トレインタイムス・バックナンバー(3)201〜号モバイル版トレインタイムス
第300号(平成21年07月28日号)
レールフェステ松戸会場開催
平成21(2009)年07月26日(日曜日)、千葉県松戸市の東日本旅客鉄道松戸駅西口ペデストリアンデッキ上に於いて特定非営利活動法人交通文化連盟が鉄道模型展示などのミニイベントを開催した。
これは特定非営利活動法人交通文化連盟の母体となった日本トレインクラブが昭和54(1979)年10月01日に創立されて30周年となる企画の一環としても行われた。
「レールフェステ2009松戸会場」と題しNゲージ(縮尺150分の1・軌間9ミリ)鉄道模型仮設レイアウトや通常は流山で展開している「北総新選組」による案内などを行い、並行して署名なども行った。
当日は晴天に恵まれ、現場では気温44度まで観測され、暑すぎてなのか来訪者はおろかデッキを通る歩行者も少なく、それでも親子連れなど二百名程が訪れた。
第299号(平成21年07月23日号)
レールフェステ松戸会場が急遽開催決定
平成21(2009)年07月26日(日曜日)、千葉県松戸市の東日本旅客鉄道松戸駅西口ペデストリアンデッキ上に於いて開催される「なごみステージ」の一環として、急遽特定非営利活動法人交通文化連盟が鉄道模型展示などのミニイベントを派出する事が決定した。
これは特定非営利活動法人交通文化連盟の母体となった日本トレインクラブが昭和54(1979)年10月01日に創立されて30周年となる企画の一環としても行われるもの。
「レールフェステ2009松戸会場」と題したこの派出にはNゲージ(縮尺150分の1・軌間9ミリ)鉄道模型仮設レイアウトの他、通常は流山で展開している「北総新選組」による案内なども行う他、無料の鉄道模型点検コーナーも開設される。
時間は当日11時30分〜17時30分(新選組案内は11時00分〜18時00分)で、詳細はイベント案内ページで確認されたい。
第298号(平成21年07月14日号)
交通文化連盟が蒸気機関車列車包括支援チームを設置
平成21(2009)年07月13日(月曜日)、特定非営利活動法人交通文化連盟吉野理事長が文化局内に蒸気機関車列車包括支援チームを設置し、今後全国のSL企画に魅力的な旅客サービスを提供する仕組を作りたいと発表した。
詳細は臨時総会を召集して9月を目処として設置するとしているが、今月に入り東日本旅客鉄道が復活第三号蒸気機関車をC6120機(現在は群馬県伊勢崎市に保存中)と決定した事を受けて、昨年から進めていたC623機復活の可能性が今次は断たれた為に、その方向性を転換したものと見られる。
一方でこのチームは鉄道輸送警備隊専従として展開したいとして一部総隊幕僚が調整に入っており、今まで独自企画・独自運営にこだわった交通文化連盟が外部との協働へ基本方針を転換する切っ掛けとなりそう。
また創立30周年の今年、記念行事等の予定について一切触れられていない事に対し同理事長は、
「年度後半については現在調整中だが、昨年度から事業や体勢についての抜本的見直しをしている最中なので何とも言えない」
として明言を避けた。
第297号(平成21年06月11日号)
東日本旅客鉄道第三の蒸気機関車C6120機か?
平成21(2009)年06月10日(水曜日)毎日新聞が報じたところによると、現在東日本旅客鉄道で検討されている新規営業用蒸気機関車に、群馬県伊勢崎市華蔵寺公園で静態保存中のC6120機が選定され、近く大宮工場に搬送され復元調査が行われるとなっている。
同機は昭和24年07月31日に三菱重工三原工場でD511094機のボイラーを使って「改造」し、青森・仙台・宮崎機関区と転じているが、昭和24年から46年までは東北・奥羽本線で活躍していた事から、「東北方面専用機」の意味合を抱えた「第三の蒸機」には適格とされた様だ。
近く現地からトレーラーで搬出されるとも記載されている。
一方で一切「決定」とされていない事も注目され、自動給炭器を装備したC623機や、関東周辺のD51型式の調査なども水面下で行われていることから、06月23日に予定されている同社の株主総会前後でそれらが明確化するのでは無いかとの見方もある。
第三の蒸機に関しては修復工事費約二億五千万円に初年度運行費五千万円が計上され、平成11年春には大宮工場で「落成」するスケジュールとして既に公表されている。
また現在修繕工事が行われているD51498機もほぼ同時期に復帰されると見られており、東北新幹線新青森延伸に関わるイベントで「両機」の驀進が見られそうだ。
第296号(平成21年05月25日号)
交通文化連盟、流鉄「新選組調塗装」署名の具現化活動を本格化
平成21(2009)年04月29日(水曜日)に流鉄2000系B第一編成「明星」が引退し、本年末から代替の編成(西武新101系列2両編成)が導入される事になっているが、これを沿線に由縁地のある「新選組調塗装」にすべく特定非営利活動法人交通文化連盟では署名活動を行っている。
この具現化に伴う包括的な「観光誘致戦略」の基本案がまとまり、文化局(吉野理事長管轄)が5月19日より本格的に活動を開始した。
単なる塗装変更では沿線史跡にまで観光来訪者を誘致させる「人の流れを変える」までは至らない事から、今回は署名活動の中で利用客や地域住民の声も吸い上げて、それを「基本戦略」に盛り込む方針としていたものだが、方向性が或程度まとまった事から、「遅い立ち上がり」となったものだ。
一方で深刻な人手不足の同連盟では街頭での署名など未だに実施出来ずにおり、タイムリミットが迫る中で目標に達するかが懸念されている。
第295号(平成21年04月22日号)
交通文化連盟北総新選組、「明星」引退セレモニーを実施
平成21(2009)年04月29日(水曜日)に流鉄2000系B第一編成「明星」が引退する事なっているが、これに際して普段より新選組本陣跡(現・株式会社秋元)や駅前で観光案内ボランティアを展開する「北総新選組」(特定非営利活動法人交通文化連盟社会局・鉄道輸送警備隊第三業務隊)の「新選組隊士」が花束贈呈をするなどのセレモニーを行う事が04月22日に決定された。
予定では流山14時12分着第60電車の折り返し間合で行われ、14時24分発第59電車(流山発ラスト)を見送る予定だ。
駅に入場する際には入場券が必要だが、事故防止の為に同じ鉄道輸送警備隊警戒班も出るものとなっている。
第294号(平成21年04月02日号)
流鉄代替車は「西武101系改」
平成21(2009)年03月30日(月曜日)、流鉄株式会社(本社千葉県流山市)は、04月29日で引退する2000系B編成「明星」の代替として、西武鉄道101系改を2両編成に改造して投入する事を発表した。
現在、同社流山線(常磐線馬橋駅〜流山駅間5.6キロ/軌間1067ミリ/直流電化単線)には、旧西武701系・801系を改造した「2000系」(A編成=2両固定編成、「青空」「なの花」及びB編成=3両固定編成「明星」)と、同じく旧西武101系を改造した「3000系」(3両固定編成「流星」「若葉」)の5本13両が在籍稼働中だが、今月にはこのうち1本3両が引退し、検査予備編成が皆無となる。
この度投入が決定された「101改」は、大部分は従来101系と同じながらも体質改善が為されており、山岳路線の「秩父線」を含めて西武全線で活躍した車両である。
流鉄は編成毎に塗装を変えて各々愛称を付け、ヘッドサインを掲出しているが、この年末に投入する編成は青を基調とするものと公表されているが、近年中には現在2両固定編成として稼働中の「2000系」を全てこの「101改」編成に交替させるのでは無いかと推測されている。
交通文化連盟、「明星」引退に連動したレールフェステを開催
平成21(2009)年04月29日(水曜日)に流鉄2000系B第一編成「明星」が引退する事から、これに便乗したイベントを企画していた特定非営利活動法人交通文化連盟は04月02日、この日に流山駅付近で各種催事を実施する事を決定、公表した。
平成16(2004)年03月より流山駅付近新選組本陣跡(現・株式会社秋元)で観光案内ボランティアを実施している同連盟社会局地域部「北総新選組」が、当日流山駅頭での旅客案内と共に新選組本陣跡案内カウンターでの特設売店の実施を行う他、同連盟文化局文化事業部が通常は東京都足立区北鹿浜公園で実施している小規模催事「レールフェステ」の鉄道模型資材を新選組本陣跡に隣接する史跡「閻魔堂」に搬入し、展示運転をすると言うもの。
この他、最終便での花束贈呈や閻魔堂での湯茶サービスも検討中である。
これらのイベントは雨天でも実施され、時間は10時から16時としている。(レールフェステは11時から17時まで。)
売店での購買を除き、利用や見学は一切無料だが、同連盟では「類似名称の任意団体を称する業者等が図書や物品の販売を意図とした活動をしているので、それらに混同され無い様に注意して頂きたい。また案内と称して誤認した解説を行い、費用を要求する事もあるので、駅や新選組本陣跡では交通文化連盟のネームか浅葱色の羽織を着たスタッフに詳細を尋ねて欲しい。」(鉄道輸送警備隊総隊)としている。
第293号(平成21年03月30日号)
「SL人吉」試運転始まる
平成21(2009)年03月23日(月曜日)、九州旅客鉄道管内肥薩線熊本〜人吉間で蒸気機関車58654機による「SL人吉」号の本格的な試運転が始まった。
03月04日から単機試運転を続けていたものだが、04月25日(土曜日)からの営業運転開始に向けて「仕上げ」に入った。
通常、路線試運転や機関車の習熟運転は3〜6回で済まされるため、一ヶ月以上の習熟試運転は異例。
これは数年間のブランクで熟練機関士が居なくなったことで、新しい機関士を養成する意味合いと今回分割民営化以降初めてとなる「台枠新製」の検証と言う意味合いがある。
過去にはケーシング(外装)やテンダ(炭水車)まで新製した同社小倉工場は、言うなれば「日本で二つしかない蒸気機関車製造技術を持った工場」となる。
日本にはこの他、福島県福島市の協三工業株式会社が現在でも「蒸気機関車新製」が出来るのだが、協三社製機は「ブレーキの圧縮空気はディーゼル発電機によるポンプ」が標準仕様なので、完全体としての蒸気機関車新製は小倉工場のみとなる。
実は北海道旅客鉄道苗穂工場・東日本旅客鉄道郡山工場と大宮工場でも新製の技術や設備はある程度持っている。
しかし、経験技術者が殆どここ数年で退職し、肝心の「人」が無く、また効率的な作業を行うためにも外注としたほうが「低コスト」になってしまう現実がある。
機関車自体は帳簿上、「現役最古の蒸気機関車」になるが、生まれ変わった「老将」を支える、文字通り「火の国」の「火の玉男」達の活躍に大いに期待したい。
レールフェステが来場者が10万人を突破
平成21(2009)年03月25日(日曜日)に終了した特定非営利活動法人交通文化連盟文化局管轄「レールフェステ」が、このスタイルでの開始以来10万人を突破した事が判った。
平成13(2001)年に当時の青年文化連盟が主催して足立区北鹿浜公園で開始した「交通公園活性化支援」事業としてのレールフェステは、これまでに121日間(準備日程分はこの他3日間)が開催され、うち北鹿浜公園を会場とした「足立会場」だけで97日間、派遣した要員はボランティア含めて526名(うち足立会場分は430名)、総来場者は101563人(足立会場100881人)となった。
当初は年間一万人を目標としていたものだが、平成20年度だけでも開催13日・来場者15906人を記録した。
ただ、課題も多く日本トレインクラブ・北海道鉄道研究会時代から引き継いだ資材が主となっている現状では、故障や老朽化が目立ち、毎年少しづつ行われていた部材の更新や改善も追い付かない状態だ。
また、ボランティアスタッフの絶対的不足も開催日を増やせない原因の一つで、新年度には新しい会場を開拓してより多くのボランティアを確保しなければ、メインステージの北鹿浜公園での開催も危うい。
連盟執行部では専任の企画チームを編成し、「次の十万人」を目指す構えだ。
第292号(平成21年03月27日号)
新東京国際空港で貨物機が横転墜落し炎上、乗員2名死亡・開港以来初の死亡事故
平成21(2009)年03月23日06時48分頃、新東京国際空港株式会社管轄新東京国際空港A滑走路で、南東から着陸進入中の中国・広州03時18分発第FX80便(旧マグダネルダグラス社式MD11F型N526FE/米国フィデラルエクスプレス社保有・運行/乗員2名/貨物専用)がバランスを失い進行左側に回転する様に地上に激突し炎上しながら横転、墜落したと報道各社が一斉に報じた。
この事故で米国人機長(54歳)と米国人副操縦士(49歳)2名が救助されたが搬送先の成田赤十字病院で死亡が確認された。
死因は全身火傷と見られている。
火災は午前09時には鎮火させたものの、滑走路上には残骸が広範囲に散らばり、やくば運輸安全委員会の調査もありA滑走路(4000メートル)は26時間21分も閉鎖となり、翌日24日09時10分に再開としたものの、計121便が欠航し、国際便の発着が大きく乱れた。
この日、関東には通過中の低気圧による強風が吹き荒れ、空港周辺ではウインドシェア(急変風向性突風)も報告されていた。
新東京国際空港は昭和53(1978)年の開港以来、死亡事故ゼロを誇ってきたが、初の死亡事故が起きてしまった事はなりた株式会社のみならず、千葉県や地元にも衝撃を与えた。
(社説)
MD11型は平成03(1991)年に運用を開始した三発ジェット大型機で、米国・マグネダルダグラス社が200機を製造した。
三発ジェット機では初の「2名乗務」としたハイテク機ではあったが、当初企画より燃費が悪いことや重量が大幅に増加したことなどから売り上げを伸ばせず、同社破綻(後にボーイング社に吸収合併)の一因にもなったとも言われている。
一部の報道では「操縦の難しい機材」と伝えられているが、日本でも日本航空が10機を導入している。
しかし、当時他の航空会社ではその操縦困難と経済性からエアバス機やボーイング機へ「舵を切った」と思われる。
「乗員2人は経営者として美味しいかも知れないが、その分割高な燃費ととにかく乗りにくいと評判だから、ウチでは入れない機材だよね。」(平成5年当時、某社副操縦士談)
国内では平成16(2004)年10月に全機が引退し米国航空会社へ売却され、ここでも貨物機に改造されて使われている。
また別の乗務員は、
「成田は予測不能な風が多い。海に突き出した空港と違って、回りが丘で囲まれているから風が読みにくい。」
とも語っており(平成5年当時、某社航空機関士)、前後に離発着した便が無事故だった事も含めて考えると、乱れ吹く突風+不安定な機体と言う、全く不幸な偶然だったとも言える。
本件では報道各社が空港に据え付けたカメラが撮影していた墜落瞬間の映像が複数残っている事から、原因究明作業は進展するのだろうが、相手が風とすると痕跡も証拠も掴めない。
ただ、性急な結論よりも確かな対策をお願いしたい。
第291号(平成21年03月26日号)
東京駅で女性突き落とされ重傷
平成21(2009)年03月23日(月曜日)20時10分頃、東日本旅客鉄道管内東海道本線東京駅中央線ホーム1番線で、到着進入中の中央本線上り快速電車第1810H列車(233系電車10両/運転士・車掌及び旅客多数/青梅18時47分発当駅止まり/折返20時08分発下り通勤快速第2037T列車・高尾行予定)の到着をホーム新橋寄りで待っていた都内小平市内在住女性(60歳)を、突然背後に居た大阪府富田林市在住・太田周作容疑者(24歳)が突き飛ばし転落させた。
1810H列車運転士がそれに気付き、急制動を掛けたが女性と接触し、この被害者女性は頭部に負傷したが生命に別状は無いと報道され、自分でホームに這い上がって来たとも。
被疑者は直ぐに逃走したが駅一階コンコースで駅職員や他の旅客が追跡し、殺人未遂の現行犯で身柄を拘束された。
通報を受けた警視庁鉄道警察隊東京中隊と丸の内警察署ではこの男を逮捕した。
報道では容疑者の男は無職で、就職試験に落ちた等悲観し、この日新幹線で都内へ出て渋谷・池袋・秋葉原を徘徊し、無差別殺人をして死刑になりたかったと言っていると言う。
また別の報道では軽い知的障害があるとも伝わっている。
この事件で1810H乗員・旅客等に死傷は無かったが、中央線と青梅・五日市線のダイヤが大きく乱れた。
どんな事であろうとも、今日に置いて刑法第39条をこの様な無差別テロ殺人に適用してはならない。
生命存続の重大は、知的障害があろうが無かろうが生命で認識がなされていると類推するからである。
法治国家であるはずの日本を「放置国家」にしてはならない。
第290号(平成21年03月16日号)
2000系B1編成「明星」が引退
平成21(2009)年04月29日(水曜日)で、「明星」が引退する。
これは千葉県松戸市と流山市をまたいで運行している流鉄(元総武流山電鉄)で運行されている列車の事で、現在全部の編成の塗装を違うものとしてヘッドマークまで装着している同社編成のうち、3両固定で運行している「最古」のもの。
大正5(1916)年03月14日に馬橋〜流山間5.7キロが開業、昭和24(1949)年12月26日に直流1500Vで電化されて以来、平成6(1994)年08月02日に「2000系」(2000系A編成=「青空」)が登場するまで「釣掛式電車の王国」を貫き、平成13(2001)年05月20日に全面「カルダン式」に転換された、その同社線近代化の立役者がこの2000系だ。
先に西武鉄道801系電車を改造した「青空」(2両編成=2000系A1編成=西武801系803Fのうちクハ1803+モハ803によるクモハ2001とクハ1804+モハ804によるクモハ2002)に引き続き導入された「明星」は、西武鉄道701系745F編成のモハ745にクハ1745の運転台を取り付けたクモハ2003とし、これにモハ2101(モハ746)とクハ21(クハ1746)をセットとした3両編成となった。
平成7(1995)年12月14日から運行を開始した「明星」は、西武ラズベリーオレンジに白線と言う塗装で、公募の結果命名されたもの。
平成9(1997)年03月には「なの花」(二代目=2000A2・2両編成/元西武701系)が、同年10月には「流馬」(二代目=2000B2・3両編成/元西武801系)が相次いで登場し、一気に同社線の近代化と冷房化を完成させた。
しかし、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)の開業と労働環境の変化による旅客減少が目立つ様になり、また車両も老齢である事から平成18(2006)年05月17日からは2000系A編成2本を「ワンマン対応」に改造し、その訓練運転を始め、更に平成19(2007)年11月18日には「後輩」の「流馬」が引退していた。
同社では04月01日から最終日まで「明星」に記念ヘッドマークを掲出するが、運転は土日を除く祝日の朝夕通勤時間帯のみで、休日に「明星」が運転されるのは最終日の04月29日だけとなる。
流山駅に近い新選組本陣跡(現・株式会社秋元)で平成16年から観光案内を続けている特定非営利活動法人交通文化連盟(社会局地域部)では、前回「流馬引退」に際しても花束の贈呈を行っている。
今回も花束と共に、運転時間内の駅頭での御案内と連動したイベントを考案中だ
第289号(平成21年03月14日号)
東京発西行定期夜行列車全廃
平成21(2009)年03月13日(金曜日)、翌日のダイヤ改正で廃止となる東京駅発着の定期夜行列車を撮影しようと多くの鉄道ファンや勤め帰りのサラリーマンなどで、東海道本線沿線は軒並み「カメラマン」が集まった。
特に東海道線全通前後から伝統の「西行夜行列車」、その継承者である特急第1・2列車「富士・はやぶさ」には東京駅で3千700百、新橋駅でも400名の「カメラマン」が並んだ。
18時03分、定刻に東京駅10番線を出た第1列車は新橋駅ホームを幾度か長めの汽笛を鳴らして通過、「有終の美」を飾った。
埼玉県内在住の四十代男性は、
「一度自宅近くの駅へ帰り、子供を連れてまた戻った。何回かブルートレインには乗ったが、子供は未だだったのでせめて見せてやりたいと思った。」
と語り、新橋駅ホームで行き過ぎる列車を見送っていた。
時代の流れと幾多報道されているが、この廃止には東海旅客鉄道の「要望」と、九州旅客鉄道の「お家事情」が深く関わっている。
既に自社管内便について全面電車・気動車化を果たした両社は、加減速度性能の悪い機関車牽引列車について早期に廃止したい意向があった。
その最大の原因は人材不足で、特に新幹線の増便にも苦労している東海旅客鉄道では機関士の養成より、電車運転士や新幹線運転士の養成にこそ傾注したいのが本音だ。
また雇用環境や意識の変化から、何かあれば直ぐに辞めてしまう近々の若者事情と、尼崎での福知山線事故の間接的影響も窺える。
特段のステイタスワークで無くなった鉄道の運転士は、事故の際には「責任」が覆い被さってくる。
更に分割民営化前後の永年に渡る採用停止が、世代間隔絶を生じさせてしまった。
これに格安ブームと完全民営化の要素が加わった。
1990年代の格安ブームで、夜行列車で移動するよりも飛行機+ビジネスホテルと言うパッケージの方が安価となり、これに企業の「経営合理化」推進の風潮が乗った為に、利用客が減少に転じたのは事実である。
が、一方で夜行バスの大増便でそちらに旅客が流れた恰好だが、実は「足の遅さと寝台料金の高さ」が敬遠され出した、と観測すべきである。
実際に夜行時間帯で東海道を行き来する人数は夜行バスの席数から換算すればむしろ増加している。
加えて陳腐化した機材である。
今回廃止の列車は昭和47〜50年に製造された24系寝台客車だが、二段式に改装されたとは言え、三十年前と何ら変わらないハードサービスに、割引の殆ど無い寝台料金である。
更に食堂車もメニューの偏りが目立ち、結果として廃止され、続けてロビーカーも無くなり・・・
魅力などまるで無い単なる「蚕棚」の列車となってしまった。
やはり、昭和50〜60年の度重なる運賃料金の値上げが潜在的に寝台列車を追い詰める元凶となったのだが、並行して定期列車だった夜行快速「ムーンライトながら」「ムーンライトえちご」も臨時列車に格下げとなった。
これは利用者の減少と言うよりは乗務員の枯渇が大きい。
遡れば普通列車がそのまま373系電車に差し換えられて全車指定快速になった段階で、長距離旅客に特化すべきを通勤ライナーと同等に扱った事で、長距離用務旅客は早々に夜行バスへ流れた。
上越夜行は定期列車となった段階で、グリーン車の座席を備えた快適な全車指定列車だったものが、何時の間にか三十年間変わらない簡易リクライニングシートにサービスダウンしている。
とりもなおさず、ともかく乗務員が不足している。
しかし、鉄道業なのである。
夜行を全廃にしたところで電気代も保線経費も軽減されるモノでは無いし、夜行バスの好況による子会社の増益も、結果として夜行の一斉改善による需要の掘り起こしによる増収にはかなわない。
判っていても人が居ない。
ビジネスのネット化が急速に進展し、勘違いした国際化による企業利益追求の風潮と労働人口の減少は、優秀だった筈の「新幹線収入の減少」に転じて来ている。
この夜行の消滅は、単に懐古な話題では無く、鉄道事業が間もなく悲惨な状態に転落して行く事を暗示する事件でしかない。(安房義将)
第288号(平成21年03月12日号)
東日本旅客鉄道が第三の蒸気機関車を復活へ
平成20(2008)年12月14日(日曜日)、東日本旅客鉄道仙台支社管内東北本線小牛田運転区でD51498機(高崎車両センター所属・昭和15年11月24日落成)が汽缶故障を起こした事で、現在同社が営業運転に稼動出来る蒸気機関車はC57180機(新潟車両センター所属)のみとなっているが、報道各社によると、現在東日本旅客鉄道ではプロジェクトチームを設置し、「第三の蒸気機関車」を復活させると伝えられた。
この計画は、同社が数億円を掛けて新規に蒸気機関車を確保すると言うもので、修繕費用は2億5千万円で年間5千万円の運転経費を計上していると言うもの。
報道では、群馬県松井田町の碓氷峠鉄道文化むらに保管中のD5196機を始め、長野県御代田町のD51878機や北海道札幌市・北海道旅客鉄道苗穂工場のC623機も調査の対象となっていると言う。
C623機は平成7年に運転を終えてからこれが二度目の復活構想だが、問題は故障したままの自動給炭器と、昭和31年に近畿から小樽へ渡った際に施された軸重軽減工事の解除である。
線路規格の未整備だった当時の北海道で使用する事を考慮して行われた板バネや従台車の位置・枚数調整が「軸重軽減工事」の内容だが、現在動態となっているC622機(西日本旅客鉄道梅小路運転区)も元々はC623機共に小樽築港機関区で活躍した「軸重軽減機」で、この解除つまりは復旧の経験は国鉄でも無いのである。
ただ、この解除をしていないが故に、C623機は空転し易い機関車となっており、鉄文協時代の運転でも幾度も難行遅延を起こしてしまっており、専門家も「今日のJRの線路は非常に高い規格になっているのだから、軸重軽減の意味は無いと言っても良い」(元国鉄小樽築港機関区検査長・山下仁郎氏)と言っている。
もっとも、今回は「関東のD51、信越のC57」に続く「東北のSL」を確保したいと言う意向もあると伝わっており、分割民営化直後にこの地域でC58機クラスが水面下で調査・検討された経緯を考慮すると、比較的軸重も全体重量も軽量なC58機や9600機・8620機の方が現実的かも知れない。
プロジェクトチームは年度内には一定の方向を打ち出して、新年度早々には工事に着手、早ければ年末にも「御披露目」運転となると見られている。
第287号(平成20年12月27日号)
D51498機故障で来年の運行は絶望的との観測
平成20(2008)年12月14日(日曜日)、東日本旅客鉄道仙台支社管内東北本線小牛田運転区で、20・21日に予定されていたD51498機(高崎車両センター所属・昭和15年11月24日落成)による陸羽東線でのイベント列車運行に先立つ試運転に備えて、火入れ作業中の同機汽缶安全弁が突然吹き上がり、中断して調べたところ、汽缶外装板が溶解し、また汽缶自体が損傷している箇所が発見され、同社では急遽真岡鐵道株式会社にC11325機の貸与を要請し、D51498機の「代打」となる事が16日に同社ホームページ等を通じて発表された。
列車は20・21日、無事この「代打」C11325機とDE10型式内燃機関車で運行を終了したものの、その後の調査でD51498機の汽缶損傷は深刻であると判断され、22日に郡山工場へ移送された。
一部の報道によると最大で1年半の修繕と言われているが、詳細は不明。
この損傷は、汽缶内水が不足していた事による「空焚き」が原因とされているが、元々汽缶に亀裂があり漏水していたものなのか、単純な確認ミスなのかも不明のままである。
ただ、この事故により火室と一部煙管の損壊と言う情報もあり、これが事実とすれば汽缶は再生・新製共に最短でも8ヶ月の修繕工事が不可欠であり、現状では来年のD51498機運転は絶望的と見られる。
第286号(平成20年12月25日号)
0系新幹線引退・特別運転で「さよなら」
平成20(2008)年11月30日(日曜日)で初代「0系」新幹線電車が定期運転を終了した。
この「引退」には、鉄道ファンはもとより、それを遥かに超える一般の方々が押し寄せ、「時代」の終焉に惜別のシャッターを押していた。
西日本旅客鉄道では12月06・13・14日に「ひかり」号として山陽新幹線区間で運転され、12月14日(日曜日)には博多から新大阪までを1往復して、駅や沿線で約4万人が最後の「超特急ひかり」を見送った。
博多発08時06分発第9340A「ひかり340」号は、新大阪駅に12時15分定刻に到着し、折り返しの「ラストラン」は、新大阪駅14時56分発第9347A「ひかり347」号となり、18時01分定刻に涙雨の博多駅に到着した。
この「0」系による乗客の死亡事故は、皆無であり、まさに最後まで「栄光」の道を疾走した。
日本鉄道史初の「鉄道模型運転士」辞令、故人の夢が蘇る
平成20年12月22日、神奈川県藤沢市にある江ノ島電鉄本社で、日本鉄道史上初となる「鉄道模型運転士」の辞令が代理人に交付された。
これは平成10年11月15日に16才で夭折した新田朋宏氏に対するもので、幼少から拡張形心筋症と言う難病を患い、闘病生活を続けていた中で、父子と共に乗った「江ノ電」の運転士になりたいとの夢を抱いた朋宏氏の思いを父親が中心となって活動し、江ノ電やボランティア団体がこれに呼応して、平成10年11月11日に極楽寺検車区で「108」号電車に構内だが試乗し、これを生涯再考の思い出として永眠した、その美談に感動した都内在住の男性がNゲージ(縮尺150分の1・軌間9ミリ)鉄道模型で江ノ電を再現、父親を通じて江ノ島電鉄本社に寄贈された。
