最終改正:平成一四年一〇月一八日国土交通省令第一〇八号
高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律 (平成十二年法律第六十八号)第四条第一項 の規定に基づき、移動円滑化のために必要な旅客施設及び車両等の構造及び設備に関する基準を次のように定める。
(定義)
第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 視覚障害者誘導用ブロック 線状ブロック及び点状ブロックを適切に組み合わせて床面に敷設したものをいう。
二 線状ブロック 視覚障害者の誘導を行うために床面に敷設されるブロックであって、線状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるものをいう。
三 点状ブロック 視覚障害者に対し段差の存在等の警告又は注意喚起を行うために床面に敷設されるブロックであって、点状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるものをいう。
四 車いすスペース 車いすを使用している者(以下「車いす使用者」という。)の用に供するため車両等に設けられる場所であって、次に掲げる要件に該当するものをいう。
イ 車いす使用者が円滑に利用するために十分な広さが確保されていること。
ロ 車いす使用者が円滑に利用できる位置に手すり(握り手その他これに類する設備を含む。以下同じ。)が設けられていること。
ハ 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ニ 車いす使用者が利用する際に支障となる段がないこと。
ホ 車いすスペースである旨が表示されていること。
五 鉄道駅 鉄道事業法 (昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道施設であって、旅客の乗降、待合いその他の用に供するものをいう。
六 軌道停留場 軌道法 (大正十年法律第七十六号)による軌道施設であって、旅客の乗降、待合いその他の用に供するものをいう。
七 バスターミナル 自動車ターミナル法 (昭和三十四年法律第百三十六号)によるバスターミナルであって、旅客の乗降、待合いその他の用に供するものをいう。
八 旅客船ターミナル 海上運送法 (昭和二十四年法律第百八十七号)による輸送施設(船舶を除き、同法 による一般旅客定期航路事業の用に供するものに限る。)であって、旅客の乗降、待合いその他の用に供するものをいう。
九 航空旅客ターミナル施設 航空旅客ターミナル施設であって、旅客の乗降、待合いその他の用に供するものをいう。
十 鉄道車両 鉄道事業法 による鉄道事業者が旅客の運送を行うためその事業の用に供する車両をいう。
十一 軌道車両 軌道法 による軌道経営者が旅客の運送を行うためその事業の用に供する車両をいう。
十二 自動車 道路運送法 (昭和二十六年法律第百八十三号)による一般乗合旅客自動車運送事業者が旅客の運送を行うためその事業の用に供する自動車をいう。
十三 船舶 海上運送法 による一般旅客定期航路事業(日本の国籍を有する者及び日本の法令により設立された法人その他の団体以外の者が営む同法 による対外旅客定期航路事業を除く。)を営む者が旅客の運送を行うためその事業の用に供する船舶をいう。
十四 航空機 航空法 (昭和二十七年法律第二百三十一号)による本邦航空運送事業者が旅客の運送を行うためその事業の用に供する航空機をいう。
2 前項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律 (以下「法」という。)において使用する用語の例による。
(一時使用目的の旅客施設又は車両等)
第二条 災害等のため一時使用する旅客施設又は車両等の構造及び設備については、この省令の規定によらないことができる。
(適用範囲)
第三条 旅客施設の構造及び設備については、この章の定めるところによる。
(移動円滑化された経路)
第四条 公共用通路(旅客施設の営業時間内において常時一般交通の用に供されている一般交通用施設であって、旅客施設の外部にあるものをいう。以下同じ。)と車両等の乗降口との間の経路であって、高齢者、身体障害者等の円滑な通行に適するもの(以下「移動円滑化された経路」という。)を、乗降場ごとに一以上設けなければならない。
2 移動円滑化された経路において床面に高低差がある場合は、傾斜路又はエレベーターを設けなければならない。ただし、構造上の理由により傾斜路又はエレベーターを設置することが困難である場合は、エスカレーター(構造上の理由によりエスカレーターを設置することが困難である場合は、エスカレーター以外の昇降機であって車いす使用者の円滑な利用に適した構造のもの)をもってこれに代えることができる。
3 旅客施設に隣接しており、かつ、旅客施設と一体的に利用される他の施設の傾斜路(第六項の基準に適合するものに限る。)又はエレベーター(第七項の基準に適合するものに限る。)を利用することにより高齢者、身体障害者等が旅客施設の営業時間内において常時公共用通路と車両等の乗降口との間の移動を円滑に行うことができる場合は、前項の規定によらないことができる。管理上の理由により昇降機を設置することが困難である場合も、また同様とする。
4 移動円滑化された経路と公共用通路の出入口は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
三 次号に掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
四 構造上の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
5 移動円滑化された経路を構成する通路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、百四十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車いすの転回に支障のないものとし、かつ、五十メートル以内ごとに車いすが転回することができる広さの場所を設けた上で、有効幅を百二十センチメートル以上とすることができる。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、九十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
