トレインタイムス・バックナンバー(2)101〜200号


第200号(平成19年06月15日号)
旅客が手を挟まれて引き連られ転落し重傷

 6月13日10時37分頃、小田急電鉄小田原線東海大学前駅下りホームで、旅客乗降終了後扉閉をした新宿09時28分発箱根湯本行下り急行1037列車(電車10両)に神奈川県秦野市在住の無職女性旅客(57才)が扉に手を挟まれたまま列車が発車、ホームの旅客等が1037列車車掌(19才)に知らせるなどして非常制動を掛けたが、この旅客は40m引き連られてホームから転落し、肋骨骨折の重傷を負った。

 1037列車乗務員と旅客に死傷は無かったものの、神奈川県警察秦野警察署と小田急電鉄では原因を詳しく調べている。

 現場経験も社会体験も浅い青年を乗務員に促成栽培する事は危険である。何より人材は手間と暇を掛けて着実に育てるもの、少なくても就職2年間は地道に駅務や検査で下積みして、鉄道とは何ぞや?と理解させるべきものである。

 人間の生命を預かる大変な責務を背負う仕事だけに充実感がある、その職務の味わいが感じられないままに乗務員にする昨今の鉄道会社の経営方針は、人命軽視以外何ものでもない。


余りに愚行過ぎ、暴力団員航空法違反で逮捕

 3月10日14時頃の事だが、タキシング(誘導路走行)中の東京国際空港(羽田)発宮崎行全日空第609便機内で、搭乗していた男性旅客(34才)が携帯電話の電源を乗務員の再三に渡る要請・制止を聞かずに切らず、運行に支障したとしたとして警視庁東京空港警察署は神奈川県平塚市在住のこの暴力団員の男性旅客を航空法(安全阻害行為)違反の容疑で逮捕する方針と報道された。

 この手の事案は実は少なく無いとされている。

 普段利用している時にはそんな認識は、多くの利用者は認識していないが携帯電話は強力な電波を使用する無線機器で、飛行機はエンジンと多くの無線で飛ばしているものである。

 殊に離陸と着陸は事故の起き易い「シーン」であるだけに、搭乗したら電源を切るのは常識以前、死にたくなければ電源は切れ、と言うものである。

 煩いと乗務員の制止を聞かなかったとも伝わるが、既に立派な「大量殺人未遂」である。

 各種誘導・位置確認・制御で無線を多用している航空機交通では、大惨事にならないまでも携帯電話が原因の支障事案が多く報告されている、それで航空法に記載されているのであるが、無意味な事で乗務員が旅客にトラブルを持ち込む事は無い、そんな事も分からない者に飛行機に乗る資格は無い、懲役800年位当然と言うべき重大犯罪である。


トレインタイムス通巻200号

 昭和54(1979)年、当時の日本トレインクラブ機関紙として創刊されたトレインタイムスの名称を引き継ぎ、不定期ながら発信して参りました本誌も通巻200号(メールマガジン版100号)を迎えました。

 情報の即時伝達と言うよりは、日々埋もれて行く交通に関する情報を記録し、同時に独自の視点で解説や論説を織りまぜ、今後も交通研究・交通趣味での御活用に耐え得る情報誌作りに努めて参ります。

 何卒今後とも御愛顧宜しくお願い申し上げます。

(トレインタイムス編集委員会)


第199号(平成19年06月13日号)
台湾で鉄道起業120周年記念蒸気機関車「巡回」運行

 6月9日で鉄道起業120周年を迎えた中華民国・台湾鉄路管理局は、9日からCK124機(昭和11年日本車両製造/日本国有鉄道C12型式と同じ)と客車7両で記念運転を行っている。

 台湾の鉄道は清国時代に台北〜基隆間で1891年に開業したのが最初だが、この建設式典が「鉄路節」の由縁。

 同管理局では、9日の基隆発を皮切りに、10日の台中・16日の屏東・18日の花蓮と4運行を設定した他、24日までに展示を巡回させる計画である。

 日本統治時代、独自性を前面に打ち出した特徴的車両が多かった南満州鉄道等と比較して、鉄道省カラーの強かった台湾は、D51・C57等の同一設計機が主力で、各地にその保存車両が残されているが、今年は台湾高速鉄路も開業して日本から多くの鉄道ファンが来訪しそう。

 直接国交は無いものの、一部は日本語も通用し食べ物も近似系統である事から「隠れた海外旅行先人気スポット」ともなっている。

 何より中国大陸に比べて治安度が高い事から女性にも人気なのだが、外国の・・・と思わず、「地域観光活性化」の一つの展開例として大いに学ぶべきである。


南阿蘇鉄道で踏切事故

 6月8日08時27分頃、南阿蘇鉄道管内高森線阿蘇下田城ふれあい温泉〜南阿蘇水の生まれる里白水高原間(単線/非電化)を力行運転中の立野08時14分発高森行下り普通第7列車(気動車単行/運転士及び旅客7名)が松ノ木踏切道(第二種)に進入して来た無職・後藤主男さん(79才)の運転する軽トラックを視認し、非常制動を掛けたが間に合わず衝突し列車は衝撃で脱線、軽トラックは大破した。

 この事故で7列車の乗員旅客8名に死傷は無かったが、軽トラックを運転していた後藤さんは病院に搬送されたが2時間半後に死亡した。

 7列車運転士の証言によると、下り勾配となっている同踏切道へ続く道をゆっくりと軽トラックが降りて来たと言う。

 高齢化が特に進んでいる地方では最近、この様な事故が増えている一方、ローカル鉄道などでは車両の軽量化が更に進んでおり、軽トラック相手でも脱線するのである。

 一概に言えないものの、高齢者の自動車運転にはやはり厳しい制限を付けると同時に、車・バス・鉄道と区分けせず、総体的に「高齢化による地域交通体系の改革」と「環境改善を目的とした自家用車の削減」を押し進める時代になったのかも知れない。


第198号(平成19年06月13日号)
交通文化連盟、足立区業務委託契約

 6月12日、特定非営利活動法人交通文化連盟は競争入札で落札した同区北鹿浜公園展示室のHOゲージ鉄道模型(常設)の点検整備に関する業務委託の契約を締結した。

 17年度で一旦終結したこの業務委託は、この展示物のHOゲージ鉄道模型常設化が一段落した事を受けて、入札参加を打診されたもの。

 6月から来年3月まで4回実施で合計126000円が受託収入となるが、専用治具の制作や資材購入などでイニシャルコストが掛かる事と、今回の受託は作業が多く経費的には増える為、連盟の純益は半分程度と見られる。

 3日の臨時総会で議題ともなったこの収益の分配に関して、模型部材の老朽化による欠損を補う事を中心に配慮される事となっている。

 一方、一時途絶えた行政との協働事業(有償)が復活した事で、今後連盟が有償協働は業務、無償協働は文化の2局区分が一層進展する見込み。


東海道本線上で焼身自殺?

 6月12日04時35分頃、西日本旅客鉄道管内東海道本線尼崎〜立花間(複線/直流電化)惰行運転中の東京発出雲市・高松行下り特急第5013M「サンライズ出雲・瀬戸」(285系寝台電車14両)運転士が、上り本線上で火災が発生しているのを視認し非常制動を掛けて停車した。

 通報を受けて駆け付けた消防や警察によると燃えていたのは男性で、焼身自殺と見られているが、慎重に捜査を始めている。

 5013M列車は遅延したものの運転を再開している。


第197号(平成19年06月12日号)
前銚子電鉄社長の横領事件で判決

 6月11日、千葉地方裁判所で前銚子電鉄社長・内山健治郎被告(62)の業務上横領事件の判決があり、古閑裁判官は懲役3年執行猶予4年の判決を下した。

 この事件では、内山前社長が銚子電鉄名義で借りた約1億1千万円を自分の経営する銚子電鉄とは無関係の会社の運転資金に流用し、銚子電鉄の経営が急速に悪化した。

 内山前社長側から半額の返済等示談が示され、銚子電鉄と和解している事から執行猶予が付いたものだ。

 しかし、鉄道屋は商売と言うより公益企業と言う側面が強く、特に地域路線では単に交通機関と言うだけに留まらず、地域産業全体のガバナーとしての機能もある。

 その公益企業の経営者に、その資質がどう考えても認められない者が昨今多く見られる。

 執行猶予どころか切腹こそ適切である。

 銭儲けしたいなら違う商売をすれば良い、更に大抵の場合その大株主となっている行政も「責任があるかどうかを責任を持って」精査すべき。

 結果として多額の税金を投入するのであるから、その資質不適格なら解任は即時行うべきである。

 最後に泣くのは庶民、と言う図式こそ構造改革しなければならない時代である。


N700試運転列車故障で混乱

 6月8日14時26分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線米原〜岐阜羽島間大垣市付近上り本線(軌間1435mm/複線/交流電化)を惰行運転中の試運転列車(N700系16両)の自動列車停止装置(ATS)が突然作動・故障し、当該列車は非常制動を掛けて停車した。

 列車は岐阜羽島駅まで抑速運転して運転打切としたが、後続列車2本に最大15分の遅れが出た。

 故障を起こした列車は、この7月1日ダイヤ改正で登場する新型機材だが、東海旅客鉄道では原因を詳しく調査していると報道された。

 新車に故障は付き物で、原因不明の故障や不具合、いわゆる「お化け」は明治から今日まで古今東西「機械」には当然な出来事である。

 それらは「潜伏する大惨事」の予兆であり、細かい改善の重ねが「安全」の基礎である。

 しかし今日はその「安全の為の地道な汗」を経営者は嫌う傾向が在る。

 その危機管理意識の欠如こそ「潜伏する大惨事」の原因である。


第196号(平成19年06月11日号)
通票閉塞式装置故障で2時間以上抑止

 6月4日09時50分頃、東日本旅客鉄道管内久留里線久留里駅で、通票閉塞式装置が故障して列車運行が抑止となる珍事があった。

 木更津09時14分発上総亀山行下り普通第927D列車(38系気動車2両)は定刻09時55分に久留里駅へ到着、ここで通票(タブレット)を交換して運転を続ける予定だったが、久留里〜上総亀山間の通票が機器故障で出ないと駅員から知らされ、927D列車は抑止となった。

 奮闘の末、通票が出て来たのは2時間以上経った昼過ぎで、通票を受け取った927D列車はようやく運転を再開した、と言うもの。

 一部報道ではこのクラシックな通票閉塞式が問題であるかの様に伝わったが、全く見当違いも甚だしい。

 通票閉塞式は単線での列車運転保安システムとしてかなり優秀と評価しなければならない。

 仕組みは路線中の交換可能駅を1ブロックとして、そのブロック毎に決められた「形」の穴が空いている鉄の円盤=通票を「列車の切符」として持ち歩く事で、ブロック内での運転列車を制限して事故を防ぐ簡単なものだが、ブロック相互の駅で「行くよ」「良いよ」と言う「電信」が無ければ通票が箱から出ない。

 作業時間や要員数から見れば確かに不合理だが、今日もJRでわずかだが使われている、明治から平成に至り使用され続けている「優秀」なシステムである。

 問題はこれら機器や通信ケーブルのメンテナンスは頻繁に行う事が不可欠で、「人手不足」による事故と言うべき話である。

 最新式のコンピューター管理システムが毎日何処かでダウンして混乱している事に比較すれば、旧態依然な通票閉塞式の方がどれだけ御客様に優しいか知れない。


第195号(平成19年06月02日号)
俳優・石立鉄男さんが急死

 6月1日11時15分頃、神奈川県熱海市消防に俳優・石立鉄男さんの家族から119番通報があり、病院に搬送したが既に心肺停止状態で、死亡が確認された。享年64才。

 死因は動脈瘤破裂と報道された。

 昭和17(1942)年7月31日、神奈川県横須賀市で生れ、高校卒業と同時に俳優座養成所に入り俳優の道へ。昭和45年の「奥さまは18才」(東京放送)で人気となり、昭和47年「パパと呼ばないで」(日本テレビ)では共演の杉田かおるとのコンビで話題となった。

 昭和54年「鉄道公安官」(東映東京・朝日放送)で国鉄鉄道公安官の主役を演じ、シリアスドラマだがコミカルな主人公が人気で、この作品は近年トラベルミステリーの先駆けとなった。

 また昭和63年12月30・31日放送の「五稜郭」(ユニオン映画・日本テレビ)では幕府御典医・松本良順(順天堂創始者・佐藤泰然実子=後の初代陸軍軍医総監)を演じて平成の幕末ブームの嚆矢となった。


第194号(平成19年05月31日号)
白昼のミステリー・新幹線に女性の遺体

 5月28日19時30分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線新横浜〜小田原間軌道内に女性の遺体があるのを同社職員が視認し警察へ通報した。

 この遺体は東海道新幹線列車運転士が発見し、連絡を受けた保線所が職員を派遣していたもので、列車に接触した痕跡があったものの詳細は神奈川県警察本部で捜査している。

 また現場から100m程離れた場所に梯子が掛けられたままとなっていたとも報道された。

 一方、東海旅客鉄道で列車を調べた所、東京14時56分発新大阪18時56分着各駅停車第547A列車「こだま547」号(300系電車16両)の中間車車輪に血痕らしいものが付着していた。

 547A列車は至近の新横浜15時16分発で、晴天だったこの日の15時30分前に、比較的見通しの良いこの区間で軌道内に私服のしかも女性が歩いていれば目立つし、同時に非常制動+緊急発報で別の騒ぎとなる筈である。

 更に、いかに頑丈な新幹線電車といえども、先頭に人間が当たれば凄い衝撃音がすると言われ、自殺にしては短絡的だが用意が良過ぎ、事件ならば目撃者が居ない不思議があり、とにかく謎が深い事件である。


東日本旅客鉄道東京駅修復へ

 5月30日、清野智東日本旅客鉄道社長他幹部等が列席する中で東海道・東北本線東京駅の修復工事の起工式が、丸の内駅前広場で行われた。

 東京中央停車場として企画され、大正に落成した東京駅だが、太平洋戦争時空襲で被災し、本来3階だったものが2階に「応急的復旧」され、その「仮設」のまま60年以上が経っていた。

 500億円と5年を掛けて「修復」される東京駅は、完成当時のスタイルで3階・丸屋根ドームを備えた「本来」の姿。

 東海旅客鉄道領地の「八重洲」が未来的駅+都市空間の実現を指向したのに対して、東日本旅客鉄道領地の「丸の内」はスバリ「レトロ」。

 国の重要文化財にもなっている東日本東京「丸の内」駅なので、上野駅の様な不粋で思慮の足りない恥ずかしいものにはしないのだろうが、計画ではホテル(客室150)・ギャラリー・レストランと現在のものと変わらない構成だが、大きく営業空間が取られている。

 ただ是非「貴賓室」だけは保存して欲しいもので、同社は過去に上野駅改装時、昭和初期施工の貴賓室を喫茶店に化かして世界の建築文化人から笑い者にされた経験がある。


第193号(平成19年05月31日号)
山陰本線余部鉄橋架け替えへ

 5月27日、兵庫県香美町で西日本旅客鉄道管内山陰本線鎧〜余部間余部橋梁(全長309m/最大高さ41.5m/単線非電化)の架け替え工事の起工式が井戸兵庫県知事らも参加して行われた。

 山陰本線の名所でもある余部鉄橋は明治45(1912)年3月1日から使用が開始され、地元では嫁入りにこの鉄橋を徒歩で渡ったと言われる。

 昭和61年12月28日13時過ぎ、この橋梁上を惰行運転中の香住発浜坂行下り回送第9535列車(DD51機牽引・国鉄大阪鉄道管理局宮原客車区所属14系和式客車「みやび」7両編成/車掌1・日食職員4名乗務)が30.5mの強風に煽られて機関車を残して転落、下のカニ加工工場の従業員5名と足立明車掌長(当時45才)の6名が死亡、6名が負傷する事故があり、西日本旅客鉄道では架け替えを検討していたもの。