これを知った同社・深谷研二社長が「夢の続きを」と呼び掛けて、この模型を改良し駅に設置するものとなり、この模型電車の運転士に任命したもの。
一人の人間の純粋な思いは、時に多くの人間も動かし「流れを変える」ものだと実感させられる。
故人となっても、新田君の夢はちゃんと走っている。第285号(平成20年11月27日号)
0系新幹線が引退で特別運転
平成20(2008)年11月30日(日曜日)で現在西日本旅客鉄道が所管している「0系」新幹線電車が引退する。
西日本旅客鉄道では12月06・13・14日に「ひかり」号として山陽新幹線を運転し、特に12月14日(日曜日)には博多から新大阪までを1往復し、新大阪駅では新幹線生みの親の一人で東海道新幹線開業当時の日本国有鉄道技師長・島秀雄氏の御子息・隆氏を招いてのセレモニーを予定している。
既に該当の「ひかり347」号は完売しているが、当日は鉄道マニアが押し寄せると見て警戒も強めている。
現在残っているのは昭和56年度以降に増備された2000番台だが、往年の「新幹線」のスタイルを守り続けた名車の引退は、社会的にも大きな反響になっている。
第284号(平成20年08月29日号)
京王高尾線で崩落した土砂に乗り上げて列車が脱線
平成20(2008)年08月29日(金曜日)午前0時頃、京王電鉄高尾線高尾駅より西へ250m程の位置にある、トンネル出口脇の土手が崩落し、そこへ高尾山口発高幡不動行上り回送列車(9000系電車8両編成/運転士・車掌のみ)が差し掛かり、土砂に乗り上げて脱線し、架線柱を薙倒して停車した。
列車には旅客が無く、乗務中の運転士・車掌にも死傷は無かったが、全国的に豪雨・落雷の被害が相次ぎ、この方面でも大雨が断続的に降り続いた為に、復旧作業は進間ない状態で、29日は始発から北野〜高尾山口間の高尾線全線が抑止となり、29日10時現在も抑止が続いている。
また隣接する東日本旅客鉄道管内中央本線高尾駅東方でもほぼ同時刻に、大雨による影響で軌道が冠水し、土砂が流入した為に、中央本線も八王子〜高尾間で29日10時現在、運転が見合わせている。
第283号(平成20年06月30日号)
総武流山電鉄が商号変更
6月下旬に行われた総武流山電鉄株式会社(本社・千葉県流山市)の株主総会で、同社が8月1日より商号を「流鉄株式会社」と変更、同時に路線名も「総武流山線」と変更する事が決定した事が同社線の駅や列車内に告示された。
大正2(1913)年11月7日に地元の有力者や当時の流山町民らによる共同出資で設立された流山軽便鉄道株式会社からスタートして今度で五度目の商号変更となるが、先頃親会社の総武開発株式会社が経営破綻し、この総武開発(旧東京相互銀行系列)の買収で「総武」が付けられたものだった為、地元では商号変更が噂されていた。
ただ、経営上の若干の変化による商号変更のため、現業や運転規模・運賃の変更は無い。
第282号(平成20年06月16日号)
岩手宮城内陸地震で交通文化運動家の岸由一郎さんの死亡を確認
6月14日に発生した岩手宮城内陸地震で、土砂災害に見舞われた「駒の湯温泉」で、宮城県警察本部救助隊は15日、土砂が流入した同施設1階から3人の遺体を確認した。
この中で、東日本交通文化財団鉄道博物館職員(学芸員)の岸由一郎さん(35才)の死亡も確認された。
岸さんは福井県生れ・東京芸術大学出身で、同大学の青木栄一教授に師事し、学生時代から鉄道誌に投稿するなどの活動を始め、卒業後は財団法人交通文化振興財団・交通博物館学芸員として、また個人としても京福電鉄(現・えちぜん鉄道)の車両研究や、新潟交通月潟駅及び車両の保存、また昨年廃止となったくりはら田園鉄道の資料保存に活躍した。
この日は、栗原市内で行われたくりはら田園鉄道の保存活用やそれを基軸とした地域観光活性化に関するシンポジュームに参加し、金沢市在住の観光コンサルタント・麦屋弥生さん(48才=死亡)らと共に「駒の湯温泉」に宿泊していたもので、他にこの施設の経営者の妻も遺体が確認された。
この他4人が行方不明で、同県警では捜索を続けている。
また、この地震での犠牲者は15日23時現在、9人となっている。
一方、この悲報を受けて、交通文化連盟では理事長名でコメントを発表している。
<岸由一郎氏訃報に接した特定非営利活動法人交通文化連盟理事長談話>
趣味に留まらず、実社会で、そして地方で鉄道文化財の保存活用と、交通博物館・鉄道博物館に於いて、交通文化の振興に生涯を捧げられた岸氏の訃報に接し、弊連盟の関係者では無いが、その高い見識と行動は、まさに同志であります。
その先駆の同志は、余りにも若く逝き、彼がこれから生み出したであろう万の民衆の笑顔や元気を思うと、それは国家財産の損失そのものであります。
ただ悔しい、の一言であります。
今は深く御冥福を祈ると共に、同じ志を持つ全ての人々と共に、一分でも彼の遺志と情熱を継承し、彼が創り出したであろう多くの笑顔と元気を、わずかでも実現すべく心静かに誓うものであります。
平成二十年六月十六日
特定非営利活動法人交通文化連盟理事長 吉野俊太郎義将 謹言
第281号(平成20年06月14日号)
平成20年岩手・宮城内陸地震発生
平成20(2008)年06月14日08時43分頃、岩手県南部内陸(東経140.9度/北緯39.0度/震源深度8km)を震源とするマグニチュード7.2、最大震度6強(奥州市衣川区・栗原市)の平成20年岩手・宮城内陸地震が発生し、その後も宮城県内陸部を震源とする強い余震が多数観測されています。
この揺れは北海道から甲信越まで観測され、鉄道・道路を中心に大きな被害を出している他、各地で土砂崩壊があり、13時30分までに2名の死亡が確認されているものの、犠牲者は更に増加すると見られる。
この影響で以下路線に影響が出ている。
またこの地震は、逆断層型地震とみられ、連続して前後の断層が破砕しながら拡大し、頻発する危険性があり、今後3〜4日間は余震の懸念があると気象庁は警戒を呼び掛けている。
<影響線区>
◎岩手銀河鉄道盛岡〜厨川間抑止中
◎東日本旅客鉄道東北本線福島〜青森間抑止中
◎東日本旅客鉄道羽越本線酒田〜秋田間抑止中
◎東日本旅客鉄道奥羽本線新庄〜秋田間抑止中
◎東日本旅客鉄道田沢湖線全線抑止中
▲秋田新幹線全便抑止
◎東日本旅客鉄道北上線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道釜石線線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道山田線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道大船渡線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道気仙沼線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道岩泉線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道仙山線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道陸羽東線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道陸羽西線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道仙石線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道石巻線全線抑止中
◎東日本旅客鉄道常磐線岩沼〜原ノ町間抑止中
◎東日本旅客鉄道東北新幹線全線抑止中
◎三陸鉄道南リアス線全線抑止中
第280号(平成20年05月12日号)
交通文化連盟が組織改編
平成20(2008)年05月03日(土曜日)午後、千葉県流山市で特定非営利活動法人交通文化連盟の定期総会が開催され、この総会で同連盟が従来の「3局1隊」から「4局1隊」に組織を改編し、自治体や企業・商店会等のイベントや地域創造に幅広く対応する組織へ変革する事が確認された。
従前、同連盟は母体の日本トレインクラブ(昭和54年発足)の体制を引き継ぎ、事務局=内勤/業務局=外勤との体制だったが、自立した組織運営の為には経済的基盤や外部からの受託・協働事業や独自の経済活動も不可欠である、との事でそれらも業務局が一括して行うスタイルだった。
しかし、同連盟の独自性を活かした個性的なプログラムはあくまで「完全非営利ボランティア」を基としたものから始まっており、それら「完全ボランティア」の業務を文化局に分割、更に今回「北総新選組」や「地域創造」の交通よりもポイント的地域活性化=まちづくりを基調とした事業を「社会局」として分割し、同時に事業構成や予算・運営管理体制も一新して「ボランティアシステム」としての社会局・文化局、実業部分での業務局、内勤部分での事務局と4局に、特定準会員の受け入れフレームとして機能している、母体の一つ北海道鉄道研究会(昭和56年発足)から継承した鉄道輸送警備隊の1隊を加えた「4局1隊」へと拡大させた。
一方で昨年度28513円の赤字となった収支は、19年度更に32840円の赤字を加えて61353円となり、寄付金や業務委託の拡大を図り赤字解消と約30万円と見られる「整備予算」を確保したいとしている。
同時にこの総会後の懇談会では、任意団体によるC623機(北海道鉄道文化協議会)支援以来十四年振りとなる蒸気機関車列車企画・運行支援の構想が発表され、本部理事直轄の「特定企画対策室」(担当理事長)が設置され、これまで蓄積して来たレールイベントの経験を地域や地元に先ず反映させて「我々を支援して下さった皆様に恩返ししよう」(吉野理事長)と方針が承知された。
しかし課題は多く、どれも大きい。
業務局は「無担当」となった訳だが、一方で足立区との協働(レールフェステ・交通公園活性化支援)や千葉ディスティネーションキャンペーンに応じた県内展開については業務局が担当であるにも関わらずスタッフは殆ど「ボランティアシステム」に流れて理事3人が兼任でまかなう状態であり、これに拠点整備やボランティア拡大と言った重要な課題の処理も重くのしかかって来るのだ。
宮本専務理事は「参事の中で無任所の方に参画頂く」としているが、そろそろ独自の「職員雇用」に至るまでの経済基盤整備をしなければ「C623機」は遠い。
第279号(平成20年04月29日号)
中国・山東省で列車事故
現地時間2008(平成20)年04月28日04時43分頃(日本時間月曜日05時43分頃)中華人民共和国鉄路局山東省管内交(月へんに交)済線周村〜王村間(軌間1435mm/複線/非電化)の曲線区間で、北京発青島行下り特快第T195列車(ディーゼル機関車牽引客車17両編成)が制限速度時速80キロを大幅に上回る時速131キロで通過中、ディーゼル機関車から客車9両目(9号車〜17号車)までが脱線・横転したところに、煙台発徐州行上り第5034列車(ディーゼル機関車牽引客車7両)が衝突して2列車で計14両が脱線・横転し29日未明現在旅客等70名が死亡し、416名が負傷した。
同国政府は張徳江国務院副総理と劉志軍鉄道相を現地に派遣した。
新華社通信等報道を総合すると、この事故はテロ等の人為的なものでは無く、北京五輪に向けて最近軌道改良工事が行われた箇所に速度超過が重なって起こったものとしており、済南鉄路局では29日午前中には復旧したいとしている。
またこの事故では旅行中のフランス人4名が負傷していると伝えた。
第278号(平成20年04月11日号)
中央本線漏電火災で大混乱
平成20年4月10日(木)06時35分頃、東日本旅客鉄道管内中央本線国分寺駅隣接の変電所と「旧信号所」で遮断器故障に伴う漏電火災が発生した。
06時35分頃職員が発煙を視認し、指令に連絡すると共に東京消防庁に出火報を発信、消防が駆け付け消火活動を開始したが、施設内設置の消火ガス装置が動作して内部へ入れず、また漏電で現場付近の地面に電気が蓄積し、近隣マンションの電気ケーブルからも発煙していた事から遮断器故障と指摘され、東日本旅客鉄道では07時55分に国分寺変電所を停止、中央本線武蔵境〜立川間で毀電が打切られた。
この時刻、この区間では8本の列車が走行中で、うち5本は駅間で停止した為に約2万人の旅客が降車し軌道上を徒歩で付近駅まで「避難」した。
80分間も列車内に閉じ込められた推定15万人のうち10人が気分が悪いと申告、救急搬送される騒ぎになった。
この旅客誘導の保安措置に伴い、一時中央本線は東京〜甲府間を抑止とし、11時には高尾〜甲府間の運転を再開したものの特急は全便抑止のままで、影響は都内に留まらず山梨・長野県まで及んだ。
同社八王子支社では他の変電所からの毀電で復旧させるものとしたが、通信装置も故障した為に現地職員との携帯電話が頼りとなり、これも混乱している最中で通路が支障していた事や、電力指令・輸送指令のモニター表示不具合も重なり結局、全線での運転再開は15時にずれ込み、更に国分寺変電所は閉鎖(装置等交換作業の為)のままであり電力に余裕が無い事から終日に渡り約50%に列車を減便しての運転再開となった。
この支障で411本が運休、推定60万人が迷惑し、更に都内では山手線抑止も重なり東京西部が大混乱となった。
これを受けて同日、国土交通省関東運輸局は同社に対して原因解明を求める警告文書を出している。
山手線内回線も90分間抑止
同じ4月10日(木)08時11分頃、東日本旅客鉄道管内山手線内回線代々木〜原宿間(複々線/直流電化)を惰行走行中の普通第716G列車(231系500番台電車11両)運転台信号機が停止を現示して駅手前で停止した。
職員を急派して調べたところ、軌条に亀裂が見つかり、これによりATC(自動列車制御装置)が支障と判断し停止現示した事が判明した。
この部分の応急修理等を行ったが、復旧には90分以上を要し、山手・山手貨物(埼京線(東北新幹線通勤別線)・湘南新宿ルート列車)・京浜東北線等で計37本が大幅に遅延、推定約20万人が迷惑した。
中央線支障の最中であり、迂回や振替輸送の基幹ルートまでも停止した事で都内西部は交通マヒとなった。
(論説)
国家のまさに基幹である旅客鉄道を生業としている鉄道事業者は、単なる商売として他業種と同一視など出来ない。
例えば、中央本線233系10両で通勤時間帯には1500〜2000人が乗車しており、満員スシ詰めならば3000人以上が乗っている事も珍しいものでは無い。
4扉通勤電車では世界最長の15両運転となっている常磐線では1列車6000〜7000人と言う状態もあり、実際常磐線最多旅客利用数となる北千住駅では1時間のうちに渋谷区民相当の旅客が通過し、上野駅では世田谷区民相当数が通過している。
旅客乗降数として公表されるのは改札通過人数で、他社路線との接続が多い新宿や、常磐線では柏(東武野田線)が多いのに対して実際通過人員が符合しないのはこの理由だ。
その中央本線上り快速1本3000人をバスに置き換えると、通勤用車体で30台に飛行機だとボーイング747型式の最多席のもので6機となる。
今回徒歩避難となった列車5本=2万人を置き換えるとバス200台・ジャンボ機40機となる。
それだけ鉄道は大きな影響とパワーを持っているのである。
平均最低客単価85円の商売ではあるが、その影響の大きさは責任の大きさでもある。
今回、混乱を拡大したのはやはり「無意味な抑止」であったろう。
矛盾の声はネット上でも多く見受けられ、「立川には南武線や青梅線の電車が入って来ているのにどうして中央線はダメなの?」これと同意の意見が総武緩行線・地下鉄東西線が運転されていた御茶ノ水〜三鷹間が運転されていて、中央急行線(快速)が抑止されていた、又は運転系統的には分離されている高尾〜甲府間までが一時抑止となる等、「運転再開時の混乱を避けたい」=面倒したくないと言う本音が見隠れするのだ。
またATOSシステムに依存した最近の輸送管理もこの「拡大抑止」に影響しているのだと類推するが、何よりも臨機応変が不可欠な鉄道屋に於いて、その臨機応変が薄れて「過剰な安全意識」が働いているとも受け止められる。
安全の確保と同時に、輸送指令は「中央線国分寺で抑止っ!」と聞いたら、即座に線路図と列車運転環境・機材性能が瞬時に頭に浮かぶ程度でなければならないだろう。
それが「職場」なのであり、それが求められる故に、それをやる訳で、それが出来るからプロとして給料を貰っているのである。
現場で雨風に打たれ、旅客の罵声に応じ、泣き笑いしての体験を重ねて仕事は覚えるのであり、その現場や御客様の顔も知らないままに単なる「受験偏差値」で無能な者をポストに置く事が何より「危機管理意識の無い」事である事を知る必要があろう。
第277号(平成20年04月01日号)
新京成電鉄で踏切事故・乗用車運転手1名死亡
平成20年3月31日(月)15時38分頃、新京成電鉄元山駅を出発し加速中の松戸15時24分発千葉中央行下り普通第343電車(新京成電鉄くぬぎ山検車区所属8000型電車6両)が、元山〜くぬぎ山間(軌間1435mm/複線/直流電化)元山第3踏切道(第一種・松戸市五香南一丁目)に差し掛かったところ、埼玉県春日部市在住の59才男性会社員の運転する乗用車が遮断器を突破して軌道内に侵入、これを視認した343電車運転士は急制動を掛けて警笛を吹鳴したが間に合わず衝突、約120m程引きづり停車した。
乗用車は大破し運転手は死亡したが343電車の乗務員や旅客に死傷は無かった。
この救出と撤去の為、新京成電鉄線は一時全線で、16時10分過ぎには松戸〜八柱間とくぬぎ山〜京成津田沼間で折り返し運転となり、19時45分過ぎに復旧している。
松戸駅では改札口に旅客約50人程が職員に説明を求める姿が見られたが、混乱は無かった。(現地取材・吉野理事長)
岡山駅突き飛ばし殺人
平成20年3月25日(火)23時07分頃、西日本旅客鉄道管内山陽本線岡山駅2番線ホームに減速進入中の臨時瀬戸発福山行下り普通列車(電車4両編成)運転士が、50m先で乗車待ちの旅客の列からホームへ転落する旅客で岡山県土木部道路建設課主任・假谷国明さん(45才男性)を視認し、警笛を吹鳴して急制動を掛けたが間に合わず、假谷さんと接触、転落点から25m過ぎて停車した。
本来停車位置から40m手前で停止した列車の編成前から1・2両目連結部下に5m程引きづられた假谷さんは岡山市消防局のレスキュー隊等により救出されたが頭蓋骨骨折等で重傷を負い、病院に搬送されたが5時間後に死亡した。
鉄道警察隊岡山中隊は周辺旅客の目撃証言から現場に居た大阪府在住の18才男子高校3年生を殺人未遂(後に殺人に変更)の現行犯で逮捕した。
証言に拠ると、列車ダイヤが乱れて通常は岡山駅始発となる列車が瀬戸発に変更され、ホームには帰宅する約300人程の旅客が行列を作っていた。
そこへ18才少年が殺意を持って列車接近を視認の上、假谷さんの背中を突き飛ばしたと言う。
少年は「誰でも良かった」「これで刑務所ヘ行ける」と証言していると伝えられているが、自宅から果物ナイフを持ち出していたり、行動も思考も尋常では無い。
その直前に発生した常磐線荒川沖駅無差別殺傷事件が「引き蘢り勝ちなフリーター」が引き起こした事件である反面、この18才少年は数日前に高校を卒業し、家庭内でも学校でも「良い子」と評価されている。
進学や家庭内での不満が原因と報道されているが、幼い女の子2人と妻が遺族として残された。
学校教育自体が限界を超えて崩壊しているのではないだろうか、今日程我が国の歴史の中で「身分差別」が酷い時代は無かったろう。
一少年の突発的事件として片付けてはいけない、「時代」が警報を出しているのである。
その犠牲となった人々の、想像を超越した無念や怒りや悲しみを行政・司法・教育者は被疑者以上に真剣に受け止めなければならないし、生命の持つ重さはその無限の可能性たる事も共々に考えなければならない。
警視庁東京湾岸署開設
平成20年3月31日(月)、東京都江東区青海に東京水上警察署が改編された「東京湾岸警察署」が開設され、開署式が石原慎太郎東京都知事や矢代隆義警視総監等230人が参列して挙行され、民放の人気ドラマで「湾岸署刑事課」の捜査員を演じた人気俳優からも祝電が届いた。
深川・城東署の湾岸エリアと東京湾を管轄する23区最大エリアを抱える同署はまた、警視庁唯一の「警備艇」も備えた「海陸両面」のポリスステーションで、地上9階の最上階には監視室も設置されて、ドラマの建物より「立派」である。
第276号(平成20年03月31日号)
多様な企画支援に即応する混成チームを設置・交通文化連盟臨時理事会で決定
3月30日午後に開催された特定非営利活動法人交通文化連盟臨時理事会と続く拡大幹部会で、同連盟は新年度から多様な企画・イベントに即応する混成ボランティアチームの設置を決定した。
これは地域のイベント制作・運営支援や企画列車の防災運行支援に特化したもので、連盟の「列車オペレーション」復活に直接関わる人材集団の育成と習熟が目的とされている。
組織は文化局に置かれるが、ボランティアは鉄道輸送警備隊に所属し、単発・長期含めて先行試験的に現在所属するボランティア・スタッフで編成され、また4月からは公募も開始する。
第275号(平成20年03月24日号)
荒川沖駅で無差別殺傷事件
平成20(2008)年03月23日(日曜日)、朝から快晴で気温も15度を超えて行楽や買物の旅客で賑わっていた東日本旅客鉄道管内常磐線荒川沖駅改札(上屋式・ペデストリアンデッキと直結)前で、上野行特別快速列車が到着した直後の午前11時過ぎ、突然改札外でニット帽に銀縁眼鏡の若い男が両手に刃物を持って突然次々と通行人や旅客5人に切り付け、更に駅前ショッピングセンター前でも男性1人に切り付けて逃走した。
約15分後に駅構内の茨城県警察本部土浦警察署荒川沖地区交番に備え付けの直通電話から被疑者本人が連絡し、駆け付けた同県警捜査員等に現行犯逮捕された。
被疑者は土浦市内在住の金川真大(無職24才)で、19日(水曜日)にやはり同市内で発生した72才男性殺害の被疑者として指名手配されていた。
この事件でショッピングセンター前で負傷した27才男性会社員が死亡、駅改札前通路で負傷した18才男子高校3年生と62才女性が重傷、やはり改札前で警戒中の土浦警察署地域課の29才男性巡査・16才男子高校1年生・59才女性・50才男性会社員・60才男性塗装工が軽傷を負った。
引き蘢り勝ちでテレビゲーム好き、と報道されるが、アルバイトを転々として貯金を溜めていたとも言われる。
19日の事件後、県警は容疑を固め、この日も170人規模で身柄の確保を目指していたと言うが、そもそも発端となった19日の事件が「無差別」であった事が不明であり、「警戒」と言うよりも「逮捕」に重点を置かざるを得なかった処に盲点が生じたと類推される。
結果として被疑者の地の利が明るい荒川沖駅が犯行現場となった事に県警も衝撃を受けた印象があり、指名手配はされていたものの被疑者も丸狩りにしてニット帽・銀縁眼鏡で「変装」するなど瞬間的に特定がしにくかった現実もある。
一方で、直前には周辺で目撃情報もあった。
内面に逃避口を求める傾向の人間が起こす行動を予測して抑防する事は至難であるが、切っ掛けは単純である場合が多い。
警察の不手際と批難は甘受しなければならないだろうが、この24才被疑者は特別な環境下での特別な存在ではない、フリーターやニートが犯罪者の予備軍なのでは無く、単なる興味本位な報道がそれら悲劇の切っ掛けとならない様に、社会全体が「模倣犯」を防圧する様に注意しなければならないのである。
第274号(平成20年03月20日号)
鉄道輸送警備隊が10年振に「輸送隊」を復活
特定非営利活動法人交通文化連盟鉄道輸送警備隊は3月20日、4月2日の新年度からの組織改定で、青年文化連盟北海道鉄道研究会鉄道輸送警備隊時代以来10年振りとなる「輸送隊」を設置し、新年度から教育を始める事となった。
交通文化連盟に継承されて以降、鹿島鉄道と総武流山電鉄で実績を作ったものの、「常備チーム」は無く、同時にイベント列車企画分析や防災警備の研究集団も途絶えて久しい。
総隊本部は「8月には沿線・乗務の警戒に対応できるボランティアスタッフを1チーム、そのサポートチームを1チーム整備し、観光臨時列車・地域活性化イベントに広く活用頂けるものとしたい」としている。
派遣要請は早ければ夏には応じると良い、派遣に際して交通費・食事代は別途実費を要請者負担とするが、交通文化財保存や地域観光創造に関わるものは原則として報酬を受けない。
但し施設の警備等は応じられない。
第273号(平成20年02月24日号)
大荒れ「春一番」低気圧・ツイン攻撃で全国混乱
平成20年02月23日(土曜日)06時00分時点で茨城県ひたちなか市付近にあり1006hpaだった低気圧はその南に伴う寒冷前線と共に北上し、12時00分時点では992hpaで高萩市沖、15時00分時点では寒冷前線に988hpaの低気圧を「発生」させて二つの988hpa低気圧と猛烈に発達、24日03時00分時点では976hpaにまでなり、岩手県三陸沖・北海道釧路沖で北上を続けている。
一方、23日06時00分時点で石川県能登半島沖に996hpaだった日本海低気圧は、12時00分時点で津軽半島三廏沖で988hpa、15時00分時点で984hpaと発達したものの停滞し、18時00分時点では一旦980hpaで海峡を抜けたが、24日03時00分時点で大平洋低気圧と「合併」して976hpaで再び海峡へ時速30kmで戻りつつある。
この複雑な「爆弾低気圧」は九州から北海道の広い範囲で強風と大雨・大雪をもたらせ、九州旅客鉄道管内日豊本線や西日本旅客鉄道管内山陰本線・湖西線、北海道旅客鉄道管内函館本線・千歳線等と東日本旅客鉄道管内のほぼ全域の路線で影響を出した。
殊に首都圏では常磐線が常磐緩行線と共に23日14時40分頃から強風の為に抑止され、15時40分に一旦抑止を解除したものの、16時24分再び抑止となり17時36分まで抑止となる「混乱」を演じた。
関東では一時的に京成電鉄本線や東武鉄道伊勢崎線・野田線、新交通ゆりかもめで「実況」を見た或は架線に付着物等で断続的に「即時判断」による抑止をしていたが、中枢の輸送指令室の人員まで「合理化」している東日本旅客鉄道では瞬時の個別判断は出来ないのか、各地の風速計のみを頼り、天気図やアメダスを使った判断が出来にくかったのか、どうもムラのある抑止をバラ捲いた印象がある。
その一方で那須塩原〜新白河付近で飛来物による架線短絡で東北新幹線が長時間に渡り「全線抑止」となり、列車や乗務員都合とも見られる乱暴な「運転整理」が横行した。
安全確保の為に抑止を出すのは交通事業者として基本的な対処だが、そこに「旅客は依然として列車や駅に居る」=生活を乗せているのだという責任感と義務感が欠落しているのである。
目算でスジを張り、各駅の状況を逐次吸い上げて「救済列車」を小出しにする方法は国鉄時代やJR発足当初には「当然」の処置だった。
「いなほ事故」以降、危ないと思えたら「とにかく停めてしまえ」と言う実に単純な発想が横行しているが、それは輸送指令室の「技量」が大きく低下している事の現れではないだろうか?
この低気圧は25日午前まで広い範囲で影響を及ぼすと見られ、24日21時には大平洋上に976hpaの低気圧が「三並び」する特異な状態となり、25日まで交通機関への影響が予想されている。
折角の日曜日だが今日の外出は控える事をお薦めしたい。
第272号(平成20年02月22日号)
武蔵野線が沿線火災で抑止
平成20年02月21日(木曜日)20時13分頃、東日本旅客鉄道管内武蔵野線西浦和駅近くで建物火災があり、この影響で武蔵野線府中本町〜西船橋間と関係支線が21時20分まで抑止となった。
途中駅で列車を収容出来る駅が無い武蔵野線旅客面は危機管理の観点からすれば脆弱と開業当時から指摘されているが、沿線の急速な発展で駅の拡張は厳しい。
せめて臨機応変に東所沢〜南浦和間限定抑止等の措置が現場で取れる体制にして欲しいもの。
川越線の新駅は「西大宮」
来年開業を目指して建設が進んでいる東日本旅客鉄道管内川越線日進〜指扇間新駅の名称が02月07日(木曜日)、「西大宮」とされる事が発表された。
埼玉、殊に浦和・大宮地区の駅名設定の「センス」についてはかなり酷評されているが、またまた「方角付嘱」の「取って付けた駅」、あまり個性的すぎて利用者が恥ずかしくなる様なものも考え物だが、もう少し考えて上げても良かったのでは?