三 次号に掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
四 構造上の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
6 移動円滑化された経路を構成する傾斜路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
一 有効幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、段に併設する場合は、九十センチメートル以上とすることができる。
二 こう配は、十二分の一以下であること。ただし、傾斜路の高さが十六センチメートル以下の場合は、八分の一以下とすることができる。
三 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅百五十センチメートル以上の踊り場が設けられていること。
7 移動円滑化された経路を構成するエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 かご及び昇降路の出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 かごの内法幅は百四十センチメートル以上であり、内法奥行きは百三十五センチメートル以上であること。ただし、かごの出入口が複数あるエレベーターであって、車いす使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉するかごの出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)については、この限りでない。
三 かご内に、車いす使用者が乗降する際にかご及び昇降路の出入口を確認するための鏡が設けられていること。ただし、前号ただし書に規定する場合は、この限りでない。
四 かご及び昇降路の出入口の戸にガラスその他これに類するものがはめ込まれていることにより、かご外からかご内が視覚的に確認できる構造であること。
五 かご内に手すりが設けられていること。
六 かご及び昇降路の出入口の戸の開扉時間を延長する機能を有したものであること。
七 かご内に、かごが停止する予定の階及びかごの現在位置を表示する設備が設けられていること。
八 かご内に、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる設備が設けられていること。
九 かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が円滑に操作できる位置に操作盤が設けられていること。
十 かご内に設ける操作盤及び乗降ロビーに設ける操作盤のうちそれぞれ一以上は、点字がはり付けられていること等により視覚障害者が容易に操作できる構造となっていること。
十一 乗降ロビーの有効幅は百五十センチメートル以上であり、有効奥行きは百五十センチメートル以上であること。
十二 乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる設備が設けられていること。ただし、かご内にかご及び昇降路の出入口の戸が開いた時にかごの昇降方向を音声により知らせる設備が設けられている場合又は当該エレベーターの停止する階が二のみである場合は、この限りでない。
8 移動円滑化された経路を構成するエスカレーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。ただし、第七号及び第八号については、複数のエスカレーターが隣接した位置に設けられる場合は、そのうち一のみが適合していれば足りるものとする。
一 上り専用のものと下り専用のものをそれぞれ設置すること。ただし、旅客が同時に双方向に移動することがない場合については、この限りでない。
二 踏み段の表面及びくし板は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 昇降口において、三枚以上の踏み段が同一平面上にあること。
四 踏み段の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により踏み段相互の境界を容易に識別できるものであること。
五 くし板の端部と踏み段の色の明度の差が大きいこと等によりくし板と踏み段との境界を容易に識別できるものであること。
六 エスカレーターの上端及び下端に近接する通路の床面等において、エスカレーターへの進入の可否が示されていること。ただし、上り専用又は下り専用でないエスカレーターについては、この限りでない。
七 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
八 踏み段の面を車いす使用者が円滑に昇降するために必要な広さとすることができる構造であり、かつ、車止めが設けられていること。
(通路)
第五条 通路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
二 段を設ける場合は、当該段は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により段を容易に識別できるものであること。
ロ 段鼻の突き出しがないこと等によりつまずきにくい構造のものであること。
(傾斜路)
第六条 傾斜路は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 手すりが両側に設けられていること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
二 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 傾斜路の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(階段)
第七条 階段(踊り場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 手すりが両側に設けられていること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
二 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字をはり付けること。