 約30億円を掛けて作られる新橋梁は平成22年に完成の予定だが、兵庫県では現橋梁の一部を記念物として保存する事も検討されていると報道されている。


レールフェステ、本年度は「開催地拡大」へ

 5月27日行われた臨時理事会で、本年度のレールフェステは従来メイン会場の足立(東京都足立区北鹿浜公園)会場に加えて、流山(会場未定)と「新開催地」への拡大が決定した。

 これは10月予定だったレールフェステが流動的となった為、急遽「代換」されるもので、開催期日は年度後半になる見込み。

 またこの理事会で、交通文化財保存事業が当初の2箇所から1箇所を先行して着手、早ければ8月にも作業の調査に入る事も決定した。


第192号(平成19年05月29日号)
現役国務大臣が自殺

 5月28日昼過ぎ、東京都港区赤坂の衆議院赤坂議員宿舎11階で、農林水産大臣・松岡利勝氏(自由民主党衆議院議員熊本3区選出=昭和20年熊本県生/鳥取大学卒農林水産省出身/当選6回=伊吹派)が自殺しているのを秘書や警視庁警護課員が発見、新宿区の慶応大学病院に搬送されたが既に心肺停止状態で、14時死亡が確認された。

 昨年秋の安倍内閣発足で初入閣した同氏だが、関係があると言われた特定非営利活動法人の認証問題や資金管理団体の水道光熱費問題(いわゆる「なんとか還元水」問題)、そして緑資源機構官製談合問題と疑惑が次々に出て来ていた。

 現役の国務大臣の自殺は、昭和20年の敗戦時に阿南陸軍大臣が「敗戦の責任」を取ったとして割腹自殺をした以来で、明治維新後2件目。

 政府は6月23日までの現国会運営を考慮して、若林環境大臣を後任とする方針。(以上報道各社まとめ)


国電で旅客負傷事故・神田駅と御徒町駅

 5月24日14時45分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線神田駅山手線内回線ホームで、普通第1427G列車(東京総合車両管理センター所属231系電車11両)が9号車ドアにベビーカーが挟まった状態である事に気付かず発車、ベビーカーの親子とその乳児(4ヶ月)を助けた男性旅客(41才)の3名が引きずられ、周囲の旅客が非常停止ボタンを押し、その発報で気付いた同列車運転士が制動を掛け約20m程過ぎて停車した。

 この事故で親子と男性旅客3名が負傷し、警視庁万世橋警察署が慎重に原因等を調べている。

 平成14年にも同様事故が発生し東日本旅客鉄道では車両に対策を施したが、今回事故は最新鋭の車両で且つセンサーも装備していたにも関わらず発生した。

 事情聴取で乗務員は「扉閉サイン」を確認したと言っており、東日本旅客鉄道の調査でも「今回は高さ60cmと言う想定外の部分で発生した」と機能的「欠陥」と、「同ホーム監視モニターは該当車両が見にくい」との見解を出している。

 また5月28日15時59分頃、同じ東日本旅客鉄道管内東北本線京浜東北線北行線ホームで、大船発大宮行普通第1428A列車(浦和電車区所属209系電車10両)の発車間際に女性旅客が駆け込み、手荷物の紙袋がドアに挟まった。

 列車は出発・加速運転を始めたが、車掌がこれに気付き非常制動を掛け、2m程で停止した。

 この停止の際に1428A列車旅客の60才代女性旅客が転倒、頭部に負傷した。他の旅客と紙袋を挟まれた女性旅客等に死傷は無かった。

 この事故で負傷旅客の搬出等1428A列車は20分遅延で運転を再開している。

 早く言えばホームに列車監視の職員を置けば良い事で、警備員などに押し付けるのでは無く、やはり直轄の運転監視職員が必要である現れであると捉えるべきである。

 山手線区間は何処も実際利用旅客が数値より大きいのであり、ホーム要員は「定刻運転」と「旅客安全確保」には不可欠の筈である。割合として「内勤」職員が多い(関係会社に出向している者も含め)印象のJR各社だが、国土交通省の指導やら法制やらの整備以前の問題として、国家の基礎基盤産業である幹線鉄道の殆どを抱える「責務」は、銭儲けでは無くやはり「安全」。

 その「安全」を得るには何と地味で、しかし困難な「割の悪い」仕事なのか、しかしてそれこそが「安全」を脚点とする企業風土の醸成には欠かせないのである。

 最近では乗務員に成り手が少ないとも言われ、新卒者は乗務員と暗黙の採用がされているとの不明確根拠の噂もあるが、確かに若い乗務員が多い。

 社会に出てわずかな若い者を「言う事を聞く内に」乗務員へ仕立てるのでは無く、時間を掛けて順次「鉄道屋」を育てて行く事こそ「確実な安全構築」の、一見遠回りだが最短行路なのである。


第191号(平成19年05月28日号)
全日空がシステム障害で混乱

 5月27日未明から全日本空輸(全日空)の国内線旅客コンピューターシステムで不具合が発生し、航空券管理や手荷物の作業が出来なくなり、東京国際空港(羽田)発着便全便が欠航した他、全国でダイヤが混乱した。

 この為、27日一杯と28日にも一部路線で混乱し140便が欠航、約7万人に影響が出た。


三江線で復旧に向けた作業始まる

 昨年7月14日、発達した梅雨前線による豪雨で土砂災害に遭い不通だった西日本旅客鉄道管内三江線(江津〜浜原間)が6月16日から運転を再開する事となり、23日より復旧に向けた軌道・信号機の修復作業が始まった。

 この災害では中国地方で複数路線が災害に見舞われ、殆どが復旧したが被害の大きい三江線が最後に残っていた。


第190号(平成19年05月23日号)
整備新幹線計画見直しへ

 5月29日に自民党と公明党の与党による整備新幹線計画見直しの初会合が行われる。

 平成16年末の政府・与党申し合わせでは整備新幹線で建設が続行されるのは九州新幹線(博多〜鹿児島中央間及び長崎間/一部開業済)・北陸新幹線(長野〜金沢間)と東北新幹線延長区間(八戸〜新青森間)で、東北新幹線青函区間は準備工事が既に始まっている。

 それに対し北海道新幹線(新函館〜札幌間)と北陸新幹線延長区間(金沢以西)は本格着工が見送られている。

 会合ではこの2区間2兆円や他区間の財源確保にむけて課題の整理をすると言う。

 在来線を切り捨てた新幹線は無用有害以外の何ものでも無い。

 但し八戸でストップとなっている東北新幹線は確かに不便で不合理ではあるが、本来「新幹線」は別線増線との位置付けで建設(東海道新幹線着工時の政府等方針)されているものであり、不採算性を言うならば長崎新幹線や奥羽本線・田沢湖線の「直通列車新幹線=でも実は在来線特急」の方が無駄である。

 青函トンネルは本来新幹線規格で作られたものだが、前後取り付け区間は在来線規格のものもある、鉄道と言う独特のシステムを考えると新幹線と在来線の軌間が異なると言う世界でも珍しい、或る意味我が国鉄道施策が愚策であった事を証明してしまうこれら「在来線切捨/ミニ新幹線」は、今後日本の鉄道施策を考えた時にそれこそ「早期解消」すべきものである。


足場が崩れて東北本線停める

 5月19日16時35分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線京浜東北線南行線の列車運転士が、沿線の住宅工事現場の鉄パイプ組足場が倒れて架線に倒れかかっているのを視認、急制動を掛けると同時にPTTを発報し東北本線は全面抑止となった。

 この日午後に急速に発達した積乱雲に関わり雷雨・強風が関東地方にあったが、この風に煽られて足場が崩れたもの。

 京浜東北線は20分後に抑止を解除、東北本線系も19時頃には抑止を解除したが、新宿経由の乗り入れ便は終日抑止となった。架線等を切断していた事から復旧に時間が掛かったもの。


地域公共交通活性化法が可決成立

 5月18日の参議院本会議で、地方公共交通機関(鉄道・バス)の「差し換え」に道を開く「地方公共交通活性化法」が、自民・公明等与党の多数決で可決・成立した。

 経営が悪化する地方交通の「存続支援」では無く「差し換え」に重点を置いたものではあるが、先ずは今までは「見捨てられていた」地方公共交通の整備や代換に道を開いた法律で画期的である。

 但し、どちらと言わず「路面電車」や「代換バス」にばかり眼を置いて、普通鉄道の改善や存続には消極的印象を持つ内容である。

 路面電車に出来るなら、経営放棄などする必要は無く、その「需要数」が掘り起こせない事がそもそも課題なのである。

 しかし、一応に「道」が開いた事は確かで、今後経営の厳しい地方鉄道の存続に向けて、銀行に大挙支援した様に、「一旦国営化の後民間に委任する」方法や、むしろ徹底した近代化改善で経営の好転が出来る路線であれば、国道整備と同等の扱いで改善させる等の「爆発力の大きい法律」に転換する事を強く運動して行きたい。

 飛行場も多過ぎ、高速道路も今後人口減少&高齢化で需要減るだけ。必要な部分に「国家五十年の大計」を持って望む施策をお願いしたいもの。


第189号(平成19年05月16日号)
交通博物館搬入のボンネット特急電車等が回送

 5月16日15時55分頃、千葉県松戸市の東日本旅客鉄道管内武蔵野線馬橋支線をEF81に牽引されて5両の電車が走り去った。これは10月開館予定の大宮・鉄道博物館に展示用として搬入される電車で、455系3両と485系2両である。

 列車の後端はボンネットタイプのクハ481で、美しく仕上げられて「最後の旅」を送った。

(PC用交通文化連盟ページ・とれいん倶楽部/鉄道研究室で映像公開中)


旅客が連続して転落死亡事故・京浜東北線混乱

 5月14日月曜日08時28分頃、東日本旅客鉄道管内東北本線京浜東北線南行線大宮発大船行741A列車(浦和電車区所属209系電車10両編成)が東京駅構内を停車の為に減速進入中、ホーム端を走って足を滑らせて軌道上に転落した千葉県松戸市在住の36才男性会社員と接触、列車は急制動を掛けて停止したが、転落した男性旅客は全身を強く打ち搬送先の病院で死亡した。

 この事故で京浜東北線は75分間抑止となり、12本が運休・約18万人に影響が出た。

 また、19時23分頃にも今度は東海道本線京浜東北線北行線磯子発南浦和行1826C列車が大森駅進入中に旅客と接触する事故があり20時10分まで抑止、3本が運休した。

 京浜東北線・山手線・総武線・中央線の場合、他路線間の継送も兼ねていて報道の数値の数倍が実際は迷惑を被る結果となる。

 雨天時のホームは滑り易い、しかし晴れて居る事も同様である。ちょっとしたミスが自分の命も未来も、そして計り知れない迷惑を生む悲劇を引き起こすのである。


近鉄大阪線で踏切支障事故

 5月15日11時27分頃、近畿日本鉄道大阪線耳成〜大福間(軌間1435mm/複線直流電化)耳成5号踏切道(第一種)で惰行運転中の上本町発榛原行下り準急1041列車(電車4両編成/運転士及び車掌と旅客35名搭乗)運転士が踏切内に進入した軽自動車に気付き警笛を吹鳴、同時に急制動を掛けたが間に合わず軽自動車と衝突しその後停車した。

 1041列車の乗務員・旅客37名に死傷は無かったが、列車と衝突・大破した軽自動車の男性運転手1名が死亡した。


交通文化連盟が「乗務ボランティア」を本格養成へ

 5月15日、特定非営利活動法人交通文化連盟文化局長兼任の吉野理事長は、本年度事業のうち「交通文化財保存活用事業」の具体策として、文化局文化事業部交通事業科を担当として「乗務ボランティア」を養成する事に着手すると内示した。

 この乗務ボランティアは正式には「補完旅客案内乗務員」とされ、イベント列車や地域活性化催事等で運行されるバス等に演出的に旅客接応・案内をするボランティアクルーで、従来は鉄道輸送警備隊輸送中隊が担当していたが、輸送隊が「在来型一般車=手動扉客車(レトロ客車)運行時の扉警を主とした乗務防災活動」を主軸としていたものの、在来型一般車列車そのものがJR以外の主催で運行される事が皆無となり、また鉄道輸送警備隊自体の存在位置も変化している事から同隊の構成が大幅に見直され、同時にそれら「客室サービスを行うボランティア」の需要も予測されている事から「客務専任」に特化したスタイルでのチーム設置となったもの。

 6月から人選を始めて8月から研修を行うとしているが、同連盟には「特定準会員として会費等を免除されるボランティアは原則として鉄道輸送警備隊が管轄する」と言う独特のシステムがある事から、当面は第一機動警備隊に客務班として「兼用」される見通し。

 一部ボランティアからは「鉄道輸送警備隊所管」と言う堅苦しいイメージを改善して欲しいとの声もあり、今後メンバーと任務が増加した場合は「分離」する方向だが、昨年度の緊縮財政・事業縮小により停滞し、求心力低下が指摘されている吉野体制のイメージアップが狙いとする向きもある。


第188号(平成19年05月16日号)
信楽高原鐵道事故から16年で慰霊祭

 5月14日午前10時20分から、滋賀県甲賀市で信楽高原鉄道貴生川・紫香楽宮跡間列車正面衝突脱線事故(1991<平成3>年5月14日・死亡42/負傷416名)から16年を迎え、事故現場に近い慰霊碑前で遺族など90名近くが参加して法要・慰霊祭が行われた。

 出席した山崎正夫西日本旅客鉄道社長に「鉄道安全推進会議」吉崎俊三会長が同社の「鉄道安全考動館」の展示内容について遺族が納得出来る公平なものにすべきと言う抗議書を手渡した。

 42名が死亡したJR化後最初の重大惨事だけに今も地元や遺族には複雑な心境が残る。更に尼崎・福知山線事故が発生し遺族の不信感は更に拡大した感もある。

 安全は何物にも換えがたい。

 更にこのゴールデンウィークは同じ近畿地方・エキスポランドのジェットコースターで滋賀県の女性が犠牲となったばかり、人命を預かる仕事をする人間にとって、「重い」報道である。


ボンネットバス復活と引退

 4月28日から函館市・函館バスが、ボンネットバス(昭和34年いすゞ製)を岡山県の中古自動車販売業から購入・補強復元して定期観光用に運行を開始した。

 女性のバス車掌(ガイド)も当時の服装に再現して休日を中心に函館駅前から1日2便運行する。

 歴史的建造物の多いエリアを1時間で周回するが、新規「ボンネットバス運行車体」としては日本最新である。

 函館観光の新しい目玉となるか注目されている。

 一方、5月6日には昭和57年秋から京王八王子駅〜陣馬高原間で運行されていた西東京バスの「ゆうやけこやけ号」が引退した。

 こちらは定期バス臨時便として設定され、休日等に運転されていた。童謡「夕焼け小焼け」に関する史跡やズバリ「夕焼小焼」と言うバス停があり、一時は人気だったが、排気ガス規制の関係等で引退する事となった。

 地球環境の保護は人類の急務である事は重々承知だが、「地球に優しい=人間に優しく無い」事が多すぎる。

 他方、地域観光活性化に各地が本格的に取り組み始めている中で、古い町並みを活かそうとする地域も多く、そこに「決定打」としてボンネットバスを画策するところも少なく無い様だが、現実には各種規制から断念せざるを得ない現状である。

 抜け穴ばかりの規制は無効だが、それが本当に不要か必要か、文化的経済的視点を含めて分類する「広い視野」もこれからは必要では無いだろうか。


第187号(平成19年05月14日号)
交通文化連盟基幹2事業累計詳細値発表
 5月12日、特定非営利活動法人交通文化連盟が基幹2事業の詳細値を発表した。

(1)レールフェステ

総開催日数=97日(準備日程含め総日数=100日)/総派遣要員数=412名/総来訪者数=70203人/事業支出額=288105円/対投資効果=4.1円/人

<足立区北鹿浜公園開催部分のみ抽出、開催日数=73日/要員数=316名/来訪者数=69521人/対投資効果=4.14円/人>

※2007年03月19日現在

(2)幕末機動警察隊・新選組

総実動派遣日数=194日(研修・内勤を含めた総日数=267日)/総派遣要員数=1134名(研修・内勤を含めた総要員数=1431名)/総受益者(利用者)数=49914人/事業支出額=487531円/対投資効果=9.76円/人

