。)で、チームで現場に出て鉄道マニアや暴漢相手に合戦!と言うエキサイティングなものは数値的には低く、むしろ「SL列車の派遣」などは1〜2人で沿線やホームで危険箇所や危険行為の確認等を行う「調査派遣」や、御自宅や事務所での「分析・情報収集」、レールフェステ等催事の誘導・案内が多くなっております。
ですから、隊員には研修を義務付けてはおりますが、武道などで「腕に覚えのある」かどうかは任用(隊員登録)には一切関係無く、調査分析等は遠隔地でも、車椅子などで四肢に障害がある方でも任用されます。むしろ、鉄道輸送警備隊は単なる「警備隊」では無く、本来が「C623機運行時の乗務ボランティア」として成立しましたので、列車御乗車や駅の御客様への案内・接客の場面が多く、「筋骨隆々」より「さわやかな笑顔」の方の方が大切です。
更に、日々の現場を支えているのが地味乍ら不可欠な内勤的任務で、SL列車の沿線警戒ならば列車通過のほんの5〜6分、その「当該列車定時通過、異常認められず。」の一言を得る為に分析・情報収集に幾日も要し、連絡を回して、と地味ですがしっかりとした内勤任務の基盤あればこその現場なのです。ですから障害や居住地の遠近は関係無いのです。
但し、如何に無料奉仕とは言え、特定非営利活動法人の責任有る一員として、鉄道輸送警備隊の名誉と看板を背中に背負っての任務ですから、先の「接客態度」と共に「法的責任」も重要です。
(1)満十二歳未満の者。
(2)鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)並びに特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号。以下、促進法)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第三十一条第七項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終えず又はその執行を受ける事がなくなった日を経過しない者。
(3)介護が必要な心身障害がある者。但し、車椅子若しくは盲導犬等により単独で移動できる場合は除く。(規約第二十条)
とあります様に、他のセキュリティボランティアでは明記されない任用資格が定められております。ボランティアなら何でも有り、では許されないのです。
実際は任務によりチームが分けられたり、不定期的活動では「一期一会」となるチームもありますが、「常在戦場」「臨兵闘者皆陣列在前」の基本的には武闘派ボランティア部隊、同じ合戦(?)で戦う戦友同志、年に一度二度しか会わなくても旧知の友の様に仲が良い、その結束力が交通文化連盟の結束力の源でもあります。
活動への参加は隊員各自が時間の都合が付く限り、として強制はしません。但し仕事や病気などで任務が長期に渡り受けられない場合は、2年を限度としてお休み頂けます。また原則として継続して活動する場合の隊員は交通文化連盟の社員・準会員の登録が必要ですが、幹部職を希望しない場合は「特定準会員」として、会費等が免除となるシステムとし、また他のNPOや一般の方がその特定のイベントや任務に際して臨時的にお手伝い頂ける場合は、「応援ボランティア」として、準会員等の登録が不要(勿論、費用も不要です。)なシステムもございます。
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