三 回り段がないこと。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
四 踏面の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
五 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により段を容易に識別できるものであること。
六 段鼻の突き出しがないこと等によりつまずきにくい構造のものであること。
七 階段の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(視覚障害者誘導用ブロック等)
第八条 通路その他これに類するもの(以下「通路等」という。)であって公共用通路と車両等の乗降口との間の経路を構成するものには、視覚障害者誘導用ブロックを敷設し、又は音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設けなければならない。ただし、視覚障害者の誘導を行う者が常駐する二以上の設備がある場合であって、当該二以上の設備間の誘導が適切に実施されるときは、当該二以上の設備間の経路を構成する通路等については、この限りでない。
2 前項の規定により視覚障害者誘導用ブロックが敷設された通路等と第四条第七項第十号の基準に適合する乗降ロビーに設ける操作盤、第十一条第二項の規定により設けられる設備(音によるものを除く。)、便所の出入口及び第十五条の基準に適合する乗車券等販売所との間の経路を構成する通路等には、それぞれ視覚障害者誘導用ブロックを敷設しなければならない。ただし、前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
3 階段、傾斜路及びエスカレーターの上端及び下端に近接する通路等には、点状ブロックを敷設しなければならない。
(運行情報提供設備)
第九条 車両等の運行(運航を含む。)に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を備えなければならない。ただし、電気設備がない場合その他技術上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(標識)
第十条 昇降機、便所又は乗車券等販売所(以下「移動円滑化のための主要な設備」という。)の付近には、移動円滑化のための主要な設備があることを表示する標識を設けなければならない。
(移動円滑化のための主要な設備の配置等の案内)
第十一条 公共用通路に直接通ずる出入口(鉄道駅及び軌道停留場にあっては、当該出入口又は改札口。次項において同じ。)の付近には、移動円滑化のための主要な設備(第四条第三項前段の規定により昇降機を設けない場合にあっては、同項前段に規定する他の施設のエレベーターを含む。以下この条において同じ。)の配置を表示した案内板その他の設備を備えなければならない。ただし、移動円滑化のための主要な設備の配置を容易に視認できる場合は、この限りでない。
2 公共用通路に直接通ずる出入口の付近その他の適切な場所に、旅客施設の構造及び主要な設備の配置を音、点字その他の方法により視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。
(便所)
第十二条 便所を設ける場合は、当該便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 便所の出入口付近に、男子用及び女子用の区別(当該区別がある場合に限る。)並びに便所の構造を音、点字その他の方法により視覚障害者に示すための設備が設けられていること。
二 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 男子用小便器を設ける場合は、一以上の床置式小便器その他これに類する小便器が設けられていること。
四 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
2 便所を設ける場合は、そのうち一以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。
一 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第十三条 前条第二項第一号の便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 移動円滑化された経路と便所との間の経路における通路のうち一以上は、第四条第五項各号に掲げる基準に適合するものであること。
二 出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
三 出入口には、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
四 出入口には、車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
五 出入口に戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
ロ 車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
六 車いす使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口には、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
二 出入口には、当該便房が車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識が設けられていること。
三 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
四 高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
3 第一項第二号、第五号及び第六号の規定は、前項の便房について準用する。
第十四条 前条第一項第一号から第三号まで、第五号及び第六号並びに同条第二項第二号から第四号までの規定は、第十二条第二項第二号の便所について準用する。この場合において、前条第二項第二号中「当該便房」とあるのは、「当該便所」と読み替えるものとする。
(乗車券等販売所、待合所及び案内所)