<流山新選組本陣案内部分のみ抽出、派遣日数=177日/要員数=1071名(幹部339名/ボランティア732名)/受益者数=42438人/対投資効果=11.48円/人>

※2007年03月31日現在/警備隊鹿島鉄道臨時派遣を合算

(3)基幹2事業累計

活動日数=367日/要員数=1847名/受益者数=120117人/事業支出額=775636円/対投資効果=6.45円/人

(※2002〜2006年度・3月31日現在時累計)

 18年度の累計ではレールフェステの来訪者が若干減少、また新選組では流山本陣跡来訪者が実施日数の減少で減少したものの、1実施日当たりの来訪者は前年度78.85人/日だったものが253.59人/日と改善している。これはJR東日本の千葉ディスティネーションキャンペーンに関係して3月にウォーキングイベントが行われた為だが、この参加者2500人を差し引いても161人/日となり、増加傾向が見られる。

 また3月31日の鹿島鉄道最終列車関係で鉄道輸送警備隊を派遣したものを、新選組事業に組み入れて算定した為、この部分(6885人)が増加したが、3月31日全線での累計来訪者が約27000人と推定されるうち、浜駅・石岡駅での視察に際しての計測も含まれ、純粋に石岡駅(21時30分〜00時)部分の計測値とは異なる。

 2事業共に天候に大きく左右される為に、「苦戦」したものの、レールフェステに関しては一定の定着とリピーター来訪者の増加が見られて、緊縮財政の為に事業支出を徹底して抑制した割に効果を上げた事で各担当者はホッとしているのが本音の様だ。

 しかし、17年度27487円の赤字は18年度1026円の赤字を更に加えて、28513円となる一方、本年度は地域鉄道支援・交通文化財保全に着手する事から最低文書費分の予算が割り当てられるものとなり、基幹事業は3事業へ増加する。

 この為更に赤字は拡大する見込みだが、宮本業務局長(専務理事兼任)は「立ち上がりにイニシャルコストは掛かるもの、今後2〜3年で大きな効果を得られるのだから今赤字でもやるべき」と強気の構えだ。


第186号(平成19年05月07日号)
交通文化連盟基幹2事業累計で受益者12万人突破
 5月3日に開催された特定非営利活動法人交通文化連盟総会で、特定非営利活動法人交通文化連盟の基幹2事業(レールフェステ・下総新選組)の受益者(来訪・利用者)が累計12万人を突破した事が報告され、特に新選組はこの事業をスタートした平成16(2004)年から昨年度末までで49914人、通常行われている千葉県流山市の新選組本陣跡(現・株式会社秋元)での観光案内部分だけでも42438人となった。

 特定非営利活動法人となった平成14(2002)年から累計したレールフェステと新選組の実動日数は367日/要員数1847名/受益者120117人は、非営利活動専門とした社会文化ボランティア系特定非営利活動法人でも国内最大規模と言われる。

 しかし要員派遣実数は年々減少の傾向にあり、また本年度から鉄道輸送警備隊が独立した算定方式を採用した事や、現在諸問題から停滞したままの蒸気機関車保全事業など基幹事業が増え、総体としての数値は上がるもののレールフェステ・新選組事業の個々数値は「減少」する懸念がある。

 これに対して業務局長兼任の宮本専務理事は談話として、

「従来ボランティアの豊かな経験と結束は維持しつつ、的確な配置転換を行い基幹2事業は新しいメンバーが参加し易い環境と雰囲気を作る様に転換したい」

 と語り、同時に

「どちらもマンネリ化は明確になっているので、この打破の為に活動フィールドの拡大やコンテンツの一新を進める積もりで、基幹事業に加わる蒸気機関車保全とは別に交通文化財保存活用策と連動した新しい側面の地域観光活性化策を本年度には着手したい」

 と改革の意志を表した。

 現在、全国的に平成16年の大河ドラマ放送に併せてブーム的に展開された新選組まちおこしは、年々減少する来訪者とボランティアの歯止めが効かずに苦戦していると言われ、一部では方向の転換や縮小も余儀無くされている。

 その中で、「下総新選組」は各地のパレードや支援派遣を取り止め、「足場固め」に腐心して昨年はかなり苦戦していたが、ここに至り新規ボランティア参加や体制の抜本的改革の進展が見られ、また本来目的の「地域鉄道との連係による観光活性化」の基本方針も固まり、全国的に旧務とされている「ローカル鉄道利用促進」に一石を投じるパッケージをまとめつつある。

 他方、一切流山市の支援を受けず、地元同好会の「妨害的」な行為や報道による「黙殺」を受け、この事業が地元の流山市商工会第二支部を除いて「孤立無援」なのも確かで、その「政治的抑圧」を突破し、地域に有効な活動へ進展させられるかが課題である。


第185号(平成19年05月02日号)
グリーンライン新幹線が復活
 昭和57(1982)年6月23日に大宮〜盛岡・新潟間で暫定開業した東北・上越新幹線の開業25周年を記念して、東日本旅客鉄道では東北新幹線に5月10日からアイボリーホワイトにグリーンの帯を巻いた登場当時の塗装とした列車1編成を「復活」させる。

 東海道新幹線用0系をベースとして作られた200系電車は、その後更新や機器増設に伴い全部が塗装を変更したが、登場四半世紀を記念して「原点」の色に戻る。

 記念日の6月23日には大宮〜盛岡間で記念列車を運行し、夏季利用誘致の「幕開け」を飾る意図の様だ。

 またこれと平行して6月23日〜7月22日には東北新幹線13駅の硬券入場券セット(1810円/4000セット限定)も発売される。


小林利雄氏逝去
 4月29日、広告代理店のアドギア元顧問の小林利雄氏が腎不全の為、東京都内の病院で死去した。享年86才。

 小林氏は戦後間も無く「中村宣弘社」を設立、当時の国鉄上野駅中央改札口上の壁画「自由」(猪熊弦一郎画伯作成)を広告付モニュメントとして企画し、昭和26(1951)年12月27日から公開、今日も「上野駅」を象徴する重要な施設として保存されている。

 また義弟とペアを組んで東京・銀座にネオンサイン型屋外広告を普及させ、一方で「宣弘社」を広告代理店から「月光仮面」「怪傑ハリマオ」「サザエさん」などの児童向け番組の企画制作企業に発展させた人物としても有名で、我が国広告文化・放送文化の大功労者でもあった。

 御冥福を深く御祈念したい。(岩崎義将)


開陽丸子孫の会設立
 4月29日、東京都内で旧徳川家海軍の軍艦「開陽」乗員の子孫による「開陽丸子孫の会」が設立された。

 既に「咸臨丸子孫の会」は活発に活動をしているが、幕末最強にして当時日本唯一のフリゲート蒸気帆船戦艦・開陽の設計者の一人で北蝦島政府総裁として最後まで薩長官軍に抵抗し、維新後数々の功績を上げた技術系官僚・榎本釜次郎和泉守武楊の子孫で東京農業大学客員教授の榎本隆充氏や、軍艦役・小杉雅之進の子孫で「咸臨丸子孫の会」代表の小杉伸一氏、北蝦島政府開拓奉行・沢太郎左衛門子孫の沢丞氏等が設立に向けて準備を進めていた。

 流山に大久保大和守剛(近藤勇)と共に来訪し、内藤隼人(土方歳三)に従って北蝦島(北海道)へ渡った旧幕臣も少なく無いと見られている中で、未だ全体像が明確では無い「戊辰戦争〜維新時」の徳川家臣団や左幕派諸家の動向等解明も含めて、この時代に注目する人々にとっては朗報と言えよう。


第184号(平成19年04月26日号)
新潟運転所のクハ181が移送

 昭和37(1962)年6月10日に誕生し、上越新幹線に花道を譲って昭和57(1982)年11月14日限りで廃止された特急「とき」で活躍した181系電車として唯一その原形を留めて、長く新津鉄道資料館に保存されていた旧上沼垂運転区クハ181−45号が、10月開設の鉄道博物館(埼玉県さいたま市)に収蔵される為に移される事となり、5月6日に現在の保管場所である東日本旅客鉄道新潟運転所で「さよなら」記念公開が行われる。

 同車は昭和44(1969)年1月20日製造で、最後まで「とき」運用に就いていた。

 当日は583系(西日本旅客鉄道車)・485系・115系(訓練用)・クモヤ143型式と共に公開展示される。(但し車内立ち入りは不可)

 時間は10時〜15時で東日本旅客鉄道信越本線越後石山駅より徒歩。同時にグッズ販売等も行われる。


DMV営業試運転開始
 4月14日より北海道旅客鉄道釧網本線浜小清水〜藻琴間で同社が独自開発したDMV(デュアル・モード・ビーグル)の営業試運転が開始された。

 マイクロバスクラスの車体にタイヤと鉄道車輪を装備し、軌道も道路も走れる機材として開発したものだが、6月30日までの土日祝日と5月1・2日、この区間で往復1時間/日運転される。

 7月以降は原生花園や海岸を組み入れた「レール&ロード」の運行も検討されている。

 諸外国では以前から試作されて試行されたが中途半端な性質と効率性への疑問から実用化されるに至っていないが、過疎地路線や都市間幹線だがその狭間で過疎的となっている区間等での施設活用にその特性が発揮されると全国から注目されている。

 しかし、従前気動車をこれに置き換えて・・・と早急に考える事は禁物で、通常のバスよりかなり少人数で連結できるとしてもその輸送力は一般的な中形路線バスより少ない。危機的過疎地が多い北海道ならではの発想で造られたと言うコンセプトに先ず着目して、経済効率から導入を検討すべきだが、日本人は何故か新しモノ好きで、LRTだDMVだと「軌道保線」を無視して唱える者が多すぎる。

 北海道旅客鉄道では段階的に車両も大きくする方向だと一部では伝えられるが、国鉄時代に造られた「レールバス」が失敗した経緯を再度精密に分析して検討した上にこの試験運転のデータが重なって始めて「特性活用の方程式」が出る。

 それまでもう少し慎重に推移を見守りたい。(理事長)


第183号(平成19年04月20日号)
馬渡一真元日本国有鉄道副総裁が死去

 4月18日、馬渡一真(まわたり・かずまさ=馬渡一眞表記が正当)元日本国有鉄道副総裁が脳溢血の為死去した。享年83才。

 大正12(1923)年11月17日に長崎県で生れた馬渡氏は「最後の」日本国有鉄道副総裁であると同時に国鉄系通信企業「日本テレコム」(現ソフトバンクテレコム)の社長・会長を務め、また八十島会長の後を継いで鉄道友の会会長にも就いていた。

 葬儀は23日11時30分から東京都港区の増上寺で行われる。

 国鉄末期の混乱収拾の陣頭指揮に立ち、最後まで国鉄人としての誇りを貫いた氏の御冥福を深く御祈念したい。


第182号(平成19年04月14日号)
鹿島鉄道が廃止

 3月31日を限りに茨城県の鹿島鉄道(軌間1067mm/石岡〜鉾田間27.2km/単線非電化)が廃止され、最終日となった当日は全国から推定4万人の鉄道ファンや廃止を惜しむ地元住民が来訪し、各便は乗車率200%を超える満員となった。

 鹿島鉄道は大正11(1922)年9月3日に設立された「行方鉄道」(直後に鹿島参宮鉄道と変更)をルーツとし、大正13(1924)年6月8日に石岡〜常陸小川間、大正15(1926)年8月15日には石岡〜浜間を開通させて、浜駅からは汽船で鹿島神宮へ旅客輸送を行った。

 昭和4(1929)年5月16日に鉾田まで全通、その後竜崎鉄道(現・関東鉄道竜ヶ崎線)を合併、昭和40(1965)年6月1日に常総筑波鉄道と合併し関東鉄道鉾田線となり、昭和54(1979)年6月1日に関東鉄道が分割された際に鹿島鉄道となって、今日まで営業を続けて来た。

 航空自衛隊百里基地航空燃料輸送(石岡〜榎本間/昭和42年3月11日〜平成13年8月31日)により「同僚」筑波鉄道より長生きしたのだが、平成16年度の利用者数は84万3千人・輸送密度603とかなり厳しい営業を強いられて来た。

 平成16年度からは関東鉄道や地元自治体による本格的資金援助や、沿線3高校生徒会を中心とした「かしてつ応援団」等の動きも有ったが、親会社の関東鉄道が首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス)開業に伴う減収で支援を打切る事になり、経営継続は困難と判断されて廃止届が前年度末に国土交通省に提出された。

 旧夕張鉄道気動車(キハ714号)や旧加越能鉄道気動車(キハ431・432号)が現用されるローカルムードに溢れた鉄道でファンも多く、廃止が決定的になった年始からは旅客数も増加し、広く注目された。

 深夜に至ってもファンの数は増え続け、雨天にも関わらず周辺約2千人が見守る中、遅れ43列車(キハ431+432)が紙テープを引きつつ出発、23時17分鉾田駅に満員の旅客を乗せて到着した。

 石岡側では特定非営利活動法人まちづくりやかしてつ応援団の主催によるセレモニーの後、215列車(KR502+503)が玉里へ向かって出発、23時20分35分遅延で216列車が到着、鹿島鉄道は無事故で最終日の運転を終えた。

 翌日から一部で軌道撤去作業が始まったが、4月1日に掛けて鉾田・常陸小川への「保存機材回送」が行われ、現在この2駅で保存に向けて協議が重ねられている。

 また鹿島鉄道対策協議会(沿線自治体)では昨年末、鹿島鉄道継承事業者を公募したが、結果は地元の市民グループと都内の鉄道マニア経営自称旅行業者の2件が応募したのみで、鉄道事業者やその信用に耐えうる者の応募は無く、廃止に決定的となった経緯がある。

 翌日からは関東鉄道系バス会社が代替バスを運行しているが、運賃の問題を除けば「支障は無いと推測」(関東鉄道関係者)と報道された。


下総新選組、鹿島鉄道最終列車見送りに「特派」
 鹿島鉄道最終日となった3月31日、特定非営利活動法人交通文化連盟鉄道輸送警備隊(執行幕僚長・吉野連盟理事長)は特別派遣を行い、沿線の視察と調査及び新選組隊士衣装で「お見送り」を同第三業務隊(隊長・横川真梨子)を行った。

 視察隊本隊に随行した「新選組隊士」停車場チームは稲葉式部少輔(副隊長)と後藤志摩守で、通常は千葉県流山市の新選組本陣跡(現・株式会社秋元)で観光案内ボランティアを行っているメンバーで(現地での無料・公共利用の観光案内は特定非営利活動法人交通文化連盟と地元本陣保存会の2組織のみが平成16(2004)年3月から継続して行っていて、行政や観光協会の支援は一切受けていない。)、この2人は平成17年「あけっぱなし号」でも乗務している為、今回は「乗り納め」となったが、「やはり凄く寂しい」と語っていた。

 平成17(2005)年8月6日の「新選組サミット」と連携した「あけっぱなし号」(キハ431+432)や平成18(2006)年1月の「新選組水戸派号」(キハ714号)での輸送警備支援に際して、都内の歴史研究団体「歴史企画研究」を通じて鹿島鉄道とは交流があり、今回は観光支援も兼ねて「特別派遣」に加わった。

 午後に現地沿線視察を終えて定点観測となったが、早速2人は新選組衣装に着替えて登場し、小川付近や浜駅で見学とお見送りの後、石岡駅へ21時30分に入り、一旦新高浜駅へ移動して警戒班と共に上り46列車(キハ714+他)に乗車した。