せめて公募にするとか、利用者が払う銭で喰っている、と言う視点は大切にして欲しい。
茨城交通湊線新会社社長、公募で決定
この4月から第3セクターとなる茨城交通湊線転換の「ひたちなか海浜鉄道株式会社」の初代代表取締役社長に、「万葉線株式会社」総務課次長の吉田千秋氏(43才)とする事が02月06日(水曜日)の地元対策協議会で決定されて公表された。
万葉線はやはり加越能鉄道だった乙種電気軌道路線を第3セクターで継承したところで、5年連続で旅客数を増加させた手腕を買われた。
同じく社長を公募していたいすみ鉄道にも言える事だが、路面電車と気動車によるローカル鉄道では地盤が全く異なる商売である。
燃料高騰・機材や施設の老朽化等新たに発生した課題も多い中、背水の陣である同社のトップに四十代の若い経営者が迎え入れられる事は意義も深い。
掘り起こしのされていない観光素材が多い沿線と、都市交通の一面を持った湊線を残して行く事が出来るのか、吉田新社長に大いに期待したい。
乗用車が貨物列車と接触、機関車故障で東北線混乱
02月21日04時59分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線間々田〜小山間の踏切道(第一種)で、警報器が作動しているにも関わらず、踏切内に侵入して来た乗用車が惰行運転中の札幌貨物ターミナル発東京貨物ターミナル行上り特急貨物第2052列車(EH500型式電気機関車牽引・現車18両)機関車部分と衝突し、現場付近で2052列車は急停車した。
機関車は破損しており、自力運転が不能となった為、救援の機関車を呼ぶなどして東北本線上野〜宇都宮間は07時14分まで抑止となった。
現場は小山駅南方の振り分け分岐器上で、旅客列車の運用も支障した為に午前中一杯、東北本線や関係する東海道・横須賀・山手貨物線列車に運転休止や遅延が発生した。
2052列車は3時間17分遅延し終着へ入っている。
「日暮里・舎人ライナー」ダイヤまとまる
03月30日(日曜日)に開業が予定されている東京都交通局管内新交通「日暮里・舎人ライナー」のダイヤ案がまとまり、関東運輸局に申請された。
この新交通は、日暮里〜見代沼親水公園間9.7kmを約20分で結ぶもので、混雑の名所「尾竹橋通り」経由バスの最大半分以下の時間短縮となる。
始発は舎人公園・05時40分発から7〜20分間隔で運転され、最終は平日は日暮里発00時38分で、深夜バスに駆け込む心配も無くなった。
基幹交通空白地帯の足立区西部が大きく変革する事は間違い無いが、高くなる運賃の分「価値」を利用者が認定してくれるかが「勝負」である。
第271号(平成20年02月06日号)
車両保存活用検討専門会議を発足
2月3日午後に行われた特定非営利活動法人交通文化連盟の執行役員会議で、同連盟がそれまでの交通文化財保存活用の基本方針を根本から転換し、動態・静態の区分や、蒸気機関車を主眼としていたものを電車・客車・気動車等の「現用機材」や、地域観光の大きな起爆剤として効果が確かなボンネットバス等を直轄の他、外部支援やその支援体制の構築にも拡大して、幅広くこれら交通文化財の保存活用を考えて実施する体制にして行く事が決定した。
これは近年、その陳腐化と旅費体系の旧態による夜行列車、とりわけ客車寝台列車が激減し、併せて食堂車も壊滅的となっている事から、鉄道旅行の重要な要素でもあり、旅客需要喚起に効果的でもあるこれらサービスが全く見られなくなる事は、鉄道路線が消滅すると同様の「衰退」であるとの認識によるものだ。
また同連盟内部から「遠方の蒸機列車へ旅客誘引をするのに夜汽車も無いのでは多角的な戦略が取れない、先ずこれらサービスの保存こそ急務」とした24系や14系寝台列車の「編成保存」の声が高まって来た事も決定の裏付けにある。
蒸気機関車保存活用に関しては既に3年も抑止状態にあるが、「是々非々で多様なスタイルに適応した行動を行う」と方針も転換し、また市井の有識者による検討会議も3月に発足させたい意向も打ち出された。
「C623機は一日にして成らず、この十年で更に道が険しくなった」(吉野理事長)と語って「大題目」の方針転換に苦渋の意志を表した。
専門会議には同連盟の他に外部議員を3・4名任命して今年夏には概要を打ち出すという。
第270号(平成20年01月26日号)
消え行く「国鉄」車両の新旧交代
西日本旅客鉄道新幹線管理本部は、今年11月末で「0系」36両(6両×6本)を全面引退させ、増強中の「N700系」転換で東海道区間の運用から外れた「500系」を8両に組み換えて置換すると発表した。
また金沢総合車両所の「485系」交直流電車を3年後までに新型式に置換、北陸本線系統から国鉄485系が消滅する事も発表された。
平成23(2011)年春の九州旅客鉄道九州新幹線(鹿児島本線別線増線)全通に合わせて新大阪〜鹿児島中央直行となる白紙改正の目玉とする事らしいが、国鉄オリジナルカラー・デザインの、まさに国鉄黄金時代を構築した「0」「485」が消滅する事に「国鉄は遠くなりにけり」と感慨を一層感じる。
またこの3月改正で東日本旅客鉄道尾久車両センターの24系特別編成「夢空間」が引退する。
全国で急速に「国鉄型」が消滅しているが、既に東日本旅客鉄道では「103」が全面引退し、初の省エネ電車「201系」の置換も進んでいる。
国鉄末期に駆け込みで作られた「民割型」の波に取り残されたローカル線用気動車もここに来て新型式投入が進んでおり、盛岡センターの「キハ52」も昨年11月に引退した。
ただ、全国的には二酸化炭素排出抑制の国際的な流れの中でハイブリッド気動車の開発も進んでおり、単なる新型化が低公害機材化の流れに変わって「執行猶予」が付いたものもある。
深刻なのは代換機材が見込みもない「客車」で、カシオペア用「26型」は「旅客需要が見込めず」と言う理由で「試作品」のみとなっているが、実際には「重量(軌道)負担が大き過ぎ。亜幹線や乙線にも入れない設計側の暴走したミス客車」(某旅客鉄道検修関係者)との声もある。
夜行列車の減少には機関士の確保が困難となっていると言う「事案」もある。
また何よりも「価格破壊の時代で高額な寝台特急は現実的で魅力的な商品にはならない」(都内旅行代理店関係者)との「予測」が新型客車実現への制動装置となっているフシはある。
このままだとJRに残る客車は戦後直ぐに作られた、或は戦前に作られた「在来型一般客車」で、その「在来車」を淘汰するために登場した新系列が早くに絶滅すると言う「皮肉」になるかも知れない。
第269号(平成20年01月24日号)
低気圧の影響により全国的に列車運休拡大
平成20年1月23日(水曜日)に日本海・大平洋を進行していた低気圧は急速に発達し、特に津軽海峡西方の低気圧は爆発的な発達をして北海道から山陰に掛けて既に強い風が吹いています。
この影響で24日(木曜日)09時現在、豪雪となっている北海道・北海道旅客鉄道管内室蘭本線東室蘭駅構内で分岐器の不転換が発生して運休が出ている他、上野発札幌行特急第1列車「北斗星1号」が伊達紋別駅停車中で抑止する等影響が出ています。
また日本海側では東日本旅客鉄道管内羽越本線酒田〜秋田間や越後線・吉田線、西日本旅客鉄道管内七尾線・山陰本線浜坂〜香住間等でも抑止となっています。
今後、低気圧の移動と共に強風域も移動し、東北太平洋岸や関東・中部でも強い風の恐れがあり、厳重な警戒が必要と気象庁では呼び掛けています。
第268号(平成20年01月17日号)
最後の日本国有鉄道第十代総裁・杉浦喬也氏死去
平成20年1月16日(水曜日)09時17分、都内渋谷区の病院で杉浦喬也(すぎうら・たかや)氏が中咽頭癌の為死亡した。享年82才。
大正14(1925)年08月15日生れで東京大学経済学部を卒業の後に運輸省へ入り、鉄道監督局長・運輸事務次官を歴任後、昭和60年に当時の中曽根康弘首相から「指名」されて「国鉄解体総裁」として送り込まれた。
当時のメディアや自民党による広範囲の「援軍」を得て、橋本龍太郎運輸大臣と共に国鉄分割民営化を実現した。
その後、日本国有鉄道清算事業団理事長に「自動的」就任するが、論功行賞により全日空社長へ転身したが平成9年、全日空最高指導者・若狭得治と対立し失脚した。
運輸キャリア出身と言えども所詮は「外様の館様」として社会の眼は冷たく変転した。
最後は運輸(国土交通省)の外郭組織、運輸低公害車普及機構で役員を勤めて第一線を退いて居た。
賛否両論の功績だが、官僚としてこの「貧乏くじ」を引かざるを得なかったのは悲劇と考える方が良いだろう、結果として残ったのは国民や利用者を置きざりにして20年目にして失策である事が明確となった国鉄「細分化」と、政争道具としての新幹線とその犠牲となる国土の暗鬱しか無い。
レールフェステ2008計画概要が決定
1月13日(日曜日)午後に行われた理事会で、特定非営利活動法人交通文化連盟は基幹事業の「レールフェステ」の平成20年度計画の概要を決定した。
日程は足立区協働事業ともなっている「足立会場」部分が4・5・7・9・11月と21年3月の計16日間で、この他に6日間の「別会場」が組み込まれた。
また、10月の開催が「別会場」に移動した為、4月を除くと「奇数月開催」になるのだが、これに関して宮本専務理事は、「資材都合でこうなっただけ」と釈明している。
並行して危機的状況に有る千葉県内のローカル鉄道への具体的支援策も討議され、「地域の潜在力を活用した、我々の経験を溶け込ませるアイデアを多方面に提案して行くつもりで、常駐や移駐での支援は当面考えない」とも語った。
また、抑止されている交通文化財保存活動に関しては「蒸機より危急に保存しなければならないものが急激に増えているので、基幹事業から外して調査作業に止めたい」とも。
一方で寝台客車(24・14系)が存続危機の状態にある事から、同連盟の内部から「在来車・蒸機中心の発想を転換してそれら国鉄末期車両の保存・活用策への積極参入を」との意見が高まっている中で、交通文化連盟は今年も厳しい運営を強いられそう。
第267号(平成19年12月31日号)
交通文化連盟が千葉県の「地域観光と鉄道再生」に向けた調査に着手
特定非営利活動法人交通文化連盟は11月18日の理事会で地域観光と鉄道再生を主題とした活動を基幹事業に据えて事業の再編を進める事に決定していたが、先ずは根拠地である千葉県内からサンプリング調査に着手するものとし、12月16日の成田・佐原エリアの調査に続き30日、安房・夷隅エリアに調査班4名を派遣した。
現在あるハードウェア(施設・鉄道・道路等)にソフトウェアを導入しなおす事で、巨額の費用を使わないで、個々の地域実情に適合した地域観光創造を実現する事が狙いの当該構想は、既に先行して試験的運用を行う流山(幕末機動警察隊・新選組事業の観光案内部分)関係事業でほぼ基礎研究が完成させた事から、経営の厳しい地域鉄道の再生を根幹としたフォーマットに整斉して実体化させたい、としている。
これまで団体専用臨時列車運行や蒸気機関車運行計画に関与し主体となった同連盟では、「創設30年(2009年)を前に新しい段階へ進む為には不可欠」(宮本専務)としている。
また同時に「列車観光乗務員ボランティア」の構想を進めていた同連盟鉄道輸送警備隊では3月までに養成講習を実施させて、「多角度で地域鉄道再生へのアイデアを具現化させるシステムを作る」(吉野理事長)方針だ。
第266号(平成19年12月06日号)
三木鉄道、3月31日で廃止
兵庫県等が出資する第3セクター鉄道・三木鉄道株式会社三木線(厄神〜三木間6.6km/軌間1067mm/単線非電化)が3月31日の運転をもって廃止される事が決定したと報道されて一ヶ月、週末になると沿線で最後の力走を撮影しようと市民や鉄道マニアがカメラを向けている。
三木鉄道の廃止は10月31日に発表された。事業廃止届は7月に提出、通常は廃止までに最短一年が必要だが、既に代替バスの準備も整い「廃止が及ぼす影響は少ない」と国土交通省から廃止繰り上げが認定されていた。
三木鉄道は近隣の北条鉄道と共に日本国有鉄道ローカル線第二次廃止対象路線として第3セクターとして国鉄三木線が分離されたもので、富士重工製Le-Carを導入して新生地域交通のモデルと注目されていたが、旅客減少に歯止めが利かず廃止となるもの。
その一因は他の第3セクター同様にこの時導入した「レールバス」が使用年限を迎え、新車を導入する「交換時期」にある事も大きい。
今年の3月31日はくりはら田園鉄道と鹿島鉄道が廃止となり地元・沿線は大騒ぎとなったが、共に今日は訪れる人も無く更に過疎化が進行する事は明白である。
鹿島鉄道は第3セクターとは別の事情があったものの、次々と消え去る鉄路と共に「地球温暖化防止」の切り札である鉄道を笑う者は「環境」に泣く事となるだろう。
更に消滅する寝台特急
JR各社が来春3月のダイヤ改正で寝台特急を更に減少させる。
今回「合理化」となるのは京都〜熊本間「なは」、京都〜長崎間「あかつき」と名門と呼ばれた東京〜大阪間急行「銀河」。
また大阪〜青森間「日本海」と上野〜札幌間「北斗星」を各1往復へ減便する。
上野〜札幌間不定期特急「カシオペア」で新製された26系を最後にJRでは定期運用客車の新製を行っておらず、また機関車関係の要員削減を進めたい意向があり、東京発九州便も全廃の方向と言われている。
旅客減少を口にするが、一方で夜行列車に旅客を呼ぶ企業努力は一切見えない。
更に運賃や料金の思いきった割引等も一切手を付けていない。
「殿様商売」が「民間の方式」とは、とんだ笑い草ではあるが、一方でどの企業も経費削減で旅費の圧縮には苦労している。
そんな中で寝台料金6180円(B寝台1人)だけでホテル宿泊費と同等、特急料金を加えれば「飛行機+宿泊費」にはとてもかなわないのだ。
実勢を見て経営を判ずる、これは「真実の民間企業」の常識なのだが。
賞味期限切販売、JR関連企業でも
11月02日の事だが、東日本旅客鉄道系列の日本レストランエンタープライズ株式会社(旧日本食堂株式会社)は「カレーキッチン・スパイス東京店」(東海道本線東京駅)と「サンディーヌエクスプレス上野店」(東北本線上野駅)で最大21日間を過ぎた賞味期限切の商品を販売したと発表した。販売されたのはスープで東京151食・上野52食の計203食。
その後も健康被害等報道は無いものの、相次いでいる食に対する不安を更に増大させてしまった事は否めない。
経営の合理化は人減らしや数値だけの判断では決して明確になれにないものである。
業種や現場が変われば大きく様相も変わるものだが、収益だけで企業を判断しようとする「投資家」と名乗る浅慮の輩が株式関係に多く出入りしており、企業はその「馬鹿」にも対処せざるを得ないのも、また事実である。
食も文化であり、鉄道もその土地・国の経緯を明確に表す「文化」である。
数字だけで何かを論じたり判じたりは、一見「格好良く」ても実は中身の無い、不毛な話である。
だからとて企業努力は必要だが、一番大切なのは株主では無く「御客様」である事をもう一度日本全体で考え直す時代が来ている。
第265号(平成19年12月04日号)
東武鉄道野田線で車両故障
12月04日(火曜日)21時18分頃、東武鉄道野田線江戸川台駅停車中大宮20時27分発柏行下り普通第2055列車(8000系電車6両)が突然停電し、係員が消火器5本を持ち込み、車両点検を行っている。
また同駅付近の踏切道は遮断器が降りたままで野田警察署が要員を出して対処している。
現在、同線は柏〜野田市間で上下線共に抑止となっている。
同線は平成13(2001)年10月12日06時27分頃、運河〜梅郷間走行中の第538列車(5000系電車6両/運転士・車掌及び旅客約100名)の大宮方2両目パンタグラフ付近から出火する車両火災事故が発生している。
(12月04日22時32分交通文化連盟横川常務理事撮報告)
第264号(平成19年11月19日号)
総武流山電鉄「流馬」引退
平成19(2007)年11月18日(日曜日)、千葉県の総武流山電鉄で同社2000B系第2編成「流馬」(2代、元西武クハ1809+モハ809=クモハ2004・元西武モハ809=モハ2102・元西武クハ1810=クハ22)が引退し、沿線には数多くの鉄道ファンや沿線住民が惜別のカメラを向けた。
平成7(1995)年12月22日に導入された「流鉄」初のカルダン駆動・冷房装備3両編成電車2000B系「明星」(元西武801系クハ1745+モハ745=クモハ2003・元西武モハ746=モハ2001・元西武クハ1746=クハ21)に引き続いて平成9(1997)年10月に登場した第2編成は、同社「ネーミングトレイン」の嚆矢となった1200系第2編成「流馬」(元西武501系クモハ510=クモハ1202・元西武サハ1509=サハ62・元西武クモハ509=クモハ1203、昭和54年9月21日〜平成8年運用)のカラーである青22号と白色帯を引き継いで、同社の「全カルダン・冷房近代化」を達成させた主力編成であった。
しかし沿線人口の高齢化と首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)開業による旅客減少と、それに対応した2000A系編成(2両=「なの花」(2代)・「青空」)のワンマン化改造による「主力編成交代」の流れの中で、老朽化の進んでいる「なの花」(2代=元西武クハ1757+モハ757=クモハ2005・元西武モハ758+クハ1758=クモハ2006)に台車(FS342=国鉄DT21とほぼ同型)等の部材を提供すべく引退が決定した。
11月5日から「さようなら」ヘッドマークを特別に掲げて運転していた「流馬」は11月18日、通常は土日2両編成原則のところを特別運用として流山08時56分発第22列車から運用され、沿線には約400名の鉄道ファンや沿線住民が撮影に訪れた。(交通文化連盟鉄道輸送警備隊計測)
流山14時13分到着の第57列車到着を待って、流山駅1番線ホーム北方で通常祝休日に新選組本陣跡(現・株式会社秋元)等で観光案内を行っている特定非営利活動法人交通文化連盟業務局地域部「新選組観光案内ボランティア」の相馬弾上隊長と稲葉式部副長が新選組衣装で列車を出迎え、運転士と車掌に「惜別」と「慰労」の花束を贈呈した。
ホームに居た約100名のファンが記念写真を撮影した後、この浅葱色羽織の「新選組」隊士と鉄道輸送警備隊員の4名が折り返し14時24分発第62列車で馬橋まで「同乗」した。
「流馬」最終列車となった馬橋14時40分発第61列車は、「新選組」隊士と休日午後としてはかなり多数の旅客を乗せて14時52分、定刻に流山駅へ到着した。
流山駅近くの「寿美屋」女将・大塚さんは「孫が流馬号が大好きだったので残念、後で孫と見に行く」と語り、また近くに住む女性は「子供が特に流馬のファンだったので最後に親子で乗れて良かったが、子供が凄く寂しそう」と駅前で流馬を眺めていた。
同編成は暫く流山検車区内に留置され、直ぐに解体とはならないと言うが、流山駅助役氏に伺うと「後継車については未定、当分は現行5編成でやり繰りする見込みでは」と語った。
今回警戒の責任者だった交通文化連盟宮本専務理事は、「やはり残念ではあるが、限られた予算や人員の中で流馬引退に社員が一体に取り組んでいた総武流山電鉄の現場モチベーションは高く、これは評価したい。」と談話していた。
第263号(平成19年10月15日号)
相次ぐ列車妨害
9月末から全国的に列車妨害事件が相次いでいる。
(9月27日阪急)
9月27日(木曜日)05時55分頃、阪急電鉄神戸本線塚口〜園田間(軌間1435mm/複線/直流電化)口田中踏切道(第一種)付近走行中の高速神戸05時22分発梅田行上り普通第K522列車(電車8両/運転士・車掌及び旅客約200名)運転士が進行軌道上に自転車が放置されているのを視認、急制動を掛けたが間に合わず接触した後に停車した。
05時31分頃に先行上り普通第520列車が通過した際には異常は無く、この25分間に置かれたと見られる。
自転車は前日朝に盗難されたもので、兵庫県警察本部尼崎東警察署で捜査していると報道された。
(10月05日関西本線)
10月05日(金曜日)07時15分頃、西日本旅客鉄道管内関西本線柏原〜志紀間(複線/直流電化)志紀踏切道(第一種)の遮断棹が折損しているのを通行人が視認、西日本旅客鉄道に通報し職員が応急措置をするまでの1時間程度、現場通過列車は徐行し57本が運転休止・通勤時間帯とも重なり約7万人が迷惑した。
大阪府警察本部八尾警察署では当該現場の他周囲にも警察官を配備し、誘導・迂回案内をしたが原因は捜査中。
(10月06日福岡県)
10月06日(土曜日)10時頃、西日本旅客鉄道管内山陽新幹線博多〜小倉間(軌間1435mm/複線/交流電化)走行中の博多09時49分発東京行上り第16A列車「のぞみ16号」(700系電車16両)の旅客から乗務員に14号車(進行14両目)客席窓ガラスにひびが入っていると通告があった。
16A列車乗務員・旅客に死傷は無く、応急手当てをして16A列車は運転を続行した。
続いて同10時38分頃、九州旅客鉄道管内鹿児島本線笹原〜竹下間(複線/交流電化)惰行運転中の荒尾09時32分発門司港行上り準快速第4334M列車(電車4両/運転士・車掌及び旅客約360名)進行4両目左(西)側客席窓ガラスが突然破損し、その破片で4334列車旅客の女性1名が左脚に負傷した。
この車両に乗車していた旅客が窓に向かって来る飛来物を視認している。
4334列車は応急手当てをし10分遅延で運転を再開したが博多駅で打切となった。
続いて同13時15分頃、同区間走行中の長崎11時30分発博多行終着上り特急第2020M列車(883系電車6両/運転士・車掌及び旅客約210名)進行2両目左(西)側客席窓ガラスが突然破損した。
13時18分、列車は定刻に博多駅に到着したがこの車両に乗車していた旅客から「竹下駅近くで突然窓が割れた」と職員に通告があった。
福岡県警察本部では器物損壊・傷害事件として捜査していると報道された。
(10月08日横浜線)
10月08日(月曜日=体育の日)19時頃、東日本旅客鉄道管内横浜線古淵〜淵野辺間(複線/直流電化)淵野辺駅停車減速中の桜木町18時23分発八王子行下り普通第1807K列車(205系電車6両/運転士・車掌及び旅客約500名)運転士が、淵野辺駅構内軌道上に放置された自転車を視認し、急制動を掛けたが間に合わず接触、停車した。
乗務員・旅客に死傷は無かったが、横浜線は約40分間抑止となり列車4本が運転休止した。神奈川県警察本部相模原警察署では列車往来危険事件として捜査していると言う。
(10月08日名鉄本線)
10月08日(月曜日=体育の日)19時〜19時50分の間に名古屋鉄道管内名古屋本線美合〜藤川間(複線/直流電化)で計5本の列車に投石と見られる窓ガラス破損と、軌道上置き石が確認され愛知県警察本部岡崎警察署では悪質な列車往来妨害事件として捜査していると報道された。
19時00分頃、豊橋18時45分発名鉄岐阜行下り特急第195列車(電車6両)旅客が車掌に窓ガラスが割れたと申告され検索すると195列車の客室窓ガラスが破損してるのを現認した。
この旅客は「何か当たった音がした」と証言している。
19時14分頃、美合駅停車減速中の豊橋18時53分発名鉄岐阜行下り快速急行第1903列車(電車4両)旅客が衝撃音と共に進行1両目客室窓ガラスに破損があるのを視認し乗務員に申告した。
19時50分頃、同区間走行中の名鉄岐阜18時52分発豊橋行上り快速特急第192列車(電車6両)運転士が異常を感じて急制動を掛けて検索したところ、進行3両目側面客扉窓ガラスが破損していた。
またこの直後、美合駅から藤川駅寄り760mの当該区間で軌道上に砂利17個が並べて置いてあるのを職員が現認した。
(10月09日名鉄西尾線)
10月09日(火曜日)23時36分頃、名古屋鉄道管内西尾線上横須賀駅に到着した新安城23時08分発吉良吉田行下り普通第2350列車(電車4両=西尾以遠最終列車)旅客が、進行2両目客室窓ガラスが破損し、付近に直径3cmのコンクリート塊が落ちているのに気付いた。
23時41分、2350列車が吉良吉田駅に到着した際に職員に通告、直ぐに愛知県警察本部西尾警察署に通報した。
被疑者と類推される人物達は各々バラバラだろうが、「模倣犯」が多発しうち一部は学生だろう。現行の刑法では「結果主義」で罪を推し量るシステムが原則なのは良く解るが、犠牲者の数より問題は「起こした事実の危険性」では無いだろうか?
過去に置き石で大惨事は幾度も起きている。
大量殺人者を出さない為にも、これらの犯罪に対する厳正な捜査を信じたいし、処罰の重度化を是非推進して頂きたい。
第262号(平成19年10月12日号)
自動改札ダウン・首都圏662駅7400台起動不能
10月12日(金曜日)始発から、東日本旅客鉄道・都営地下鉄・東京地下鉄・東武鉄道等首都圏の鉄道16社662駅7400台で自動改札装置が起動出来ず、また一部では「改札解放」をしたのに関わらず復旧或は支障の無かった駅では精算の為長蛇の列となるなど、本来が大きな欠陥と課題を抱えていた広域・共通のデータ通信式自動改札システムの脆弱と、その対応力=危機管理能力の低さが露呈した。
始発時、「日本信号」が製造した機械が殆ど立ち上げられない状態になった。東日本旅客鉄道のカードシステム「スイカ」と民鉄系カードシステム「パスモ」が相互使用出来る様になって始めての大規模支障に、鉄道会社の対応は全くバラバラで旅客は大いに困惑した。
東日本旅客鉄道各駅と民鉄ターミナル駅では混乱防止の為に改札解放を11時過ぎまで続けた。しかし支障の無かった駅では自動改札を有効としていた為、有人窓口に精算の列が出来た。
ICカード自動改札システムは、改札機を各駅で立ち上げると一度ホストコンピューターに信号が発信され、認識「返信」を受けて立ち上がるが、何らかの不具合から立ち上がらなかった。
冬柴国土交通大臣は閣議後の記者会見で、原因究明と再発防止徹底を指導したいと述べた。
現行のシステムには大きな欠点が幾つも在る。
「迂回・振替輸送対応が出来ない」「均一回数券が構成出来ない」等、利用客には「数値的」に不利益な状態を押し付けて無理して作った「共通化」である。
人減らしは経営の力量を見るメーターでは無い、如何に無駄な人間を減らして、危機に強い「強靱な」体制を作るかが現在「国際的企業共通の課題」であるにも関わらず、未だバブルに酔っているのだろうか。
「日本信号」は謝罪会見をしたが、同時に各社も旅客に直接応ずる側としてきちんと謝罪すべきである。
「駅ナカ」で固定資産税増額
東京都は10月01日(月曜日)、東日本旅客鉄道や東京急行電鉄株式会社・西武鉄道株式会社・京王電鉄株式会社等山手線接続ターミナル駅を抱える鉄道事業者に固定資産税と都市計画税の評価基準を見直し、計22億円を追加課税する旨を通達した。
駅は公共施設である。この大原則を破壊する今回の「増税」は「駅ナカ」と呼ばれる駅コンコース等での商業施設拡充による増収が、かなり大きなものとなって来た事による。
駅の税金評価は周辺商業地の半分から3分の1に抑制されて来た。これは「駅は公共施設」の原則によるものだが、「上野・東京駅クラスでは駅隣接や銀座のデパートより儲かる」(元鉄道弘済会関係者)し、店舗地代+鉄道会社への「上納金」と言う市中の商業施設より割高な「テナント料」の仕組みがこのところの「駅ナカ」ブームで拡大する売上げと共に鉄道各社の収益割合に大きく寄与して来た為である。
この格差是正は各地で訴えられているが、本格的に実施した事で全国的に波及する「恐れ」もあり、鉄道各社は戦々恐々である。
都の試算では本年度約190億円が220億円程度に増額となり、今後も周辺ターミナル駅の「検地」は進める方針だ。
しかし一方で本当に「公共施設」となっている駅が殆どで、バリアフリーだの景観向上だのと駅に掛かる経費は莫大で、それらの費用も含まれる「駅ナカ増収」である事を考慮する必要もある、結果損失は運賃値上げで利用客にハネ返るのだから。
第261号(平成19年10月11日号)
丸ノ内線混乱は「ゴム管老朽化」
10月04日(木曜日)17時37分頃、東京地下鉄管内丸ノ内線新宿御苑前〜四ッ谷三丁目間(期間1435mm/複線/直流電化第三軌条毀電式)運転中の荻窪17時18分発池袋行B線第B1767列車(03系電車6両/運転士・車掌及び旅客約400名)が突然急停止した。
運転士が点検したが原因が判明せず、同社はB1767列車の運転を打切った。
しかし同線は第三軌条毀電式で旅客の地上誘導には走行軌道脇の通電軌条への通電を停止させなければならず、銀座〜荻窪間で停電させて旅客400名を30m先の四ッ谷三丁目駅まで誘導、19時頃まで抑止となり約9万人が大迷惑を被った。
原因は進行1・2両目間のゴム空気管が損傷し空気が漏れた事で非常制動が掛かったもの。
原因不明・異音で停止
10月09日(火曜日)07時19分頃、西日本旅客鉄道管内関西本線天王寺〜東部市場前間(複線/直流電化/高架)走行中のJR難波(湊町)07時14分発加茂行上り区間快速第304K列車(電車6両)運転士が異音を感じて急制動を掛けて停車した。
運転士が降車して検索したが異常は認められず、8分遅延で運転を再開したが、通勤時間帯でもあり運転整理が混乱し12本が運転休止、50本が最大20分遅延し6万人に影響が出た。
フェリー事故別府と松山で
(10月07日05時50分頃別府)
10月07日(日曜日)05時35分別府国際観光港を出航した宇和島運輸フェリー所属「おおいた」(2453t/梶田秀利船長/乗員13・旅客52=計65名搭乗)が港内進行中の05時40分頃、突然全機関が停止し操船不能となり、同50分頃には右舷舳先が東防波堤突端航路標識(灯台・高さ6.4m)と接触、これをなぎ倒して更に港外へ出て漂流状態となった。
同船は港から南方約1kmの海上で応援に駆け付けたタグボートに曳航され09時20分頃、別府国際観光港へ戻った。
大分海上保安部が原因を調査しているが、出航直後にファンネル(煙突)から異常な黒煙が出ているとの目撃情報もある。
(10月07日22時15分頃松山)
同じ10月07日22時15分頃、西大分港発の関西汽船所属「さんふらわあこがね」(9710t/中村泰裕船長/乗員旅客313名・積載車両122台)が松山観光港フェリー岸壁に着岸操船中、左舷後方が岸壁と激突・小破した。
船内は大きな衝撃があったものの乗員旅客と積載車両等に死傷等は無かった。
松山海上保安部では着岸操船時に減速し切れなかった「操船ミス」と見ている。
同じ日に関係のある2つの港でのトラブル、船長や特定個人のミスだのと責任追求をする以前に「事故に偶然は無い」と肝に命じて「起こり得る大事故」への「警告」と捉えて安全対策をもう一度見直して頂きたいもの。
インターネット掲示板に「爆破予告」の25才逮捕
9月28日(金曜日)、警視庁と同調布警察署はインターネット掲示板に「28日21時に京王電鉄調布駅を爆破する」と書き込んだ三鷹市在住の無職・平井淳容疑者(25才)を威力業務妨害容疑で逮捕したと報道された。
「むしゃくしゃしていたので自分の携帯電話から書き込んだ」と供述しているが、この投稿は27日18時頃でほぼ1日で検挙した捜査員の気合は凄い。
いわゆる「怪電話」やら「怪文書」は昔から後をたたないが、テロの脅威がドラマやマンガの世界に留まらなくなった昨今、洒落では済まない。
一方で鉄道会社も司法機関もそれらを「他愛の無い」と済ませない心構えが不可欠だ。鉄道の場合時限爆弾と同等に石ころでさえ「大量殺人」の兵器になる。
見て見ぬふり、これがテロリストを跋扈させる最大の「支援」だと言う事を肝に命じて欲しい。
この25才テロリスト君、執行猶予不要の厳罰ものとすべき。
第260号(平成19年10月10日号)
新交通システム「日暮里・舎人ライナー」開業は3月30日
東京都が平成9(1997)年から都道58号(尾久橋通)上建設を進めていた「日暮里・舎人ライナー」(新交通システム/複線/日暮里駅〜見沼代親水公園間9.7km/13駅)の開業が平成20(2008)年3月30日(日曜日)と決定した。
足立区西部エリアは環状7号(都道)を中心に道路整備は進んでいたが、基幹公共交通は皆無でこの付近では東武鉄道か京浜東北線に一旦「横動き」をしてからで無ければ都心部へ移動出来なかった。