第十五条 乗車券等販売所を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 移動円滑化された経路と乗車券等販売所との間の経路における通路のうち一以上は、第四条第五項各号に掲げる基準に適合するものであること。
二 出入口を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
ロ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
(2) 車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
ハ ニに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ニ 構造上の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
三 カウンターを設ける場合は、そのうち一以上は、車いす使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合は、この限りでない。
2 前項の規定は、待合所及び案内所を設ける場合について準用する。
(券売機)
第十六条 乗車券等販売所に券売機を設ける場合は、そのうち一以上は、高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。ただし、乗車券等の販売を行う者が常時対応する窓口が設置されている場合は、この限りでない。
(休憩設備)
第十七条 高齢者、身体障害者等の休憩の用に供する設備を一以上設けなければならない。ただし、旅客の円滑な流動に支障を及ぼすおそれのある場合は、この限りでない。
(改札口)
第十八条 鉄道駅において移動円滑化された経路に改札口を設ける場合は、そのうち一以上は、有効幅が八十センチメートル以上でなければならない。
(プラットホーム)
第十九条 鉄道駅のプラットホームは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 プラットホームの縁端と鉄道車両の旅客用乗降口の床面の縁端との間隔は、鉄道車両の走行に支障を及ぼすおそれのない範囲において、できる限り小さいものであること。この場合において、構造上の理由により当該間隔が大きいときは、旅客に対しこれを警告するための設備を設けること。
二 プラットホームと鉄道車両の旅客用乗降口の床面とは、できる限り平らであること。
三 プラットホームの縁端と鉄道車両の旅客用乗降口の床面との隙間又は段差により車いす使用者の円滑な乗降に支障がある場合は、車いす使用者の乗降を円滑にするための設備が一以上備えられていること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
四 排水のための横断こう配は、一パーセントが標準であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
五 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
六 ホームドア、可動式ホームさく、点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備が設けられていること。
七 プラットホームの線路側以外の端部には、旅客の転落を防止するためのさくが設けられていること。ただし、当該端部に階段が設置されている場合その他旅客が転落するおそれのない場合は、この限りでない。
八 列車の接近を文字等により警告するための設備及び音声により警告するための設備が設けられていること。ただし、電気設備がない場合その他技術上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
2 前項第四号及び第八号の規定は、ホームドア又は可動式ホームさくが設けられたプラットホームについては適用しない。
(車いす使用者用乗降口の案内)
第二十条 鉄道駅の適切な場所において、第三十一条第一項の規定により列車に設けられる車いすスペースに通ずる第三十条第三号の基準に適合した旅客用乗降口が停止するプラットホーム上の位置を表示しなければならない。ただし、当該プラットホーム上の位置が一定していない場合は、この限りでない。
(準用)
第二十一条 前節の規定は、軌道停留場について準用する。
(乗降場)
第二十二条 バスターミナルの乗降場は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
二 乗降場の縁端のうち、誘導車路その他の自動車の通行、停留又は駐車の用に供する場所(以下「自動車用場所」という。)に接する部分には、さく、点状ブロックその他の視覚障害者の自動車用場所への進入を防止するための設備が設けられていること。
三 当該乗降場に接して停留する自動車に車いす使用者が円滑に乗降できる構造のものであること。
(乗降用設備)
第二十三条 旅客船ターミナルにおいて船舶に乗降するためのタラップその他の設備(以下この節において「乗降用設備」という。)を設置する場合は、当該乗降用設備は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、九十センチメートル以上であること。
二 手すりが設けられていること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
三 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
(視覚障害者誘導用ブロックの設置の例外)
第二十四条 旅客船ターミナルにおいては、乗降用設備その他波浪による影響により旅客が転倒するおそれがある場所については、第八条の規定にかかわらず、視覚障害者誘導用ブロックを敷設しないことができる。
(転落防止設備)
第二十五条 視覚障害者が水面に転落するおそれのある場所には、さく、点状ブロックその他の視覚障害者の水面への転落を防止するための設備を設けなければならない。
(保安検査場の通路)
第二十六条 航空旅客ターミナル施設の保安検査場(航空機の客室内への銃砲刀剣類等の持込みを防止するため、旅客の身体及びその手荷物の検査を行う場所をいう。以下同じ。)において門型の金属探知機を設置して検査を行う場合は、当該保安検査場内に、車いす使用者その他の門型の金属探知機による検査を受けることのできない者が通行するための通路を別に設けなければならない。