 43列車の発車を見送った後、石岡駅5番線ホームではこの2人の「撮影会」の様にもなったが、「沿線の玉造は新選組初代筆頭局長・芹沢鴨の故郷でもある事を少しでもPR出来れば」(稲葉副隊長)と笑顔を振りまいていた。

 23時30分、216列車が石岡駅到着後、2本の回送列車で警戒の後、23時48分に鹿島鉄道職員各氏に挨拶し撤退、現場を離れたのは4月1日午前0時20分を過ぎていた。

 鉄道輸送警備隊にとってはこの丁度20年前、吹雪の日本国有鉄道小樽築港機関区(小樽運転区)で奇跡の復活を遂げた蒸気機関車C623機構内試走の警戒を行った「記念日」だが、執行幕僚長の吉野連盟理事長は、

「20年前は故郷であり父である国鉄への永遠の別離と言う寂しさはあったが、その代わりにC62と言う明日へ結実する夢の出発の瞬間でもあり、興奮と熱気が漂っていた。しかし鹿島鉄道は日常だった地域鉄道が完全に消滅する、ただ寂しい静かな最期だった。本当に寂しさを感じる。」と語った。

 鉄道輸送警備隊がチームとして沿線警戒に当るのは平成2(1990)年5月のドリーミング・ムーンライトエクスプレス運行以来実に17年振りで、今後も積極的に展開したいと幕僚部は語っている。


第181号(平成19年04月14日号)
くりはら田園鉄道が廃止

 平成7(1995)年4月1日から旧栗原電鉄を引き継いで運行が続けられたくりはら田園鉄道(軌間1067mm/石越〜細倉マインパーク間25.7km/単線非電化)が3月31日限りで廃止され、別離を惜しむ地元住民や鉄道ファンが多く詰め掛けた。

 栗原電鉄は大正7(1918)年12月15日に設立され、大正10(1921)年12月20日に石越〜沢辺間(8.8km)を開業させた栗原軌道が前身で、昭和17(1942)年12月1日に石越〜細倉鉱山間26.2kmを全通させ、その後軌間を762mmから1067mmに変更、また750v直流電化に転換し、三菱系鉱業拠点のあった細倉を中心にこの地域の産業中枢として活躍した。

 しかし産業構造や交通体系の変化の中で昭和62(1987)年3月29日に貨物運輸と細倉〜細倉鉱山間を廃止し、平成5(1993)年に筆頭株主の三菱マテリアルが株式を沿線に譲渡、宮城県が主体となった第三セクターに転換、同時に老朽化した電気鉄道設備を廃棄して気動車に変更した。

 昭和62年度に40万2千人を数えた利用者数は平成16年度には18万8千人にまで落ち込み、同時に気動車化当時に導入した軽量気動車の耐用年数も限界となりつつあった事で、昨年度に廃止を決定、国土交通省に廃止届けを提出していた。

 しかし一番大きいのは宮城県の補助金打切の影響で、国総体で税収激減の中、弱者斬捨が断行された形だが、県も沿線が合併して誕生した栗原市も地元住民も限られた環境で存続に向けて多彩なイベント・施設を展開したが、継続的利用客増加にまでは惜しくも至らなかった。

 19時過ぎ、石越駅で佐藤勇社長(栗原市長)等が出席してセレモニーが行われ、約500名の地元住民や鉄道ファンが雨の中、19時33分発「最終細倉マインパーク行」列車の出発を見守った。

 廃止が決定して以降、遠方からも来訪者があり前年度対比70%増加となった一方、鉄道マニアによる窃盗や不法立入も増加し困惑した声もあったと報道された。

 22時20分過ぎ、石越へ「最終列車」が到着、無事故でくりはら田園鉄道はその歴史を閉じた。


芸備線が年越し復旧
 昨年7月14日未明、集中豪雨による土砂崩壊で抑止を続けて来た西日本旅客鉄道管内芸備線備後落合〜備後西城間(8.6km/単線非電化)が8ヶ月半ぶりに復旧し、4月1日05時47分発備後落合発三次行351D列車(キハ47形式2両)から運転を再開した。

 この集中豪雨では三江線江津〜浜原間が未だ抑止の状態だが、今年は暖冬で積雪が少なかった事から復旧作業が進展し当初より約1ヶ月早く復旧した。


「下工弁慶」号蒸気機関車が三重県から山口県へ返却移送
 3年間の「貸借」期限満了に伴い三岐鉄道北勢線阿下喜駅構内で展示されていた「下工弁慶」号(1907機)が4月1日、所有者の山口県下松市に向けて発送された。

 北勢線利用促進と阿下喜駅周辺の観光活性化を目的に貸与されたこの「下工弁慶」号は海軍が発注、石川島造船所で明治40(1907)年に新製し下松で使用していた軌間762mmB(動輪2軸)サドルタンク蒸気機関車で、長く山口県立下松工業高校で教材として保存されていたが、下松工業高校創立60周年に当った昭和56(1981)年10月9日と10日に学園祭で復活、以来下津井電鉄(昭和63年3月13日〜平成2年12月31日)や柳井卸センター(平成4年3月16日〜)で動態保存展示がされていた。

 阿下喜駅へ搬入された「下工弁慶」号は地元自治体による「北勢線対策推進協議会」(会長・水谷元桑名市長)が「静態展示」で貸借契約したものだが、この管理を委託された市民団体「北勢線とまち育みを考える会」(代表・成田正人氏)が「動態運転展示」に方針を転換、「安全確保に問題が有る」と反対し続けた協議会と「動態も含めた条件だった」と「考える会」が対立、委託を解除された昨年6月以降も引き渡しを拒んだ。

 下松に到着した「下工弁慶」号は市役所敷地に静態保存展示された。

 重要な事は明治40年製サドルタンク機の「保守」を適確に行う技術を持つスタッフと、動態運行に関する経験がこの「考える会」にあったのか、と言う事に尽きる。

 「やれば出来る」では済まない、動態となればミニSLであっても「人命」が直接関わるのであり、いざ問題が発生すれば「逃げ易い」市民任意団体にその「責任能力」が有るのかと問われれば疑問も残る。

 しかし、動かない蒸気機関車をわざわざ見に来る者なぞ本当に僅かで、それで観光推進にはなり得ない、残念なのは双方に「そこに生活する者の視点」が欠落し、単に子供の喧嘩と成り下がった事である。


第180号(平成19年03月30日号)
交通文化連盟鉄道輸送警備隊が鹿島鉄道に特別派遣を決定

 3月31日で営業を終える茨城県の鹿島鉄道鹿島線には連日廃止を惜しむ鉄道ファンが来訪しているが、最もファンが集中すると見られている31日最終列車に合わせて、特定非営利活動法人交通文化連盟鉄道輸送警備隊が自主防災警戒と状況視察に要員を派遣する事が決定され、31日午後から最終列車が石岡駅に到着する間、沿線等で調査などを行う。

 要員は6〜7名規模の本隊を中核として、沿線の撮影者等動向や場所により意見聴取も行い、現在の鉄道ファンの動向や構成を分析すると共に、列車運行に支障となる事案等の分析を行うものとしている。

 20年前のこの日には奇跡の復活を遂げたC623機試走の警戒・調査視察で日本国有鉄道小樽運転区(小樽築港機関区)へ隊員を派遣しているが、その20周年の日に再び「現場」に戻る事にもなり、特別派遣隊は執行幕僚長が直轄している第一機動警備隊に第三業務隊のボランティアを加えて派遣する。


東海道新幹線で旅客転落・自殺か殺人か?

 3月24日土曜日21時18分頃、東海旅客鉄道管内東海道新幹線静岡〜掛川間牧ノ原トンネル加速通過運転中の東京20時13分発新大阪行下り第155A列車「のぞみ155」号(16両編成)で、扉閉表示が一瞬消灯し、列車は非常制動を掛けて停止、運転士が確認したところ6号車デッキ海側扉(進行左)の扉に作用する「非常用ドアコック」が使われた形跡が有り、運転士が現認した時点では扉は閉っていた。

 この為、155A列車は30分遅延で現場を発車、運転を再開した。

 一方、22時03分頃同じ東海道新幹線牧ノ原トンネル下り線を惰行通過中の東京19時56分発浜松行下り第601A列車「こだま601」号運転士が下り線海側側面に人が倒れているのを視認して非常制動を掛けて停止した。

 通報を受けた東海旅客鉄道ではこの区間で抑止とし、牧ノ原トンネル通過中の上り第156A列車「のぞみ156」号も601A列車の隣に停車した。

 通報を受けた静岡県警菊川警察署員と東海旅客鉄道職員が現地に急行したところ、軌道脇に倒れていたのは栃木県在住の42才男性で、のぞみ155号の乗車券類を所持しており、既に死亡していた。なおこの事案で3本の他旅客や乗務員に怪我は無かった。

 この現場検証と遺体搬出等で東海道新幹線は翌25日01時24分まで抑止され、週末の東海道新幹線は混乱し、一部列車を構内に留置し旅客の「仮泊」をさせる「列車ホテル」を実施した。

 新幹線に限らず日本の鉄道車両は走行中に扉がロックされない在来型一般車を除いて、非常時に扉を開けて脱出する為の「ドアコック」が取り付けられている。

 桜木町駅構内電車火災事故(1951<昭和26>年4月24日・死亡106/負傷92名)以来、旅客が容易に操作出来る様に改善され、トンネルでの火災を除いた事故等に際して緊急避難に用いられるものだが、構造上一度カバーを開けてドアコックを動作させた場合、自動で「戻る」事は無く、155A列車の旅客だった42才男性が「自殺」と仮定して、このドアコックを開けて扉を開けて転落したとしても、扉は開いたままとなり、この場合列車は非常制動が作用し停車する。

 また一度ドアコックを開けて扉を開け、押さえながらドアコックを戻す、と言う事も不可能では無いが、高速でトンネルに突入した場合、車内に「吹き込む」風圧と、電子制御で密封される新幹線車両の扉は強く、これで「自殺」は「高度な技術」が必要である。

 しかし目撃者も無く、事故か事件か自殺か・・・現在、菊川警察署と東海旅客鉄道が鋭意捜査中であると報道されている。


東京モノレールで接触事故

 3月25日日曜日14時35分頃、東京モノレール浜松町〜天王洲アイル間通過中の浜松町発羽田空港第2ビル行下り普通第1427列車が、高架下で道路標識設置作業をしていたクレーン付トラックのクレーンアームと接触し海側車体を損傷、列車は現場で運転を中止した。

 旅客約130名に負傷は無かったが、約2時間後に上り線に並行停車させた「救援列車」で救出された際に女性旅客1名が気分が悪くなったと申し出て救急車で搬送された。

 事故列車は低速で平和島の基地へ自力回送されて19時41分全線で抑止解除・運転再開となったが春休みの日曜日で旅客数も多かった東京国際空港は終日混雑した。

 警視庁ではこの作業をしていた業者とクレーン操作をしていた作業員を列車往来妨害の容疑で捜査していると報道された。

 東日本旅客鉄道傘下の企業となって以来、事故が目立つ東京モノレールだが、京浜急行電鉄も同様東京国際空港に乗り入れているものの、モノレール利用は多く、抑止の度に「羽田難民」が発生する。

 今回は京浜急行への誘導もスムースで特に目立った混乱は無かったが、公共交通の定時輸送はその事業者のみならず、周囲の理解・協力があって成立する「国民共有共益」の産業である。

 商法上では株式会社は出資者が主役だが、公共交通事業は「国民」が主役なのであり、株主の顔色しか見えない経営者は、経営者としては合格でも、交通事業者としては失格と言う事を肝に命じて欲しい。


第179号(平成19年03月25日号)
能登で地震

2007/03/25/0941/57、輪島市の西南西40km日本海・能登半島沖(東経136.5/北緯37.3度)海底を震源とするマグニチュード7.1、最大震度6強(石川県輪島市・七尾市・穴水町)、震源震度50kmの地震が発生しました。

 この地震発生直後に津波注意報は解除されましたが、余震が続いております。

 また以下路線で抑止中です。

◎西日本旅客鉄道管内北陸本線敦賀〜直江津間

◎西日本旅客鉄道管内七尾線津幡〜和倉温泉間

◎西日本旅客鉄道管内城端線高岡〜城端間

◎西日本旅客鉄道管内氷見線高岡〜氷見間

◎西日本旅客鉄道管内高山本線猪谷〜富山間

◎のと鉄道管内和倉温泉〜穴水間

◎西日本旅客鉄道管内大糸線南小谷〜糸魚川間

◎東日本旅客鉄道管内黒姫〜長岡間

◎富山地方鉄道本線電鉄黒部〜宇奈月温泉間

◎富山地方鉄道立山線岩峅寺〜立山間

 また道路関係は以下の通り

◎北陸道金沢西〜富山間

◎能登有料道横田〜徳田大津間

◎能越自動車道高岡北〜小矢部砺波間


第178号(平成19年03月22日号)
交通文化連盟鉄道輸送警備隊が編成改定

 日本最初のレールセキュリティボランティアである特定非営利活動法人交通文化連盟所管の鉄道輸送警備隊(執行幕僚長=吉野理事長兼任)が、同連盟の組織改変に先立ち3月28日に編成改定する。

 従来「受身」として特定準会員ボランティアを一括したシステムとして、「幕末機動警察隊・新選組」事業や「レールフェステ」事業のボランティア管理・派遣管制を専門とし、独自の事業である「保安・防犯」が後手に回る事が多かった鉄道輸送警備隊だが、改定では人数や構成に拘束されずに弾力的に運用するものにされ、従来2つあったチーム(第一機動警備隊・第二機動警備隊)を一度解体、第一機動警備隊(臨時)・第二機動警備隊(常設・輸送防災防犯)・第三業務隊(常設・観光支援)に区分する。

 また組織体勢拡大に向けて内務科を内務室に格上げし、装備・研修の2科を設けた他、特命幕僚部の強化を図り防災・情報調査の2科を組み入れた。

 更に第一機動警備隊は特命幕僚部直轄としてイベントや列車運行支援に機動的に対応するものとしている。

 秋までに各科に専任を置く目標を立てているが、今後他部局改変で更に「人手不足」が深刻化する事が懸念される。


第177号(平成19年03月20日号)
レールフェステ来訪者が7万人を突破

 特定非営利活動法人交通文化連盟業務局長を兼任する宮本専務理事は、3月18日で終了したレールフェステ2006・足立3月会場で特定非営利活動法人となって以降のレールフェステ来場者が通算して7万人を突破した事を公表した。

 レールフェステは日本トレインクラブ時代の昭和57(1982)年8月にスタートした今年で25年目を迎える催事企画で、平成13(2001)年からは足立区北鹿浜公園を「メイン会場」として定期的開催を続けている。

 特定非営利活動法人になって以降、足立区北鹿浜公園・流山市杜のアトリエの定型会場に加えて、松戸市矢切市民センター等にも派出、総開催日数は97日間(準備日を含めると100日間)、要員延人数416名、総来場者数70203名を数えている。

 レールフェステはその開催に際して一切謝礼や料金を受け取らない事も「伝統」だが、25年間の歴史の中には商用催事に特別派遣した事もある。

 特定非営利活動法人となって以降は足立区との協働事業として平成17(2005)年度まで「既設模型管理業務委託」としてその収益を当該事業に充填したが、これ以降は「全く利益を生まない」事業となっている。

 しかし、毎開催にお出でになる常連客も次第に増加しており、一方で足立区以外での開催を望む声もあり、来年度では会場の拡大と展示構成の抜本的改善や、既に20年以上に渡り使われて故障が頻発している装置装備の改善を図る為、一部「有料商用派遣」を検討している。


平成筑豊鉄道が新型気動車を導入

 3月13日、福岡県は第3セクターの平成筑豊鉄道で4月から新造した気動車3両を導入する事を公表した。

 今回導入されるのは西日本旅客鉄道や九州旅客鉄道等で使われているものと近似したもので、車体価格は1両1億700万円と言う。

 国鉄民割化前後に全国で発足した第3セクター鉄道は何処も厳しい経営を続けており、旧大畑線の下北交通や旧黒石線の弘南鉄道黒石線を初めとして廃止・廃業が見られ、昨年には旧池北線の北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線・旧神岡線の神岡鉄道・旧高千穂線の高千穂鉄道が廃止・廃業に踏み切っている。