バス路線は豊富だが混雑する西新井橋・扇大橋・江北橋等を通過しなければやはり都心部へ行けず「陸の孤島」だった。
東京都交通局が運営するこの新交通システムは日暮里へ直行、バスに比べて通勤時間帯は半分の時間となる。
初乗160円・全区間320円となる。
レールフェステのメイン会場でもある足立区北鹿浜公園には谷在家駅が至近だが、駅勢圏に及ばない為交通の案内は特に変更しない(交通文化連盟文化局)と言うが、熊野前駅で都電との接続があり、また鹿浜・舎人地区には公園も多く、通勤通学に加えて「都市観光」による地域活性化も期待されている。
常磐緩行線で「異臭」列車運転を打切
10月09日(火曜日)08時18分頃、東日本旅客鉄道管内常磐線松戸駅6番ホームに到着した常磐緩行線取手07時49分発代々木上原行上り第732K列車(東日本旅客鉄道松戸車両センター所属203系電車10両)の綾瀬方1両目床下・台車付近から「焼けた」臭いがするのに運転士が気付いた。
東日本旅客鉄道では732K列車の運転を打切り、隣接の松戸車両センターへ収容した。
このトラブルで常磐緩行線は最大15分遅延したが大きな混乱にはならなかった。
レジン製の制動装置制輪子は強い制動を掛けた時、焼けた臭いがするものだが、毎日その「臭い」とつきあう運転士が異変と感じるのであるから相当の異臭だったのではないだろうか。
別の情報だと松戸駅開扉と共に1・2両目車内に異臭が立ち篭め、一度降車した旅客も少なく無かったと言う。
満員列車が突然全開扉
10月01日(月曜日)17時25分頃、西日本旅客鉄道管内福知山線西宮名塩駅を発車した大阪16時54分発福知山行下り快速第2747M列車(電車7両/運転士・車掌及び旅客約700名)車掌が進行7両目扉に旅客の荷物が挟まっている事に気付き、開扉操作を行った際に誤って全開扉操作をした事故があった。
本来は運転士に通告すべきなのだが慌てていたのか開扉、進行1両目は完全にホームから離れていた。
幸い旅客に転落も無く約700名の旅客に死傷は無かったが、一歩間違えれば福知山線で再び旅客事故となるところ。未だ「遅延恐怖症」が蔓延している証拠でもある。
総武本線で特急と軽自動車が衝突
10月02日(火曜日)08時35分頃、東日本旅客鉄道管内総武本線榎戸〜八街間(単線/直流電化)二分社踏切道(第一種)に差し掛かった東京07時36分発銚子行下り特急第4001M列車「しおさい1号」(幕張車両センター所属183系1000番台9両/運転士・車掌及び旅客約200名)が、踏切軌道内に立往生している軽自動車を視認、警笛吹鳴と同時に急制動を掛けたが間に合わず、衝突して列車は停止した。
軽自動車は八街市在住の女性(40才)が運転していたが警報器が鳴り出した踏切上でエンジン停止となったものと見て、千葉県警察本部佐倉警察署では詳しく事情を聞いている。
この運転手や4001M列車の乗員旅客に死傷は無かったが、対自動車踏切事故の殆どは車が「加害者」である。無理な横断や「拠り所の無い自信」は大きな損害となる。
第259号(平成19年10月09日号)
総武流山電鉄2000系「流馬」(二世)引退
平成9(1997)年10月に総武流山電鉄冷房・カルダン化置換として使用を始めた2000系「流馬」(二世=2000B第2編成)が11月で引退する事が決定した。
11月18日(日曜日)には「さよなら」企画も予定され、記念きっぷも販売される。
「流馬」は総武流山電鉄輸送力増強策(20m×3両化)の一環として昭和54(1979)年5月に導入された1200系第2編成<クモハ1204(西武クモハ510)+サハ62(西武サハ1509)+クモハ1203(西武クモハ1209)・青22号+白色帯>が平成8(1996)年に引退したのを「継承」して登場した2000系第4編成で3両編成の「B編成」では2編成目。
「青空」(2000A第1編成)と同様の西武801系の改造で、西武クハ1809+モハ809改造のクモハ2004、西武モハ810のモハ2102、西武クハ1810のクハ22の3両で、クハ22号のみ台車が空気バネFS072となっている。「明星」「なの花(二世)」の701系とは改造種車が違うが、部材や仕様が同じ為2000系と総称されて番号も通しとなっていた。
昨年ワンマン化改造された2両編成(2000A)の部品確保に伴い、検査周期に当たるこの編成が引退となるもので、スカイブルーの流鉄車が消滅する。
来春D改で「大津京」へ
西日本旅客鉄道が来春のダイヤ改正時に湖西線西大津を「大津京」、雄琴を「おごと温泉」と改称する事が報道された。
この2駅は大津市にあり、改称に伴う費用のうち約1億3千万円は大津市が負担すると言う。
また東海道本線山崎〜高槻間に新設される駅は「島本」、鷹取〜須磨間「須磨海浜公園」、山陽本線英賀保〜網干間「はりま勝原」とされる。
ブレーキディスク固定ボルト折損のまま「運転」
9月25日(火曜日)23時50分頃、東海旅客鉄道管内大阪第一車両所に戻って来た300系電車(16両)を点検中の検修職員が14号車(東京方3両目)326型普通席電動客車の車輪に取り付けてあるブレーキディスクを固定している12本のうち1本(長さ17cm/約800g)が折損しているのを現認した。
この編成は9月23日の仕業検査時には異常は無く、東海道新幹線運行(こだま1運用/ひかり1運用)を終えて戻ったもの。
第258号(平成19年10月09日号)
三峰ロープウェイ廃止決定
秩父鉄道株式会社が直営する索道「三峰ロープウェイ」(大輪〜三峰山頂間1.9km)が12月1日で正式に廃止される事になった。
昭和39(1964)年に交換された施設の老朽化で昨年5月から営業を休止していたが、その更新に10億円程度が必要となる事から同社で慎重に検討されていたが、減少する利用の回復にはつなげられないと判断され廃止となった。
老人運転の乗用車、「函館本線」を500m「走行」
敬老の日直前の9月14日(金曜日)21時30分頃、北海道旅客鉄道管内函館本線幌向〜上幌向間(複線/交流電化)踏切道付近の軌道上を走行する「乗用車」を付近住民が視認、110番通報した。
受理した北海道警察本部の係員が「踏切の非常ボタンを押して」と指示、函館本線は抑止となったが、既に幌向の隣接駅・岩見沢には旭川21時30分発札幌行上り特急第2022M列車「ライラック22号」(785系電車4両)が22時32分に出発していた。
札幌方面岩見沢警察署員が駆け付けると乗用車は軌道を500m走行して停車しており、運転していた75才男性は呆然としていたと言う。
この「珍事」で2022M列車が1時間14分遅延したのを始め、影響で千歳・札沼線にも遅延が出た。
この老人は「道を間違えた」と供述しているらしい。
現場は岩見沢市御茶ノ水付近で、南方に国道12号線が並行している箇所で、昭和61(1986)年8月16日に北海道鉄道研究会が運行した「そらち」号に際してトラブルを起こし、担当者が走行中の車内から「応急措置」をした辺り。
早朝の伊勢崎線混乱・女性自殺
9月25日(火曜日)06時05分頃、東武鉄道管内伊勢崎線北越谷〜大袋間(複線/直流電化)の踏切道(第一種)に差し掛かった新栃木05時00分発浅草行上り区間急行第2200列車(電車6両/運転士・車掌及び旅客約500名)運転士が踏切道に侵入し軌道内にうずくまった女性1名を視認、警笛を吹鳴し急制動を掛けたが間に合わず、この女性と接触した。
2200列車乗務員や旅客に死傷は無かったものの、女性は全身強打で即死し、計20本が最大1時間遅延し約3万人が迷惑した。
津田沼駅で「救助作業」
9月22日(土曜日)17時25分頃、東日本旅客鉄道管内総武本線津田沼駅列車ホーム停車客扱中の当該駅始発久里浜行上り快速第1764F列車(217系電車15両)の車内で、旅客の小学5年生女児(10才)の腕が客側面扉脇の手摺と客車側版の間約4cmに挟まった、とこの女児の母親から職員に申告があった。
駅では習志野市消防本部へ救助を要請、18時頃同消防本部救助隊が油圧ジャッキで手摺を拡げて救出、女児に負傷は無かった。
この「事故」で1764F列車とその後に続く運用等8本が運転休止、4本が最大15分遅延した。
第257号(平成19年10月02日号)
またまたボンバがトラブル
<9月29日>
9月29日(土曜日)08時50分頃、福岡空港(第二種)で離陸体制で滑走路航行中の天草エアライン福岡発天草行第102便(ボンバルディア式DHC8-100型/プロップターボ双発/乗員3名及び旅客12名搭乗)の右発動機が突然停止した為、機長は離陸を中止し緊急停止し駐機場へ戻った処、右発動機から燃料が漏れているのが確認され旅客と乗員15名が避難した。
原因は燃料管部品の間違いによるものと判明し深刻な事故では無いものの一つ間違えば大惨事になるところだった。また旅客乗員に死傷は無かったがこの影響で4便が欠航した。
<10月01日>
10月01日(月曜日)11時20分頃、庄内空港(第二種)駐機場で出発前点検を行っていたアイベックスエアラインズ庄内発大阪国際空港(伊丹)行第3072便(ボンバルディア式CRJ−100型/ジェット双発)の機体に燃料漏れがあることを整備員が現認、3072便は欠航となった。
旅客27名は搭乗前で他乗員にも死傷は無かった。
遮断器突破の危険運転で一時抑止
9月23日(日曜日)22時54分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線尼崎〜立花間(複々線/直流電化)東七ツ松踏切道(第一種)付近加速運転中の米原20時46分発姫路行下り快速第847T列車(電車8両)運転士が当該踏切道内に侵入する黒色又はそれに近いセダン型乗用車を視認、警笛を吹鳴し急制動を掛けて停車行動を取った間に、乗用車は遮断棹を折損し強行突破、そのまま逃走した。
この事件で計11本が最大15分遅延したが847T列車乗務員・旅客に死傷は無かった。
現場は尼崎市役所の北方にあたる場所で通報を受けた兵庫県警察本部尼崎北警察署では道路交通法違反事案として捜査中と言う。
この事件を含めて近畿圏では踏切道遮断棹折損事件が多発しており、9月だけで20件以上となっている。
関西人は気が短いと聞いた事があるが、反面共助精神は強い「民族」とも。その「関西魂」と言うプライドに掛けてこんな事件は根絶して欲しい。
33mの踏切を渡り切れず
9月24日(月曜日)14時05分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線高槻駅構内の踏切道(第一種)内で通りかかった須磨12時46分発京都行上り各駅停車第172B列車(電車8両)運転士が高齢の女性2名が「立往生」しているのを視認、急制動を掛けて停車した。
この女性2名はその直後踏切道から自力で「脱出」して無事、172B列車乗務員・旅客にも死傷は無かった。
第256号(平成19年10月01日号)
東海道新幹線開業43年・変わり行く「シンカンセン」
東海道本線別線増線として昭和39(1964)年10月01日から始まった「新幹線」の歴史も43年、高度経済成長・バブル崩壊・モラルハザードの時代をへて今も日本の経済を支えている動脈だが、この程東海旅客鉄道と西日本旅客鉄道の「A幹線系統=東海道山陽新幹線」のN700(750)系電車を約2000億円を掛けて42編成(672両)を追加投入すると発表し、同系列が96編成(1536両)となる平成23(2011)年度末には「初代」0系(現有6編成36両)が引退する見通しとなった。
「二代目」100系電車も既に東海道区間からは消えて、山陽区間ローカル用となっているが22編成110両もこの時点で消滅する公算が強い。
また「夢の新幹線」を具現化した500系電車(現有9編成144両)は現在最高レベルの新幹線機材だが、保守管理の合理化で750系に淘汰される形で東海道区間での運用は無くなる。
そして「三代目」の「東阪間2時間30分」を実現した平成生まれの300系電車(現有70編成1120両)も500系同様東海道区間から引退する。
<皮肉な憧れの交錯>
一方でこれら「第四世代新幹線」が旅客サービスの「逆行」を「定着化」させようとしているとの声もある。
国際的にみれば日本のシンカンセンは最早「都市間高速列車」と言うよりは「通勤路線」だが、サービスの指向的には「飛行機」を目指している様だ。
「基本的に御客様は一度シートに座ったら動かないでね型へサービススタイルを変えて来た、食堂車やビュッフェの廃止などから見てもJR東海の飛行機指向は強い」と食堂車乗務経験がある交通文化連盟・宮本専務理事は語る。
一方で「多様化・(他社との)差別化で客足の奪い合いをしている航空業界はこの所輸送効率=機体へ狭いシートを押し込んで便あたりの客席数を上げるより、豪華さや歩き回れる甲板設計を指向している」と同吉野理事長は言う。
「この指向性は飛行機の列車が持つ機動的でゆったりとした特性への憧れとも言える、ただ憧れの対象は日本の列車では無くワゴン・リ(国際寝台車欧州急行列車株式会社)の様な豪華列車や、或いはひと昔前の豪華客船だろう、対して海旅(東海旅客鉄道)の指向性は飛行機。それも座席を押し込んだ大量輸送主義、つまり通勤電車の設計思想と言わざるを得ない、時代はそれを望まないくても<のぞみ>と名付けた皮肉とも受け取れる」と冷ややか。
現在、時間的にはほぼ互角の航空と新幹線の「東阪戦争」は実価格では飛行機に負けている。その国の代表列車が食堂も喫茶も無い通勤列車では「国際競争力」もあったものでは無い。
「郵政」が株式会社へ、日本最大の企業グループ誕生
その昔、「三公社五現業」と呼ばれた国営事業は、日本国有鉄道・日本電信電話公社・日本専売公社の3公社は昭和時代に「営利法人」となり、この7事業で最大規模の「郵便局」が10月01日(月曜日)に営利法人となる。
発足するJPグループは国鉄同様「公社の法人化」のスタイルを取り、持株会社(総本店)の「日本郵政株式会社」(資本金3兆5000億円/職員3500人)、「郵便局株式会社」(資本金1000億円/職員11万9900人/13支社/2万4000箇所)、.「日本郵便株式会社」(資本金1000億円/職員9万9700人/13支社1093支店)、「株式会社ゆうちょ銀行」(資本金3兆5000億円/職員1万1600人/234店舗/預金残高188兆円)、「株式会社かんぽ生命」(資本金5000億円/職員5400人/81店舗/資産残高113兆円)の計24万人に及ぶ巨大企業群となる。
一時「流行した」地域分割は無いが、事業毎に別会社としたのがポイント。
国鉄がJRとなって細かくは改善されたが、総体的に見れば不便になった。
郵便はどうなるのだろう?
第255号(平成19年09月28日号)
関西本線続く踏切事故
八尾空港の東から北へ半径3200mの緩やかな曲線を主体とした通勤路線・西日本旅客鉄道管内関西本線志紀〜八尾間(複線/直流電化/2k580m)で今月に入ってから既に3件の踏切道に関する人身事故が発生
(第一事案)
9月4日(火曜日)20時21分頃、同区間弓削踏切道(第一種)に惰行運転で差し掛かったJR難波(旧・湊町)19時57分発柏原行上り普通第2882K列車(電車6両)運転士が踏切内に居た人影を視認し警笛を吹鳴・急制動を掛けたが間に合わず接触、男性歩行者が死亡した。
この事故で2882K列車乗務員・旅客に死傷は無かったものの、関西本線は約1時間抑止され、計25本が運転休止・19本に最大1時間24分の遅延があり、約2万5千人が迷惑した。
(第二事案)
9月14日(金曜日)22時05分頃、同区間の大阪府八尾市安中の踏切道(第一種)に差し掛かった八尾停車減速中の奈良21時32分発JR難波(旧・湊町)行下り普通第1905K列車(電車6両/運転士・車掌及び旅客約100名)運転士が軌道内を歩いて居た八尾市在住の無職男性(34才)を視認、警笛吹鳴し急制動を掛けたが至近距離の為に間に合わず接触、この男性は死亡した。
1905K列車乗務員・旅客に死傷は無かったものの、関西本線は奈良〜JR難波間が1時間30分程度抑止となり、計10本が運転休止・21本が最大1時間30分遅延した。
連休前金曜日の深夜でもあり約2万人が迷惑した。
(第三事案)
9月25日(火曜日)06時35分頃、同区間の大阪府八尾市相生一丁目の丸全踏切道(第一種)を加速運転中のJR難波(旧・湊町)06時15分発京都行上り普通1712K列車(電車6両)運転士が遮断捍を押し上げて軌道内に侵入、横たわった50〜60代の女性を視認し警笛を吹鳴・急制動を掛けたが間に合わず接触、女性は即死した。
この事故で1712K列車の乗務員・旅客に死傷は無かったが、奈良までの区間が約1時間抑止され計81本が運転休止となり推定8万人が迷惑した。
この3件の事故の支障者は無関係で性別もバラバラ、しかし事故はこの区間の、しかも中間点から八尾駅寄りで発生しており、25日の1712K列車事案は八尾駅から300mの地点である。
いわゆるオカルトな話では無く、実際には庶民生活が崩壊状態となっている今日の「超格差不景気」に原因があるのではないだろうか?
更に心理学的にも「同様の事故を呼ぶ」心理・・・集団パニックの様な状態に「地域的」に陥る事もあるのだそうだ。
何れにせよ、鉄道会社や警察当局の努力範疇外に本来はある「自殺」の防止は、全国民的な課題なのだ。
年間の交通事故死数の3倍以上、完全満員の東海道新幹線列車30本・満席のボーイング747−200型60便・北海道留萌市の住民数に各々相当する人間が自殺している。
この関西本線事案を「3万人のうちのたった3人」と見るべきでは無い、「3人は3万人の一部」である。もっと言えば「一人」を死なせない、そんな努力が自殺防止ひいては運転支障事案の防止に直結するのである。
第254号(平成19年09月27日号)
善意の寄付金不正引き出し
9月27日(木曜日)までに特定非営利活動法人の元幹部が、善意の寄付金による犯罪情報提供報酬金の銀行口座から不正に300万円を引き出していた、と報道がされた。
これは既に廃止されている特定非営利活動法人日本ガーディアンエンジェルズ(主たる事務所=東京都渋谷区・内閣府認証)中国地区本部(広島市)で発覚したもので、この地区本部長の男性が一般等からの寄付金による犯罪捜査解決に有効な情報を提供した市民に報酬を給付する基金の銀行口座から不正に300万円を引き出し流用したものだと言う。
警察庁の「肝煎り」団体として「日本有数の防犯団体」と自称する同法人だが、その活動や運営には不透明で「場当たり的」な部分が多く、年々活動は衰退している。
同組織が法人となる以前、「アメリカ直輸入」の地下鉄・JR防犯活動と称して「キセル乗車」となってしまう利用をし、それに対し「ボランティアでやってやってるのだから大目に見ろ」的発言をJR東日本職員にした事で、北海道鉄道研究会鉄道輸送警備隊が一切のJR東日本駅構内に於ける哨戒活動が出来なくなった経緯がある。
日本で最古の市民防犯組織は「町火消し衆」と言われ、明治以降は「警防団」などがあるが、いわゆる「地域防犯自治団体」を除いて最初に広域的に防犯組織を成立させたのは、同団体ではあるが、それは本部に対して自治性独立性の高い「支部」が散発的に活動を展開したまでの事で、防犯組織に不可欠な「組織統制」と言う点では分野は「鉄道」に限られるものの北海道鉄道研究会鉄道輸送警備隊(昭和56年11月28日設置)が「最古」。
現在も特定非営利活動法人交通文化連盟に引き継がれているが、このガーディアンの影響で活動が制限され、一方でSL列車運行に際しての警戒体制が全国的に慣れて来た事で「特派」となる「現場」も減少している。
鉄道輸送警備隊責任者でもある特定非営利活動法人交通文化連盟吉野理事長は「先ず活動資金ありきで動く組織に真実としての実戦力は無い、この国の文化や地域特性を把握して防犯システムは構築しなければ継続は困難で、同じ分野の団体として今回の事案は遺憾」と述べている。
更に問題はこの事実を公表しなかった「隠蔽体質」で、ネットなどでは「市議会議員になりたい者がステイタスとしてやっているだけの有名無実団体」などと揶揄されている。
防犯組織は市民の理解と協力と信頼で成立するもの。横領とも言われ兼ねない事案を起こしたと言うよりも、手弁当で無冠だがこの街の安心を守備すると言う「武士道」に、この団体は欠けていると言われても仕方が無い。
鉄道マニア軌道内に・東海道本線遅延
9月23日(日曜日)06時45分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線山崎〜長岡京間運転中の貨物列車機関士が沿線で列車の写真を撮影していた十数人程度の鉄道マニア集団を視認、このうち数人が敷地内にある事を見つけて連絡、07時30分までの45分間当該部分で徐行とした為、最大20分の遅延が発生した。
また昨今、鉄道マニア(撮影派)の「横暴」が目立って来ている。
以前の様なそれらのグループの「下地」となる「鉄道マニアサークル」に拠るものと異なり、自然発生的に発生した「集団」が「暴走」している様である。
過去に脱線事件や窃盗・列車運行妨害事件に発展したケースも少なくない、またこの付近は過去に列車撮影中の少年が列車と接触して死亡した事故も起こっている。
撮影する側は充分に留意して欲しい。
第253号(平成19年09月26日号)
福田内閣が正式発足
9月26日(水曜日)、皇居での認証式を終えて正式に福田内閣が発足した。
閣僚の変動は大きく無かったが、参議院議員選挙での敗北を受けての自民党「立て直し体制」内閣と執行部の前途は多難。
民主党はあくまで衆議院議員選挙を早期に行って「逆転・政権獲得」を狙っているが、問題はその「空白」が国民生活、とりわけ現在大きな課題となっている30〜40代の「大量浪人」とその税収減少や年金・原油高騰等に「適切な対応」遅延を呼ぶ事である。
党利党略に国民を「捨て石」にしない様に与野党の諸氏にお願いするばかり。
乗用車が軌道に転落し2人死亡
9月12日(水曜日)11時頃、長崎県諌早市天満の九州旅客鉄道管内長崎本線東諫早〜諫早間(単線/交流電化)天満トンネル西口付近で、軌道脇土手上を走る県道から乗用車がフェンスを突き破り15m下の軌道上に転落、運転していた諌早市内在住の三池広基さん(76才)と妻の千代子さん(71才)が全身強打で死亡した。
現場は県道が長崎本線の陸橋を渡る際、大きく東へ逆C字カーブを描く道路で、普段使用している乗用車が車検の為に「代車」に乗っていた。
列車との事故では無かったが、この処理等で長崎本線は6本運休・8本部分運休となった。
第252号(平成19年09月25日号)
福田内閣発足・国土交通大臣は冬柴鉄三氏
9月12日、突然安倍晋三内閣総理大臣が退陣表明を行い混迷し続けた日本の政界は、今日9月25日「安倍改造内閣総辞職」を行い、後継総理に先に自民党総裁選挙で選ばれた福田康夫氏(71才)が就任、自民・公明連立福田内閣の組閣作業が本格化した。
総辞職した安倍改造内閣は8月27日の発足からわずか30日間の短命で、安倍総理自身も365日の在任期間に留まった。
また国土交通大臣は冬柴鉄三氏(公明党衆議院議員)が留任となった。
(史上初の親子首班)
第91代・58人目の内閣総理大臣となった福田康夫氏(71才)の実父は昭和51(1976)年12月24日〜53(1978)年12月7日まで総理を勤めた福田赳夫氏(大蔵官僚・東京帝国大学法学部出身/第67代42人目)で、憲政史上初の「実親子」首班。
「実兄弟首班」は岸信介氏(第56・57代/37人目)と国鉄官僚出身の佐藤栄作氏(第61〜63代/39人目)の例がある。
名古屋鉄道小牧線で列車妨害
9月21日(金曜日)05時53分頃、名古屋鉄道管内小牧線牛山〜間内間(複線/直流電化)で、牛山駅出発直後で加速中の平安通05時42分発犬山行下り普通第531列車(電車4両/運転士・車掌及び旅客15名)運転士が、衝撃と異音を感じて急制動を掛けて停車した。
当該列車運転士が降車し調べてみると砕石痕跡を3箇所現認した。
同社で職員を現場に急行させ更に調べると間内駅までの間800mに計11箇所の「置き石」が確認された為、06時25分愛知県警察本部に通報、春日井警察署員が列車往来妨害事件と認定、捜査に着手した。
531列車は遅延したが運転を再開しているが、死傷が無かったものの一歩間違えれば金曜始発の大惨事となっていた。
この周辺では以前にも列車妨害事件が発生しており、断固検挙と防圧強化をお願いするばかりである。
車内で旅客が「暴れ」て抑止
9月22日(土曜日)09時08分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線吹田〜岸辺間を走行中の播州赤穂07時17分発長浜行上り新快速第3214M列車(221系電車8両)車内で旅客が「暴れた」為に別の旅客が非常停止ボタンを押して発報、列車は急制動を掛けて停止した。
詳細は不明だが列車は25分遅延で運転を再開、最大7本が遅延した。
のぞみに接触・足を挟まれた女性で東海道新幹線抑止
9月12日(水曜日)11時47分、東海旅客鉄道管内東海道新幹線名古屋駅14番線ホームで、閉扉後発車した博多08時28分発東京行上り快速運行便第10A列車「のぞみ10号」(700系電車16両)に女性が接近、足を挟まれたのを駅職員が視認し非常停止措置をとった。
10A列車は急制動を掛けて停車し、駆け付けた名古屋市消防局救急隊員に救出されて搬送された。
この事故で10A列車は現場で1時間抑止となった。
何故?と不可思議な事故であるが、全く迷惑なのは事実。
第251号(平成19年09月25日号)
新幹線電車、鉄道発祥の地へ「一番槍」
従前、英国(グレートブリテン・連合王国)の国鉄線は軌間1435mm・電圧750vの第三軌条集電方式だったが、平成6(1994)年5月6日に開業したユーロトンネル(延長50.49km/複線/交流電化2万5000v・50hz)と共に運行を開始したユーロスター(ロンドン・ウォータールー<Watelloo>〜ガル・デ・ノール<Gale de Nord=巴里北>他)の速度向上等目的で建設されていた高速新線(Channel Tunnel Rail Link=随道連絡接続鉄道)がこの11月14日に開業、ターミナル駅がロンドン市庁舎に近いウォータールー駅から、キングズクロス駅に隣接したセントパンクラス駅<St Pancras>に移るが、この新線の国内ローカル特急としてロンドン・セントパンクラス〜アシュフォード<Ashford International>間に平成21年12月から「ジャベリン」<Javelin=槍>が新設され、その機材が9月16日(日曜日)に山口県下松市の港で貨物船に積み込まれた。
総額700億円で株式会社日立製作所が受注したこの新型交流電車は、デザインは東日本旅客鉄道の新幹線機材E3系にそっくりだが、塗装はオリエントエクスプレス<Orient Express>で有名な国際寝台車欧州急行列車株式会社<ワゴン・リ=Wagons-Lits>の濃紺一色、まさにオリエントエクスプレスが目指した「東洋のジパング」から鉄道発祥地へ「一番槍」を付けた。
計画では174両29編成が用意され、中国大陸、台湾に引き続いて英国・南西州で「日仏新幹線合戦」が繰り広げられる事となる。
連携プレーで転落老婆救助
9月5日(木曜日)10時28分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線住吉駅上りホームで、88才女性旅客がホーム端から足を滑らせて転落した。
とっさに付近に居た男性旅客2名が軌道へ降り、ホーム上の男性旅客2名が協力してこの女性をホームへ上げようとしていたところ、西明石09時50分発松井山手行上り各駅停車第4508C列車(電車8両)が接近、この男性達が大きく手を振って4508C運転士に警告、運転士が気付いて急制動を掛けて現場から5mの位置で停車した。
転落した女性は軽傷で、この4人のうち2人は西日本旅客鉄道の関係会社に勤務していたものの、他2人は一般旅客だった。
震災や脱線事故でも輝いた「無名の市民による緊密な連携による救助」は、今や神戸の素晴らしい「文化」になりつつある様である。
更にこの事故による大幅遅延も運休も無かったと言う、防災とは職員ばかりでは無く「居合わせた市民」同士の「明確な一つの目的に対する連帯」によってより強く得られる結果だと言う事を実感する話題である。
三軒茶屋駅で発煙騒ぎ
9月18日(火曜日)23時30分頃、東京急行電鉄管内田園都市線三軒茶屋駅上りホームに煙が吹き込んでいるのを旅客や駅職員が視認、即時に渋谷〜中央林間間全線で抑止となった。
通報を受けて東京消防庁は消防車14台を出したが、同駅地下1階機器室で送風機フィルター1枚が焼けたのみで19日02時55分に鎮火を確認した。
同線は19日00時20分に抑止を解除したが、終電間際でもあり混乱が見られたと報道された。
ほぼ地下鉄の田園都市線、各種規格は厳しいものだそうだが特に暑さが未だ取れない都市では地下駅の冷房は必需、原因を徹底して調べて欲しいもの。
第250号(平成19年09月22日号)
常磐線が「国境」で立往生・2時間カンヅメのお粗末
9月21日(金曜日)22時41分頃、東日本旅客鉄道管内常磐線取手〜藤代間(複線/交直混在電化)上り線を交直切換区間惰行運転中の勝田21時01分発上野行上り普通第1470M列車(勝田車両センター所属531系電車10両/運転士・車掌及び旅客約400名)の運転電気系統が突然故障し、取手駅北方約400mの茨城県取手市井野の踏切道付近に停車した。
運転士が原因を調べたが不明で、復旧も出来なかった為に応援の職員を呼んだがやはり原因と対処が不明だった。
既に蓄電池も切れ、空調も室内灯も消えて「非常灯」のみの薄暗い車内の旅客約400名を救済すべく、1470M列車後続で藤代駅抑止中の貨物列車機関車(EF81型式)に救援を依頼したものの、現場は「もっとも停車してはいけない」無毀電区間(交直流の電気方式切換の為、電気を流していない区間)で、救援出来ず、22日00時30分頃から旅客を降車させて軌道沿いに取手駅まで徒歩誘導した。
この直前の22時34分には常磐緩行線北松戸駅で到着進入中の列車に旅客が接触する人身事故が発生しており、常磐緩行線は綾瀬〜取手間が抑止となっていた。
それに加えて「本来は別離運転」出来る常磐線快速電車区間(上野〜取手間)も抑止され、金曜夜の常磐線は完全に麻痺してしまった。
一部運転を再開し「上野暴動」や「日暮里難民」は発生しなかったが、常磐緩行線の抑止解除が為される23時22分まで混乱した。
一方、1470M列車旅客は暗い軌道を400m駅まで歩かされ、女性旅客1名が気分が悪くなり救急車搬送された。
現場は国道6号線と並行し北側にキリンビールの工場がある田畑の真ん中で、要所に東日本旅客鉄道職員が誘導で立っていたと言うが心細い思いをして歩かされたのは想像に難く無い。
今日、合理化の名目でディーゼル機関車が急速に減らされている、もっとも通常活躍する貨物入換を必要とする現場も少ないのだが、「死点」(デッドセクション=隠語でデッドポイントとも)を抱える常磐線の場合、我孫子や取手に1両程度は「救援機」を置いてもおかしく無い。
更に、昨今懸念されている大規模災害に備えて、要所にそれら「立往生」電車列車の救援と、資材搬送用のディーゼル機関車を常備させて置くべきでは無いだろうか。
無論、鉄道会社の負担にさせるばかりで無く、それら「危機管理」に伴う負担は固定資産税の免除・国庫による全額負担等国策としても対応されるべきものではある。
更に最近、これらの事故に於ける「大本営」つまり「指令室」の決断が余りに遅い。
その人材の「質的向上」も、「防災」上不可欠である。
なお当該1470Mが取手(我孫子)駅に収容されて常磐線が抑止解除となったのは、22日04時45分である。
警報器故障の踏切道で列車と車が衝突・1名死亡
9月21日(金曜日)12時05分頃、近江鉄道本線愛知川〜五箇荘間(単線/直流電化)走行中の貴生川11時24分発米原行上り快速第90列車(800系電車2両/運転士及び旅客8名)が愛知川第4踏切道(第二種)に差し掛ったところ、この踏切道に県道から東近江市在住の男性会社員(30才)の運転する軽自動車が進入するのを運転士が視認、警笛を吹鳴し急制動を掛けたが間に合わず衝突、軽自動車は大破し運転していた男性は死亡した。
