鉄道模型ヒント集/車両検修(1)
NにしろHOにしろ、鉄道模型は機械ですから、実車同様「検修」は必要です。検修とは鉄道車両の検査・修繕の事ですが、当然コツがあります。
一番多い「走らない」=「故障」は、軌道汚れ・車輪汚れによる集電不良です。軌道から直接電気をもらって走る鉄道模型の場合、このレールと車輪が汚れて電気が取れない事は、当然走れない事になります。
レールの整備については「軌道保線」編で解説するとして、ここでは車輪汚れの解決方法について解説します。
1・原因はレールとその周囲のホコリ
車輪汚れは動力車と照明装置車に多く発生します。特に常に列車の先頭を行く新型電気機関車などは汚れ易いと言われております。
この原因はレール踏面の汚れと周囲のホコリが巻き込まれる事にある様です。酷いものだとトラクションタイヤ(動力車車輪のゴム輪)なのか汚れなのか判らなくなる程です。この除去には車輪削整が一番効果的ですが、原則として動力台車の取り外しや解体が必要なので、慎重に行う必要があります。
2・車輪自体を磨くのが一番
Nの場合、カトー製やトミー製の比較的新しいものは台車を右か左へ寄せて軽く斜に押せば外れる構造になっていますが、カトー製電気機関車でフライホイールのものや、HOではこうは簡単ではありません。
一番良いのは車輪自体を外して(又は台車を外してギヤブロック部分だけ外すと車輪が自由に動く様になります)磨くのが一番です。
3・ゴムシートと紙やすり
この車輪削整にはゴムシートと1000番以上の目の細かい紙やすり又は耐水ペーパーが最適です。紙やすりは幅を2センチ程に切って先を2ミリ程折り、フランジと車輪の間を磨く感覚で・・・でも力を入れてはダメ!軽く「当てる」感覚で磨きます。
紙やすりは直ぐに汚れますから、どんどん折って使います。
台車に車輪が付いているものは、必ずギヤブロックを外しましょう。こうしませんとプラのギヤが削れて使用不能となります!
4・車両ごと裏返しての削整は高度な技術が必要
車両を裏返して、コードなどで反対の台車に配線し、車輪を走らせた状態で汚れを取る方法は一見手軽ですが、実はかなり高度な技術が必要です。
配線した方の車輪に負荷が掛かり、ギヤを磨耗してしまったり、力を居れ過ぎて磨いている台車のギヤを欠損させたり、但し一部HOの台車一体型動力ではこの方法しか無いのですが、とにかく力を掛けないのがコツ・・・でも台車や動力の構造をちゃんと押さえて作業する為にも、最初は「解体・車輪磨き」から始める方が良いでしよう。
5・注油は厳禁
特にNの場合、部品の多くはプラです。専用の・・・と言われて発売されていても油を差すのは絶対厳禁で、油によってはプラ部品を溶かしてしまいますから、走るどころか使用不能になります!
HOの場合も最近はプラ部品、プラギヤが増えていますから、注油は厳禁です。
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