 その最大の課題はこの「3セク鉄道ブーム」の際に多く採用された「安価短命」軽量気動車で、実は経年耐数が短い事を考慮すると従前国鉄気動車よりコストは悪いのである。

 その耐用年数が全国的に限界となっている事も「年金」「助成金打切」と並んで「廃止」が各地で聞かれる要因である。

 平成筑豊鉄道では平成21年度までに16両を導入し現在使用の気動車を転換するものとしているが、昭和60年代に「国家百年の大計」どころか20年も10年も見通せず安易に政策を進めた当時の政治・行政全体の姿勢を国民はもっと深く鋭く検証し、断罪すべきでは無いだろうか。

 他方、平成筑豊鉄道は数々のアイデアと営業努力を重ねて厳しい路線を3区も抱えていながら新型気動車全面転換は大きく称賛されるべきである。

 これは旧岩日線の錦川鉄道やスタイルは違うが旧山陰本線を観光路線とした嵯峨野鉄道も同様だが、経営者と現場職員に「常在戦場」「常在危機」の意識があるかどうかの違いにあるとしか見えない。

 旅客係数や採算性より、これらの「戦闘意識」が本来国鉄時代に切り捨てられるべき鉄道を継続させているのである。

 しかし立地の経済環境変化や国内観光の絶望的衰退化にそれら経営が大きく左右される事も事実で、如何に魅力的な鉄道を作るかは「如何に魅力的な地域観光」を創るか、もっと言えば「如何に魅力的人材を引き寄せられるか」に係っている。


第176号(平成19年03月20日号)
今度は天草で「ボンバ」故障

 3月20日12時頃、熊本県熊本空港(第二種空港=国土交通省設置管理/滑走路3000m×1)管制室に天草空港発天草エアライン第201便(ボンバルディア式DHC8−Q100形/定員39/ターボプロップ発動機2基/乗員3+旅客15=18名搭乗)から、車輪が出ないとする連絡があった。

 同便は11時55分に天草を離陸、12時15分に到着の予定で、機長が手動操作で車輪を出してほぼ定刻に着陸した。死傷者は無かった。

 この事故で20日の同社航空便は全便欠航とし、機材点検を行っている。

 なお天草エアラインはこのQ100を1機所有するのみ。

 「ボンバルディア支障続き」が更に多く深く報道されている。

 ボンバルディアQシリーズと呼ばれるこの系統は国内登録22機、しかし登場からわずかであるにも関わらず78件の故障(運行支障に関わる)を記録し、世界的にもジェット機のCRJシリーズ含めて「故障が多い機材」として有名なのだそうだ。

 脚に関わる事故も数件起きているがこれまでは手動操作で回避されたものの、前回の高知1603便の様に手動でも動かない故障は国内では初めて。今回の天草201便も手動で回避された。

 ボンバルディア社はカナダ・ケベック州モントリオールに本拠地を置く企業で、昭和45(1970)年以降路面電車や地下鉄車両納入で大きく成長した世界第二位の鉄道車両メーカーである。

 当初はスノーモービルの製造販売からスタートしたが、カナディア社やデハビランド・カナダ社の買収で昭和61(1986)年頃から航空機産業にも進出した。

 70〜90人乗り中型旅客機で急速にシェアを伸ばしているが、元々ブランドのある企業を買収して規模を拡大した国際企業で、鉄道車両(ボンバルディア・トランスポーテーション社)は地下鉄車両製造からスタートし日本ではDD54ディーゼル機関車で関係したマン社が統合されたアドトランツ社(ドイツ)を買収、TGVやICEの機材製造も行っている。

 しかし航空機部門(エアロスペース社)は前述の通り同国の航空機産業を統合したスタイルで成長しており、未だ「寄合世帯」の弊害が随所に残っているとも言われ、これが「故障の多いボンバ」と言われる由縁とされる。

 今回の事故で大きくクローズアップされ喧伝される「危ないボンバ」のマスコミ指向性も問題だが、一方で未だ世界中で飛び続けている「営業的には不利」だが「旅客の信用は高い」YSを送りだした「日の丸航空機産業」である、外国に売り込む以前に国内航空産業の安全と安心を確保すべく「新YS」開発は必要度を増しているとも思う。

 一度途絶えた技術と精神と伝統は戻らない。再びこれを訴えたい。(岩崎嶺)


東京駅でボルトが落下し旅客1名が負傷

 3月15日11時過ぎ、東海旅客鉄道東海道新幹線東京駅ホームの屋根を突き破って直径15mm/長さ45mm/重量85gの金属製ボルトが落下し男性旅客1名が負傷した。東海旅客鉄道や警察では詳しく調査しているが、建設中のグラントウキョウノースタワー(地上43階/地下4階)工事現場から落下したと見られている。


第175号(平成19年03月14日号)
全日空機故障で「見事」な胴体着陸

 3月13日08時49分頃、高知県高知空港(第二種空港=国土交通省設置管理/滑走路2500m×1)管制室に大阪国際空港(伊丹)発高知空港行全日本空輸第1603便(ボンバルディア式DHC8−Q402形/ターボプロップ発動機2基/乗員4+旅客56=60名搭乗)から、前輪が出ないとする連絡があった。

 同便は08時20分に大阪を離陸、08時55分に到着の予定だったが、空港上空で旋回を繰り返し「遠心力」による前輪「振り出し」を試みるも失敗、また「着陸衝撃」(タッチアンドゴー)による振り出しにも失敗し、機長(36才)は胴体着陸を決断し10時54分、「見事に美しい」までの胴体着陸に成功し搭乗60名全員無事の大偉業を成し遂げた。

 機内では機長が「訓練は受けているので御安心下さい」と冷静なアナウンスがあり、これに多くの旅客が安堵感を感じたと報道され、着陸停止直後には機内旅客から期せず拍手が起こったとも言われる。

 ニュース映像から見ても機長は冷静に着地し、発動機は停止させずに「緊急避難としての再離陸」も意図したのか水平に着地・走行して静かに機種を落とした。

 国土交通省は航空・鉄道事故調査委員会調査官を派遣、同時に耐空性改善通報を出しボンバルディア式ターボプッロプ機の緊急点検を事実上「命令」した。

 この「高知空港事故」の約40分後には全日空系エアーニッポンネットワーク札幌飛行場(丘珠=共用飛行場・防衛省設置管理/滑走路1500m×1)発根室中標津空港(第三種空港=北海道設置管理/滑走路2000m×1)行第4831便(ボンバルディア式DHC8−Q300形/ターボプロップ発動機2基/乗員4+旅客45=49名搭乗)機長から同便到着・客扱完了後に左エンジンから発煙との連絡を受け、折り返し第4832便(札幌行)を欠航し点検する事となった。

 専任の整備技師が不在な為にこの機材は中標津空港に留置され、14日から詳細を調査する。

 この事故で「ボンバルディア」が「支障続き」なのも報道された。

 高知の事故機は平成17(2005)年7月に納められ、飛行時間は2967時間と「最新」の「船」であり、「YS11」の淘汰を推進した「仇役」でもある。

 但しボンバルディアQシリーズと呼ばれるこの系統は巡航速度がYSの時速450kmに比べて時速667km、事故機(1603便機材)は旅客定員74席(基本設計78席)でYSの64席より多く、必要な滑走路延長は離陸1580m/着陸1380mでYSの離陸1130m/着陸1120mと差異が小さいのに航続距離が2150kmとYSの1200kmの倍に近く、エンジンノイズキャンセラーも装備している。

 日本の様な「超短距離」航空路線でしかも旅客数の少ないローカル路線が多いエリアでは、燃費も良く騒音も少ないターボプロップは最適なのだが、国際的に現在ターボプロップを販売しているのはボンバルディアの他はアントノフ(AN24形他)やエアロスパシアル・アリタリア(ATR72形)位でYS11が陰りを見せる性能を誇っている。

 しかしYS11は登場から既に40年以上、他社は「最新」であり、その時間の差は大きい。

 他方、ボンバルディア式ターボプロップ機国内登録22機は登場からわずかであるにも関わらず77件の故障(運行支障に関わる)を記録し、世界的にもジェット機のCRJシリーズ含めて「故障が多い機材」として有名なのだそうだ。

 脚に関わる事故も数件起きているがこれまでは手動操作で回避されたものの、今回の高知1603便の様に手動でも動かない故障は国内では初めて。

 YSも脚故障等故障による事故も無くは無いが、旅客死傷に至る事故は天候や操縦に主因があるものが多い、それだけに「YS」で泣かされた全日空や旧東亜(現日本航空)の操縦士や整備士達は徹底的にYSを「知った」のである。

 今回1603便機長の「訓練を受けているから御安心を・・・」はまさに「YS」と永年格闘してきた飛行機屋の経験と努力によるものと、この機長の度量による「栄光なる事故」なのである。

 ボンバルディア社はカナダ・ケベック州モントリオールに本拠地を置く企業で、昭和45(1970)年以降路面電車や地下鉄車両納入で大きく成長した世界第二位の鉄道車両メーカーである。

 当初はスノーモービルの製造販売からスタートしたが、カナディア社やデハビランド・カナダ社の買収で昭和61(1986)年頃から航空機産業にも進出した。

 70〜90人乗り中型旅客機で急速にシェアを伸ばしているが、元々ブランドのある企業を買収して規模を拡大した国際企業で、鉄道車両(ボンバルディア・トランスポーテーション社)は地下鉄車両製造からスタートし日本ではDD54ディーゼル機関車で関係したマン社が統合されたアドトランツ社(ドイツ)を買収、TGVやICEの機材製造も行っている。

 しかし航空機部門(エアロスペース社)は前述の通り同国の航空機産業を統合したスタイルで成長しており、未だ「寄合世帯」の弊害が随所に残っているとも言われ、これが「故障の多いボンバ」と言われる由縁とされる。

 今回の事故で大きくクローズアップされ喧伝される「危ないボンバ」のマスコミ指向性も問題だが、一方で未だ世界中で飛び続けている「営業的には不利」だが「旅客の信用は高い」YSを送りだした「日の丸航空機産業」である、外国に売り込む以前に国内航空産業の安全と安心を確保すべく「新YS」開発は必要度を増しているとも思う。

 一度途絶えた技術と精神と伝統は戻らない。

 「YS22」と言わず、新規立ち上げ設計のエンジンで後継二番目の機体「YS62」なんてどうだろうか?

 無論、ボンバルディア社にも各運行航空事業者にも「勇気有る改善努力」は更にお願いしたいが、失われても良い人命なんて娑婆には無いのである。(岩崎嶺)


第174号(平成19年03月14日号)
錦川鉄道で悪質な運行妨害

 2月28日05時40分頃、山口県岩国市の錦川鉄道株式会社から山口県警岩国警察署に車両の配線が何者かに切断されたと通報があった。

 被害に遭ったのは同社が保有する気動車(NT2000形式)5両で、発動機付近の配線が刃物状のもので切断されセルモーターが作動出来ない状態になっていた。

 岩国署では器物損壊の容疑で捜査に着手している。

 錦川鉄道は昭和62(1987)年7月25日に西日本旅客鉄道岩日線が第三セクター転換された森ケ原信号場〜錦町間32.7km(単線/非電化)の単一路線鉄道企業で、保有機材は6両。

 全便が岩徳線に乗り入れて岩国〜錦町間で運行を行っているが、この日は始発列車2本を運休として応急手当した機材で運行を再開している。

 一部には鉄道マニアの悪質な妨害との見方もあるが当局の厳正且つ迅速な捜査と、これは人命に直接関わる重大な「大量殺人予備」事案であり、厳重な処罰を期待したい。

 少なくとも執行猶予は論外である。


民営化20年を前に不祥事続く(社説)

 3月5日18時10分頃、東日本旅客鉄道管内東海道本線浜松町〜田町間電車線で発生したレールボンド絶縁不良による山手・京浜東北線電車の「間引き運転」は翌日午前中にまで至り、相次ぐ信号(ATOS含め)や車両故障による「自因」支障は増加の傾向である。

 日本国有鉄道が分割民営化されて20年、最大規模の東日本旅客鉄道に事故が多いのは数値的に不自然では無いが、「鉄道人精神」の意識欠落な誠に恥ずかしい支障も多く、これは路線・列車本数によるものは別の次元である。

 3月13日には「国鉄系企業」の「四天王」(持国天(東方)・増長天(南方)・広目天(西方)・多聞天(北方)の事、本稿では鉄道弘済会・鉄建建設・日本交通公社・日本食堂を指す)に数えられた旧日本食堂=日本レストランエンタプライズの直営立食そば店での不祥事が報道された。

 東日本旅客鉄道管内総武本線新小岩駅構内の「あじさい茶屋新小岩店」で、3月13日06時15分〜08時30分の間に18食の「ネズミ入りカレー」類を販売したもの。

 これは08時30分頃、同従業員がカレー鍋に体長約8センチのネズミが混入しているのを発見し、この販売を停止、11時30分頃に店鋪は営業を休止した。

 駅構内はネズミが多い、特に連絡通路・地下通路はネズミとネコの天国である。

 不特定多数の人間が常時出入りし、どんなに店鋪内を清潔にしても旅客の出入りに際してこれら「招かれざる客」の出入りも発生してしまうのは不可抗力に近いが、「単価の高低では無く如何に高品質なサービスを提供するか」が課題となりつつある公共輸送事業にあり、JR・JR関係事業者に「民間事業」の高品位サービス提供は「競争」の民間企業では至極当然の意識が欠落しているのは確か。

 第一、「民間では・・・」「民間になった・・・」と口に出すのは、民間の意識が無い「官僚」の視点があるからこそであり、例えば航空会社が「儲け」の為とは言え、自社路線に並行したバス路線に「本業」の旅客を誘導する事はあり得ない。

 むしろ「本業」は1便飛ばしてコストは一定であれば、閑散便は大幅に割引して旅行会社に売っている、これは「本来旅客はゼロであり、如何にこれを増やす=純益を増加させるかが事業の基本」と言う民間では至極当然の方程式が鉄則として潜在している事に由来する。

 既に減価償却の終わった古式ゆかしき電車を「これは特急用ですよ」と言い急行料金を取ろうとしたり、ゼロコスト増収の強力な商品である「青春18きっぷ」旅客を締出す様な措置をしたり、第一に最高に増益と観光総体の高揚となる均一周遊券(ワイド周遊券)を廃止し、「快速」より停車駅の多い「名目だけ特急」を大増便して通勤輸送を圧迫などしない。

 「JR解体論議」「JRの再国営化」や「JR改革」が世論に昇り明治40年の様な混乱を再び見せない様に留意=旅客の視点に立った経営に転換しないと「民間企業」である限り「安泰」は無い。


(企画)JR20周年記念・青春18きっぷが8000円で発売中

 本年が国鉄分割民営化・JR発足20周年である事を記念して、青春18きっぷ(4月10日まで有効)が通常11500円を8000円となって発売されている。

 この「8000円」は昭和57(1982)年2月20日に日本国有鉄道が「青春18のびのびきっぷ」(1日券×3+2日券×1)として発売された時のもので、全国鉄線(航路含む・バスは除く)普通車自由席・普通(快速含む)列車乗り放題の「バーゲン」商品で、「のび」或は「18きっぷ」と部内で呼ばれた。

 昭和57(18982)年2月末日21時頃、上野駅中央改札口に男性旅客が訪れて「SLやまぐち号はこの切符(青春18きっぷ)で使えるのか?」と質問、東京北鉄道管理局営業部旅客課・上野駅を巻き込んで論争となり、30分後「全車指定席の快速列車でも普通席・普通列車に含まれるので当該商品で通用」と判断されたいわゆる「やまぐち特例」以降、国鉄・JRも観光企画列車を「全車指定」としてこの青春18きっぷの利用を見込んだ。