90列車の運転士と旅客9名に死傷は無かった。
しかし、滋賀県警察本部の調べによるとこの愛知川第4踏切道の警報器(遮断器は無い)ベル(電磁打子式)のコイルが「高圧の電気が何らかの原因で流れた」為に焼損しており、警報器のランプは点滅するがベルが鳴らない状態であった事が判明、同鉄道の岸邦之社長が遺族に謝罪した。
22日には国土交通省近畿運輸局が現地調査を行い、同鉄道から管理体制等の事情聴取を行うなどした。
当日は晴天で点滅するランプは見えにくいだろうし、走行中の自動車に乗っていると接近して来る電車の音は聞き取りにくい。
故に自動車を運転する側も地方鉄道のしかも「遮断器の無い」踏切では一旦停止を励行する癖が結果として「防災」の近道である。
また別途報道ではこの警報器は20日には鳴らない状態だったと証言もあり、近くに落雷した際に過電流が流れて故障したとも推測されている。
と、なれば益々「警報器」「遮断器」を過信してはならない、面倒でも踏切では一旦停止&左右確認を励行すべき。
自動車で電車にケンカしても勝目が無い事は明らかだし、第一怪我などしなくても莫大な「損害賠償」が付加する。
第249号(平成19年09月21日号)
信越本線全線復旧
9月13日(木曜日)始発から、不通となっていた東日本旅客鉄道管内信越本線柿崎〜柏崎間が復旧・運転を再開した。
また運休となっていた特急「日本海」や「北越」も運転再開となった。
平成19年7月16日(月曜日)10時13分頃、新潟県中越沖(東経138.6度/北緯37.5度/震源深度10km)を震源とする最大震度6強(飯綱町・長岡市・柏崎市・刈羽村)・マグニチュード6.8の甚大な地震が発生、越後線では橋脚が歪み信越本線では路盤崩壊等があったが、何より地震発生と同時に駅裏手の崖が崩壊し、第三笠島トンネル(延長348m)の東出口から至近の地点より駅西側を土砂が埋めてしまった青海川駅の復旧は難工事で、続く余震と台風や集中豪雨の影響で幾度も作業は中断した。
しかし日本海縦貫線の構成路線であり分割民営化の弊害による「列車迂回」措置の煩雑化から「日本海」等長距離便迂回もする事なく、約2ヶ月を掛けてようやく復旧した。
とは言え依然一部区間では減速運転を強いられており、柏崎・泊・出雲崎の街同様に完全復旧までには未だ時間を要する。
ベビーカー挟んだまま出発
9月20日(木曜日)10時09分頃、南海電鉄管内高野線萩原天神駅(複線/直流電化/対向式2面)を発車した難波09時31分発河内長野行下り普通第6429列車(電車6両)の進行方2両目の扉に、この駅で降車した母親(38才)が男子乳児(1才)が乗車したままのベビーカーハンドル部分が扉に挟まれた状態で走行を開始、乗り合わせていた別の旅客が非常停止ボタンを押して急制動を掛け、6429列車は134m進行して停止した。
列車の旅客やこの乳児に怪我は無かったが、母親がホームで転倒して負傷した。
ベビーカーはホーム先端から50mほど「宙吊り」となっていた。
南海電鉄では謝罪会見を開いているが、「隙間感知」どうのの前に、(1)先にホームへ降りた母親が(2)ベビーカーを抱きかかえてホームへ降ろし(3)充分な「距離」を取っていなかった為に起きたと、現在の報道各社による情報では推察される。
これは南海電鉄の6429列車に限った事では無く、結構多くで見かける。
第一、列車は常に「空いている」訳では無い、可能な限り「おんぶ」「だっこ」で列車は利用すべきで、時と場合によりベビーカーは他の旅客の迷惑どころか、これを避けようとして旅客がホームから転落しそうになった話もある。
更に、外側にカーブしている同駅では監視モニターも設置されているが、車掌証言の「見えなかった」は納得出来る。
如何にカメラやモニターの性能が上がっても「広角レンズ投射」のモニターは肉眼に比べて「大雑把」に見える。
単に鉄道会社に「おんぶにだっこ」では無く、安全な旅行には旅客の「危機管理」も当然必要である。
国鉄職員のアスベスト災害108人
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発表したところによると、アスベストによる健康被害で業務災害(いわゆる労災)に認定されている旧日本国有鉄道職員は全国で108人(8月31日現在)で、審査中(52人)と不認定(56人)を併せて216人となっている。
職場別では北海道総局苗穂工場が13人(うち認定時死亡5人)が最も多く、次いで静岡鉄道管理局浜松工場7人(うち死亡4人)、秋田鉄道管理局土崎工場6人(うち死亡3人)・東京南鉄道管理局大船工場6人(うち死亡5人)・大阪鉄道管理局鷹取工場5人(うち死亡3人)・長野鉄道管理局長野工場5人(全員死亡)・米子鉄道管理局後藤工場4人(うち2人死亡)とどれも「蒸機の牙城」と呼ばれた現場ばかりである。
また救済措置等による「健康管理手帳」交付者も全国で160人、こちらも門司鉄道管理局小倉工場14人・浜松工場12人・苗穂工場11人・後藤工場と広島車両所7人・東京南鉄道管理局大井工場と東京北鉄道管理局大宮工場が6人とやはり「蒸気機関車」の修繕基地ばかりである。
しかし東京北鉄道管理局小山電車区や北海道総局札幌客貨車区、青函船舶鉄道管理局函館船員区の様に蒸気機関車に関係しなくとも認定者が出ている。
これは鉄道事業はアスベストによって「発展」して来た宿業的歴史と関係がある。
今日、労働環境のみならず付近住民の健康被害にも関わる石綿だが、これが無ければ蒸気機関車のシリンダパッキングや蒸気管保温は出来なかったし、客車・電車の保温断熱材としても多用されていた訳で、「切っても切れない」関係がある。
勿論、現在も運行されている蒸気機関車は「アスベスト」の塊である。
但し、通常運転使用の状態で石綿が暴露・飛散する危険は無く、公園等に置いてある蒸気機関車を神経質に「除去」なんかすれば・・・この作業は蒸気機関車の構造も作用も知らない「素人」の業者が行うものが大半なので、むしろ「危険」なのである。
最後まで蒸気機関車を所管していた追分機関区や小樽築港機関区(いずれも北海道総局)、また車掌区での認定者が居ない事からも「通常使用で被爆する可能性は低い」と見て取れる。
しかしこの「乾燥石綿」を加工する工場や車両基地では当然被爆している職員は多く、分割民営化で全国に分散し「国鉄」と絶縁した「未知数」の職員を含めると更に認定者は多いはずである。
交通文化連盟、蒸気機関車保全事業を凍結
上の記事にも関係するが、9月19日(水曜日)特定非営利活動法人交通文化連盟の吉野理事長は文化局文化事業部で年度内にも着手する予定だった蒸気機関車保全事業を無期限延期=事実上凍結する事を決定、今月内に役員幹部に通達する。
予定していた機材は東京都内と千葉県内だが、一般市民によるボランティアに「危険が及ばないか詳細調査の上で」実施再開とするか決断したいとしている。
吉野理事長自身も小樽築港機関区を始め複数現場で蒸気機関車の修繕等に立ち会っていて、石綿作業の「見学」もしていると言う。
しかし現在までにその傾向は無く、神経質になり過ぎても良く無いと私的意見は述べているが、やはり新規に募集する言わば同連盟の「本来事業」である車両保全に「危険が伴う様な状況は黙認出来ない」とした。
早ければ12月にも対象として絞り込んでいる4両の現状調査を行い、2月までに結論を出したい考えだ。
第248号(平成19年09月20日号)
函館で銃撃戦の覚醒剤男、函館駅でも
9月11日(火曜日)00時30分頃、北海道函館市昭和町の路上で「銃撃戦」の末に射殺された暴力団員は前日9月10日(月曜日)08時20分頃に函館駅にも「出現」していた事が報道された。
事件は9月10日22時頃、長野県佐久市在住の住吉会系暴力団員・高成仁(52才)が宿泊していた渡島支庁七飯町の函館大沼プリンスホテル前で帰宅準備をしていたメロン販売の女性を拳銃(自動填送方式6連発・ロシア製トカレフ型と同型の真正拳銃)で脅して軽乗用車を強奪、通報を受けた北海道警察函館方面本部地域課自動車警邏係・村井光祥警部補(55才)と野島茂美巡査部長(53才)がこの盗難車を発見、追跡していると男は車を止めて降車、追跡して来たパトカーに向けて突然発砲し、同パトカーを運転していた村井警部補の右腕に命中した。
停車したパトカーから降車した野島巡査部長は暗闇で一旦は「敵」を見失うが、至近距離で拳銃を構えた男を視認し応戦、うち一発が男の胸部に命中、殺人未遂の現行犯で逮捕・救急車搬送されたが01時20分死亡した、と言うもの。
現場は北海道旅客鉄道管内江差線と函館本線が分岐した日本貨物鉄道五稜郭機関区西方の「三角状」の工場等が並ぶ地域で、他に負傷者等は無かったが、容疑者からは覚醒剤反応が出たと言う。
この男、前日9月10日08時20分頃、北海道旅客鉄道函館本線函館駅ホームでうろついていた証言があり、拳銃をチラ付かせて「磨いて」いたとも言う。
この時間、函館駅はラッシュで七重07時53分発函館本線桔梗経由上り普通第1862D列車が08時13分に到着/木古内07時19分発江差線上り普通第133D列車が08時29分に到着/08時30分発室蘭線経由札幌行下り特急第5003D列車「スーパー北斗3号」が停車中/08時48分発江差線青森行上り特急第4014M列車「スーパー白鳥14号」が停車中で、通勤・通学や「青春18きっぷ」最終日と言う事から旅行客も普段より多く、また別の報道では修学旅行の団体も居たと言う。
そんな「危険」な者が「危険」なモノを持ってふらつく等「絶対的危機事態」であり、国によっては「職質」(職務質問)以前に射殺である。
覚醒剤による心神喪失の状態であったとすれば現行法では罪は問えない、しかし立派なテロである。
刑法36条で「無駄死」させられた人間の如何に多い事か、それら全く身勝手な犯罪の犠牲者になるのは誰もが「否」であり、そもそも覚醒剤と言う「違法行為」を自分の意志で行った「付属」の犯罪ならばやはり「善良たる人間」の生命を守備する事は、被疑者の人権以上に重要であるはずであろう。
小規模テロ対策法制の整備がこの国にも不可欠な時代である。
札幌地下鉄で女性刺される/やはり立派な無差別テロ
テロばかりの記事が続くが、9月13日(木曜日)07時22分頃、札幌市交通局管内東豊線美園〜月寒中央間(複線/直流電化/案内軌条方式)走行中の栄町07時02分発福住行下り第15列車(ゴムタイヤ案内軌条方式電車4両/運転士・車掌及び旅客約700名)の進行2両目車内で、札幌市内厚別区在住の会社員女性(22才)が突然、男に文化包丁(刃渡り15cm)で左肩1箇所・左胸2箇所を刺された。
付近に居た旅客の非常通報ブザーと被害者女性が車掌室へ駆け込んで来た事で列車は一旦停止し、車掌が駆け付け被疑者を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
女性は月寒中央駅で救急車搬送され全治3週間の重傷を負った。
被疑者は市内清田区在住の池田博容疑者(64才)で、「むしゃくしゃして人を殺そうと思った、誰でも良かった」と供述していると報道された。
列車は現場で6分停車した。男は車掌が駆け付けると呆然と包丁を持ったまま立っていたとも。
どんな「性善説」に基づき、どんな宗教的哲学的論理を動員してもこれは立派なテロ。
更に「誰でも良かった」訳が無い、自分と対して抵抗力の弱い若い女性を狙った「無差別殺人」未遂事件である。
それは今日課題の「いじめ」の精神構造と全く同一である。
未来を託す子供たちへの「教育」的意味合いからも、こんな輩はもう「娑婆世界」に戻らなくて良い、テロリストに人権は不要である。
第247号(平成19年09月20日号)
ラッシュ時列車内で催涙スプレー撒く/17名が搬送
9月19日(水曜日)21時15分頃、東日本旅客鉄道管内東海道本線下り線鶴見〜横浜間走行中の東京20時53分発平塚行下り普通第923M列車(電車15両)内で、旅客の41才男性と30〜40才代の白人外国人がトラブルとなり、外国人がこの男性を暴行、21時18分当該列車が横浜駅に到着する直前、催涙スプレーを撒き散らし開扉と同時に逃走した。
この事件で現場周辺に乗り合わせて居た旅客19名が眼やのどの痛みを訴え、17名が救急車で搬送された。
この白人男性は黒の半袖シャツと黒のズボンで、降車後に地下通路へ逃走したと言う。
神奈川県警察戸部警察署では傷害容疑でこの外国人の行方を追っている。
立派なテロである。
テロ特別措置法とやらで国会は賑わっているが、不特定多数の無関係な人間に対し閉鎖的空間に於いて行われるこれら複数被害者を出す事件は「テロ」として問答無用で死罪か終身刑にすべきでは?
この国は「テロリスト」に甘過ぎる。
こちらは自爆テロ
9月10日(月曜日)、東京地方裁判所で爆発物取締罰則違反事件の初公判があり、驚くべき「テロ計画」が東京で存在して居た事が明らかになった。
都内在住の寺沢善博被告(38才)は今年の春から爆弾製造を始め、夏頃に西武鉄道新宿線の朝の上り列車内で「自爆テロ」を計画して居たと言うもの。
あきれたのはその動機で、「就職しても解雇される事が重なり、仕事をしている人に憎悪を抱いた」と言うもの。
一人で死ぬのは「不満」とでも思ったのか、6月に警視庁が家宅捜索をして事前に検挙しなければ、手足も不自由な混雑の「痛勤」列車はまさに無間地獄になった。
上の事件もそうだが、黙って御希望の通り死なせるのが「武士の情け」である。
精神構造的に社会環境に調和出来ない、それに自分を合せる「苦労」はこの被告が羨ましく思った「サラリーマン」達のほぼ全員が味わっているのだ。
矯正の見込みは無い、むしろ再犯→大量の犠牲者を出すよりは、是非一人で往って頂きたい。
近畿で連続列車運行支障
9月2日の事になるが、神戸新聞や一部メディアが伝えた連続列車運行支障事案があった。
9月2日(日曜日)12時50分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線甲子園口〜西宮間(複々線/直流電化)惰行運転中の高槻発網干電車区行下り回送列車(電車8両)運転士が軌道内に人がいるのを視認し急制動を掛けて停止し、周囲を確認したが見当たらず、13時10分に運転を再開した。
同じ2日16時10分、東海道本線摂津本山を出発した西明石15時24分発京都行上り各駅停車第210C列車(電車8両)運転士が摂津本山駅構内の踏切道を通過した際、異常な音と振動を感じて急制動を掛けて停止した。
運転士が調べると自転車盗難防止用チェーンが軌道に落ちており、11分停車の後16時21分に運転を再開した。
同じ2日19時45分頃、東海道本線須磨駅通過中の近江塩津17時11分発播州赤穂行下り新快速第3511M列車(電車8両)運転士が進行先軌道を「横断」する男女を視認し警笛を吹鳴・急制動を掛けて停止した。
付近を確認したが異常が無かった為、こちらも20時前に運転を再開した。
この3件で計18本が区間運休・31本が遅延し約2万人が迷惑した。
関連性等は報道されていないが、16時10分摂津本山での210C列車事案は「列車往来妨害事件」で、明確な刑事事件である。
夏休み最後の日と言う事で学生のいたずらと言う説もあるが、何にせよ重大事故未遂であり極めて悪質である。
第246号(平成19年09月11日号)
電動車椅子の老人が事故で死亡
9月6日(木曜日)11時45分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線摂津富田〜茨木間の歩行者用踏切道(第一種)で、野洲11時02分発播州赤穂行下り新快速第3445M列車(233系電車8両/運転士・車掌及び旅客約800名)運転士が、この踏切道内軌道に挟まって動けなくなっていた電動車椅子に乗っていた近くに住む男性(73才)を視認、警笛吹鳴し急制動を掛けたが間に合わず車椅子ごと男性と接触、男性は全身強打で死亡した。
この踏切道はいわゆる「開かずの踏切」だと報道があった。
しかし列車はハンドルを切って回避すると言う芸当が出来ないのであり、どんな状態でも軌道内に居た者が「原則的には過失」となる。
この男性は5日前に電動車椅子を購入・使用を開始した足の不自由な方だったと報道され、友人と近所スーパーへ買い物に出た所だったと言う。
踏切には「魔」が潜むと言われる。
何処の踏切道も同じ危険があるものだが、特にこの踏切道は平成17年から今まで3件4名が接触死亡している。
西日本旅客鉄道の対応に遅さを感じる点もあるが、警報器が鳴ったら入らない、更に重量があり健常者でも扱いの難しい電動車椅子では細心の注意を払って頂きたいものである。
無論、車椅子の方を糾弾したり排除するものでは無いが、「バリアフリー」と共にそれを「必要」とする側にも「注意と配慮」は不可欠なのだと言う事である。
また駅ホームにある「非常停止ボタン」の様に踏切にも「もっと分かりやすい」ものへ改善すると言う鉄道事業者全体に共通した総体的対策も必要であろう。
酔った警察官VS非常識高校生
9月4日(火曜日)22時50分頃、神奈川県横浜市旭区の相模鉄道鶴ヶ峰駅前で男子高校生(2年生16才)に暴行したとして、神奈川県警旭警察署は神奈川県警大和警察署巡査長(男性33才)を傷害の現行犯で逮捕した事件が報道されたが、各社の報道をまとめると表面的には見えなかった別の側面が見える。
事件そのものは高校生が酔った巡査長に暴行を受けた事なのだが、その原因はこの高校生が相模鉄道列車内で他の旅客を「標的」として拳銃型ライターを振り回していた事にある。
今年は長崎市長射殺や町田の立て籠り、この神奈川でも警視庁の捜査員が拳銃で撃たれて負傷している。
一般市民の「感情」として、勿論高校生の子供が持っているのだから「おもちゃ」と考えたろうが、一つ間違えば運転中の列車内でパニックともなりかねない。
何処か外国なら即座に通報・場合によっては射殺されかねない。
少なくても「酔っ払いに平手打ち」より罪状は重いはずで、この様な「見逃し」の体質や本気で怒れない「大人」の存在がこんな非常識な行為を起こさせるのである。
無論、警察官であろと無かろうと暴力は非難されるべきだが、同時にこの高校生も「迷惑防止条例違反」で逮捕すべきである。
更に「無情の非暴力と無責任な無関心」による「暴力反対」を唱えたく無い、むしろ「愛情の叱咤と同胞愛故のお節介」、それこそ現在ブームとなっている昭和40年代までの日本では全国津々浦々見られた「恐いオッサン」「煩いジイサン」こそ、地域防犯と少年非行防止の決定力だったとも分析出来るからである。
但し「無責任な暴力」は単なる犯罪である。
第245号(平成19年09月08日号)
また「ボンバ」異常で引き返し
9月5日(水曜日)11時30分頃、鹿児島県沖永良部島南方約75kmの上空を飛行中の那覇空港発奄美大島空港行琉球エアコミューター第853便(ボンバルディア式DHC8−103型ターボプロップ双発機/乗員3・旅客11の=14名搭乗)機長から那覇空港管制に「油圧系統の動作オイル量が0となったので引き返したい」と連絡があった。
853便は12時10分過ぎ、無事那覇空港へ戻り、乗員乗客に死傷は無かった。
計器の故障と見られるが、方向舵等を動かす油圧装置のオイルが無くなったとなれば操縦は不可能に近くなる。
一つ間違えれば大惨事で、トラブル続きの「ボンバ」、運航者には一層細心の注意をお願いしたいもの。
とばっちり負傷、東海道本線で
8月31日(金曜日)15時55分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線南草津駅下りホームを通過進入中の長浜15時07分発播州赤穂行下り新快速第3483M列車(233系電車8両/運転士・指導運転士並びに車掌及び旅客約400名)にホームから無職男性(19才)が飛び込み、これに気付いた運転士が50m程度手前から急制動を掛けたが間に合わず「衝突」したと報道があった。
しかし飛び込んだ時に「下」では無くどうも「上」にジャンプしたらしく、運転席窓(北側)に衝突してしまいはじき飛ばされ、ホームで列車を待っていた奈良市在住の女子大生(22才)に衝突した。
この事件で自殺したと見られる19才男性は全身強打で死亡、女子大生は足骨折の重傷を負い、3483M運転士(見習22才)が割れたガラスで負傷した。
どんな事情があるにせよ、道連れなんて下の下。
痴漢軌道へ逃走、朝の東北本線大迷惑
9月5日(水曜日)07時30分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線京浜東北線南行第743A列車(浦和電車区所属209系電車10両)<異説あり>に乗車中の都内へ通う女子高校生(15才)に痴漢した男がこの被害者に「現行犯逮捕」され、07時34分赤羽駅到着時に引きずり降ろされた。
しかし男はこともあろうにこの女子高校生の手を振りほどき、電車ホームから京浜東北線北行線軌道上へ逃走した。
丁度赤羽駅東北本線下り列車ホームに到着した上野07時25分発高崎行高崎線下り普通第837M列車(211系電車10両)運転士が、進行前方に逃走する男を視認、07時35分から53分まで東北本線・埼京線(東北新幹線通勤別線)・京浜東北線が抑止される騒ぎとなった。
推定15万人に影響を及ぼした痴漢男は現在も逃走中。
ホームに駅員が居ない事は防犯と列車安全運行に最大の「懸念」だが、周囲に居た「大人」達は一体何をしていたのか?
現行犯逮捕に当たって被疑者が抵抗した場合、現行の法制では「直接的被害者」以外の人間が関わるとその「援護人」が刑事被告になる可能性がある。
既に明治時代のモラルは崩壊して久しいのだ、現行犯逮捕時に援護する人にも「抵抗に対する抑圧の合法」を明確にする必要がある。
に、しても周囲の「大人」に「大人」が不在だった事が一番危険。
第244号(平成19年09月08日号)
平成19年台風第9号、北海道空知から北見方面へ
19年第9号Fitow(フィートゥー)は、小田原市付近に上陸後、町田市〜足利市〜会津若松市〜米沢市〜秋田市〜弘前市西部を通過し一旦津軽海峡へ出て、08日01時頃函館市付近へ再上陸し石狩方面へ進行し08日06時現在、札幌市南区豊平峡付近にあり、東経141.1度/北緯43.0度/進路北北東・時速25km/中心気圧996hpaと見られ、勢力は衰えたものの台風の状態で北進し、気象庁では08日夕刻にはオホーツク海へ至ると推定している。
但し相変わらず速度が遅く、前線を巻き込んで「大雨」を振らせている為、未だ北海道全域では大雨と強風に対する警戒が必要。
◎根室本線帯広〜根室間抑止
◎釜石線遠野〜釜石間08日終日運転休止
高山本線約3年振りに全通
平成16年10月20日に接近中の台風第23号の影響で橋梁や築堤が流出し、運転休止となっていた東海旅客鉄道管内高山本線角川〜打保間の復旧工事が完了し、9月8日始発から運転を再開した。
列車は角川〜猪谷間(単線/非電化/27.5km)で運転休止状態だったが、約3年ぶりに高山本線が全通した事になる。
工事は復旧と言うより「新設」に近く、この2月9日午後、周辺住民等が見守る中を打保駅構内に留置中の同社美濃太田車両区所属キハ485803+キハ486810が「自力回送」され、こちらも奇跡の復活を成し遂げる。
また飛騨古川で打切となっていた特急「ひだ」系統も復活し、観光による地域再生を目指している飛騨地域には大きな朗報となった。
大井川鉄道C5644機「泰緬鉄道仕様」で登場
9月4日、大井川鉄道所管の過熱式テンダー蒸気機関車C5644機が「泰緬鉄道」(現タイ王国国鉄)時代の仕様で再復元整備され、伊藤優社長・沢本正巳区長が出席して同社新金谷車両区で火入式を行った。
報道では蒸気機関車担当助役の中川晶夫氏のコメント等があったが、同氏は37才。
沢本区長も47才で車両屋としては「若い」部類だが、そんな青年達が蒸気機関車や在来型一般車の整備を手掛けている所が大井川鉄道の「強み」である。
今回整備されたC5644機は汽缶交換やデッキ・スカート新設を施し、一部鉄道マニアからは酷な声も聞かれるが、本来転車台が始発・終点に無い同鉄道では蒸気機関車運行は転車台による転向の不要な「タンク機」が「原則」。
それが「テンダー機」(炭水車)が導入されたのには深い意味と事情がある。
太平洋戦争中、アジア各国へ拡大を計った旧帝国軍・政府は資源と軍事資材輸送の為に各地で鉄道建設を進め、特に「南方」と呼ばれた台湾・南仏印(フランス領インドシナ地域=タイ・ビルマ=現ミャンマー・カンボジア等)には小型で炭水車を装備し中距離運転も出来るC56機が1〜90機まで送られ、特に映画「戦場にかける橋」で舞台となった「泰緬鉄道」(軌間1000mm/単線/非電化/415km)は1000mm軌間へ改築されたC56機が戦後も主力として使われていた。
昭和54年に有志による「帰国運動」が実り、タイ国鉄RSR725機となっていたC5631機(昭和11年日本車両製造/靖国神社で保管)と共に帰国したのがこのRSR735機ことC5644機(昭和11年三菱重工業製造)なのである。
廃車から38年振りに動態・本線営業運転復元に成功し、大井川鉄道で活躍していたもののやはり傷みが激しく、また前述の設備上都合から近年では活躍の機会が減っていた。
簡易線規格でも入れて何より炭水車が付いている事から蒸気機関車としては万能選手だが、現役機は西日本旅客鉄道梅小路運転区のC56160機とこの44機しか無く、何より「戦争体験者」としての歴史的位置付けは交通文化的価値の評価などと言うレベルを遥かに超えた「日本人」の記念碑でもある。
この「735機」は10月7日から営業運転に入る予定。
第243号(平成19年09月07日号)
平成19年台風第9号Fitow(フィートゥー)/(第二報)
19年第9号Fitow(フィートゥー)は、小田原市付近に上陸後、町田市〜足利市〜会津若松市〜米沢市〜秋田市を通過し07日17時現在、弘前市の西約30kmにあり、東経140.1度/北緯40.6度/進路北・時速50km/中心気圧988hpaと見られ、勢力は衰えたものの台風の状態で北進し、今後は渡島・日胆方面に向かう見込みで速度が遅い為に長く風雨にさらされる危険があり、今後も影響が予想されるので厳重な警戒と対策が必要。
▲首都圏〜北海道間寝台特急「北斗星」系統全便全区間運休
▲青森〜札幌間急行「はまなす」全区間運休
▲札幌〜釧路間特急「まりも」全区間運休
◎東北本線松島〜一ノ関間抑止
◎磐越西線郡山〜喜多方間抑止
◎磐越東線いわき〜船引間抑止
◎奥羽本線庭坂〜米沢間終日運休
▲奥羽本線直通特急「つばさ」系統福島〜新庄間抑止
◎大湊線全線抑止
◎石巻線石巻〜女川間抑止
◎山田線全線抑止
◎気仙沼線全線抑止
◎三陸鉄道北リアス線全線抑止
◎八戸線全線抑止
◎岩泉線全線抑止
◎花輪線全線抑止
◎釜石線全線抑止
◎陸羽東線鳴子温泉〜新庄間抑止
◎北上線全線抑止
◎仙山線愛子〜山形間抑止
◎青梅線御嶽〜奥多摩間抑止
◎吾妻線中之条〜大前間抑止
◎箱根登山鉄道全線抑止
◎東日本フェリー青函航路一部欠航
◎商船三井フェリー大洗〜苫小牧間一部欠航
被害は大きく
今回の平成19年第9号台風Fitow(フィートゥー)は、強く遅いと言う特異な性質の台風で、台風本体が未だ遠い大平洋上にあったのに福島・茨城県などで被害が出ていた。
また小田原上陸後、ほほ「相模線・武蔵野線・野岩鉄道線・日中線・奥羽本線」を経由したルートは市街地が多く、人的には死亡・行方不明2/負傷49人を出した他広域で浸水・土砂災害・橋梁被害があった。
東日本旅客鉄道管内青梅線では御嶽〜奥多摩間で6箇所の倒木があり、常磐線では強風を恐れて前代未聞の「通電区間全面抑止」をし、その後岩間〜友部間で倒木による抑止が発生した。
倒木被害は箱根登山鉄道や上信電鉄南蛇井〜下仁田間(倒木による停電)、しなの鉄道軽井沢〜小諸間でもあった。
<風圧による窓硝子粉砕>
9月06日21時45分頃、東日本旅客鉄道管内総武本線小岩〜市川間江戸川橋梁快速下り線を惰行運転中の久里浜発成田行下り快速列車(217系電車15両)の進行10両目海側(南側)側面客室ガラスが突然粉砕、ロングシートに座っていた旅客7名に当たり、このうち男性1・女性2名の旅客3名が負傷し、市川駅で降車・救急搬送された。
東日本旅客鉄道では「風圧」によるものと見ている。
まだ台風は奥羽本線で、今後「津軽海峡線」を経由して函館市に接近する。
まるで幕末の旧幕府軍が辿った道をトレースしている様で、警戒を強める必要がある。
第242号(平成19年09月06日号)
平成19年台風第9号Fitow(フィートゥー)/(第一報)
19年第9号Fitow(フィートゥー)は、06日04時現在、八丈島の南南西約270kmにあり、東経138.4度/北緯31.0度/進路北北西・時速15km/中心気圧965hpaと見られ、強い勢力のままで北進している。
気象庁によると07日未明には伊豆半島付近から相模湾に掛けての関東南岸に上陸する見込みと言われ、上陸時には970hpaと推定されているものの、速度が遅い為に長く風雨にさらされる危険があり、既に一部鉄道路線では計画的運転本数削減や、区間運休を準備する動きもあり、06日帰宅時間帯〜07日日中に掛けてかなり影響が予想される。
既に以下の路線等で影響が出ており、今後充分な警戒が必要。
<東日本旅客鉄道東北本線>
05日より降り続く雨の為、東日本旅客鉄道管内東北本線藤田〜白石間は抑止されて06日正午頃までバス代行輸送を実施している。
また05日上野19時03分発下り特急第3列車「北斗星3号」は福島で運転打切となっている。
<東日本旅客鉄道青梅線>
東日本旅客鉄道管内青梅線御嶽〜奥多摩間は06日05時17分より抑止中。
<東日本旅客鉄道吾妻線>
東日本旅客鉄道吾妻線中之条〜大前間は06日始発より抑止中、バス代行輸送実施中。
<東日本旅客鉄道信越本線>
東日本旅客鉄道信越本線高崎〜横川間は06日始発より抑止中、バス代行輸送実施中。
<東京湾フェリー>
東京湾フェリー久里浜〜金谷間欠航中。
※今後の予測
台風第9号は依然として暴風域を抱えて北上している為、接近により東日本旅客鉄道管内では伊東・京葉・久留里・内房・外房・常磐線等、伊豆箱根鉄道・箱根登山鉄道・京浜急行電鉄・ゆりかもめ等に影響が予測される。
鉄道利用時には最新の情報を確認する必要がある。
第241号(平成19年08月31日号)
旧トンネルが「遊歩道」として「開通」
8月29日、山梨県甲州市で使われなくなったトンネルが遊歩道として整備され一般に解放された。
平成9(1997)年に差し換えられて使用されなくなった元東日本旅客鉄道管内中央本線初鹿野〜勝沼間大日陰トンネル(単線/直流電化/延長1368m/上り本線)がそれで、明治36(1903)年この区間が開通した際に使用が開始されたトンネルで、東日本旅客鉄道から旧勝沼町が無償譲渡されたもの。
これを約1億円掛けて整備、町村合併で甲州市となったこの29日に目出たく開通したものだが、25.2パーミルで勝沼方に下る直線トンネルで、近代化遺産として観光スポット活用をして行く方針と言う。
トンネルは使われなくなると「放棄」となる事が多いが、山国日本の交通発展は「トンネルと鉄橋」の技術発展と直結しているものでもあり、今後の活用策に注目したい。
このトンネルを抜けたところに勝沼駅があり、駅からも近くまた慶応4年には「大久保大和守剛」こと近藤勇率いる徳川家方甲陽鎮撫隊と西軍先鋒隊とが雌雄を決した戦場も至近である。
常磐緩行線が故障で遅延
8月30日07時29分、東日本旅客鉄道管内常磐線柏駅常磐緩行線上りホームから発車しようとしていた東京地下鉄千代田線直通代々木上原行上り第700K列車(東日本旅客鉄道松戸車両センター所属203系電車10両)がパンタグラフ故障で運転不能となった。
この影響で07時30分から1時間、常磐緩行線全線(綾瀬〜取手間)が抑止となり、08時30分から綾瀬〜松戸間で一部運転再開、当該列車を応急措置して松戸車両センターへ引き上げた後の09時43分にようやく復旧となった。
東京地下鉄千代田線や小田急電鉄にも遅延・運休があり約3万人が迷惑した。
有楽町線でも車両故障
8月30日08時23分頃、東京地下鉄管内有楽町線江戸川橋駅を発車しようとした小手指07時25分発(西武線内準急第4706列車)新木場行上り第A714M列車(東京地下鉄所属電車10両)運転士が制動装置異常を確認、旅客全員を降車させて当該列車は回送とし新木場へ自力運転した。