2 前項の通路の有効幅は、九十センチメートル以上でなければならない。
3 保安検査場の通路に設けられる戸については、第四条第五項第二号ロの規定は適用しない。
(旅客搭乗橋)
第二十七条 航空旅客ターミナル施設の旅客搭乗橋(航空旅客ターミナル施設と航空機の乗降口との間に設けられる設備であって、当該乗降口に接続して旅客を航空旅客ターミナル施設から直接航空機に乗降させるためのものをいう。)は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。ただし、第二号及び第三号については、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
一 有効幅は、九十センチメートル以上であること。
二 こう配は、十二分の一以下であること。
三 手すりが設けられていること。
四 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
2 旅客搭乗橋については、第八条の規定にかかわらず、視覚障害者誘導用ブロックを敷設しないことができる。
(改札口)
第二十八条 各航空機の乗降口に通ずる改札口のうち一以上は、有効幅が八十センチメートル以上でなければならない。
(適用範囲)
第二十九条 鉄道車両の構造及び設備については、この節の定めるところによる。
(旅客用乗降口)
第三十条 旅客用乗降口は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 旅客用乗降口の床面の縁端とプラットホームの縁端との間隔は、鉄道車両の走行に支障を及ぼすおそれのない範囲において、できる限り小さいものであること。
二 旅客用乗降口の床面とプラットホームとは、できる限り平らであること。
三 旅客用乗降口のうち一列車ごとに一以上は、有効幅が八十センチメートル以上であること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
四 旅客用乗降口の床面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
五 旅客用乗降口の戸の開閉する側を音声により知らせる設備が設けられていること。
六 車内の段の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により、車内の段を容易に識別できるものであること。
(客室)
第三十一条 客室には、一列車ごとに一以上の車いすスペースを設けなければならない。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
2 通路及び客室内には、手すりを設けなければならない。
3 便所を設ける場合は、そのうち一列車ごとに一以上は、車いす使用者の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
4 前条第三号の基準に適合する旅客用乗降口と第一項の規定により設けられる車いすスペースとの間の通路のうち一以上及び当該車いすスペースと前項の基準に適合する便所との間の通路のうち一以上の有効幅は、それぞれ八十センチメートル以上でなければならない。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
5 客室には、次に停車する鉄道駅の駅名その他の当該鉄道車両の運行に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を備えなければならない。
(車体)
第三十二条 鉄道車両の連結部(常時連結している部分に限る。)には、プラットホーム上の旅客の転落を防止するための設備を設けなければならない。ただし、プラットホームの設備等により旅客が転落するおそれのない場合は、この限りでない。
2 車体の側面に、鉄道車両の行き先及び種別を見やすいように表示しなければならない。ただし、行き先又は種別が明らかな場合は、この限りでない。
(準用)
第三十三条 前節の規定は、軌道車両について準用する。
(適用範囲)
第三十四条 自動車の構造及び設備については、この節の定めるところによる。
(乗降口)
第三十五条 乗降口の踏み段は、その端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により踏み段を容易に識別できるものでなければならない。
2 乗降口のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 スロープ板その他の車いす使用者の乗降を円滑にする設備(国土交通大臣の定める基準に適合しているものに限る。)が備えられていること。
(床面)
第三十六条 国土交通大臣の定める方法により測定した床面の地上面からの高さは、六十五センチメートル以下でなければならない。
2 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものでなければならない。
(車いすスペース)
第三十七条 自動車には、次に掲げる基準に適合する車いすスペースを一以上設けなければならない。
一 車いすを固定することができる設備が備えられていること。ただし、車いす使用者が後ろ向きの状態で利用する車いすスペースであって背あてが設けられているものについては、この限りでない。
二 車いすスペースに座席を設ける場合は、当該座席は容易に折り畳むことができるものであること。
三 他の法令の規定により旅客が降車しようとするときに容易にその旨を運転者に通報するためのブザその他の装置を備えることとされている自動車である場合は、車いす使用者が利用できる位置に、当該ブザその他の装置が備えられていること。
四 前各号に掲げるもののほか、長さ、幅等について国土交通大臣の定める基準に適合するものであること。
(通路)
第三十八条 第三十五条第二項の基準に適合する乗降口と車いすスペースとの間の通路の有効幅(容易に折り畳むことができる座席が設けられている場合は、当該座席を折り畳んだときの有効幅)は、八十センチメートル以上でなければならない。
2 通路には、国土交通大臣が定める間隔で手すりを設けなければならない。
(運行情報提供設備等)
第三十九条 車内には、次に停車する停留所の名称その他の当該自動車の運行に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を備えなければならない。
2 自動車には、車外用放送設備を設けなければならない。