 定期運転の普通列車、いわば「0コスト」商品だが商品名の「18」から年令制限があるものと誤認される旅客は今もあると言われる。

 近年ではこの「0コスト」概念を失念し、「18客締出」とも思える列車設計をするJR会社もあるが、安価で自由度がこれ程高い切符は珍しく、割引となるこの時期に是非御利用をお勧めしたい。

 発売はJR駅出札窓口や旅行センター・主要旅行会社で3月31日まで。


第173号(平成19年03月02日号)
石北本線で列車とトレーラーと衝突し脱線大破

 3月1日午前08時18分頃、北海道旅客鉄道管内石北本線美幌〜緋牛内間(単線/非電化)道道踏切(第一種)で、警報器が作動し遮断器が降りていたにも関わらず進入して来た津別町の運送会社が所有するトレーラートラック(11トン・丸太材木積載/45才男性運転)に、網走07時43分発北見行上り普通第4654D(釧路支社所管キハ54520/運転士及び旅客約70名/ワンマン運行)の合田英一運転士(29才)が視認、急制動を掛けたが間に合わずトレーラー荷台側面に衝突し脱線、車体は大破して停止した。

 この事故で合田運転士を初め51名が負傷し病院に搬送された。

 合田運転士は潰れた運転台に両足を挟まれて骨折しつつ、無線で事故を報告し旅客に声を掛けていたと言う。

 道警はトレーラー運転手を業務上過失傷害で現行犯逮捕、取調べで「考え事をしていて踏切の警報に気付かなかった」と供述していると報道された。

 当日当該列車にはこの日卒業式の道立北見柏陽高校(生徒25名乗車・5名負傷)と道立北見北斗高校(生徒5名乗車・1名負傷)の生徒とその父兄等が乗車しており、定員70(座席60・転換クロスシート改装車)の車内はほぼ満員だった。

 国土交通省は早速当日午後に航空・鉄道事故調査委員会の調査官を派遣、また北海道運輸局はトレーラーを所有する津別町内の運送会社にも立ち入り調査を実施した。

 キハ54形式500番台は国鉄末期の昭和61年11月〜12月に掛けて29両が製造されたステンレス車体・機関出力500ps(発動機2基)・車体38.7t(事故車は39.3t)の気動車で、登場から20年を経て今日も主力の機材である。

 現場は美幌駅旭川方1.4kmの緩やかなカーブの道道との踏切で、当日路面に降雪は無かった。

 事故車は花柄のラッピングが施されており、晴れた朝でもありトレーラー運転手の「気の緩み」と、雪の少なかった今年の北見地方の単線を単行で行く緑の気動車が周囲風景と溶け込み、「気付きにくい」状態となった可能性も否定出来ない。

 一つ間違えれば大惨事、晴の卒業式が悲劇になる処であり、自動車を運転する方々にはとにかく「常時警戒心」の運転で安全を心掛けて頂きたい。


(企画)JR20周年記念・青春18きっぷが8000円で発売中

 本年が国鉄分割民営化・JR発足20周年である事を記念して、青春18きっぷ(4月10日まで有効)が通常11500円を8000円となって発売されている。

 この「8000円」は昭和57(1982)年2月20日に日本国有鉄道が「青春18のびのびきっぷ」(1日券×3+2日券×1)として発売された時のもので、全国鉄線(航路含む・バスは除く)普通車自由席・普通(快速含む)列車乗り放題の「バーゲン」商品で、「のび」或は「18きっぷ」と部内で呼ばれた。

 昭和57(18982)年2月末日21時頃、上野駅中央改札口に男性旅客が訪れて「SLやまぐち号はこの切符(青春18きっぷ)で使えるのか?」と質問、東京北鉄道管理局営業部旅客課・上野駅を巻き込んで論争となり、30分後「全車指定席の快速列車でも普通席・普通列車に含まれるので当該商品で通用」と判断されたいわゆる「やまぐち特例」以降、国鉄・JRも観光企画列車を「全車指定」としてこの青春18きっぷの利用を見込んだ。

 定期運転の普通列車、いわば「0コスト」商品だが商品名の「18」から年令制限があるものと誤認される旅客は今もあると言われる。

 近年ではこの「0コスト」概念を失念し、「18客締出」とも思える列車設計をするJR会社もあるが、安価で自由度がこれ程高い切符は珍しく、割引となるこの時期に是非御利用をお勧めしたい。

 発売はJR駅出札窓口や旅行センター・主要旅行会社で3月31日まで。


第172号(平成19年02月16日号)
世代隔絶の弊害・車掌が列車妨害

 1月19日に報道された事だが、東日本旅客鉄道千葉支社蘇我運輸区所属の男性車掌(24才)が、昨年10月頃から度々列車往来妨害を起こし、計49本の列車を運休・遅延せたとして警視庁と千葉県警察本部に通告、当該車掌を乗務から外したと国土交通省に報告した。

 この車掌は乗務中の列車でブレーカーを落として停電させたり、列車防護無線をいたずらに発報したり、折り返しの乗務外列車の乗務員室に鍵を掛けて乗務員がスムースに乗務できなくなるなど繰り返して起こしていた。

 直接的に人命に関わる大事故になるこれらいたずらは、厳罰にされるものだが、本来旅客の生命・身体を守る責務たる車掌が「イライラしていていたずらした」などは一切通用しないあってはならない事である。

 国鉄末期から続くJRの学歴偏重採用と、採用即乗務員化=乗務員即製偏向による「世代隔絶の弊害」が如実となった事がまさに明らかとなった。

 千葉支社では刑事告訴も検討していると言うが、その以前に「旅客は人間也・生命也」の「鉄道屋哲学」をきっちりと身体に染込ませる為に、採用3年以降に乗務員採用受験資格を与える、と言う「国鉄の伝統」を今一度復活させるべきでは無いだろうか。

 分割民営化から20年、既に現場に「国鉄末期の混乱」を知る職員は少数で、一方で思う程人気の職業では無いJR社員は、新卒の残留率も他業種他民鉄と比較して低く、その「資質」は疑われる声も聞かれる。

 1月13日、京葉線東京駅停車中の列車から列車防護無線発報があり、当該車掌の犯行と断定されたそうだが、乗務員の適性を見極める眼を持つ鉄道屋も居ないのだうか。

 千葉支社は現在ディスティネーションキャンペーンの真最中だが、そんな場合では無い。


28ヶ月ぶりに「運転再開」、高山本線打保駅の気動車回送

 平成16年台風第23号災害で橋梁や築堤が流出するなどの被害を受け、この秋に運転再開する計画で復旧工事が進められている東海旅客鉄道管内高山本線角川〜猪谷間(単線非電化/27.5km=現在運転休止中)の角川〜打保間復旧がほぼ終了し、平成16年10月20日に運転打切となって同駅構内に留置中の同社美濃太田車両区所属キハ485803+キハ486810が2月9日午後、周辺住民等が見守る中、高山駅へ向かって回送された。

 実に2年4ヶ月ぶりの「運転」だが、この後名古屋車両区へ搬送され、点検を受けてこちらも「復帰」する予定と言う。


交通文化連盟鉄道輸送警備隊が改編

 特定非営利活動法人交通文化連盟は15日、ボランティアセキュリティシステムの同連盟鉄道輸送警備隊を2年ぶりに改編し、「派遣隊」を現行2個隊を3個隊としてそれまでの「不定形」スタイルから、任務・担当に応じて「専任」となる「実務主体の定形」方式に変更、第一機動警備隊・第二機動警備隊に加えて「第三業務隊」を新設し、「幕末機動警察隊・新選組」プログラム(流山地区観光案内)を専任として「地域防犯警備」任務から分離するとした。

 吉野執行幕僚長(理事長兼任)によると、第一機動警備隊を列車添乗・輸送防災警備、第二機動警備隊をイベント催事等警備支援、第三業務隊を観光創造支援とし、この他それまで「附随」的だった「総隊本部機能」を充実させる為に、内務科を内務室に変更し専任者を配置、及び防災室を防災科、情報調査室を情報調査科として特命幕僚部内附属として実動化を図るとしている。

 一方で深刻なボランティア不足を解消する為に、連盟全体の「ボランティア拡大担当」をそれまでの個々部局の分散形から、内務室への集約を図る意図もあるが、「警備隊」との分離を訴える業務・文化2局との対立もあり、3月の組織全体改編決定まで紆余曲折が予想される。

 他方、鉄道マニアによる運行妨害や犯罪的な行為は深刻化していると指摘する声もあり、水面下では鉄道輸送警備隊の拡充に期待も寄せられており、「全員連盟メンバー」だけでは対処出来ず既に「外部要員」が正規隊員を上回ると言われ、今後「外部要員の総隊本部任用」が不可欠ともなっている。

 3月10日までには連盟全体の改編が半年遅れで発表される見通しだが、これで「再変更」もあると関係者は見ている。


第171号(平成19年02月15日号)
「目玉オヤジ」ラッピング気動車登場

 平成19年2月11日より西日本旅客鉄道管内境線で「目玉オヤジ」ラッピング気動車が登場し、10日営業開始に先立ち後藤総合車両所で報道公開された。

 これは地元の観光振興団体が中心に進めているプログラムで、鳥取県境港市出身の漫画家・水木しげる氏の協力を得て同氏作品「ゲゲゲの鬼太郎」キャラクターで観光活性化を展開している、その一環としてラッピング機材を運行する、その第3弾。

 後藤総合車両所所属のキハ402095の内・外装に妖怪達が描かれ、テールランプがそのまま「目玉オヤジの目玉」として描かれているユニークなもの。

 これら「妖怪ディーゼルカー」は境線普通列車に通常運行されている。


阪急電鉄電車運転士が覚せい剤所持で逮捕

 2月8日午前9時30分頃、大阪市内で異常な自動車運転をしていた阪急電鉄電車運転士・奈良木宣義容疑者(49才)を大阪府警警察官が職務質問、所持品の中から覚醒剤が発見されて奈良木容疑者を覚醒剤所持容疑で現行犯逮捕された。

 大阪府警の取調べでは使用も購入も否定しているが、府警では使用の容疑も有るとして追求している。

 阪急電鉄では謝罪の会見を行ったが、鉄道等交通機関職員の覚醒剤乱用は無数の人命を失う悲劇に直結する重大犯罪である。販売を含めて徹底した排撃を期待するものである。


自殺志願の女性を助けた警察官死亡

 2月6日19時30分頃、東武鉄道東上本線ときわ台駅下り線で、惰行通過中の池袋19時24分発小川町行下り急行第1093列車(10両編成)の運転士が軌道内で揉み合っている女性と警察官を視認、急制動を掛けたが間に合わず2人と接触し停車した。

 接触した2人は精神科通院中の39才女性と、警視庁板橋警察署地域課・宮本邦彦巡査部長(昭和51年採用・平成6年巡査部長昇進・平成17年2月より現職/53才)で、女性は骨折の重傷、宮本巡査部長は頭蓋骨骨折で意識不明の重体で救出され、救急車で搬送され都内の病院に収容されたが、12日午後に息を引き取った。

 宮本巡査部長はときわ台駅前の常盤台交番勤務で、6日18時過ぎに「ときわ台駅構内軌道上を女性が歩いている」と通報があり、一旦この女性を交番に保護した。

 しかし女性は極度の興奮状態にあり「死にたい」等と叫びながら再び踏切へ走って行き、この女性を再度保護すべくときわ台駅構内へ向かい、揉み合っているうちに1093列車が通過進入したもの。

 直前、宮本巡査部長は迫る列車に向かって「停まってくれ」と絶叫したとも報道されている。

 この時点で交番には宮本巡査部長1人が勤務する状態で、咄嗟の出来事だったとも。

 またホームには多数の旅客が居たものの、非常ボタンは押されていなかった。

 警視庁は12日、宮本邦彦巡査部長の二階級特進(警部)を決定、安倍内閣総理大臣も弔問に訪れ、政府では叙勲の検討もしていると報道された。

 13日、宮本警部は安置してあった板橋警察署から常盤台交番前を経由して斎場に向かい、14日通夜には生前の同氏を偲び警察関係者を上回る地域住民が参列した。

 警察法第二条を身をもって執行する場面は実は多くないと言われる、しかし交番や警邏の「お巡りさん」の殆どは暖かい街のヒーローである。

 平成13年に発生した山手線新大久保駅旅客救出時接触死亡事故は池袋から3つ目の駅の出来事であり、この教訓が活かされなかった事も悲しいが、「1人の為に」懸けた勇気を決して風化させてはならない。


第169号(平成19年01月23日号)
東日本旅客鉄道川越線で踏切事故・お粗末な終日運休

 1月23日08時08分、東日本旅客鉄道管内川越線指扇〜日進間(複線/直流電化)で、日進駅停車減速中の川越発東京臨海鉄道線経由新木場行上り快速第708F列車(東日本旅客鉄道川越車両センター所属205系電車10両/乗員乗客約1000名搭乗)が「日進第一踏切」に差し掛かったところ、踏切内に女性が運転する軽乗用車が進入して来たのを708F列車運転士が視認、急制動を掛けたが間に合わず衝突、軽乗用車は約30m列車に巻き込まれる状態で停止し大破、燃料のガソリンに引火して間もなく炎上した。

 この事故で708F列車乗員乗客には死傷がなかったが、警報を無視して遮断器をへし折って踏切に進入した軽乗用車の女性運転手は死亡した。

 この為、東日本旅客鉄道大宮支社では川越線大宮〜川越間を運休とし、13時過ぎに救援列車を呼んで被災した当該列車を川越車両センターへ引き上げる作業をしていたところ、今度は当該列車の一部が脱線し、川越線は終日運休となった。

 また機材運用が利かず、川越・埼京及び赤羽線(東北新幹線通勤別線)・山手西部貨物区間・東京臨海鉄道線にも減便等支障が発生し、列車109本が運休し約6万人に影響が出たと報道された。

 遮断器をへし折って山手線のお古とは言え電車10両に「特攻」をした女性も去る事ながら、事故発生0808・消火〜救助(遺体搬出)1130として、13時に「救援列車」は余りに遅すぎる。

 更に事故被災列車や軌道は一見しては分からないものの、多々傷みが出ているものと言うのは明治時代からの「業界の常識」で、それで「脱線転覆大破」なら終日運休もあるのだろうが、単に脱線なら夕方までには復旧も出来るはずである。

 日曜で職員や関係業者が休暇・人足不足だとかが理由では無いのだろうが、何かあれば直ぐに運休、この公共交通機関に於いて無責任の極みな体質が、続く事故の原因なのである。

 衝突した軽自動車が原因、と言えるのは14時まで。これ以降はお粗末な処理による東日本旅客鉄道起因による支障と言うべき。


第168号(平成19年01月09日号)
台湾「新幹線」開業

 1月5日、ようやく台湾高速鉄路会社による台湾高速鉄道(台湾新幹線/軌間1435mm/複線交流電化/8駅)が台北・板橋〜高雄・左営間345kmで開業した。

 ドイツ・フランス・日本の混在施設に日本製機材による「和洋折衷」スタイルとなった台湾新幹線は、ICEエシュデ事故や大地震で調達先が変転したり「再建築」となったり、また試運転列車脱線事故があったりと開業が3度延期され、結局台北乗入を先送りした「先行開業」したスタイルとなったが、今後35年を民営としてその後は国鉄へ引き渡すBOT方式で、また在来線と新幹線を別企業体とした分離方式等、日本より進んだシステムを実現し、世界中から注目されている。

 列車は東海道山陽新幹線700系とほぼ同じ700T系(日本製)で運行され、当面19往復/日(計画では本格営業時88往復/日)の予定だが、問題は山積しており5133台湾元(約1兆8700億円)の総建設費償還・営業関係システムの未完成・乗務員は未だ36名しか確保出来ず全員外国人・・・等、深刻ではある。