この影響で08時39分まで全線で抑止となり、相互乗入運転をしている西武有楽町・池袋線や東武東上本線にも遅延があった。
勿論この2件に関係は無いが、事故や故障は都合良く起きてくれるものでは無い。
その「不測」に如何に迅速に適確に対処するかが、鉄道商売の「格」であり、人件費の削減=人減らしは「鉄道経営能力の高さ」判断の基準では絶対無い。
第240号(平成19年08月31日号)
高千穂鉄道延岡〜槙峰間廃止確定
平成17(2005)年9月6日に平成17年台風第14号による被災で橋梁流出等の為、営業休止状態にある元九州旅客鉄道高千穂線・高千穂鉄道株式会社高千穂線(延岡〜高千穂間50km)のうち、昨年9月5日に廃止届が提出された延岡〜槙峰間29.1kmが9月5日限りで廃止確定となる。
報道各社によると、現在宮崎県内の観光・商工関係者が設立した「神話高千穂トロッコ鉄道株式会社」が槙峰〜高千穂間20.9kmの譲渡と観光鉄道への転換・再開を目指している事から、槙峰以遠は「休止」としてある。
但しこの期限も12月26日までで、目標資金2億円のうち現在確保されているのは3500万円で厳しい状態が続いている。
この期限までに資金調達が出来ない場合、残る区間も廃止となる。
一時旅客減少で消滅の危機に瀕していた高千穂鉄道がトロッコ列車を導入したのは平成15(2003)年3月21日で、ダイナミックな渓谷の景観から人気を呼び、旅客増加に転じた矢先の台風被災だった。
各地で鉄道の廃止が増加している中で、「観光鉄道転換」で「レール死守」を構想する運動は全国的に拡大しているが、この中でも高千穂ケースは「完全民間型」として注目されている。
現有者の高千穂鉄道も譲渡に前向きであり、このまま廃止されれば至極残念だが、課題は「アクセス」である。
同じ「観光スポット化」でも旧国鉄美幸線跡を活用した「美幸トロッコ」では保線用軌道原動機付自転車を使い「アトラクション」的に「運営」している。ここは「参加者=運転者」は「普通自動車免許」を必要としているので「一般観光客向け」にアクセスの心配は無いが、トロッコとは言え「列車」を「運行」する場合、一般観光客の足を真っ先に考えなければ利用者の継続的確保は困難である。
この区間の場合、高千穂〜阿蘇と言う観光ルート上にはあるが、JR駅からどの様に旅客継送をするのかを含めて考えなければ、「レールのつながっていない」鉄道は「長生き出来ない」ジンクスを打破するのは厳しい。
東海道新幹線遅延
8月30日11時19分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線米原〜京都間で列車制御装置(ATC)の信号が何らかの理由で列車に伝達されず、東京09時03分発新大阪行下り第113A列車「のぞみ113号」等4本が非常停止した。
上下線共に11時50分には徐行で運転を再開し、13時にはほぼ復旧し遅延は最大30分程度だったが、原因は「落雷による不具合」(東海旅客鉄道)とされている。
新幹線と言う高速鉄道運行の根幹に関わる事故であり、厳密詳細に対処して頂きたいもの。
第239号(平成19年08月31日号)
福知山線連日支障
今月下旬から落雷・豪雨などで近畿地域では鉄道ネットワークがぐず付く事が増えているが、8月29日から30日に掛けて西日本旅客鉄道管内福知山線では落雷を原因としたと推定される(同社)信号機・踏切故障が相次いでいる。
<29日19時頃>
08月29日18時56分頃、西日本旅客鉄道管内福知山線猪名寺〜塚口間惰行運転中の新三田18時24分発木津行上り快速第5518M列車(207系電車7両/運転士・車掌及び旅客約700名)運転士が「上り線第2閉塞信号機」が「停止」信号を現示していた為停車した。
しかし遅延情報や先方に停車している列車が無い事などから運転士が輸送指令に報告、信号機の故障である事が判明した。
またこの区間では「三菱電機前踏切道」(第一種)など計2箇所の踏切道で列車が来ないのに遮断器が降りたままと言う「ミステリアス」な故障も確認された。
5518M列車は18分後に運転を再開したがその後も信号機は「停止」現示のままだった事からこの信号機では「徐行」制限するものとし、計28本が運休し48本が最大54分遅延したと報道された。
<30日07時頃>
08月29日夜間から行われていた信号機修理・踏切道復旧作業は始発まで掛かったが修復に至らず、「踏切道2箇所は使用停止」・「当該信号機は徐行」との措置のままで運転を開始したが、30日07時20分頃今度は福知山線伊丹〜猪名寺間「上り線第3閉塞信号機」が「停止」現示のまま故障状態となった。
この閉塞信号機は「猪名寺場内信号機」の手前、つまり駅手前直前の信号機で停車列車との追突防止に重要な役割をしているものでもあり、前日同様「時速15km以下徐行」での措置としたがダイヤは大きく混乱した。
この為西日本旅客鉄道では先ず08時10分から振替輸送を手配し、続いて11時から福知山線尼崎〜広野間を全面抑止として信号通信系統を総点検した。
12時50分に運転を再開し、故障踏切道・信号機共に「仮復旧」をしたがダイヤは大きく混乱し、69本が運休・25本が最大2時間40分遅延したと報道された。
レールフェステ10月開催が決定
08月30日、特定非営利活動法人交通文化連盟は東京都足立区北鹿浜公園で開催している小規模催事「レールフェステ」の10月開催を追加決定した。
例年4・5・7・9・10・3月に開催されていた北鹿浜公園でのレールフェステは、展示資材の老朽化とスタッフ不足から新規コンテンツの導入や会場拡大を見合わせているが、この7月開催の部分が台風の接近によるボランティアスタッフの「防災」から開催中止としていたもの。
10月20日(土曜日)は13時から、21日(日曜日)は10時から、東京都足立区鹿浜の同公園展示室で開催される。
担当の宮本専務理事によると「このステージから現在業者と共同で製作されている固定式レイアウト(2700×750mm)も正式に投入される予定」と言う。
詳しくは同連盟ホームページを参照。
第238号(平成19年08月30日号)
前線の影響で首都圏雷雨被害
8月28日夜間は南下して来た前線の影響等で首都圏広域に渡り雷雨となり、東京・埼玉・神奈川で約1万世帯近い停電や都下では床下浸水2件が確認された。
19時30分頃、西武鉄道新宿・拝島・多摩湖線の一部が落雷による信号系統故障で運転不能となり、21時過ぎに復旧するまで約5万人が足留めとなった。
この他、東武鉄道東上本線や小田急電鉄でも一時抑止となった。
真夏の夜のミステリー/消えた死体
8月27日21時47分頃、南阿蘇鉄道線阿蘇下田城ふれあい温泉〜南阿蘇水の生まれる里白水高原間(単線/非電化)で、立野21時34分発高森行下り普通第27列車(気動車1両/運転士及び旅客3名の4名乗車)が軌道内に立入っていた福岡県の無職男性(56才)と接触した。
現場は下田城駅から東へ300m程の場所で、衝撃音で急制動を掛けた運転士(67才)が降車して付近を検索、所持品等は発見したものの肝心の「本人」が見当たらなかった。
運転士は一度27列車に戻り、遅延で高森へ到着後警察へ通報し、この運転士は同僚と2人で現場へ戻り再検索し、23時前に既に死亡していた男性を発見した。
放浪生活をしていたと言う無職男性、27列車の4名に死傷は無かったものの余りに切ない人生の幕である。
第237号(平成19年08月28日号)
山陽電鉄で手信号ミス
強い雷雨で大きな被害のあった8月19日22時40分頃、山陽電鉄本線飾磨駅上りホームで、未だ停車客扱中の山陽姫路発阪急梅田行上り特急列車(電車6両/運転士・車掌及び旅客約60名)があるにも関わらず、同駅職員が手信号で後続の山陽姫路発東二見行上り普通列車(電車4両/運転士・車掌及び旅客約80名)を誘導、普通列車運転士が先行列車在線を視認し急制動を掛けて停止する事故があった。
双方は45mの距離しかなく、一歩違えれば豪雨の中での大惨事になっていた。
この日18時50分頃から山陽電鉄は列車集中制御装置(CTC)が不具合で手動信号扱いとなっていた。
またこの事故が運輸局に報告されたのは24日で、この報告遅延含めて国土交通省では航空・鉄道事故調査委員会担当官を派遣した。
阪急電鉄では車掌が無免許列車運転
阪急電鉄は8月7日00時25分三宮発西宮北口行本線回送列車を甲種電動動力車操縦者免許資格の無い女性車掌(23才)に運転させたとして男性運転士(32才)と共に社内規定によって処分すると報道発表した。
区間は9km・15分間だが本線上と言う点に大きな問題がある。
運転士は運転士志望の車掌に体験させてみたかったと動機理由を述べていると言う。
第236号(平成19年08月27日号)
安倍改造内閣発足/冬柴国土交通大臣留任
安倍晋三(自由民主党・公明党)を首班とする内閣が改造され再発足し、第五代国交相に冬柴鉄三(公明党)が留任した。
第235号(平成19年08月24日号)
立往生の大形トラックと特急が衝突4名死傷
8月24日12時21分頃、西日本旅客鉄道管内伯備線備中広瀬〜備中高梁間(複線/直流電化)広瀬踏切道(第一種)で左折しようとした大形トラックが手間取っているところに警報器が鳴り、警備会社社員・後藤克貴さん(23才)が誘導の為軌道内に入った。
そこへ岡山11時50分発出雲市行下り特急第1019M列車「やくも9号」(381系電車6両/運転士・車掌及び旅客220名)が接近、備中広瀬を通過し現場300m手前の特殊信号発光機の警戒標示を視認し急制動を掛けたが間に合わず、トラックと衝突し衝撃でトラックは伯備線と並行する国道180号線上に横転、後藤警備員はこの下敷きとなり病院に搬送されたが死亡した。
またトラックの福岡県在住男性運転手(37才)も閉じ込められ2時間後に救出されたが重傷、1019M列車の旅客2名も急制動の衝撃で転倒し負傷した。
この事故で伯備線は一部区間で抑止となり20本が運転休止となった。
現場は備中広瀬駅北西方の高梁川と国道180線、鶏足山に挟まれた箇所で、この先には戦国時代、主家再興に奔走した山中鹿之介幸盛が毛利家に暗殺されたその墓がある。
第234号(平成19年08月24日号)
西日本旅客鉄道が昼行特急に女性専用席設置へ
西日本旅客鉄道はこの10月から近畿〜紀勢方面の特急に女性専用席を設ける事とした。
当初は12〜16席でこの方面だけだが、今後拡大させると言う。
しかし問題はそんな事御手軽な話では無い。
特急サンダーバードの客室、それも座席で解体業の男が20代女性を強姦、周囲の旅客を「威嚇」して2度も乱暴を働いた事件がそもそも発端だが、これで解る通りに「隔離」してもこの手の輩は出入り出来る「列車」の特性を考えれば、女性専用と言う前に警備の乗務員や警乗警察官の増加と言う「直接的防衛策」こそ必要なのだ。
制止を聞かない場合、身柄拘束も考えなければ成らないし、第一こんな事件を起こすバカは「特段の小心者」と言う真実の姿を「刃物」で隠そうとする。
更に武装スリも依然存在する中で、旅客の生命身体財産の保安は交通機関として「当然の保証範囲」なのである。
とは言え即座に発想される「日給8000円程度の民間人で大半がアルバイト」の警備員では非力も良い所で、安い賃金で生命掛けて職務を遂行する義務も、その後の補償も無い者に「効果的」な行動は出来ない。
限定的司法権でも良いからそれらの権利行使が保証された警乗要員が必要、と言う悲しい時代なのである。
むやみに人命を損なう事は疑問だが、拳銃を安全装置解除で向けられなければ「正気」に戻れない輩もまた「一般旅客」としてむしろ「専用席」を狙う危険がある。
これはJR西日本に限らず全交通機関事業者に出された「宿題」である。
埼玉県警警部補が「片道キセル」で戒告処分
埼玉県警本部勤務の男性警部補(50才)が平成17年夏頃から月数回、乗車駅で「初乗り乗車券」を買って、降りる時には「警察手帳」と言う「片道キセル」を常習していた事が駅から相談を受けた埼玉県警監察官室の調べで解り、この警部補は戒告処分を受けた。
東日本旅客鉄道からの被害届は無く、この警部補が東日本旅客鉄道側に不正分運賃を精算した事で戒告に留まったと言う。
国民の生命身体財産を守るべき警察官は警備員とは違い、各種法律で特権が保障されているが、これは明らかに「詐欺」。
国民はそれでもお巡りさんを頼りたいのだ、その「必要とする人間一人」の為にどうか気合を入れて頂きたい。
第233号(平成19年08月23日号)
東西で落雷被害
<東北本線等が3時間抑止/埼玉県>
記録的酷暑が続く中、8月22日15時50分頃東日本旅客鉄道戸田開閉所(埼玉県戸田市)からの送電が停止し、首都圏の多くの路線と一部施設で停電となり列車運行・営業活動が不能となった。
折から埼玉県南東部では発雷が観測され、16時前には戸田開閉所付近に落雷し施設から煙りが出ているのを目撃されている。
最高気温が40度近くに達していた首都圏はこの時間から帰宅通勤時間帯で、約40万人を直撃した。
影響は最高3時間抑止となった埼京線(東北新幹線通勤別線・大宮〜大崎間)を始め、東北本・山手・京浜東北・常磐・武蔵野・京葉線が1時間30分抑止され、関係する東海道本・高崎・川越・横須賀・常磐緩行線及び東京地下鉄千代田線にも運転休止や区間変更が相次いだ。
また埼京線5駅では施設も停電となり、改札機・券売機等も停止した。
合計60本の運休を記録したこの「戸田開閉所事故」について東日本旅客鉄道では原因を詳細調査中である。
<兵庫でも落雷影響>
21時頃から激しい雷雨となっていた兵庫県南部では8月22日21時20分頃、神戸新交通ポートアイランド線ポートターミナル〜中公園間走行中の三宮発神戸空港行列車(旅客約50名)が突然停止した。
落雷による停電と見られ旅客は50分間列車に缶詰めとなり、13本が運休となった。
また21時30分過ぎには西日本旅客鉄道管内東海道本線甲子園口駅の風速計が規制値を超えた為、東海道本線は尼崎〜芦屋間で22時まで抑止となり大阪〜西明石間で列車が運転不能となり、計6本が運休・37本が最大1時間30分遅延し約3万人が影響を受けた。
この他、山陰本・播但・福知山線等複数路線で一時抑止となった。
報道各社によると20時30分頃から宝塚市役所が22時30分頃迄停電したのを始め、21時40分には宝塚市内の住宅で落雷により配電盤がくすぶる事故も発生、兵庫県内で1130世帯が停電した。
<近畿圏混乱>
8月23日早朝も近畿地方では激しい雷雨となり、06時30分頃に西日本旅客鉄道管内桜島線安治川口駅付近で信号機ケーブルが約9mに渡り燃えているのを巡回中の職員が視認、桜島線への送電を停止した。
大阪環状線も大阪〜弁天町間で08時から抑止となり、大阪環状線は08時20分に復旧・抑止解除されたが、桜島線は10時50分に単線運転で仮復旧、全面復旧は13時過ぎとなり、沿線の観光施設・ユニバーサルスタジオへ行く観光客等で一時大阪駅では混雑した。原因は落雷と見られている。
この影響で計165本が運転休止となり、約7万人が迷惑した。
また未明には三江線でも落雷により信号機が故障し、三江線は8月23日終日運休となった他、07時前に和歌山線高田駅設置の雨量計が規制値に達し、和歌山線が一時抑止となり、山陰本線や東海旅客鉄道管内名松・関西本線でも一時抑止となった。
この雷雨は西日本広域で観測され、近畿地方では大阪・兵庫・和歌山・奈良で5480世帯が停電、大阪・兵庫・奈良では浸水や土砂崩壊事故も発生している。
また山口県下松市では04時40分頃落雷による停電が発生し4600世帯が停電した。
この大気が不安定な状態は23日も続くと気象庁では警戒を呼び掛けている。
記録的酷暑には「激しい雷雨」が付き物で、大気の不安定や前線の通過に伴う影響から今後もこの様な「落雷騒ぎ」が起こる可能性は大きい。
外出中でも気象情報はこまめに確認し、利用者各自の「危機管理」も必要である。
また中華航空機が緊急着陸
8月22日20時55分頃、台北発中部国際空港行中華航空第150便(エアバス式330−300型/ゼネラルエレクトリック製CF6-80E発動機2基/乗員・乗客163名)が燃料切れの恐れがあるとして関西空港に緊急着陸した。
本来は20時05分中部空港へ到着の予定だったが、中部空港で別便がカモメの群れと衝突、約100羽のカモメの死骸処理の為35分間滑走路が閉鎖された。
この影響で上空旋回して待機していた150便だったが燃料残量がわずかだった事から関西空港へ「給油立寄」した。
150便は22時52分に関西空港を離陸し中部空港へ向かい、乗員乗客163名に死傷は無かった。
第232号(平成19年08月23日号)
老婆が踏切で列車と接触・閉じ込められたか?
8月22日10時25分頃、東武鉄道野田線馬込沢〜塚田間(複線/直流電化)走行中の柏10時01分発船橋行下り普通第1029列車(電車6両)が踏切(第一種)内に人が居るのを視認、警笛吹鳴と共に急制動を掛けたが間に合わず接触した。
踏切内に居たのは船橋市在住の81才女性で、遮断器の降りた踏切内で立往生していたと見られるが、千葉県警察本部船橋警察署が詳細を調べている。
愛知県で連続列車運行妨害・容疑者は中学生
報道各社によると、8月18日深夜から21日に掛けて愛知県一宮市で発生した連続列車妨害は、市内在住の中学1年生男子生徒によるものとして愛知県警一宮警察署はこの男子生徒を補導したと伝えられた。
8月18日深夜から19日未明に掛けて東海旅客鉄道管内東海道本線尾張一宮〜木曽川間(複線/直流電化)郷東踏切道(第一種)付近で「置き石」の痕跡が確認された他、21日02時10分には同区間西新田踏切道(第一種)付近で付近住民から「衝撃音」がしたと一宮警察署に通報があった。
駆け付けた署員が上り線軌道に「置き石」の痕跡を確認、また別の付近住民から名鉄一宮〜今伊勢間(複線/直流電化)軌道上にほうきが放置されていたと通報があった。
署員が検索中の02時40分にはこの踏切道設置の警報装置が押されて、通過中の東京貨物ターミナル発安治川口行下り貨物列車(電気機関車牽引・現車20両)が急制動を掛けて停止した。
計4回、コンクリートブロックや瓦・バラスト・ほうき等を放置したこの列車往来危険事件の容疑者は中学生だった。
中学生は列車が止まるのが面白くてやったと供述しているそうだが、過去に同様の動機で脱線転覆事故も発生している。
夏休み期間は全国的にこの様な「いたずら」が増加するが、確実に「殺人未遂」同格の重大犯罪である。
浮かれて取り返しの付かない事をしても、現実生活に「リセットボタン」は無い。
第231号(平成19年08月22日号)
常磐線軌道内不法侵入で一時抑止
8月21日17時45分頃、東日本旅客鉄道管内常磐線新松戸駅付近で軌道内に人が不法侵入し、常磐線と常磐緩行線は18時10分頃まで上野・綾瀬〜取手間が抑止となった。
新松戸駅では最近「置き石」事案も発生しており、帰宅通勤時間帯の上野・日暮里・北千住駅等では混雑が見られた。
貨物列車が逆走/機関士居眠り
8月8日02時頃、東海旅客鉄道管内東海道本線島田〜金谷間(複線/直流電化)下り線運転中の宇都宮貨物発梅田行貨物列車(EF210型式電気機関車牽引現車26両編成)が登り勾配区間で減速・停止し、やがて逆走した。
約500m転落したところで機関士(男性53才)が気付いて制動を掛けて停止、停止信号を受けて停車していた後続の東京発大阪行下り急行第101列車「銀河」(EF65PF型式電気機関車牽引24系客車9両編成/乗員3・旅客184名)との距離は200mまで迫っていた。
貨物列車・101列車共に10分遅延で現場を出発しているが、日本貨物鉄道では貨物列車機関士が居眠りをしたのが原因と見ている。
この機関士は静岡貨物駅(01時27分発)から乗り込んでいた。
大惨事「200m」手前の重大インシデントである。
総武本線船橋駅で人身事故
8月21日09時15分、東日本旅客鉄道管内総武本線船橋駅快速下り線ホームに停車進入中の東京08時51分発津田沼行下り快速第859F列車(217系電車15両/乗務員2・旅客約300名)運転士がホームから転落した旅客を視認、急制動を掛けたが間に合わず接触した。
転落した旅客は男性で、全身強打で間もなく死亡した。
859F列車は現場で約40分間抑止し運転を再開したが、朝の通勤時間帯でもあり総武線系統で10本が運転休止・21本が最大40分間遅延した。
千葉県警察や東日本旅客鉄道では転落した男性は自殺と見ている。
パンタグラフ故障で横須賀線が抑止
上の事故によるダイヤの乱れが落ち着いた8月21日13時59分、今度は東日本旅客鉄道管内東海道本線横浜駅横須賀線上り線に到着した大船13時43分発成田空港行上り特急第2077M列車「成田エクスプレス27号」大船編成(東日本旅客鉄道鎌倉総合車両センター所属253系電車6両)のパンタグラフが故障し、2077M列車は運転不能となり、約1時間20分後に応急手当てをして移動させ抑止解除となった。
この間、横須賀線東京〜逗子間が抑止され、同線と直通運転をしている新総武線(総武快速線)や湘南新宿ルート・総武本線・東北本線・高崎線等でもダイヤが乱れ、計21本が運転休止となり数万人が迷惑を受けた。
朝の船橋に続いての事故で酷暑の中、ホームで列車を待たさせる旅客は「うんざり」していたと報告があった。
第230号(平成19年08月21日号)
那覇空港旅客機炎上事故(第4報)
8月20日10時27分、那覇空港(第二種空港/滑走路3000m1本)に到着した中華民国台北国際空港08時15分発中華航空第120便(ボーイング式737−800型/B−18616機/CFMインターナショナル製造CFM56-7B26型発動機2基/乗員8・乗客157名計165名搭乗)が、エプロン(駐機場)第41番に停止した直後に火災を起こした事故は、同機が10時32分頃エプロンに停止した直後に地上整備員が第2エンジン(右側)から発煙しているのを視認、同時に機内の乗客も発煙を視認し機内ではパニックとなったとの証言も出て来た。
10時35分には乗客157名は非常脱出装置で全員避難、その直後に左側エンジンも爆発し機体は全損した。
火災は11時37分に鎮圧したが、B18616機は全焼した。
報道各社では何らかの原因で主翼下部燃料タンクから燃料が漏れ、これにタイヤのブレーキかエンジンの熱が引火したのでは無いかとの見方を強めているが、原因は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が調査を行っている。
南極観測船「しらせ」が少年2名を救助
「宗谷」「ふじ」に続く第三代目の南極観測船「しらせ」(海上自衛隊幕僚監部直轄横須賀地方隊所属砕氷艦AGB5002/1982年11月就航/基準排水量11600t)は老朽化からこの秋の航海で引退が決定しているが、そのヘリコプター発着訓練を千葉県館山沖約2kmの海域で行っていた8月20日14時40分頃、遊泳中に沖合いに流された埼玉県在住の男子高校生(何れも15才)2名が浮き輪につかまって漂流しているのを現認、救助した。
救助された2人に負傷は無く無事。
南極観測隊員の生命船は、最後まで「希望の船」の誇りを貫いたとも言える。
現在、後継となる第四船を建造中だが、地球環境問題に注目が集まる中、南極観測はその重要度を増している。環境保全の意味合いからも是非「未来へつなぐ」船として保存活用をお願いしたいもの。
転轍機故障で各駅停車が「通過」
8月20日18時38分頃、東京地下鉄管内東西線原木中山駅停車減速中の三鷹発西船橋行下り第A1705K列車(電車10両)運転士が、本来進路が「ホーム側」となるべきところを「通過線側」となっているのを視認、ホームの無い線だった為にやむを得ず同駅を通過し、西船橋まで運転した。
この転轍機は自動列車運行制御装置(PTC)で管理されているが、センサーが故障して切り替えられなかったと報道された。
この後、当該転轍機は駅の手動操作に切り替えられてダイヤに混乱は無かったが、東京地下鉄では原因を調査中と言う。
第229号(平成19年08月20日号)
那覇空港で旅客機が炎上/乗客乗員全員無事(第3報)
8月20日10時27分に那覇空港(第二種空港/滑走路3000m1本)に到着した中華民国台北08時15分発中華航空第120便(ボーイング式737−800型/CFMインターナショナル製造CFM56-7B26型発動機2基/乗員8・乗客157名計165名搭乗)が、エプロン(駐機場)第41番に停止した直後の10時35分頃、同機左側エンジンが爆発、火災を起こした事故で、120便の乗客乗員165名は全員無事、但し乗務員1名と旅客2名・地上にいた日航整備員1名が爆風で負傷した。
この事故で中華航空は謝罪会見を行っている。
お年寄りが特急と接触・死亡
8月20日09時58分頃、四国旅客鉄道管内予讃線伊予石城〜上宇和間(単線/非電化)の第3種踏切道で、惰行運転中の松山09時00分発宇和島行下り特急第1053D列車「宇和海3号」(気動車/乗員乗客57名搭乗)運転士が自転車を押して踏切を渡っていた近くに住む84才男性を視認、急制動を掛けたが間に合わず、男性と接触してこのお年寄りは全身を強く打って死亡した。
この男性は耳が遠く、また遮断器も警報器も無い踏切で、近くに高さ2mの木が茂っており下り列車の接近が見にくい等事故要素も多くあった。
1053D列車は現場で1時間程抑止されましたが、乗客乗員57名に死傷は無かった。
第228号(平成19年08月20日号)
那覇空港で旅客機が炎上/乗客乗員全員無事(第2報)
8月20日10時27分に那覇空港(第二種空港/滑走路3000m1本)に到着した中華民国台北09時23分発(離陸時刻)中華航空第120便(ボーイング式737−800型/CFMインターナショナル製造CFM56-7B26型発動機2基/平成14年7月就航/乗員8・乗客157名計165名搭乗)が、エプロン(駐機場)第41番に停止した直後の10時35分頃、同機左側エンジンが爆発・火災を起こした。
火災は10時40分より消火活動に着手、11時37分鎮圧した。
乗客・乗員165名全員無事が確認されたが、乗員1名が負傷し消火活動中の消防隊員3名が熱中症で、日航整備員1名が爆風で負傷したとの情報もある。
また那覇空港は12時30分現在、国内線の離着陸を再開している。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会調査官を派遣
国土交通省は8月20日午前、航空・鉄道事故調査委員会調査官3名を那覇空港へ派遣した。
また午後には中華航空スタッフも那覇に向かうとしている。
第227号(平成19年08月20日号)
那覇空港で旅客機が炎上/乗客乗員全員避難(第1報)
8月20日10時27分に那覇空港(第二種空港/滑走路3000m1本)に到着した中華民国台北08時15分発中華航空第120便(ボーイング式737−800型/CFMインターナショナル製造CFM56-7B26型発動機2基/乗員8・乗客157名計165名搭乗)が、エプロン(駐機場)第41番に停止した直後の10時35分頃、同機左側エンジンが爆発に近い火災を起こした。
乗客157名は非常脱出装置で全員避難、その直後に左側エンジンが爆発し機体は全損した。
火災は11時過ぎに鎮圧し、乗員8名も生存を確認していると報道されている。
尚、乗員1名負傷の報道及び消火活動中の消防隊員3名が熱中症で、日航整備員1名が爆風で負傷したとの情報もある。
また那覇空港は12時30分現在、離着陸を再開している。
第226号(平成19年08月16日号)
フェリーから転落か?男性1名行方不明
8月15日05時40分に秋田港に入った新日本海フェリー8月14日23時30分新潟港発苫小牧東港行北航「フェリーしらかば」(20560t/旅客457名乗船)から06時15分頃、秋田海上保安部に「旅客1名が転落した疑い」と連絡があった。
この旅客は茨城県取手市在住の43才男性で、船内に残されていた所持品から判明した。
秋田海上保安部では酒田海上保安部と共に付近を捜索する一方、「フェリーしらかば」も船内を検索したが見つからず、同船は4時間30分遅延の11時30分に苫小牧東港へ向けて出航した。
この男性は未だ発見されていない。
新世代皇室用列車「E655系」登場
7月5日に東急車両製造から東日本旅客鉄道に引き渡され、上野駅で報道公開された新世代皇室等特別貴賓列車「E655系」(尾久車両センター)の運用が秋からスタートする。
黒塗り金線3本のシックな塗装に常磐線用特急651系を思わせるデザインの6両編成交直両用電車はうち1両を「皇室専用」としてお召し列車等に使用する。
皇室の他、一般向けにも使用されると言う。
皇室用車両による電車は「クロ157」型に次いで二代目。
レールフェステ10月開催を打診
8月12日、特定非営利活動法人交通文化連盟・宮本業務局長(専務理事)は文化局長兼任の吉野同連盟理事長に、レールフェステ(交通公園活性化催事)の10月以降開催を打診した。
現在、協力民間事業者と共同制作を進めている新規コンテンツが9月15〜17日開催のレールフェステ足立会場(東京都足立区北鹿浜公園)から導入されるが、昨年度より3年掛かりでコンテンツの一新を進めていた業務局では今後の進展も検証すべく開催の「増設」を打診したもの。
文化局では秋から本格的に公開講座(社会部社会教育科)を展開する構想があり、10月レールフェステの「増設」は承認する意向だが、11月開催は困難と見られる。
一方で学生ボランティアの弱体が昨年度より課題となっている交通文化連盟では、ボランティア制度を10月に改革し「主力部隊の全面交換」(文化局)が行われる見通しで、この制度改革によっては従前からの学生ボランティアがかなり減少、代わって社会人・新学生ボランティアが台頭すると見られる。
第225号(平成19年08月16日号)
機械遺産25件を認定
社団法人日本機械学会は8月7日、機械遺産第一次認定25件を表彰した。
交通関係では戦後初の国産旅客機・日本航空機製造式YS−11型(国立博物館所管東京国際空港敷地内保管)や鉄道省230型式233機、日本国有鉄道東海道新幹線用0系交流電車(交通科学館所蔵)、日本国有鉄道佐賀線筑後川橋梁(廃止線=佐賀県)、東洋工業10A型ガソリンロータリーエンジン(広島県同社所蔵)、本田技研工業CVCCガソリンエンジン(栃木県同社所蔵)等6件が認定された。
同学会では創設110周年記念事業としてこの「機械遺産」を設けたが、今後10年を掛けて100件を認定するとしている。
橋本雅司氏死去
元日本貨物鉄道株式会社会長で国鉄副総裁だった橋本雅司氏が8月13日、膵臓ガンの為死去した。(享年77才)
橋本氏は最後の日本国有鉄道副総裁から日本貨物鉄道株式会社初代社長に就任、後に会長となった。
酷暑列島・東武東上本線では軌道がゆがむ
8月15日の日本列島は大平洋上の高気圧が張り出し、この夏一番の暑さを記録し全国で500名以上が熱中症で病院搬送などされ、3名が死亡した。
特に群馬県館林市では国内最高気温記録7位タイとなる14時40分頃気温40.2度を記録した。
この暑さで東武鉄道東上本線では軌道がゆがむ事故があった。
14時08分頃、東上本線武蔵嵐山〜小川町間走行中の池袋13時00分発小川町行下り急行第1041列車(電車10両編成)が小川町駅手前300m付近で軌道がゆがんでいるのを確認、小川町駅到着後通告した。
係員が現場へ行くと最大5cm定位よりずれており、同社では東上本線森林公園〜小川町間を17時10分過ぎまで抑止し、レールに水を掛けて冷やすなどして復旧、計22本の列車が運転休止となった。
隣接の寄居町では15時に39.5度の最高記録をレコードしており、高い気温でレールが膨張した事が原因と見ている。
第224号(平成19年08月14日号)
中越沖地震続報
7月16日に発生した新潟県中越沖地震による影響で不通となっている東日本旅客鉄道管内信越本線犀潟〜宮内間のうち、犀潟〜柿崎間は23日に応急手当が完了し復旧したが、柿崎〜宮内間は第一米山トンネル・青海川駅土砂崩壊等で復旧の見込みは立っていない。
また越後線と信越本線柏崎〜長岡間は復旧しているものの、代行輸送バスも引き続き運転中である。
特急列車から旅客転落死亡・ドアコック自分で開けて?