3 自動車の前面、左側面及び後面に、自動車の行き先を見やすいように表示しなければならない。
(基準の適用除外)
第四十条 地方運輸局長が、その構造により又はその運行の態様によりこの省令の規定により難い特別の事由があると認定した自動車については、第三十五条から前条まで(第三十五条第一項及び第三十六条第二項を除く。)に掲げる規定のうちから当該地方運輸局長が当該自動車ごとに指定したものは、適用しない。
2 前項の認定は、条件又は期限を付して行うことができる。
3 第一項の認定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を地方運輸局長に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 車名及び型式
三 車台番号
四 使用の本拠の位置
五 認定により適用を除外する規定
六 認定を必要とする理由
4 地方運輸局長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一項の認定を取り消すことができる。
一 認定の取消しを求める申請があったとき。
二 第二項の規定による条件に違反したとき。
(適用範囲)
第四十一条 船舶の構造及び設備については、この節の定めるところによる。
(乗降用設備)
第四十二条 船舶に乗降するためのタラップその他の設備を備える場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 車いす使用者が持ち上げられることなく乗降できる構造のものであること。
二 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
三 手すりが設けられていること。
四 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
(出入口)
第四十三条 旅客が乗降するための出入口(舷門又は甲板室の出入口をいう。)のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 スロープ板その他の車いす使用者が円滑に通過できるための設備が備えられていること。
2 車両区域の出入口のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 スロープ板その他の車いす使用者が円滑に通過できるための設備が備えられていること。
三 高齢者、身体障害者等が車両から乗降するための場所であって、次に掲げる基準に適合するもの(以下「乗降場所」という。)が設けられていること。
イ 有効幅は、三百五十センチメートル以上であること。
ロ 車両区域の出入口に隣接して設けられていること。ただし、乗降場所と車両区域の出入口との間に有効幅が八十センチメートル以上である通路を一以上設ける場合は、この限りでない。
ハ 乗降場所であることを示す表示が設けられていること。
(客席)
第四十四条 航行予定時間が八時間未満の船舶の客席のうち旅客定員二十五人ごとに一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 いす席、座席又は寝台であること。
二 高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
三 手すりが設けられていること。
四 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
2 航行予定時間が八時間以上の船舶の客席のうち旅客定員二十五人ごとに一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 いす席、座席又は寝台であること。
二 いす席が設けられる場合は、その収容数二十五人ごとに一以上は、前項第二号から第四号までに掲げる基準に適合するものであること。
三 座席又は寝台が設けられる場合は、その収容数二十五人ごとに一以上は、前項第二号から第四号までに掲げる基準に適合するものであること。
(車いすスペース)
第四十五条 旅客定員百人ごとに一以上の車いすスペースを車いす使用者が円滑に利用できる場所に設けなければならない。ただし、航行予定時間が八時間以上であり、かつ、客席として座席又は寝台のみが設けられている船舶については、この限りでない。
2 前項の規定により設けられた車いすスペース(以下単に「車いすスペース」という。)には、車いすを固定することができる設備を設けなければならない。
(通路)
第四十六条 第四十三条第一項の基準に適合する出入口及び同条第二項の基準に適合する車両区域の出入口と第四十四条第一項又は第二項の基準に適合する客席(以下「基準適合客席」という。)及び車いすスペースとの間の通路のうちそれぞれ一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 手すりが設けられていること。
三 手すりの端部の付近には、通路の通ずる場所を示す点字をはり付けること。
四 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
五 スロープ板その他の車いす使用者が円滑に通過できるための設備が備えられていること。
六 通路の末端の付近の広さは、車いすの転回に支障のないものであること。
2 前項の規定は、基準適合客席及び車いすスペースと船内旅客用設備(便所(第四十九条第三項の規定により準用される第十二条第二項の基準に適合する便所に限る。)、第五十条の基準に適合する食堂、一以上の売店(もっぱら人手により物品の販売を行うための設備に限る。)及び総トン数二十トン以上の船舶の遊歩甲板(通常の航行時において旅客が使用する暴露甲板(通路と兼用のものは除く。)であって、基準適合客席と同一の甲板上にあるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)との間の通路のうちそれぞれ一以上について準用する。この場合において、前項第一号中「八十センチメートル」とあるのは「百二十センチメートル」と、同項第六号中「支障のないものであること」とあるのは「支障のないものであり、かつ、五十メートル以内ごとに車いすが転回し及び車いす使用者同士がすれ違うことができる広さの場所が設けられていること」と読み替えるものとする。
3 前二項の通路に戸(暴露されたものを除く。)を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
