平成17年度事業・会計報告 (自平成17年4月1日−至平成18年3月31日)
1・事業の成果
^レールフェステ(交通公園活性化支援事業=交通文化部)
本年度は東京都足立区北鹿浜公園で16日間、また初めて千葉県流山市杜のアトリエ黎明で技術講習を兼ねての連続14日間の開催とし、足立会場では共催のスタイルとして展開、前年度が24271人の来場を記録したのに対して14109人に留まり、流山会場では25人の来場を記録した。
当該事業は、交通公園を地域の「テーマパーク」として、家族や地域住民とのコミュニティーステージに変革させる事を目標として特定非営利活動法人認証以前から展開しているが、Nゲージ(縮尺150分の1・軌間9ミリ)鉄道模型とHOゲージ(縮尺80分の1・軌間16.5ミリ)鉄道模型の展示や国土交通省広報ビデオ等ビデオ機器、鉄道模型の無料点検サービスを行うものだが、本年度は施設の受託業者都合(双方共にシルバー人材センター)による閉館時刻の厳正による早期撤去が現場サイドで要求されて実質開催時間が短縮された影響が大きく、一方の流山は新鉄道開業関連企画として流山市から提案があったものの、「市外NPO」への優遇措置的施策が馴染まない事からの「自主開催転換」を余儀無くされ、広報協力すら得られなかった。
足立は定例化してリピーター来訪者が定着している一方で、企画の陳腐化が表面化して来たと分析している。
並行して、HOゲージ鉄道模型は見学者に操縦を体験させるシステムとし、3234人が利用し、この部分では前年度より増加した。
尚、足立会場に関しては中学生から社会人の延べ46名が足立区と松戸市在住のボランティアが専任として任り、派遣幹部を含めて85名が運営、1開催日平均5.3名のスタッフ数で1名当り165.9人の来場者と接客した事になる。また無料点検は0件に止まった。また、流山会場は延べ44名の要員(うちボランティア22名)が運営し、1開催日平均3.1名・1名当たり0.56人の来場者と接客したものとなり、全体では開催30日間/要員延べ129名(うちボランティア129名・2.26名/日)/総来訪者数14134人(471.1人/日)/207.85要員/人となった。
_交通公園再生プログラム事業(交通公園活性化事業=社会部)
上記レールフェステと分離して交通公園が地域に於けるコミュニケーション創造の場となるべく研究を行うものとして延べ3日間・要員6名で東京都足立区北鹿浜公園他1件及び周辺の実地を調査する一方、全国の交通公園等実況を調査した。結果として具体的事業成果となるものは無かったが、昨年度までに蓄積した公園等保存展示の蒸気機関車を中核とした「市民参加型ボランティア事業」を併せて交通公園と交通文化財保存の共生を図る方向で、来年度事業に反映させるものとし、交通公園再生プログラムから交通文化財保存活用事業として再編するものとした。
`ふるさと鉄道再生支援プログラム(地域鉄道存続・利用推進支援事業=交通文化部)
2004年秋以降急浮上した各地の地域交通鉄道の廃止及び経営危機に鑑み、利用促進を主眼として、ホームページでの情報発信・団体専用臨時列車企画運行・沿線観光素材の効果向上や旅客誘致を具体的方策とした多面的事業で、本年度は茨城県鹿島鉄道に関して下記幕末機動警察隊・新選組事業との関連で1件3列車・当該事業として1件2列車の運行支援(輸送警戒派遣)を行った。
2005年8月6日実施の玉造町新選組サミット関連「あけっぱなし号」運行では要員6名で、当該列車旅客228人(延べ)/駅等整理人数168人を記録し、実際添乗距離は当該路線27.2km.に対して70.2km・延べ添乗距離280.8kmで、要員1名当たり旅客28.5人を御案内した。この派遣では資金等助成寄付は無かったが、4人分運賃を玉造町観光協会が拠出支援した。
2006年1月4日実施の「新選組水戸派号」運行では要員3名で、当該列車旅客106人(2列車延べ)/駅等整理人数48人/実際添乗距離54.4km/延べ添乗距離163.2kmで、要員1名当たり旅客35.3人を御案内した。この派遣では資金等助成寄付は無かったが、3人分運賃を列車主催者(歴史企画研究)と鹿島鉄道が拠出支援した。
列車輸送支援全体では実際添乗距離124.6km/延べ添乗距離444km/派遣要員数9名を記録した。
一方で、当初事業計画に盛り込んだわたらせ渓谷鐵道・会津鉄道・いすみ鉄道等の現地調査は予算的・時間的都合から実施に至らず、プログラム総体の再構築を行い「必要とされる場に必要な時に即応出来る体制」への改善・転換を図るものとした。
a社会教育事業
本年度は他事業繁多となり、当該事業は実施に至らなかった。
bNPO・市民団体交流列車企画
企画立案の段階で、東日本旅客鉄道との折衝を試みたが、同社の体質的レベルでの「特定非営利活動法人に対する不信感と拒否反応」が酷く、また窓口となるべき旅行センターの組織分離化の加速によると見られる団体専用臨時列車に関する無認識による対応がなされ、当該事業の成立の目処が立たなくなった事から当該事業は廃止した。
c幕末機動警察隊・新選組(特定地域観光活性化支援事業=鉄道輸送警備隊)