 しかし、従来4時間が最速1時間30分・最高時速300kmで、台北〜高雄間完全「通勤圏」となる一方、運賃料金は1460台湾元(約5300円)で在来線特急に比較して2倍以内に抑えられ、在来国鉄との競争にも期待が集まっている。

 国内では初の新幹線輸出に話題が集中しているが、この新在完全分離BOT方式と和洋折衷混成建設方式の方が重要で、英国国鉄への新幹線輸出計画の方が「重要度」は高い。

 組合・年金・票田の目先利害・目先課題だけで「何が何でも国鉄解体」を題目とした日本の分割民営化は国際的には「失敗例」と認識されているだけに、この「輸出」と共に「見習う」姿勢も是非持って頂きたいもの。


和歌山電鉄貴志駅駅長に「たま」が就任

 1月5日、昨年南海電鉄から事業を継承した和歌山電鉄貴志川線(単線直流電化)貴志駅駅長に雑種三毛系ネコの「たま」(年令不詳)が「就任」した。

 この日同駅でセレモニーが行われ、同社小島光信社長から委任状と年俸のキャットフード1年分等を受け取り、「勤務を開始」した。

 元々「たま」は駅に住み着いた野良ネコで、利用客のアイドル的存在。小島社長は一目見て「駅長抜擢」を決意したと言われる。

 新駅長のコメントは残念ながら報道されていないが、関係者は「終身駅長として長く勤めてくれるでしょう」と期待している。

 ふざけた話では無い、駅一つ一つに魅力や話題を増やして利用客誘引策を膨らませる事こそローカル鉄道には不可欠で、観光協会等が1年契約の若い女性などを「アイドル観光駅長」にするよりは、余程インパクトがあり実効性の高い旅客誘致策である。

 親会社の岡山電気軌道も脆弱な経営基盤であるのに多角的営業戦略でこの時代に「黒字鉄道」を経営している先見性の高い乙種電車企業で、未体験の甲種電気鉄道経営に対する気迫さえ感じる。

 侮蔑した笑いを向けるより、そこに転換のヒントがあると気付いた事業者だけがこれからの時代、公共交通事業を続けられるのである。 


第167号(平成18年12月26日号)
指宿枕崎線列車が異線進行

 12月25日05時22分、九州旅客鉄道管内鹿児島中央駅4番線を発車した同駅始発喜入行指宿枕崎線下り普通第323D列車(気動車4両/運転士・車掌及び旅客約20名)が、同駅信号扱の誤認で鹿児島本線上り線に進行、約700m進行した処で運転士(50才)が異線である事に気付き停車、列車は一旦鹿児島中央駅へ戻った後に15分遅延して出発した。

 九州旅客鉄道では同駅信号係(52才)から何故誤認したのか等を聞き出していると報道された。


羽越本線第二最上川鉄橋付近「いなほ」脱線転覆事故から1年

 12月25日19時17分頃、東日本旅客鉄道管内羽越本線北余目〜砂越間で発生した上り特急第2014M「いなほ14」号の脱線転覆事故から1年、旅客5名が死亡し乗務員と旅客33名が負傷した事故の慰霊祭が事故現場近くのホールで行われ、東日本旅客鉄道の清野智社長らが献花し、安全性向上等を述べた。

 これに関連して、東北大学流体科学研究所・小濱泰昭教授の研究チームは突風が車両に与える影響を模型実験等で検証し、事故のクハ481−3000番台は先頭形状から、正面から当たった風が運転台を撫でて屋根或は側面に流れ、後方に引っ張る力が正面から受ける風の力の4倍に相当すると発表した。

 鉄道車両の流体理論は、国鉄鉄道技術研究所・三木忠直氏や松平精氏など「旧軍飛行機屋」が持ち込んだ転移技術で、特急20(181)系・小田急SE車や0系新幹線電車などの「理論的流線形)」はこれから誕生したもの。

 一方で103系に代表される正面べったり平面形状や、153系以降の「国鉄標準貫通扉正面形状」は、風の回り込み効果が小さいとされ、最も効果を受け易いとされた581系寝台電車から始まった「電気釜」スタイルでは、581・583系の寝台電車=重量過大による重心低位設計でこれをしのいだとされている。

 空気抵抗を「最大の課題」とする新幹線車両や北海道新系列特急気動車、651・653系(ひたち系)ではこの影響を受けない設計となっている。

 事故原因は特定されていないが、最近では竜巻で横転した事故(日豊本線)でも「電気釜」スタイル485系が「犠牲」となっている。

(社説)

 近年鉄道車両は高度加減速・省力化追求の為に一段と軽量化している。これは無論経済的にも土木工学的にも合理的観点で、軽い車体である事は申し分無いのだが、その軽量化の為に車体強度まで「ダイエット」している事に問題がある。

 「いなほ」事故がE231系等JR最新の機材だった場合、軽量に加えて床下がスカスカで、更に車体側面が膨らみを持って裾を絞った形状になっている。

 今回の現場の様に築堤を斜下から吹き上げる風がこの車体裾下に回り込み、斜上に持ち上げた場合、35〜40tのクハ481が「あれ」だったのに対して、25t程度の新型機材は更に軽々と持ち上げられてしまう。

 更に正面からの後方への引張力が加われば、先頭に対して横と前から斜上に持ち上げられて「空中」に進行して墜落大破となる。

 台枠が頑丈で重い103系等「国鉄機材」であれば、福知山線事故もあれ程の大惨事にならなかったとする専門家も居て、2014Mが「重い」485系電車だった事で死者5名に「抑制」されたと見るべきだろう。

 三木氏は「恰好の良いものを作れば、自然と空気に馴染む」と言っていたそうだが、広報・営業的側面から車両をデザインとして捉えるのでは無く、「生命を預かる機械」として「格好良い」ものを作る発想を持つ時代に「戻る」事こそ肝心では無いだろうか。


鹿島鉄道継続断念・07年3月31日廃止へ

 12月23日、鹿島鉄道(茨城県)の親会社で欠損補填等支援を続けて来た関東鉄道(茨城県土浦市)は、本年度で鹿島鉄道を廃止し、職員は全員関東鉄道へ転籍、土地等は有償売却する方針を明らかにした。

 石岡市等沿線自治体で作る対策協議会は継承事業者を公募し、地元の市民団体・鹿島鉄道再生ネットワークと、鉄道ファングループ系旅行代理店有限会社TPOの応募2者のプレゼンテーションを17日に開催したが、その前提は「現有資材・土地の無償譲渡」だった事から、「継承計画」は根底から崩れて、実質的に鹿島鉄道は3月31日で廃止が決定した。

 この「継承」に関しては石岡市商工会議所等地元団体等が「今後の経営が確立されないものに税金の投入するのは反対」と意義を公然と発表し、対策協議会も具体的・効果的な存続策を打ち出せなかった弱味もある。

 一方で沿線4高校の生徒会が中核となって様々な存続運動を、広範囲に展開した事は高く評価と注目されるべきであるが、これも「地元」に終始してしまって、折角「霞ヶ関」に近い立地にあるのに中央でデモンストレーションを展開出来なかった事が悔やまれる。

 注目は継承事業者公募だが、本件で2事例となったこの方式は現行鉄道事業者に参画を訴えた南海貴志川線(現・和歌山鉄道=岡山電軌資本)と異なり、今回は鉄道事業者や経験者・有識者を擁する団体が応募せず、2者共に現状・地域特性・連携する具体的増収策が打ち出せないばかりか、前提として「県・市」の財政援助を染込ませてしまっていた。

 平成16年夏の新選組サミット(玉造町=現・行方市)で関係のある交通文化連盟でも具体的・経営的支援・改革に関する調査を昨年夏から始めていたが、激しい人口・産業流出に旅客減少だけが確定的なこの沿線で、「営利法人」による経営では最長7年しか維持出来ないと推論し、むしろ事業継承が決まった段階で、小樽や流山で実効が検証された経験を移転する方式で支援するべく検討を始めたばかりだった。

 また鹿島鉄道には鉄道ファン含めて応援団が多く、この連携も模索されていただけに関東鉄道の決定は残念だが、これまでに10億の累積赤字を重ねてこの間実効性の高い存続支援体制を用意出来なかった事が何より残念である。

 交通文化連盟鉄道支援準備室担当者は「脆弱な弊連盟の体制こそ問題、折角その経験や知識を持っていたとしても組織が動けないままでは支援提案も出来ない」と苦渋の弁を延べ、吉野理事長も「本来弊連盟の存在意義が崩壊する危険すらある鉄道の相次ぐ廃止に、動けない組織では公益社会文化法人としての交通文化連盟は無意味、せめて恩義の深い鹿島鉄道さんには最終日にボランティアを出して有終の美を下支えさせて頂き、報恩の証しとしたい。」と財政危機である連盟の脆弱な組織を認めた結果となる談話を発表した。


第166号(平成18年12月23日号)
小田急小田原線で列車運行妨害

 12月22日05時29分頃、小田急電鉄小田原線渋沢〜新松田間(複線/直流電化)で、渋沢駅を定刻05時27分に出た相模大野04時50分発箱根湯本行下り普通第6801列車(下り始発列車/電車6両編成/運転士・車掌及び旅客約50名)の運転士が軌道上に置かれていた障害物を発見、急制動を掛けたが間に合わずこれと衝突し停車した。

 この障害物は砂利10kg相当が入った白い袋で、踏切から50m小田原方に入った場所であり、21日の最終列車では異常は無かった事から、何者かが意図的にこの袋を置いたものとして、神奈川県警秦野署では列車往来危険事案として捜査に着手した。

 神奈川県内では東海道貨物線などで列車妨害が発生しており、関係機関では警戒を強めている。


第165号(平成18年12月22日号)
交通文化連盟文化局に臨時鉄道支援室で理事懇談・来年度は支援委員会へ

 12月21日夜、特定非営利活動法人交通文化連盟吉野理事長と宮本専務理事が懇談し、文化局に設置される臨時鉄道支援室に関して意見交換が成され、この中で宮本専務理事は「現在の連盟メンバーに加えて、連盟に協力して下さっている外部の方々にも加わって頂いて多角的支援と評価・検討をするものにすべき」とし、協議の結果来年度に理事長直轄の地域鉄道支援委員会(仮称)として設置、実務は地域鉄道支援室を新設して展開を確立する方向で決定した。

 また併せてボランティア募集の停滞を打開すべく事務局に専門チームを設置し、急増する活動分野に対応する事も確認した。


(論説)輸送障害事案の根底からの改善は「適合体質への改善」が必要

 或る報道で鉄道の列車遅延が2005年度5201件(30分以上、全国対象)と、国鉄分割民営化以降最悪になり、自然災害や自殺等を除く鉄道事業者が起因となる事故は04年度対比で3割近く増加していると言う。

 更に長時間抑止の事案も増加の傾向があり、春の山手線・東海道本線下道路工事による基盤隆起や9月の変電所火災による京葉線抑止、東京モノレール保線車故障などでは半日が不通となり、鉄道輸送の信頼が揺るいでいる。

 昨年4月の福知山線事故以来、マスメディアのバッシングを受けている西日本旅客鉄道は特に大きく報道が取り上げられて、「危ない会社」と喧伝されているが、日本最大の鉄道会社・東日本旅客鉄道こそ危険極まり無い状態である。

 遅延を報告した事業者で件数が一番多いのは北海道旅客鉄道だが、その殆どは豪雪と集中豪雨によるもの、つまり自然災害なので軽視は出来ないが、殊更問題にすべきものでは無いだろう、しかし東日本旅客鉄道ではそれら自然災害=不可抗力によるものと比較しても遅延、そして報告されていないが「安易な間引き運転」が急増している。

 数値上での遅延時間・本数に着目され過ぎ、列車が遅れると運転再開に際して運転再開時点での列車へ「挿げ替え」て、遅延時刻と本数を「合理化」しているのである。

 利用者はたまらない、何せその「消滅」した分の乗客は各駅で列車を待っているのであり、その後当たり前の時刻で再開されても「当たりハナ」(再開第一便)に乗客が集中、結果これが新たな遅延を引き起こしているのである。

 更に複雑で無意味な乗り入れダイヤが多すぎる。関西では東海道・福知山・東西・片町・環状線と通勤4扉電車路線に中距離電車・快速・特急が複雑に行き交う。また関東でも東北・高崎・東海道・品鶴(横須賀線列車乗入)が東京・上野の通常区間の他に新宿経由便が割り込み、便利どころか平常ダイヤでさえ不馴れな旅客は困惑している。

 これに東京臨海鉄道・赤羽・埼京線(東北新幹線通勤別線)が割り込む山手西部区間は、旅客扱が遺伝的に下手な新宿地区を中心として「定時でギリギリ」なアクロバット輸送を行っている。それに一旦ぐずるとたちまちお手上げな脆弱旅客輸送管理システム・アトスが常に危機事態を作っているのである。

 単純な往復便だけの輸送でやりくりしている短距離私鉄をお手本に数字だけ「人員削減して効率的」と言って、これを不認識な投資家が評価する馬鹿さ加減をこの「輸送障害増加」の数値が.明確に証明してしまっているのである。

 更に現場は国鉄採用停止時期の年代=40代前半〜30代後半の最も重要な世代が抜けてしまっており、このジェネレーションギャップによる支障が全国的に急増している。

 地域・路線・輸送体系の実情に適合した適正な人員配置と世代を越えた「現場人」の養成・投入こそ急務である。

 何せモーレツ世代の日本語をゆとり教育世代は理解出来ないのである。そのどちらも悪とは言え無い、強いて言えば既に平成当初から「少子化」と言われ続け、産業構造が大変革を見せていたのにその20年後をきっちりと見据えられなかった「高度教育を受けた」筈の政治屋と官僚の皆様の洞察力の弱さと責任不在の体質が「現場」へ皺寄せを重ねた結果なのだから。(理事長)


第164号(平成18年12月18日号)
交通文化連盟文化局に臨時鉄道支援室を設置

 全国で相次いで鉄道路線が消える中、これらローカル鉄道の存続に対して実効性のある支援と、その具体的行動・活動を調査・分析・研究し統括する理事長直轄の臨時鉄道支援室が年内に設置される方針が決まった。

 但し当面は理事長の直轄管理として来年度に正式設置したい考え。

 吉野理事長は「本来NPO法人は根拠法の通り、特定政党含め政治家との接触は避けるべきものと法律の精神を解釈し、本連盟はあくまで市民セクターの原則を貫いて政党・政治家とは隔絶した体制を取って来たが、事ここに至り原則論だけでは鉄道支援は望めない。支援室を設置する事で本連盟らしい実効性の高い支援を実現し、地域の足を守りたい。」と述べた。鉄道の存続に関する活動に政治との接触は不可欠で、27年の経験からNPO化と同時に政治家との接触は一切断った方針だったが、市民レベルで出来得る支援では億と掛かる鉄道存続に実効性は薄く、自己満足で済まされ、それで満足される他市民運動と異なり、この方針転換と結論された。


和歌山線北宇智駅スイッチバック廃止へ

 西日本旅客鉄道では同社管内和歌山線北宇智駅に残るスイッチバックを1億7000万円を掛けて是正、駅を110m移設してスイッチバックを廃止すると公表した。

 この駅は奈良県御所と五条の峠の途中にあり、五条方へ20パーミルで落ちて行くが、勾配区間は16.7パーミルで蒸気機関車の時代は難所とされていた。

 現在は電車化されたが、この3月に逆転運転時に運転士がATS切替投入を失念する事故が2度起こり、その事故防止と到達時間短縮の効果を図って廃止が決まったもの。

 工事は来年3月のダイヤ改正までに完了する予定とされる。


第163号(平成18年12月12日号)
三江線浜原〜三次間12月15日運転再開へ

 7月19日の豪雨により7月23日から全面運転休止となっていた西日本旅客鉄道管内三江線は、12月15日浜原〜三次間で運転再開が決定した。尚、江津〜浜原間は復旧工事が依然難航しており引き続きバス代行輸送となる。