一 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
(階段)
第四十七条 第七条(同条第一号ただし書及び第三号ただし書を除く。)の規定は、前条第一項及び第二項の通路に設置される階段について準用する。この場合において、第七条第一号中「手すりが両側に」とあるのは、「手すりが」と読み替えるものとする。
(昇降機)
第四十八条 第四十三条第一項の基準に適合する出入口及び同条第二項の基準に適合する車両区域の出入口と基準適合客席又は車いすスペースが別甲板にある場合には、第四十六条第一項の基準に適合する通路に、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等の円滑な利用に適した構造のものを一以上設けなければならない。
2 前項の規定により設けられるエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 かごの広さは、車いす使用者が乗り込むのに十分なものであること。
二 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
3 第四条第七項第一号、第五号、第七号及び第十一号の規定は、第一項の規定により設けられるエレベーターについて準用する。この場合において、同号中「有効幅は百五十センチメートル以上」とあるのは「有効幅は百四十センチメートル以上」と、「有効奥行きは百五十センチメートル以上」とあるのは「有効奥行きは百三十五センチメートル以上」と読み替えるものとする。
4 第一項の規定により設けられるエスカレーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 エスカレーターが一のみ設けられる場合にあっては、昇降切換装置が設けられていること。
二 勤務する者を呼び出すための装置が設けられていること。
5 第四条第八項(同項第一号及び第六号を除く。)の規定は、第一項の規定により設けられるエスカレーターについて準用する。
6 基準適合客席又は車いすスペースと船内旅客用設備が別甲板にある場合には、第四十六条第二項の基準に適合する通路にエレベーターを一以上設けなければならない。
7 第四条第七項(同項第四号を除く。)及び第二項第二号の規定は、前項の規定により設けられるエレベーターについて準用する。
(便所)
第四十九条 便所を設ける場合は、腰掛便座及び手すりが設けられた便房を一以上設けなければならない。
2 第十二条第一項の規定は、船舶に便所を設ける場合について準用する。
3 第十二条第二項、第十三条(同条第一項第一号及び第三号ただし書並びに第二項第三号を除く。)及び第十四条の規定は、他の法令の規定により便所を設けることとされている船舶の便所について準用する。この場合において、第十三条第二項第四号中「水洗器具」とあるのは「手を洗うための水洗器具」と、第十四条中「前条第一項第一号から第三号まで」とあるのは「前条第一項第二号、第三号(ただし書を除く。)」と、「同条第二項第二号から第四号まで」とあるのは「同条第二項第二号及び第四号」と読み替えるものとする。
(食堂)
第五十条 もっぱら旅客の食事の用に供する食堂を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 出入口には段がないこと。
三 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
四 食堂には、いすの収容数百人ごとに一以上の割合で、車いす使用者の円滑な利用に適した構造を有するテーブルを配置すること。
(遊歩甲板)
第五十一条 総トン数二十トン以上の船舶の遊歩甲板は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
二 段を設ける場合は、スロープ板その他の車いす使用者が円滑に通過できるための設備が備えられていること。
三 戸(遊歩甲板の出入口の戸を除く。)を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
ロ 自動的に開閉する構造又は車いす使用者その他の高齢者、身体障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
四 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
五 手すりが設けられていること。
(点状ブロック)
第五十二条 階段及びエスカレーターの上端及び下端並びにエレベーターの操作盤に近接する通路には、点状ブロックを敷設しなければならない。
(運航情報提供設備)
第五十三条 目的港の港名その他の当該船舶の運航に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を備えなければならない。
(基準適合客席、車いすスペース、昇降機、船内旅客用設備及び非常口の配置の案内)
第五十四条 基準適合客席、車いすスペース、昇降機、船内旅客用設備及び非常口の配置を表示した案内板その他の設備を設けなければならない。
2 基準適合客席、車いすスペース、昇降機、船内旅客用設備及び非常口の配置を音、点字その他の方法により視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。
(基準の適用除外)
第五十五条 総トン数五トン未満の船舶については、この省令の規定によらないことができる。
2 地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下この条において同じ。)が、その構造又は航行の態様によりこの省令の規定により難い特別の事由があると認定した船舶については、第四十二条から前条までに掲げる規定のうちから当該地方運輸局長が当該船舶ごとに指定したものは、適用しない。
3 第四十条第二項から第四項まで(同条第三項第二号を除く。)の規定は、前項の認定について準用する。この場合において、同条第三項第三号中「車台番号」とあるのは「船名及び船舶番号又は船舶検査済票の番号」と、同項第四号中「使用の本拠の位置」とあるのは「就航航路」と読み替えるものとする。
4 前項の規定により準用される第四十条第三項の申請書は、運輸支局長又は海事事務所長を経由して提出することができる。
(適用範囲)
第五十六条 航空機の構造及び設備については、この節の定めるところによる。