8月13日06時45分頃、東日本旅客鉄道管内京葉線新習志野駅構内惰行通過中の茂原06時11分発東京行上り特急第3052M列車「わかしお2」号(183系電車6両編成)の扉閉標示が突然消え、3052M列車は急制動が掛かり停車した。
乗務員等が調べると同駅3番線と4番線の間に男性が倒れており、間もなく死亡した。
この列車のドア1箇所がドアコックで開けられており、千葉県警察等では男性旅客が自分でドアコックを開けて転落したものと見ている。
事故だとすれば恥ずかしい、自殺だとすればこの事故で11本の列車に遅延・運休があった事を考えても非難される。
何れにせよ、大人の行動とは言い難い。
団体旅行輸送中のバスが時速70kmノーブレーキで車列に追突
8月12日10時15分頃、愛知県岡崎市の東名高速道路下り線で渋滞中の車列に時速70kmで、静岡県御殿場市から大阪府へ向かっていた団体ツアー客48人を乗せた大形観光バス(静岡県富士市シンフジタクシー株式会社所管/運転手58才)が制動を掛けないまま追突、6台を巻き込みうち1台(ワンボックスワゴン)に乗っていた32才女性と6ヶ月になる女児の2人が死亡し35人が負傷した。
この事故で愛知県警察本部高速道路交通警察隊はバス運転手を自動車運転過失傷害で現行犯逮捕、所管会社のシンフジタクシーも国土交通省の特別監査を受けた。
現在、自動車運転過失致死傷に切り替えられて取り調べられている運転手はわき見運転をしていた等供述をしている。
女性旅客が列車とホームに挟まれて死亡
8月5日の事となるが、この日12時56分頃名古屋市交通局所管地下鉄東山線今池駅上り線ホームで、軌道上に落とし物をして取りに軌道に降りた愛知県江南市在住無職33才女性旅客を、進入して来た藤が丘12時40分発高畑行F1240T列車(運転士・車掌及び旅客約350人)運転士が視認し急制動を掛けたが間に合わず、女性は先頭1両目とホームの間に挟まれて停止した。
ホームの旅客等が車両を傾け女性は救出され病院に搬送されたが死亡していた。
愚かと言う以外に無い、決して同情は出来ないが、例えば不馴れな女性旅客が落とし物をし、その申し出をする駅員事務室が解らなかったとしても、自分が降りて無事であろうと考える事は危険極まりない。
プロの職員でさえ軌道に降りる時は列車接近の有無を確認し、かなりの緊張を抱えて降りる。
そんな確認を行っていても事故がある、危険な行為なのだ。
この時期、旅行の機会が多い時期だが決して「自分だけで」解決しようとせず、ささいな事も職員に申し出て欲しい。
第223号(平成19年08月10日号)
中越沖地震で不通の越後線、10日始発より運転再開
7月16日に発生した新潟県中越沖地震による影響で不通となっていた東日本旅客鉄道管内越後線柏崎〜吉田間は8月10日始発列車より運転を再開した。
但し、応急手当での再開の為多くの箇所で減速運転となっており、「独立臨時ダイヤ」での運転となる。
また同じく被災した信越本線柿崎〜柏崎間は第一米山トンネル・青海川駅土砂崩壊等で復旧の見込みは立っていない。
近畿の中核空港となるか?関西国際空港B滑走路供用開始
8月2日から関西空港に2本目の滑走路(4000m)が開設され、午前06時18分にバンコクからの日航機到着便から供用開始となった。
これで関西空港は24時間稼動の中核空港の機能を備えたのだが、関西では大阪国際(伊丹)・神戸と関西空港の3空港があり、滑走路5本の「過当競争」時代に入った。
一方で中部国際空港から貨物便を撤退する動きも加速し、国土交通省が進める「空港増強」が実勢に合わない状態になっていると指摘する声もある。
また課題もある。
離島に作られて騒音問題解決を考慮した関西空港だが、その「足」は連絡橋による鉄道と道路で、こちらが強風・波浪に「弱く」、海外の中核空港の様な利便性が実現しにくい環境もある。
今回は当初1兆5600億円の事業費を切り詰めて9036億円に圧縮、滑走路と誘導路以外は従来施設の使用として「過当競争」を考慮したものにしている。
テロ等の懸念から航空機離れがあった一時に比べて旅客は戻っているが、航空会社も競争激化の中、特に「国内路線の旅客獲得」へ動きつつある。JRは更に企業努力と一層の低価格を打ち出さなければ再び「鉄道危機時代」を招く事になるだろう。
第222号(平成19年08月07日号)
三木鉄道で貸切列車企画を「販売」
本年度末で廃止が決定している三木鉄道(三木〜厄神間6.6km/単線非電化)が、貸切列車を商品化して販売している。
これは小野市在住の鉄道ファンが提案して実現したもので、同社のレールバス1両で三木を出て往復して来るもの。
時刻は09時50分三木始発・10時26分三木帰着と言うダイヤで、価格は28500円(座席57人×往復運賃)。
土日祝日に設定され、列車(車両)は09時頃〜11時30分頃まで「占有」出来る。
原則として「早い者勝ち」で各日1件のみとなるので早めに予約すると良い。
(三木鉄道 電話0794(82)4722)
東日本旅客鉄道が世界初のハイブリッド気動車を営業投入
7月31日から東日本旅客鉄道管内小海線で世界初の「ハイブリッド気動車」が営業運転に投入された。
既に本年度当初に新造された3両が中込駅隣接の小海線営業所に配属され、各種テストを行い7月13日には小諸〜小海間往復運転の「試乗会」が行われ大成功を納めた。
この「キハE200」型は言わばディーゼルエンジン発電電力式電車で、直噴式直列6気筒横型コモンレール方式ディーゼル発動機(331kw/450ps)で発電した電気をコンバーター・インバーターを経由させて定格95kwのモーター(MT78)を駆動する「電気式気動車」。
気動車草創の頃は液体式変速機が未熟で、電車に発動機を付けたこれら「電気式」が主流となっていた時期があったが、その後の液体式変速機(トルクコンバーター)が発達して「電気式」は消滅していた。
「復活」した電気式気動車は、更に制動時には屋根に搭載したリチウムイオン電池(15.2kwh)に電力を回生・蓄電し、停車時には発動機を停止させる等で燃料効率で10%(小海線使用実績)・窒素化合物や粒子状物質は従来に比較して60%の削減を可能とすると言う。
車体は19500×2920(幅)×3620(高)mmと通勤電車等標準のものとおなじだが、床面高が1130mmと低くなり、車椅子対応トイレも設置した。
定員は117名/座席は46席で、どちらかと言えば「近郊型」設計で観光地や長距離路線には不向きな同社の「基本的設計」、デザインもありきたりだがメンテナンス軽減にはなっていそうである。
注目すべきはこの電動式気動車が環境に優しく、ランニングコスト軽減にもなるのみならず、「電車との併用」も出来得るものである事で、北海道旅客鉄道が実用化した気動車+電車併合運転を更に一歩進めれば、「電化線は電車・非電化線はディーゼルエンジン」と言うまさに「ハイブリッド」な機材が実現すると言う事である。
東日本旅客鉄道では今後2年を掛けて試験的使用を重ねて、量産化を目指すと言う。
中越沖地震続報
7月16日に発生した新潟県中越沖地震による影響で不通となっている東日本旅客鉄道管内信越本線犀潟〜宮内間のうち、柿崎〜宮内間は第一米山トンネル・青海川駅土砂崩壊等で復旧の見込みは立っていない。
現在、信越本線全線復旧を目指して工事が進められているが、余震や台風による土砂崩壊の拡大や発生も懸念されている中で通常環境の工事とは異なり、特に青海川駅土砂崩壊の規模がかなり大きく、東日本旅客鉄道では盂蘭盆輸送までの復旧を断念し8月末まで日本海縦貫線特急等の運休を決定している。
一方、道路は早期に復旧している為、現在柿崎〜柏崎間で代行バスを運転している。
また越後線は8月10日始発から運転を再開する見込みとされ、当面は減速した「臨時独立ダイヤ」ながら地震発生から1ヶ月弱で復旧を実現させる。
第221号(平成19年08月01日号)
中越沖地震続報
7月16日に発生した新潟県中越沖地震による影響で不通となっていた東日本旅客鉄道管内信越本線は、犀潟〜宮内間のうち23日の犀潟〜柿崎間は23日に、また柏崎〜宮内間も30日始発から復旧したが、柿崎〜宮内間は第一米山トンネル・青海川駅土砂崩壊等で復旧の見込みは立っていない。
復旧した区間では未だ完全では無い為、減速運転をしており特別ダイヤで運転している。
一方、道路は早期に復旧している為、現在柿崎〜柏崎間と、越後線柏崎〜吉田間(出雲崎で乗換)で代行バスを運転しているが、盂蘭盆輸送を前にJR東日本では復旧を急いでいる。
平成19年台風第5号「うさぎ」接近
気象庁の発表によると19年5号Usagi(うさぎ)は、01日12時の時点で東経136.5度/北緯25.7度/進路北西・時速25km/中心気圧945hpaと見られ、成長しながら03日未明には豊後水道付近に進行する見込みで、また今後の進路次第では北陸・東海・甲信越・関東にも大きな影響を与える可能性があり、特に地震被災地では新たな土砂災害等懸念があり、充分な警戒を呼び掛けている。
偏西風が例年より弱く、進路は不透明とされているが日本海側に出た以降のルートでは「引き連れている」前線の影響も考えると東海・関東も大きな影響が予想される。
既に房総や伊豆では「うさぎ」の影響により強い風と高い波となっている。
また日本海側に台風が出て、前線を連れている場合、新潟沖を進む台風に向かって湿った南風が吹き込み、関東では奥多摩・秩父・上越国境の山岳地帯で集中豪雨や雷雨の懸念も在る。
第220号(平成19年07月26日号)
新潟県中越沖地震鉄道関係被害(続報)
7月16日に発生した新潟県中越沖地震による影響で不通となっている東日本旅客鉄道管内信越本線犀潟〜宮内間のうち、犀潟〜柿崎間は23日に応急手当が完了し復旧したが、柿崎〜宮内間は第一米山トンネル・青海川駅土砂崩壊等で復旧の見込みは立っていない。
25日に柏崎駅で脱線していたクモハ114-1501の軌道復元作業が終了し、柏崎駅の孤立状態が解消され次第、新潟車両センターへ搬送されると報道された。
現在、8月11日未明に信越本線全線復旧を目指して工事が進められているが、25日06時52分頃にはマグニチュード4.4/最大震度4の余震も発生し一時20分程度だが、上越新幹線が停電・抑止しており、予断を許さない状態である。
一方、道路は早期に復旧している為、現在柿崎〜柏崎〜長岡間で代行バスを運転しているが、盂蘭盆輸送を前にJR関係各社では緊張が高まっている。
第219号(平成19年07月19日号)
新潟県中越沖地震鉄道関係被害(詳報)
7月16日10時13分に発生した新潟県中越沖地震では死亡10/負傷1000名近くを出したが、鉄道の被災も甚大で、国土交通省等本格調査によりその深刻な状況が明かとなった。
<列車>
越後線下り普通第141Mとして柏崎駅停車中の115系電車2両のうち、新潟方で動揺により脱線・傾斜したのはクモハ114-1501(1983年度東急車両製造納車/モハ114-1085/昭和61年度現型式に改造)で、余震の懸念もあり復旧には至っていない。
信越本線米山〜笠島間で当初脱線と伝えられた貨物列車はその後の調査で脱線には至らなかった事が判明している。
<軌道>
信越本線では青海川駅構内西部の土砂崩壊による埋没が甚大で、現在も拡大崩壊の懸念がある為に急速な展開には至っていない。更に現場に通じる道路も大きく損傷している為に現在その復旧が行われている。
震源に近い越後線では各所で軌道・架線に関わる被害があったが、特に深刻なものとして信越本線長鳥駅構内で軌道路盤陥没が、越後線西中通〜荒浜間では築堤流失が確認された。
この他、信越本線柿崎構内・安田〜北条間・越後広田構内・越後線小木ノ城駅構内で軌道変型が確認されている。
<施設>
越後線寺泊〜分水間信濃川分水路橋梁(延長572m/単線)が橋台一部損傷、信越本線米山〜笠島間第一米山トンネル(延長1263m/複線)で内壁一部剥離が認められている。この他ホーム陥没が米山・青海川駅、ホーム変型が柏崎・東柏崎・荒浜・刈羽・小木ノ城駅であった。
また笠島駅で旅客通路が沈下している。
<復旧>
余震が続いている状況であり、更に復旧の資材・機材を搬入する道路が寸断されている部分もありと言う環境で、迅速な復旧は望めないが、信越本線では比較的被害がまだ軽度の柏崎〜宮内間は人員輸送の視点からも早期に復旧する方針らしい、また道路の復旧状況により信越本線犀潟〜柿崎又は米山間や越後線吉田〜出雲崎又は大河津間も比較的早く復旧するとの観測もある。
他方、信越本線青海川駅崩壊と鉄橋に損害のある越後線柏崎〜大河津間は長期戦となる見込みである。
第218号(平成19年07月17日号)
新潟県中越沖地震
平成19年7月16日10時13分22秒頃、新潟県中越沖(長岡市西山町池浦沖日本海海底/東経138.6度/北緯37.5度/震源深度17km)を震源とする最大震度6強(飯綱町・長岡市・柏崎市・刈羽村)・マグニチュード6.8の甚大な地震が発生した。
地震の揺れは阪神大震災クラスだったと報道され、財団法人防災科学研究所のデータによると、柏崎で813ガル・小千谷526ガル・寺泊364ガルと測定された。
専門家は平成16年10月26日17時56分03秒に発生した「平成16年新潟県中越地震」と同様のメカニズムで発生したと分析、今後震度6弱程度の余震がかなり高い確率で起こると警鐘を鳴らす一方で、この前日まで関東南岸を進行していた台風4号<Man-yi=マンニィ>とその影響で活発化していた梅雨前線による大雨直後でもあり、また発生から1日を経た17日にも新潟県は大雨の予報があり、予断を許さない状況だ。
(東日本エリアの新幹線が全面抑止)
発生前後から広い範囲で鉄道は抑止となり、特に新幹線は東北・上越・北陸3線と在来線直通の山形(奥羽本線)・秋田(田沢湖・奥羽本線)の全線が抑止となった。
多くは順次運転再開となったが、16日終日迄上越線(水上〜宮内間)・只見線(小出〜只見間)等東北から信越の路線が抑止となった。
(上越新幹線)
揺れの大きかった上越新幹線は点検作業に時間を要し、19時に再開と報道発表したものの、浦佐〜長岡間の魚沼トンネル(延長8625m)内で崩落したと見られるコンクリート片が発見され、21時30分まで運転再開が出来ない状態となった。
(越後線)
テレビ等の報道で最も衝撃的だったのは信越本線柏崎駅構内で傾いた電車の映像では無かったろうか。
この電車は10時16分始発新潟行越後線下り普通第141M列車(115系電車2両/運転士と旅客2名)で、出発を待っていた所激しい動揺を受けて進行先頭のクモハ115型制御電動車が45度傾いた。
旅客は駅員の誘導で避難し死傷は無かった。
(青海川駅)
信越本線青海川駅は日本海にホームが接する駅で、ドラマやポスターの舞台として幾度か登場している「名所」だが、地震発生と同時に駅裏手の崖が崩壊し、第三笠島トンネル(延長348m)の東出口から至近の地点より駅西側を土砂が埋めてしまった。
この駅は無人駅で10時04分に上り列車が出発した直後であり、死傷者は確認されていない。
(貨物列車脱線)
信越本線米山〜笠島間(複線/直流電化)第一米山トンネル(延長1263m)では下り貨物列車(EF81型式交直流電気機関車牽引17両)が8パーミルの勾配を登坂力行中で、激しい動揺でにより機関車が一部脱線、トンネル内で停止した。
乗務員は徒歩で米山駅まで避難し、死傷は無かった。
尚、17日07時現在、この地震による全体の被害は死亡9/負傷910名と報道されている。
地震発生時の列車状況
新潟県中越沖地震が発生した際、強震域等路線に於ける列車の状況は以下。
<信越本線>
○長野09時23分発直江津行下り第343M列車=関山駅停車進入中
○直江津10時01分発長野行上り臨時快速第9346M列車=南高田〜脇野田間走行中
○長岡09時14分発直江津行上り普通第1332M列車(電車3両/運転士・車掌及び旅客約30名)=米山〜柿崎間走行中/非常制動停止の後、東旅鉄社用車で旅客搬送/列車現場にて留置中
○直江津10時12分発長野行上り普通第3324M「妙高4号」(189系電車6両)=直江津〜春日山間走行中/直江津駅出発直後急制動停止
○新井09時40分発新潟行下り快速第3373M列車「くびき野3号」(489系電車6両)=黒井〜犀潟間走行中/急制動停止
○二本木08時25分発長岡行下り普通第1331M列車=塚山駅到着停車直後
○長岡10時22分発直江津行上り普通第1334M列車=長岡駅停車中
○直江津10時32分発長岡行下り普通第1333M列車=直江津駅停車中
<越後線>
○柏崎10時16分発新潟行下り第141M列車(115系電車2両/運転士及び旅客2名)=柏崎駅停車中/先頭クモハ115電車脱線
<上越線>
○長岡09時55分発越後湯沢行上り臨時普通第8730M列車=小千谷〜越後川口間/小千谷駅出発直後急制動停止
<飯田線>
○長野10時02分発越後川口行下り普通第131D列車(110系気動車2両)=信越本線三才〜豊野間走行中
○戸狩野沢温泉10時02分発長野行上り普通第130D列車=北飯山〜飯山間走行中
<只見線>
○会津若松06時00分発小出行下り普通第423D列車=小出駅構内進入中
<米坂線>
○新潟08時39分発米沢行上り快速第3822D列車「べにばな2号」=小国駅構内進入中
第217号(平成19年07月13日号)
レールフェステ7月会場開催中止
特定非営利活動法人交通文化連盟(担当・文化局文化事業部)が開催を予定していた東京都足立区北鹿浜公園でのレールフェステ(7月14〜16日/足立区後援協働)は、接近中の台風4号の影響を考慮して中止となった。
台風の行路が関東南部となる予測や、ボランティアの安全確保を第一とした措置と言う。
また他予定が詰まっている関係から順延は無い。
阪和線事故でトラック運転士を逮捕
7月12日に発生した西日本旅客鉄道管内阪和線新家橋梁(高さ2m90cm)の上り普通第442H列車脱線事故で、大阪府警察本部泉佐野警察署は、激突したトラックを運転していた府内貝塚市「ヨシテックコミュニケーシュョンズ」社員の男性(27才)を自動車運転過失傷害の容疑で逮捕したと報道された。
この運転士はシートベルトの装着をしていたら橋梁の高さ制限標識を見落とした、と証言しているが、その後の調べで時速約60kmで通過中の442H列車クハ103型制御附随車の脱線した後部台車に接触した跡があり、またトラックも築堤に開けられたトンネル状橋梁に突っ込む形であった事から運転士が搭乗する車両の全高自体を失念していた恐れもある。
この事故で阪和線と乗り入れている関西空港線は半日を経た12日20時過ぎより運転を再開しているが、推定20万人に影響が及んでいる。
第216号(平成19年07月12日号)
阪和線脱線事故(第二報)
07月12日08時14分頃、西日本旅客鉄道管内阪和線東佐野〜和泉橋本間(複線/直流電化)新家橋梁に差し掛かった熊取08時10分発天王寺行上り普通第442H列車(日根野電車区所属103系電車4両/運転士・車掌及び旅客100名)が、橋梁下道路を高度制限を無視して進入していたクレーン付トラック(ユニック付トラック2t)のクレーンアームが橋梁に接触し、衝撃で軌道を変型させ442H列車進行方先頭車両の後方台車2軸が脱線、列車は急制動を掛けて停止した。
この事故で442H列車の旅客1名が負傷、またトラックに搭乗の2名も負傷、旅客は徒歩で誘導で避難した。
現在阪和線天王寺〜和歌山間と関西空港線(JR乗入線)和泉佐野〜関西空港間が抑止となっており、南海電鉄・近畿日本鉄道・大阪市交通局地下鉄に振替輸送を実施している。
橋梁は歪んでおり事故の復旧には相当な時間を要する見込み。
第215号(平成19年07月12日号)
阪和線脱線事故(速報第一報)
07月12日08時15分頃、阪和線和泉橋本駅付近でトラックが橋梁に接触した処に列車が通りかかり脱線した事故の影響で、阪和線は抑止となっている。復旧には相当の時間を要すると見られ、現在振替輸送を実施中。
鉄道職員に暴力行為昨年度は665件
昨年度、駅構内や列車内で鉄道職員が旅客の暴力行為に遭ったのはJR5社で492件・日本民営鉄道協会加盟16社で173件の合計665件で平成17年度より43件減少している事が7月11日発表された。
平成16年度554件から一気に増加した17年度に比較して減少したのは喜ばしいが、被疑者が一番多いのは酒に酔った50代との「共通事項」は不変と言う。
30・40代が21%なのに対して50代は26%、60代以上も13%と報道するものもあった。
年末・週末・深夜帯と言う事件発生要素も国鉄時代から変わらない。
国鉄駅務を経験した者の談話として、「忘年会や歓迎会等会社の行事として酒席があった後の酔客が暴力行為に及ぶのが多かった、捕まえてみると結構有名な会社の相当な立場(管理職)が多い、国鉄末期は一種「国鉄職員いじめ」は流行的と考えられていたのか、随分多かったが大抵は鉄道公安室や交番でお灸を据えられて、翌日上司を連れて菓子折持って謝罪に来るケースが多かった。自殺者もこの世代が多く普段から過度のストレスを抱えているのだろうが、飲んで暴れて結果上司を連れて御挨拶、なんて確実に社内の信用は失墜する破滅行為でしかない。」
今日は即座に警察に通報=傷害或は暴行で現行犯逮捕なので、示談が成立して被害届が引っ込められても「逮捕歴」が残る、後々には更にストレスな結果しか無い。
一方、交通文化連盟鉄道輸送警備隊の分析では「酔客の扱いに不馴れな若い職員が暴行を受けると言う現場からの話題も複数聞く、顔面を殴られた際に眼鏡が割れて視力を失ったと言うケースでは、既にふらふらの酔客と視認しているのに窓口から顔を出して顔面が殴られる位置を作っている。」と言う。
酔客に対しては話を聞く場合にも相手の利腕の反対斜に立って「射程距離」の外に常に「位置取り」をする事が肝要だと言う。
更に「相手がどんなに熱くなっていても、毅然として冷静にしかも平常心的表情をして、会話に付き合う事が防衛策、自分に同意する者に暴力行為はしないのが大半、但し昨今は突然殴り掛かる者のいるので酔客が近付いて来たら座っていたら立つ、回避出来る道筋を確認すると言う危機管理は必要。」とも。
現行犯逮捕は一般市民でも出来る(刑事訴訟法)、痴漢同様卑劣な犯罪行為である。ただこの根絶には「被害者となり得る」側にも相応の心構えが不可欠だ。
第214号(平成19年07月11日号)
車掌が乗務中に転落して死亡
7月10日18時25分頃、南海電鉄高野線沢ノ町〜我孫子前間(複線/直流電化)踏切付近の直線区間で、力行運転中の難波18時15分発泉北高速鉄道和泉中央行下り準急第4213列車(電車8両編成/運転士・車掌及び旅客約800名)乗務中の車掌・村西俊哉さん(29才)が原因は不明だが、対向上り線を運転中の泉北高速鉄道和泉中央発難波行上り準急第4210列車(電車8両編成/運転士・車掌及び旅客約230名)進行先頭車に接触し転落、死亡した。
事故現場付近には鞄も落ちており、大阪府警察本部住吉警察署では事故と自殺の両面から慎重に調べている。
事故の4213列車は18時28分、定刻に堺東駅に到着したが扉が開かず、車掌不在が分かったが転落しているとは気付かず、4213列車は代りの車掌を乗務させて運転を続行した。
その際に乗務員室扉は閉まったままで、更に窓も閉まったままだったと報道された。
乗務中の列車乗務員が転落して死亡する事故は、蒸気機関車時代には少なく無かったが、自動扉・列車無線等を装備した電車での転落事故は珍しい。
他方、近年若い世代を中心に鉄道員になっても乗務員になりたがらない傾向が強くなりつつあり、乗務員手当も幅が薄く、勤務が不規則にも関わらず責任が重い事で「軟弱世代」は忌避していると言われ、この為多くの鉄道会社で計画要員に満たない「欠員」が慢性化、乗務員が過度の勤務を強いられている。
「ドアボーイ」と自虐的に言われる車掌は、自動放送等の普及で益々存在感が薄れているが、「効率的経営」は「旅客の安全保障」とは反比例する。
本件はその原因が不明な為に何とも言えないが、事故にしろ自殺にしろ、これは全国で発生する懸念のある事案である。
第213号(平成19年07月11日号)
親子3人で無理心中
7月9日14時45分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線甲子園口駅を約時速100kmで通過中の米原12時42分発加古川行下り快速第779T列車(電車6両編成)先方にホームから子供2人(女児3才と1才)を抱えた神戸市灘区在住の派遣社員の女性(27才)が軌道上に飛び下り、運転士は急制動を掛けたが間に合わず接触、3人は全身強打で死亡した。
ホームには20人程の旅客が居たが一瞬の出来事で呆然として居たと言う。
この事故で779T列車の乗務員や旅客には死傷が無かったが、28本が運休・22本が最大45分遅延し、2万5千人に影響が出た。
のぞみ115号自殺は東海旅客鉄道社員
7月8日20時50分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線小田原駅下り本線(通過線)を通過中の東京20時13分発新大阪行第155A列車「のぞみ155」号(東海旅客鉄道700系電車16両/乗務員・旅客約850名)が軌道内に侵入していた男性と接触、この男性が死亡した事案で神奈川県警小田原警察署の調べで、自殺したのは東海旅客鉄道東京広報室勤務の社員(30才)であった事が判明し、9日東海旅客鉄道が記者会見で陳謝した。
この社員は技術職で7月1日に静岡支社から転勤となったばかりだった。
東海旅客鉄道では静岡支社管内でやはり新幹線列車に飛び込んで自殺した事案があったばかりで、今回は夜間だった事もあり3340名の旅客が駅に停泊した列車で一夜を過ごす「迷惑」を受けている。
国土交通省が都交通局に警告
7月8日始発から11時間抑止となった都営地下鉄浅草線泉岳寺駅構内ケーブル火災事故で、国土交通省関東運輸局は都交通局に対して文書で「警告」を出した。
この事故では火災を起こしたケーブルを交換し抑止解除とした11時頃、三田駅で待機して居た列車(京浜急行電鉄所管電車6両編成)がバッテリー切れで運転不能となり、当該列車運転士が機材の性能・設備を把握していたか調査されつつある。
国重要文化財・二条城本丸御殿耐震不足で補強へ
京都市の二条城が震度6強の地震に耐えられないとして、京都市では本丸御殿と東大手門を補強する事とし、例年恒例の春秋特別公開を当分中止する事とした。
朝廷との連絡事務所として徳川時代に再整備された二条城は、一時期殆ど「放棄」状態で、幕末まで手付かずだった故に往時の姿がそのまま留められている。
400年もの間、数々の災害にも耐えたものを「今更」耐震強度不足とは滑稽でもあるが、世界遺産に登録された経緯もあり「急遽」決定した様だ。
しかし、平成年間に作られて震度5程度で倒壊の恐れがあるとされる建設物に比較して、「匠」の凄さを逆に感じるべきではないだろうか。
一方、京都市は昨年の観光来訪者数を4839万人(前年比+2.4%=+112万人)、観光消費額を6371億円(前年比+7%=+415億円)、外国人来訪者も80万人(前年度対比+10%=+7万3千人)と発表し、6年連続で増加したと報道された。
単純見込み税収は消費税で318億円、事業税で570億円となる計算で、観光客1人が1万3千円を消費した計算にもなり、観光客誘引素材の重要なポイントとなる二条城の補強は「要点」と見られた事も今回措置につながっている。
他方、京都市に来訪した観光客の「苦言」もここ数年多くなっている。
観光案内所の担当者がぶっきらぼう/店で道を尋ねたら何か買わんかと言われた/観光客はお断りと追い払われた等、但しこれは少数だが不粋なマナーも知らない観光客が既にあって、非常に不愉快な、時として損害まで被る事があったろう事も考慮して聞かなければならない。
海外旅行は相変わらず人気だが、そのマナー皆無の行動も静かに非難されている事実もある。
ただ、どんな大馬鹿野郎が居ても、その前後の観光客にその罪は無く、気持ちを切り替えて気持ちよく観光を楽しんで頂く、一種老獪だが適切な接客術が不可欠である。
見に行く方にも礼儀は必要、そして迎える方にも礼儀は必要である。
第212号(平成19年07月10日号)
指宿枕崎線土砂崩壊で列車脱線
梅雨後半に入り九州では連日豪雨による災害が発生しているが、7月3日23時45分頃、九州旅客鉄道管内指宿枕崎線薩摩今和泉〜宮ヶ浜間運転中の鹿児島中央発山川行下り普通第1367D列車(遅延運転/九州旅客鉄道200系気動車2両/運転士及び旅客7名)が軌道脇盛土が崩壊している処へ突入し脱線、車内に土砂が流入した。
この事故で旅客や運転士に死傷は無かったが、雨中の復旧作業は難航し7月4日も始発から17時30分頃まで指宿枕崎線は喜入〜枕崎間で抑止となった。
航空機支障事案は半年で325件
7月8日、国土交通省航空局は昨年10月からの半年間で航空機の機体損傷に関わる事案が325件発生し、そのうち35件は人為的なミスを原因したものと発表した。
処罰より事故の防止こそ「安全」に対する基本姿勢であるが、とかく原因と責任を追求したくなるのが人情である。
しかし、他山の石を積み上げて、そこに潜む「大事故」の芽を刈り取る努力こそ、本当の「基本的サービス」なのである。
国土交通省が鉄道のサービス品質評価制度導入へ
交通機関ではサービス品質と言う言葉そのものの位置取りと認識が薄くなり勝ちで、断片的に速度がどうの、乗り換えが無いのと「宣伝」ばかり先行し、品質比較が行われることが殆ど無い。
国土交通省では「商売」では基本となる「サービス品質」の評価制度を導入する事とし、その評価方法等についての検討に入っていると報道された。