2004年度からの継続事業として大河ドラマ放送に合わせて実験的に取り組んだ「新選組」観光支援は、現場に要員を派出して観光案内や催事応援を行う「実動」部分と、弊連盟のホームページを基盤として新選組由縁地の紹介やアンケート等の実施により「歴史文化の観光資源化」の調査研究を行う「ホームページ」部分に区分し、「実動」部分は千葉県流山市流山の「大久保大和守本陣跡」(=近藤勇陣屋跡)での観光案内カウンターの仮設運営・観光案内と総武流山電鉄流山駅頭の史跡案内を展開する一方、流山の観光来訪促進と新選組由縁地広報を兼ねて、レールフェステ足立会場開催時に東京都足立区北鹿浜公園で資料配布と観光案内を行い、東京都日野市で開催された日野新選組まつり(5月開催)並びに全国新選組サミット玉造町(8月開催)ではパレード行列警護・案内の要員支援を行った。
流山での展開では、地元商店街(流山商工会第二支部有志)と協働で「本陣の盛り上げ」を行うものとなり、7月の地元祭礼や花火大会・「こどもまつり」、また凧上げ大会(1月開催)節分(2月開催)等で商店街に「溶け込む」形で相互支援体制が構築され、催事展開で大きな成果を得る事が出来た。
また松戸市内在住の学生ボランティアは更に拡大し登録25名・実動24名が、「新選組隊士」の衣装で御来訪者の御案内を行い、資料配布及び上記各種催事に流山市は基より東京都日野市・足立区、茨城県玉造町へ派遣され好評を得た。
一方で、隣接するとは言え「他所者」として流山市内の一部新選組研究・同好組織や市役所一部課等からは協力拒否に止まらず、誤認を意図とした情報の流布や商工会への資材貸与停止の働きかけ等妨害的行為は更に悪化して続いており、影響を受けて当初配布を予定していた流山市観光マップは引き続き入手出来ず、自主制作マップは10000部を作成したが、流山市商工会第二支部より受託した10月開催流山新選組まつりでのイベント音響制作費と臨時売店での書籍等販売手数料等を除く寄付金・義援金が得られない状況でマップ増刷が出来ないまま秋以降は御案内のみを行うものとしている。
当該支障事案に関しては特定非営利活動法人は多岐多様である事は前提としても、結句として「国民総体への福祉」が目的であるべきであり、市町村の単位で特定非営利活動法人を束縛し分類し排除する姿勢は、特定非営利活動推進法の精神に照らしても明らかに錯誤していると言わざるを得ないが、社会福祉活動をするものでも無く、また強力な政治家や政党を後ろ盾としていない弊連盟に反論反抗の意思表示をする機会も無く、NPO立県と詠う本県施策や、特定非営利活動法人の存在意義そのものへ強く疑問や不信の声も組織内部から起った事も事実である。
他方昨年以来、接点の無い松戸市の中学生と流山市の商店街・老人会が家族同然の溶け込み的深いコミュニケーションで結ばれ、夏以降各催事で無事故成功を納められて年度末までに26名の社会人を含む「ボランティア人口と活動機会の創出」を実現した事が最大の事業成果である。
但し、来訪者数は最大の誘因だった大河ドラマが終わった事で激減し、前年度30123人に対して5040人でしかなく、5月までに2006年正月ドラマでの「新選組続編」放送の署名(日野新選組同好会主催)に協力した一方で、ホームページでの波状的告知等を展開し、御案内を1月中旬まで延長したが反映はされなかった。
尚、実施日数は64日間(流山派遣部分のみ)で、ボランティア活動人口は延べ413名<うちボランティア=特定準会員264名を含む>、御利用人数は5040名となり、玉造町・日野市派遣等を含めた総派遣日数は66日で、総派遣人数427名(ボランティア271名含む)となった。
1月1日から12月31日までの本陣来訪客推測値は14000名、これにイベント等の来訪者を加えて約15000名が来訪したと見られる。(交通文化連盟鉄道輸送警備隊算定)
本年度は連動しての主催事業は中止となった。
但し、昨年度の新選組まつりに際して提供したコンテンツ(舞踊)が好評であり、本年度は本事業から分離して地域広報・催事支援を専門としたプログラムチームを試験的に設置(幕末機動少女隊)し、10月16日の催事に2ステージを提供した。
別途、衣装については当初は法被2枚でスタートしたが、後に袴・着物や竹刀・模造刀・傘等小物が千葉・岡山県在住の一般市民から寄贈され、買い揃えたものと合わせて10人分程度まで常備出来る様になった。
衣装については流山市マーケティング課・商工会の協力で本染羽織の無償貸与を受けている。
一方、ホームページ部分では、大阪から小樽に至る全国の新選組由縁地の紹介をしている。但し、カウンター等設置は個別にはしていないので閲覧者の数値は抽出は出来なかった。
d幕末機動少女隊(業務局)
上記幕末機動警察隊・新選組事業から分離し、商店街や過疎地域等の活性化及び広報・催事支援を主眼とした専門チームを8月より試験的に発足させ、現在登録している学生ボランティアより選抜して独自作詞・作曲の歌唱から着手、10月16日開催のながれやま新選組まつりで試験的公演を実施し好評を得た。
年度末までに提供・制作された曲は8曲で、全部が弊連盟の著作権或は使用権のものとなっており、今後歌と並行して小演劇や御案内等各種催事での利用を目指して新要員確保と教育・指導を強化するものとした。
eホームページ運営(事務局)
ホームページの閲覧は本年度は27057件(累計40127件)で昨年度対比増となった。リンク集や交通情報の充実を拡充する一方、交通運転・気象に関する情報では国内旅行喚起促進と旅行者保安度向上の視点から迅速な情報発信へ努めた事から、NPOページとしては異例の520件/日閲覧も記録している。
2・事業の実施に関する事項
本年度は収益事業を行わなかった。
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