(通路)
第五十七条 客席数が六十以上の航空機の通路は、第五十九条の規定により備え付けられる車いすを使用する者が円滑に通行することができる構造でなければならない。
(可動式のひじ掛け)
第五十八条 客席数が三十以上の航空機には、通路に面する客席(構造上の理由によりひじ掛けを可動式とできないものを除く。)の半数以上について、通路側に可動式のひじ掛けを設けなければならない。
(車いすの備付け)
第五十九条 客席数が六十以上の航空機には、当該航空機内において利用できる車いすを備えなければならない。
(運航情報提供設備)
第六十条 客席数が三十以上の航空機には、当該航空機の運航に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を備えなければならない。
(便所)
第六十一条 通路が二以上の航空機には、車いす使用者の円滑な利用に適した構造を有する便所を一以上設けなければならない。
(施行期日)
第一条 この省令は、法の施行の日(平成十二年十一月十五日)から施行する。ただし、第三章(第三節を除く。)の規定は、法附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日(平成十四年五月十五日)から施行する。
(経過措置)
第二条 第三章(第三節を除く。)の規定の施行前に製造された鉄道車両であって、公共交通事業者等が当該規定の施行後に新たにその事業の用に供するもののうち、地方運輸局長が認定したものについては、この省令の規定のうちから当該地方運輸局長が当該鉄道車両ごとに指定したものは、適用しない。
2 前項の認定は、条件又は期限を付して行うことができる。
3 第一項の認定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を地方運輸局長に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 車種及び記号番号
三 車両番号
四 使用区間
五 製造年月日
六 認定により適用を除外する規定
七 認定を必要とする理由
4 地方運輸局長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一項の認定を取り消すことができる。
一 認定の取消しを求める申請があったとき。
二 第二項の規定による条件に違反したとき。
5 第一項から前項までの規定は、第三章(第三節を除く。)の規定の施行前に製造された軌道車両であって、公共交通事業者等が当該規定の施行後に新たにその事業の用に供するものについて準用する。この場合において、第一項、第三項及び前項中「地方運輸局長」とあるのは、「国土交通大臣」と読み替えるものとする。
6 第一項から第四項までの規定は、この省令の施行前に道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第五十八条第一項に規定する自動車検査証の交付を受けた自動車及び次条の規定によりこの省令の規定を適用しないこととされた自動車であって、公共交通事業者等がこの省令の施行後に新たにその事業の用に供するものについて準用する。この場合において、第三項第二号中「車種及び記号番号」とあるのは「車名及び型式」と、同項第三号中「車両番号」とあるのは「車台番号」と、同項第四号中「使用区間」とあるのは「使用の本拠の位置」と、同項第五号中「製造年月日」とあるのは「自動車検査証の交付を受けた年月日」と読み替えるものとする。
7 第一項から第四項まで(第三項第二号を除く。)の規定は、第三章(第三節を除く。)の規定の施行前に船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第九条第一項に規定する船舶検査証書の交付を受けた船舶であって、公共交通事業者等が第三章(第三節を除く。)の規定の施行後に新たにその事業の用に供するものについて準用する。この場合において、第一項及び第三項各号列記以外の部分中「地方運輸局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と、同項第三号中「車両番号」とあるのは「船名及び船舶番号又は船舶検査済票の番号」と、同項第四号中「使用区間」とあるのは「就航航路」と、同項第五号中「製造年月日」とあるのは「船舶検査証書の交付を受けた年月日」と、第四項中「地方運輸局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と読み替えるものとする。
8 前項の規定により準用される第三項の申請書は、運輸支局長又は海事事務所長を経由して提出することができる。
9 第一項から第四項まで(第三項第四号を除く。)の規定は、第三章(第三節を除く。)の規定の施行前に航空法第十条第一項に規定する耐空証明又は国際民間航空条約の締約国たる外国による耐空証明を受けた航空機その他これに準ずるものとして国土交通大臣が認める航空機であって、公共交通事業者等が第三章(第三節を除く。)の規定の施行後に新たにその事業の用に供するものについて準用する。この場合において、第一項及び第三項各号列記以外の部分中「地方運輸局長」とあるのは「国土交通大臣」と、同項第二号中「車種及び記号番号」とあるのは「種類及び型式」と、同項第三号中「車両番号」とあるのは「国籍記号及び登録記号」と、同項第五号中「製造年月日」とあるのは「耐空証明を受けた年月日(これに準ずるものとして国土交通大臣が認める航空機にあっては、その準ずる事由及び当該準ずる事由が生じた年月日)」と、第四項中「地方運輸局長」とあるのは「国土交通大臣」と読み替えるものとする。
第三条 この省令の公布前に公共交通事業者等が購入する契約を締結した自動車であって、平成十三年三月三十一日までに当該公共交通事業者等が新たにその事業の用に供するものについては、この省令の規定は適用しない。
この省令は、平成十三年一月六日から施行する。
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十四年七月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式又は書式による申請書、証明書その他の文書は、この省令による改正後のそれぞれの様式又は書式にかかわらず、当分の間、なおこれを使用することができる。
この省令は、公布の日から施行する。
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