来年度にも首都圏鉄道で路線毎に評価、点数化して公表したいとしている。
<論説>
利用者としては大いに喜ばしい制度だが、問題は「上っ面」の評価を重要視すべきでは無いと言う事である。
駅員の接客態度が評価項目に入れられるとの一部報道もあるが、何より評価すべき、点数化して重点を置くべきは列車の安全運行と定時・定数運転である。
トラブルがあると直ぐに抑止=列車運休=時刻的辻褄合せで遅延度数を削減すると言う方法は旅客に対するサービスなどでは無く、あくまで鉄道会社の都合的な措置である。
無論、接客品質の向上も大切だが、不要な有料(加算料金)列車運転の為に通常列車を減便したり、待ち合わせ時刻を増加させる等は品質低下である。
利用客の視点でものを見る政策ならば、特急旅客よりも「基本乗車券で日常利用」する者の視点に立った制度で無ければ意味は無く、また無作為な「複雑乗入」はトラブルに弱く、そんなものを銭払って乗っている旅客は求めていない事も是非認識して頂きたいもの。
公共交通機関に取って「安全・性格」は続く「快適」より数段重要な要素である。
第211号(平成19年07月09日号)
東海道新幹線軌道内に侵入の男性が死亡
7月8日20時50分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線小田原駅下り本線(通過線)を通過中の東京20時13分発新大阪行第155A列車「のぞみ155」号(東海旅客鉄道700系電車16両/乗務員・旅客約850名)が軌道内に侵入していた2・30代の男性と接触、非常制動を掛けて約2km進行して停止した。
この事故で155A列車の乗務員や旅客に死傷は無かったが、軌道にいた男性は全身を強打して即死した。
東海旅客鉄道と神奈川県警察本部小田原警察署の調べによると、この男性はホームの柵を乗り越えて軌道内に侵入しており、監視カメラに収録されていた状況から自殺と見られる。
事故発生と同時に抑止となった東海道新幹線は23時40分頃運転を再開したが、約4万人が影響を受けた。
都営地下鉄浅草線が混乱
7月8日04時50分頃、東京都交通局地下鉄浅草線泉岳寺駅構内で軌道保守作業が完了し、通電を再開したところ京浜急行線相互乗入用北行側線下の電気ケーブルが短絡して発煙、東京消防庁に通報して05時40分鎮火した。
続けて隣接の同線三田駅構内停車中の列車で故障が発生し、15時40分まで浅草線全線は抑止となり、復旧工事が長引いた京浜急行側線部分の影響で京浜急行電鉄との相互乗入運転は終日中止となり、やはり相互乗入運転をしている京成電鉄も含めて約半日間混乱した。
原因は調査中だが、この事故で死傷は無かったものの約20万人が影響を受け、事態を重く見た国土交通省は9日にも都交通局から事情聴取の予定と報道された。
日曜日の始発前に発生した事故で他振替路線では大きな混乱は無かったが、電気に関わる鉄道のトラブルが続いている事に国土交通省も懸念している様子である。
第210号(平成19年07月02日号)
夏越美北線3年ぶりに全線復旧
平成16年7月18日未明、発達した梅雨前線による集中豪雨により記録的降雨が観測され、福井県九頭竜川水系足羽川等が氾濫し、この日より西日本旅客鉄道管内越美北線が不通となっていたが、西日本旅客鉄道が地元福井県から費用を助成され流失した第1〜5足羽川橋梁を改築、6月30日始発より3年ぶりに全線で列車運転を復旧した。
この災害は福井県嶺北地方に大きな被害をもたらし、死者3・行方不明2名を出した。復旧工事には40数億円が掛かっている。
同線はキハ120型気動車5両とキハ58系気動車数両で中断した区間前後を暫定的に運行、不通区間をバス代行運転する形態を取っていたが、一時は莫大な復旧費用から廃止の噂まで飛び交った。
これで全国鉄道路線で長期的不通となっているのは東海旅客鉄道管内高山本線のみで、これも9月8日には復旧できるとされている。
流山で「せんげん誠まつり」開催・新任ボランティア7名が参加
あいにくの天気となった6月30日、恒例の「せんげん誠まつり」(本陣保存会/流山市商工会第二支部主催、特定非営利活動法人交通文化連盟支援協働事業)が行われ、天候に寄らず地域住民・商店街関係者等が多く来訪し賑わいをみせた。
雨天の予想から本陣跡土蔵のライトアップは中止となったが、ロウソク回廊は実施され、延長約80mの「えんま通」がロウソクの灯に彩られた。
新選組本陣跡(現・株式会社秋元=酒類販売業)では仮設のビアホールが開設され、生ビールや新作イモ焼酎「長岡屋」、焼そばやフライドポテト・フライドチキン等と共に今年はこの商店街名物の「モツ煮込み」が販売され、約1時間で完売するなど50席の座席が幾度か満席となり、「空席待」が出るなど今年で4回目となるこの催事も定着して来た。
本陣保存会の牧野氏は「天候が悪かったので余り(来訪に)期待しなかったが恒例となったと見て良い程御客様が来てくれた、地元でも楽しみにしている人が居るので張り合いになる」と語っていた。
今回は主催者の好意で収益金の一部が交通文化連盟幕末機動警察隊・新選組事業に寄付される事になり、観光ボランティア活動の充実化が促進される。
また翌7月1日の地元神社祭典に同連盟は合計16名を派出、平成17年10月16日のイベントでの派出と同数派遣一位となった。
この後も地元では8月18日予定の花火大会時の仮設売店や、8月25・26日の盆踊りが続き、今回の誠まつりを合わせた「流山本陣地区夏の三大イベント」に交通文化連盟は商店街応援団として支援派遣を行い、「商店街活性化支援」を続ける方針だ。
同連盟の宮本専務理事は「元々交通文化連盟は内々で懇親会や親睦会をやらないしきたり、でもこの地域のイベントに参加する事で地元の人とも、連盟のメンバーとも懇親できるありがたい機会だし、色々な意味で貴重な社会体験になる重要な活動」と語っている。
第209号(平成19年06月29日号)
来る夏休みに向けて交通文化連盟イベント開催
夏休みに向けた特定非営利活動法人交通文化連盟主催のイベントが決定し、6月29日発表された。
この夏のイベントは昨年までのレールフェステ流山会場が廃止され、「鉄道模型楽市楽座」と題して通常週末に実施している新選組観光案内(交通文化連盟地域部)現場近隣で7月29日から8月5日まで毎日12時30分〜17時30分開設される。
このイベントでは無料の鉄道模型点検診断を行う「鉄道模型検査所」が置かれ、「故障かな?」と思っていた鉄道模型車両の点検や診断を行う。但し修理は行わない。
同時開催の楽市楽座は、協力企業の提供による掘り出し物販売があり、鉄道模型(Nゲージ)のジャンク・部品販売や鉄道資料の販売も予定されている。交通は総武流山電鉄流山駅徒歩5分で新選組本陣跡(現・株式会社秋元)を目標とすると良い。
一方、8月8日には千葉県松戸市新松戸市民センターで講演会と市民講座があり、16時から18時までが「夏休み鉄道文化講演会・SLものがたり」と題し、交通文化連盟吉野理事長が蒸気機関車「義経」号にまつわる不思議な話や、自身が体験した日本最大最速最美の急行旅客用蒸気機関車・C623機の復活秘話を語る。
19時から21時までは「まだ間に合う!青春18きっぷ活用講座」と題して、夏休み後半に気軽に楽しめる格安鉄道旅行を解説する。
どちらも受講は無料だが、資料希望者は別途200円の資料代が必要。(文化講演会は学生証等があれば資料は無料)また予約が必要で電子メールで各々予約(氏名と生年月日を明記)する事になるが、当日席も5席は用意している。
尚、文化講演会は中学生以上程度の理解度が必要。
詳細は交通文化連盟ホームページ「イベント情報」か、電子メールc623@npo-jp.net「社会教育科」宛に問い合わせ。
日勤教育損害賠償、最高裁判所で判決
西日本旅客鉄道株式会社の運転士として勤務していた男性が、同社に対して「日勤教育で精神的苦痛を受けた」として起こしていた裁判で、6月28日に最高裁判所第三小法廷は西日本旅客鉄道側の敗訴(賠償金57万円の支払い)が確定した。
この日勤教育に関しては、同日国土交通大臣に提出された国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の福知山線事故の原因と指摘され、西日本旅客鉄道は会社の体質を抜本的に改善する必要をこちらでも迫られる恰好となった。
第208号(平成19年06月29日号)
警視庁に「東京湾岸警察署」誕生か?
来年3月に東京都江東区青海に開設される警察署の名称が6月27日、「東京湾岸警察署」となったと報道された。
フジテレビ制作の人気ドラマ「踊る大捜査線」の舞台となった架空の警察署が「湾岸警察署」だったので「東京」を付けた?と勘ぐる方も居られるだろうが、一部報道では「新設」となっているが、正確に言えば「改設」で、東京水上警察署の移転と管轄拡大による名称変更である。
警視庁ではこのネーミングに住民等の意見を取り入れて検討し、立地的にも「知名度」的にも適当とされたとも報じられているが、この台場等湾岸エリアは複数警察署の管轄で、また「臨海」の名の通り海上警察活動も活発である、この臨海湾岸エリアを一括して管轄する事は防災上の観点からも必要だった。
そこで「知名度全国一」の湾岸警察署と名乗った・・・現在の所フジテレビは著作権云々と言わないので問題は無いだろう。
その附随する「東京」の名は「東京水上」の名残とも考えられ、明治14年10月28日に警視庁で始めて「警察署」を名乗った「水上警察署」の伝統では無いだろうか。
テレビドラマ等「架空」が現実化したものは警察では「機動捜査隊」がある。
朝日放送系列の人気ドラマ「特別機動捜査隊」がヒントとなり、重大事件に際しての初動捜査を専門とするチームが設置され、これが「機動捜査隊」と名付けられた。
ちなみに東京水上と名乗ったのは戦後で、群馬県の水上と混同を避ける意味もあったと言われている、ちなみに警視庁署括では水上警備艇を一番多く所管しており、湾岸署にもこれは引き継がれる予定。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が福知山線事故で最終報告書
6月28日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は平成17年4月25日に西日本旅客鉄道管内福知山線で発生した福知山線塚口〜尼崎間快速第5418M列車脱線事故(死亡107/負傷555名)の最終報告書を冬柴大臣に提出した。
報告書は原因を「死亡した当該列車運転士は、停止位置超過による遅延を車掌が指令に報告すると、懲罰的な措置を取られる事に気を取られて減速を失念した事」(主旨)とした。
過密なダイヤに関しては事故の素地となった事を指摘はしたが、それが直接的原因ではなかったと結論付けてもいる。
遺族や被害者の感情から考えれば些細かも知れないが、23才の若い職員にとって西日本旅客鉄道の「日勤教育」は恐怖的懲罰と捉える事が出来、職員となってわずかに5年では「自己の責務は自己を滅しても完遂すべし」と言う運転屋・鉄道人精神を熟知・消化はされ得ない。
昨今、若い乗務員の事故が増加しているが、技術と共にこれら精神の継承をないがしろとして来た鉄道のみならず日本社会への警鐘と考えるべきでは無いだろうか。
第207号(平成19年06月26日号)
東京メトロ千代田線車両故障で混乱
6月25日午前、東京メトロ千代田線が混乱した。
この日09時44分頃、東京地下鉄千代田線表参道駅で旅客の救護作業を行った為、遅延していた同線で、10時39分頃遅延して代々木上原〜代々木公園間を力行運転中の小田急電鉄唐木田09時28分発綾瀬行下り(A線)第989S列車(東京地下鉄6000系電車10両)が突然発生した停電の為停車した。
東京地下鉄の調べたところ、989S列車車両故障が原因と判明し、11時04分に運転を再開したが、11時23分頃代々木公園〜日比谷間で霞ヶ関駅停車中の989S列車起因とされる停電が発生、11時31分まで抑止となった。
原因は列車に搭載されている非常時通電遮断器の誤作動とみられ、この故障により東京地下鉄千代田線と東日本旅客鉄道管内常磐緩行線及び小田急電鉄線一部列車に遅延があり、約2万人が影響を受けた。
災難常磐緩行線
少し前の6月4日深夜には、東日本旅客鉄道管内常磐緩行線でも置き石と見られる異音で列車が遅れていた。
6月4日22時31分頃、東日本旅客鉄道管内常磐緩行線新松戸駅上りホーム停車減速進入中の我孫子22時18分発代々木上原行上り緩行第2215K列車(203系電車10両)運転士が異常な衝撃と音を感じ、非常制動を掛けて停止した。
新松戸駅では現在、エスカレーター工事の最中で上り線側に工事車両搬入用仮設踏切が設けられているが、異音はその前に感じていると言われる。
東日本旅客鉄道などでは置き石と見ている。
新松戸駅上り線側は、土地所有者等の利権で開業以来全く開発されず、軌道から2mの高さの築堤か高台斜面を削った切面となっており、ホームから降りるか切面から侵入しなければ置き石は出来ないが、ホーム上には旅客や工事の警備員が居り、目撃者が皆無のままに置き石する事は至難である。
この事案により常磐緩行線は約30分間抑止された。
こちらは黒猫が被疑者
6月25日07時54分頃、西日本旅客鉄道管内関西本線JR難波駅構内で同駅始発07時54分発王寺行上り普通第1732K列車(電車6両)の車掌が、車掌室上屋根に体長40cm程度の黒猫がうずくまっているのを視認、駅と輸送指令に連絡した。
事故防止の為に架線への毀電停止をすると共に、連絡を受けた技術職員が屋根にのぼりこの「被疑者」を1時間後に確保したが、ホームに降りる前に逃走した。
架線には直流1500vが通じており、この猫が感電して屋根に直接電気が通じると車両故障や架線切断にもなりかねず、適確でこれ以外の対処は無かったと推察される。
当の「被疑者」は上ったは良いが高さがあって足が竦んでしまったのだろう。
ネコには良くある事だが、この「事件」で関西本線では3本が運休、約1万4千人が迷惑を受けた。
一方こちらは酔っぱらいで旅客6名負傷
6月23日00時24分頃、東武鉄道下板橋駅下りホームで閉扉して加速運転を始めていた池袋00時20分発志木行下り普通第661列車(電車10両/運転士及び車掌・旅客1650名)の進行方8両目の扉を叩く旅客を車掌が現認し、非常制動を掛けた。
扉を叩いていたのは30代男性でかなり酩酊しており、「列車を乗り間違えたので乗せろ」と扉を叩き、停車後は車掌に絡んできたと報道された。
この非常制動で旅客6名が負傷した。
東武鉄道では警視庁池袋警察署に報告はしたものの被害届は出さなかったと言う。
6名の負傷者を出した「傷害致傷」の現行犯であり、また「列車往来妨害」の現行犯でもある。
ネコの関西本線・・・は限り無く「事故」だが、こちらは完全に「事件」。酔っていれば何をしても良い、なんて法則は許してはならない。断乎として現行犯逮捕して厳しく追求して猛省を求めるべきではなかろうか。
第206号(平成19年06月22日号)
通勤時間帯に架線切断・対応御粗末JR
6月22日07時52分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線上り線大宮〜さいたま新都心間で、さいたま新都心駅停車減速運転中の高崎06時27分発上野行上り普通第848M列車(211系電車15両編成/運転士・車掌及び旅客約1200人)上野方先頭車クモハ211のパンタグラフ付近から大きな火花が出ているのを複数の旅客が目撃、その直後にパンと言う破裂音があり停電、848M列車は駅手前で停止した。
同時に848M列車運転士は列車防護無線を発報、変電所からの毀電(きでん=送電)が停止している事もあり、並行する東北本線下り線や京浜東北線・埼京線(東北新幹線通勤別線)も同時に運転不能となった。
原因は本来停止を避けなければならない毀電線区分区間(エアーセクション)上で848M列車運転士が先行列車客扱遅延による先方信号機が停止を現示していた事に気を取られて停止させ、過電流が列車に流れた事で発生した事故で、この過電流でスパークした為に架線が切断した。
同時に東北本線上野〜宇都宮間・高崎線大宮〜高崎間・山手貨物線(新宿湘南ルート)池袋〜赤羽間・京浜東北線及び根岸線全線・埼京線(東北新幹線通勤別線)池袋〜川越間が抑止となった。
毀電停止となった区間で駅間に停車したのは東北本線区間(京浜東北線含む)5本と高崎線区間(宮原〜大宮間)1本で、1時間〜2時間満員状態の列車に閉じ込められた約1万6千人の旅客が、雨の中職員の誘導で降車して徒歩で至近駅まで避難した。
<悲劇のむさしの1号トンネルに4時間缶詰>
問題は府中本町07時34分発大宮行武蔵野線下り臨時快速第9351M列車「むさしの1号」(運転士・車掌及び旅客約900人)で、この事故が発生した時間は東所沢07時52分発車後新座駅手前付近を運転中だった。
9351M列車は北朝霞に07時58分に到着したが、07時59分に定刻発車させてしまった。
この列車は9月末までの平日通勤輸送用臨時列車だが、武蔵野線西エリアから大宮に入る為、西浦和駅手前からホームの無い武蔵野線田島支線(4.9km)に入り、旧大宮操車場手前(与野〜さいたま新都心間)で東北本線と並走する。
変電所の受け持ちが違う為、武蔵野線は定時運転だがこの「並走」区間手前にあるトンネル出口から先は停電中であった。
それを事もあろうに「停電区間」へ9351M列車を送り出し立往生となった。
トンネル内での旅客降車・誘導作業は狭い空間である事から困難で、同じ立往生でも暗いトンネルの中では旅客の心理的にも不安を倍加させる。
結果、9351M列車は運転再開まで放置された状態となり、4時間も缶詰となった。
東日本旅客鉄道では、「既に他列車からの旅客徒歩誘導が始まっていたので当該列車を運転させる事が出来なかった」と説明したが、警笛吹鳴を続けて低速で「一応トンネル外まで」列車を移動させられれば4時間缶詰の悲劇は避けられた。
09時15分の段階で京浜東北線及び根岸線は南浦和以南の運転を再開、埼京線(東北新幹線通勤別線)は一時的抑止で留まり運転を既に再開していたが、立往生となった列車に加え、京浜東北線王子〜東十条間で一時抑止となった列車で気分が悪くなった旅客が発生し、計30人程度が救急車搬送された。
13時10分各線で運転は再開されたが、混乱は今日一日続く見込み。
<鮨詰め新幹線・酷電埼京線>
さいたま市中枢ターミナルの大宮駅では、基幹路線の東北本線と京浜東北線が抑止となった為、駅中が大混乱し、唯一の「都内脱出路」となった埼京線に旅客が集中した。
また一部列車が急行券(新幹線特急券)不要・救援解放となった東北新幹線にも旅客が流れ、通勤電車並みの「尻押し」が発生した。
この対処はそれでも早い方で、徹底した「システムライン」となっている埼京線や武蔵野線の臨時列車設定や、救急搬送があった為に軌道上旅客の収容が時間を要したとは言え、「むさしの1号」などの不手際も見られた。
大宮まで来てJRを断念した旅客は東武鉄道野田線〜伊勢崎線を使い都心への脱出を計ったが、当初は単なる「停電」としか情報が流されていなかった事もあり、大混乱にはならなかったと情報が入っている。野田線経由だと大回りとなる他、一部単線でもあり旅客が敬遠したのが理由だが、結果としてこの「大きな旅」を選択した旅客の方が安全に都心へ入れた。
<避難旅客は埼玉高速鉄道にも>
急に旅客が集まり出して驚いたのは埼玉高速鉄道で、東京メトロ南北線に直通する同線も迂回区間となっていた為にバスやタクシーで避難して来た旅客で「普段の倍以上」の混雑となった。
この事故で報道では約19万8千人に影響を受けたと報じた。
ATOSやコンピューター管理CTC等、「通常定時」運転の時には人手も掛からず便利なシステムで運行管理されているJR東日本だが、鉄道は「定時運転が当たり前」と言う感覚は利用客に感じて頂くべきもので、運行者や経営者は常に「定時運行は奇跡」と考えなければならないのである、まして「何があるか分からない」時代に危機管理能力が低い・御粗末な対処と判断されても仕方の無い状態である。
更に現場経験の浅い、路線状態を知らない「学卒の優秀な社員」が大半となっている輸送指令の未熟・決断能力分掌の欠落も混乱を拡大させたと言われて仕方が無い。
9351M列車4時間缶詰事故などは完全に人災である、運行管理サイドが武蔵野線の施設状態や現場の雰囲気を分かっていれば、新座で打切旅客全降車や、ルート変更南浦和迂回避難等の対処が取れた筈である。
更に複雑に危機的に首都圏JRを追い込んでいる「新宿湘南」の様な直通化は、運転整理を混乱させるだけである。実際利用客数は爆発的に増加している訳でも無いのだ。
銭出して乗っているのが御客様で、鉄道会社は株主に食わして貰っているのでは無い、利用旅客に食わして貰っているのだ。
架線切断や車両故障は、あくまで列車が機械である限り起こって不思議では無いのだか、問題はその事故の対処である。
「御客様の運賃で食わして頂いている」この大原則を経営陣は理解していない、と断言しなければならない様な御粗末な事後対処はそのまま会社の体質に現れてしまっている。
(205号訂正加筆)
第204号(平成19年06月22日号)
都内の女子高校生2人が福岡で自殺
6月20日21時50頃、九州旅客鉄道管内鹿児島本線博多〜竹下間(複線/交流電化)平和町1号踏切道(第一種)を加速運転中の門司港20時38分発荒尾行下り快速第4385M列車(電車6両/運転士・車掌及び旅客約700人乗車)運転士が、軌道内に立っていた女性を視認、警笛吹鳴と共に非常制動を掛けたが、軌道内の女性2人はしゃがみ込み列車と接触、2人共全身を強打して即死した。
4385M列車は博多駅を21時49分に出発し、南福岡まで通過する予定で加速しており、時速90km程度になっていたと報道された。
死亡した女性は所持していた定期券から2人共東京都立川市に住む15才の高校1年生で、9日から家出して警視庁立川警察署に捜索願いが出されていた。
2人は友人と言うが、何故福岡市まで来たのか不明で、福岡県警博多警察署で詳しく調べている。
この事件で4385M列車の乗務員や旅客に支障は無かったものの、鹿児島本線は一時抑止となり28本に運休や遅延の影響が出た。
昨年平成18年の自殺者は確認されているだけで32155人。前年対比-1.2%となったものの、このうち学生は2.9%増加して886人。
大学生404人が一番多く、次いで高校生220人、中学生81人、小学生は前年対比200%の14人だった。
更に、警察の捜査から学校での問題が原因とされているものは242人とされている。
少子高齢化と言うが、年令層に対比する人口から考えれば子供と高齢者に自殺者が多い。
言い換えれば、それら弱者が追い詰められている社会である事を証明したものだ。
ゲームや映画などで汚いシーンが氾濫していて実感が湧かないのだろうが、自殺者は決して美しいものでは無い、自殺者の性別では70%が男性と言うが、自殺した遺体は何故か直視に耐えない程見苦しい。
どんな厳しい、どんな辛い状態であったとしても、人生の最後を見苦しいものとして、ビニール袋に集められてゴミ同然の扱いを受けて、それでも列車で死にたいのだろうか。
現実、そんな場面に幾度か直面したから、強く言えるのだが、それでも生きようとする人間は絶対に何時か順風が吹く、覚悟する死があるのならば、それは大切な人を守るために戦って死する事のみと確信する。
他方、単純に人は死なないもので、どんな人間も必ず限界・臨界に達する時には信号を発すると言われている。
他人なら未だしも、友人や家族と言うなら無関心を装い、そんな信号を否定するのは止めて頂きたい。人間はそんなそんな強くも無い。
そして、真実に友情だの愛情と言うなら、そんな相手を見苦しい最後にするな。
一緒に死ぬなど、錯覚した友情や愛情であり、そんなものは友情でも愛情でも無い。
死ねるなら生きろ!虐める相手や疎ましくする相手が苦しむ位、堂々と朗々と生きろ。
人生勝負の決着は最後の最後まで分からないのだ。
(理事長)
第203号(平成19年06月20日号)
三江線が全面復旧
平成18年7月14日、豪雨の為に路盤流出等の大きな被害を受けた西日本旅客鉄道管内三江線(江津〜浜原間)が6月16日始発列車より337日ぶりに全面復旧した。
これにより中国地区の運転休止線は全部復旧した事になるが、西日本旅客鉄道と東海旅客鉄道では平成16年台風23号による高山本線と越美北線が未だ復旧していない。
山岳地帯特有の土砂災害による路線休止は今に始まった事では無く、過去には日本国有鉄道(根北線等)でも災害による休止からそのまま廃止になった路線もあり、民鉄では更に多い。
一日も早い復旧を待ち望む。
せんげん誠ビール祭、今年も開催
千葉県流山市流山の新選組本陣跡(現・株式会社秋元)で3回目となる「せんげん誠ビール祭」が6月30日17時より開催される。
これは流山市商工会第二支部有志等による本陣保存会が中心となって、交通文化連盟が支援する「地元とNPOの協働事業」の一つだが、この地域の浅間神社の例大祭にリンクして行われ例年地元住民の交流場として賑わっている。
更にこの会場付近の道路にロウソクを並べる「蝋燭回廊」や、蔵のライトアップは交通文化連盟の担当として続いており、酒造家「秋元」で飲む「ビール」は格別(同社はビール醸造は行っていない)と好評である。
焼そばや揚げ物の他、生ビール・ドリンクの販売が21時まで、ライトアップは22時頃まで、蝋燭回廊は23時頃まで行われる。(詳細はイベント情報を参照)
第202号(平成19年06月17日号)
平成筑豊鉄道が写真展作品を公募
平成筑豊鉄道はこの夏休み期間中に新造した気動車3両をギャラリーとした写真展を行うものとし、その作品を一般から公募している。
作品は平成筑豊鉄道管内各線を題材としたもので、九州旅客鉄道・日本国有鉄道時代のものは除くとし、応募資格は無く1人3点まで応募出来る。
作品は写真(画像)で、四つ切かワイド四つ切及びA4版とされ、応募者全員に同鉄道の一日フリーきっぷがプレゼントされる。
締め切りは7月10日必着。
(応募先=〒822-1201 福岡県福智町金田1145〜2 平成筑豊鉄道「夏休み・動く写真館 なのはな号」係)
また同社では6月30日までに定期券を購入した旅客を対象として「懸賞」を実施しており、一等1名は定期券一ヶ月分を、二等20名は一日フリーきっぷをプレゼントされる。
また定期券購入者全員に何と100円相当の乗車券補助券がプレゼントされる。
実は数値だけで言えばかなり厳しい経営環境の平成筑豊鉄道だが、地域の鉄道存続に対する認識や思いは熱く、また会社側も限られた中でアイデアを色々出しており、この「懸賞付き定期券」も昨年7月には+8.7%(66件)、10月には5.8%(46件)増収となっている。
単に待っていただけでは御客様は来ない、限られた環境だからこそグッと旅客の心を引き寄せる「企画」が実現できるのである。
そこに思いの無い夢は人を引付け無いし、夢を形に出来る会社で無ければ、人材は過熱されない。
第201号(平成19年06月16日号)
「YS22」に政府助成金400億円
経済産業省は現在、三菱重工業等の民間企業が合同で進めている国産中型旅客輸送機開発に、400億円の支援(助成)を拠出すると発表した。
総額で千数百億円が必要と言われるこの「YS」計画だが、今後4年に渡り総額400億円が政府から支援される事で、平成24(2012)年の実用化に向けて大きく前進する。
この計画は70〜90名搭乗の中型ジェット旅客機を開発するもので、既に三菱重工業が予想図を発表しているが、安全・低燃費・低騒音のまさに「YS−11」の後継機。
現在、このクラスはYS−11の旅客営業引退で全面「舶来」となっており、トラブル続きのボンバルディアもYS−11の代換として導入されている。
予算がどうの、と言う場合では無い。
日本は「ものづくり」の国、蒸気機関車からロケットまでそれを作る技術を持っているのであり、諸外国は自国の営業に政治でも何でも使うのである。
それも品格が不可欠だが、使われて喜ばれて長もちする優秀なものづくり、それがメイドイン日本の看板である。
更に国内航空路線は混雑限界の幹線と過疎化が進む地方線の二極化が進行しており、少なくても国内航空会社だけでもかなりの発注数となり、また需要は未だ未だ開拓の余地が有る。
詰まらない国民福祉に全く直結しない福祉予算に汲々とするのならば、不明年金処理部分に相当する額でこのプロジェクトが成立してしまう。
国家50年の大計に立って、本当に未来につながる予算に配分をお願いしたい。
東海道新幹線で旅客自殺・巻き添え負傷事故
6月15日16時頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線新横浜駅上りホームで、男性旅客1名が柵を乗り越え軌道内に侵入したところへ、惰行通過中の新大阪13時19分発上り快速第414A列車「ひかり414」号(300系電車16両)と接触、男性は全身強打で即死、その際ホームのベンチで列車を待っていた男性旅客1名が飛来物に当たり足に負傷した。
414A列車は現場で非常制動を掛けて、約1時間後に運転を再開、同時に東海道新幹線全線で一時抑止となった。
尚、414A列車の乗務員や旅客に死傷は無かった。
鉄道自殺は楽だ、なんて思っているバカが居るならトンでも無い事。死んだ後にまでみじめで情けない、全く汚いだけの迷惑となるだけである。
どんなに格好悪くても一生懸命に生きている者は美しい、せめて死ぬなら美しく死ぬべき。
何にせよ、自殺は無駄死、全く価値も無い愚行である。
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