長野電鉄で旧小田急LSE車特急運転開始

 長野電鉄では12月09日09時25分発須坂発湯田中行下り特急第1A列車から、旧小田急電鉄LSE車10000系連接式直流電車4両編成による特急「ゆけむり」の運転を開始した。

 長野電鉄の特急運転は以前から行われているが、先頭部が展望室となった「ロマンスカー」は初めてで、この日は10時50分長野発湯田中行下り特急第3A列車で出発式が行われ、鉄道ファンや利用客らがカメラや携帯電話カメラにその姿を収めていた。

 同社ではこの10000系を2編成譲り受け、毎日長野〜湯田中間を標準45分で運転する。愛称は公募されて「ゆけむり」とされたが、一気に近代化された感のあるロマンスカー「ゆけむり」号に地元商工会議所関係者も湯田中のみならず、沿線の観光旅客誘致の起爆剤となるのでは無いかと熱い期待を寄せている。(特急券は大人一人100円。)


仙台空港鉄道平成19年3月18日開業が決定

 伊達正宗が開いた城下町仙台は近年、目覚ましい発展を遂げているが、平成14(2002)年12月に着工された仙台空港(第2種/滑走路1200×45m+3000×45m/運用14時間)と東北本線名取を結ぶ第3セクター鉄道「仙台空港鉄道」(延長7.1km/軌間1067mm/複線交流電化)が明年3月18日に開業する事が決まった。

 運転はJR東日本東北本線仙台〜名取間10.4kmで直通運転とした仙台〜仙台空港間列車を基準として快速は17分、普通24分と設定されている。

 名取〜仙台空港間には「杜せきのした」「美田園」の2駅が設置されて各々商業施設がオープン、多面的な旅客需要喚起が図られる。

 建設費は349億円で、運賃は400円を予定していると報道された。

 最大出資者の宮城県は多くの観光地を抱えているが、鉄道疎遠の立地となる観光地の旅客誘致が課題となっていると共に、第3セクターとなった旧栗原電鉄・現くりはら田園鉄道の経営が限界に来ており、明年廃止の意向だったが、県としては明るい話題・環境を造り停滞ムードを吹き飛ばしたい、のが本音では無いだろうか。

 また、山形県は仙山線を経由して仙台空港鉄道直通列車の運転を働きかけており、陸前・羽前エリアの交通体系も変革する新鉄道として多くから期待を寄せられている。

 少子化と人口減少が明確となった我が国で今後の地域発展のカギは高速道路や空港では無く、一見すれば時代遅れの鉄道である、事が証明される皮肉でもある。

 利用者・受益者が実は限られる空港や高速道路に対し、鉄道は誰もが使えて利用者は免許も装置も不要である。特に東北は「鉄道信仰」が大きく、確かに鉄道が「残って」いる地区と無い、或は廃止となった地区との経済・発展格差は明白である。

 東京だけが元気、では日本全部の半病人体質の改善は無い。


第162号(平成18年11月28日号)
京王電鉄京王本線で列車が自動車と衝突し脱線・死傷無し

 11月27日23時13分頃、京王電鉄京王本線下高井戸〜桜上水間(軌間1372mm/複線直流電化)下高井戸第3踏切(第一種)上で運転手不在の立往生した乗用車を、新宿23時03分発高幡不動行下り普通第5211列車(8両編成/運転士・車掌及び旅客約1200名)運転士が視認、急制動を掛けたが間に合わず衝突、編成前1両が脱線し乗用車は編成前1両目と2両目の間で大破した。

 この事故で5211列車の乗務員と旅客及び乗用車の女性運転手(脱出して無事)など関係者に死傷は無かったが、京王電鉄京王本線(新線含む)は全面抑止となり、復旧には相当な時間が掛かる見込み。


武蔵野線で停電

 11月27日19時20分頃、東日本旅客鉄道管内武蔵野線新秋津駅構内で東行貨物列車が過電流による変電所断路作動と見られる停電で運転不能となり、後続の府中本町19時08分発新習志野行下り普通第1943E列車(東日本旅客鉄道205系電車8両/運転士・車掌及び旅客約500名)が、新小平〜新秋津間トンネル内で立往生となり、旅客は職員の誘導で徒歩新秋津駅まで避難した。

 この事故で武蔵野線は28日午前1時過ぎまで抑止となり、混乱は未明まで続いた。


第161号(平成18年11月28日号)
北海道鉄道研究会が設立から25周年

 特定非営利活動法人交通文化連盟の直接的な源流となる北海道鉄道研究会(一般市民任意団体による北海道旅行と蒸気機関車復元・イベント列車研究組織)が今日で設立25周年となった。

 これまで休止中だった北海道鉄道研究会は11月28日から活動を再開し、北海道の鉄道史と明治維新の人物との関わりと、北海道の鉄道史の研究及び日本最初の鉄道旅客輸送保安ボランティアシステムである鉄道輸送警備隊の広範な活動に関する研究に絞って行くと言う。

 同会と共に現在の組織管理者である交通文化連盟・吉野理事長は「個人としても生涯を掛けて追い続けて行くべきテーマ」と語り、交通文化連盟と密接な連動を前提として活動再開に意欲を見せた。

 昭和56(1981)年11月28日、北海道鉄道101周年記念の日に日本トレインクラブの会内組織として設置された北海道鉄道研究部は翌年11月28日には独立し、レールフェステ・鉄道輸送警備隊・団体専用臨時列車「ムーンライトエクスプレスシリーズ」や「DEXシリーズ」の企画主体・主催となったが、平成4(1992)年の青年文化連盟発足で事実上活動を継承され、活動休止となっていた。


第160号(平成18年11月27日号)
東京モノレールで保守用車故障・8時間も運転見合わせ

 11月24日03時30分頃、東京モノレール浜松町〜天王洲アイル間を走行検査中の同社保守用車走行装置が故障し、他の保守用車で牽引して昭和島車庫まで回送する事態となった。

 しかし予備車輪の不都合や速度制限等が重なり、13時過ぎまで8時間抑止となった。

 台風やスト等を除くと東京モノレールがこれまで混乱したのは初めて。

 上下225本が運転休止となり、約7万人に影響が出た。


銚子電鉄に業務改善(安全対策)命令

 11月24日、国土交通省関東運輸局は銚子電鉄に対して業務改善命令を出したと報道された。

 銚子電鉄は元社長が会社名義で借金をし、自己経営の建設会社の運転資金に流用した背任の疑いがもたれて経営が混乱しているが、枕木腐食折損や踏切の不具合等多数確認され、早急な対策を求めている。

 この件では冬柴国土交通相も遺憾としており、人命に関わる問題だけに真剣に取り組みに期待したい。


第159号(平成18年11月19日号)
津山線で落石原因の脱線・旅客25名負傷

 11月19日05時32分頃、西日本旅客鉄道管内津山線津山04時29分発岡山行下り普通第941D列車(キハ120型式気動車2両/運転士1名及び旅客25名搭乗)が牧山〜玉柏間(単線非電化)を惰行運転中、軌道東面隣接崖上から崩落した岩盤が直撃し変型・断裂した軌道に差し掛かり脱線し2両が横転した。

 横転側の樹木等がクッションとなり、旅客25名全員が負傷(女性2名は腰骨骨折の重傷)したが死亡は無かった。

 この区間では昨年2月にも普通列車が落石と衝突する事故が発生している。またこれ以前午前4時過ぎ、隣接の県道に崩落転落したとみられる亀裂が見つかり、岡山県警はこの区間を通行止めとしたが、津山線軌道の確認はしていなかった。

 この事故で津山線は一時全線抑止となったが、玉柏〜野々口間を除き運転は再開している。

 西日本旅客鉄道では20日も玉柏〜野々口間で運転を見合わせる予定。


第158号(平成18年10月26日号)
通過中ののぞみが人身事故で東海道新幹線混乱

 10月26日08時30分頃、東京07時33分発広島行東海道新幹線下り第61A列車「のぞみ61号」(東海旅客鉄道700系電車16両)が東海旅客鉄道管内東海道新幹線静岡駅下り通過線を惰行通過中、軌道内に居た男性1名を運転士が視認し急制動を掛けたが間に合わず接触、列車は静岡〜掛川間で停車した。

 この事故で旅客や乗務員に死傷は無かったが、軌道に立ち入り列車に接触した男性は即死した。

 静岡県警地域部鉄道警察隊・静岡中央警察署等の調べによるとこの男性は東海旅客鉄道静岡支社運輸営業部営業課勤務の31才職員で、平成6(1994)年4月に就職し静岡支社に勤務していた。

 石津一正静岡支社長(57)は記者会見で陳謝したが、自殺と見られている。

 この事故で39本が運休・205本が最大3時間51分遅延し約17万人が影響を受けた。

 一般旅客の立入りが不可能な通過線での自殺、無論鉄道員なら結果は分かっていたのであろうから決意の自殺なのだろうが、自己の誇りを持って職務に望む者ならば自らの愛する職場を血で汚す事は避けるのが通例である。

 JR化20年で「忘れさせてしまった」鉄道屋を誇る精神の欠落こそJR全体に共通した課題では無かろうか。(理事長)


怪電話で東海道本線が遅延

 10月24日07時20分頃から25日18時23分頃の間で計5回同じ男の声で列車に爆発物を置いたと言う内容の電話が、西日本旅客鉄道御客様センターにあり、同社では列車を点検する等で運休・遅延が重ねて発生した。

 西日本旅客鉄道ではこの春にも怪電話等で列車運転が支障する事案が発生しており、逮捕・起訴される者も出ている。


湖西・北陸本線直流電化初日に重大ミス

 10月21日始発から西日本旅客鉄道管内北陸本線長浜〜敦賀間38.2kmと湖西線永原〜近江塩津間5.8kmが直流に転換電化され、京阪神方面から新快速等が直通するものとなった。

 総事業費162億円のうち90%を福井・滋賀両県で負担して実現した。

 この転換電化の記念として琵琶湖周回のイベント団体専用臨時列車が運転されたが、16時35分長浜発京都行間行程の臨時快速列車(485系電車9両)が米原駅で車掌を残して発車した。

 車掌は米原駅ホームで安全確認作業をしていたところ、運転士が「通常運転便」と勘違いして発車したもの。

 当該列車は米原駅での扉扱いは無く、運転停車だったが信号が「開通」し、「扉閉表示」が点灯していたので通常便と同様に発車したもの。

 列車運転では車掌が扉扱の後に合図ブザーを鳴らして「扉閉確認・車掌乗車」を運転士に知らせるが、このブザーの確認を失念したもの。

 米原駅員が輸送指令に連絡、列車は米原から下り方向3kmで停車、自動車で追い付いた車掌が乗り込んで約18分遅延で運転を再開した。

 このミスで後続の東海道本線下り列車1本が5分遅延した。

 JR化以降面倒臭いと団体専用臨時列車の設定本数が「意図的」に絞られているが、元来列車占有の団体専用臨時列車旅客はそのまま旅客需要の増加であり、何より増収策の決定打である。

 無論、安全を無視しての運転には疑問だが、「本業」での増益努力が成されない企業など長もちなどするものでは無い。

 その中で西日本旅客鉄道は団体専用臨時列車営業には積極的で、むしろ今後「イベント列車」「団体列車」営業を積極化してこの種の事故を減らす努力をして頂きたいもの。(嶺)


第157号(平成18年10月13日号)
レールフェステ足立会場・鉄道の日特別開催

 10月14日の鉄道の日を記念して、10月14日と15日、東京都足立区北鹿浜公園でレールフェステの開催が急遽決定した。

 14日は13〜16時、15日は10〜14時30分まで開催とされ、入場は無料。

 内容はNゲージ(縮尺150分の1・軌間9ミリ)鉄道模型のレイアウト運転展示やビデオなど。

 詳細は特定非営利活動法人交通文化連盟ホームページイベント情報で案内している。


第156号(平成18年10月08日号)
低気圧大荒れで各地に影響

 秋雨前線に伴う発達した低気圧は、平成18年台風第16号Bebinca及び第17号Rumbiaを併合しは北海道東部の大平洋上をゆっくりと北上し、広範囲で大雨と強風が吹いている。これは秋雨前線の低気圧が台風のエネルギーを吸収し猛烈に発達すると言う珍しい現象によるもので、茨城県では大形貨物船が、また宮城県では漁船が座哨・転覆するなどして多くの犠牲者が出ている。

 この低気圧は現在も発達中で、北海道東部や東北・北陸の広い範囲で大雨、東日本のほぼ全域で強い風が吹き、気象庁では警戒を呼び掛けている。

(10月08日09時50分現在/運転状況)

◎新日本海フェリー新潟〜小樽航路一部欠航

◎川崎近海汽船八戸〜苫小牧航路欠航

◎北海道旅客鉄道管内根室本線浦幌〜白糠・釧路〜根室間抑止

 ▲特急「おおぞら」系統一部運転休止

◎北海道旅客鉄道管内釧網本線全線抑止

◎北海道旅客鉄道管内日高本線鵡川〜静内間抑止

◎東日本旅客鉄道管内上越線水上〜六日町間抑止

 ▲特急「はくたか」経路変更一部列車長岡発着

◎三陸鉄道管内南北リアス線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内釜石線遠野〜釜石間抑止

◎東日本旅客鉄道管内山田線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内岩泉線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内大船渡線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内八戸線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内東北本線八戸〜青森間抑止

◎岩手銀河鉄道・青い森鉄道盛岡〜八戸間抑止

 ▲特急「北斗星」系統(含むカシオペア)運転休止

◎東日本旅客鉄道管内気仙沼線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内石巻線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内仙石線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内花輪線全線抑止

◎東日本旅客鉄道管内只見線会津川口〜大白川間抑止

 ▲快速「SL会津只見」「ばんえつ物語」運転休止

◎東日本旅客鉄道羽越本線あつみ温泉〜小波渡間抑止

◎東日本旅客鉄道管内信越本線妙高高原〜二本木間抑止

◎東日本旅客鉄道管内飯山線戸狩野沢温泉〜十日町間抑止

◎東日本旅客鉄道管内吾妻線中之条〜大前間倒木により抑止

 該当する地方では高い波浪と強い風雨が予想されますから、十分に御注意下さい。またお出かけの際には最新情報を各輸送機関に御確認下さい。


第155号(平成18年09月30日号)
ありがとう!YS−11旅客輸送引退

 日本エアコミューター社3806便<JA8766(YS11A221・現在500)/昭和45年04月09日製造・2142号/当初使用・東亜航空/旧愛称「とくのしま」>は沖永良部空港を16時07分(計画時刻15時55分)、気温29度晴天の中を職員が掲げた横断幕と地域有志によるエイサー踊りに見送られて離陸、17時41分(計画時刻17時30分)鹿児島空港へ到着し空港事務所や保安協会の協力によるウォーターアーチをくぐり、17番スポットで静かに羽を下ろした。

 記念写真やセレモニーの続く中、YS乗務員・整備員やそのOB達も熱く美しいその船を見ている。

 やがて焼酎を掛けて労って貰った「彼」=JA8766機は静かに時代を降りた。

 日本独自の設計と思想で182機も製造され、エンジンこそ英国ロールスロイスダット・ターボプロップだが純国産と言える旅客輸送機YS−11。

 特にJA8717機(YS11A217・現在500)は昭和44年02月18日に製造された製造番号2092号として日本国内航空へ納入され、旧愛称「あそ」とネーミングされて運行時間・離着陸回数世界記録保持機である。また日航リース時唯一の日航塗装になり、羽田〜釜山間国際航路を経験した「YS−11のトップシップ」である。

 この船は9月11日に無事ラストフライトを迎えている。

 衝突防止装置の取付義務化により引退させられたものだが、未だ飛べる船でもあった。

 一方で官庁に納入された28機(空自13+海自10+海保5)は今後も活躍する。

 今回の旅客引退で海保那覇(2機)羽田(2機)千歳(1機)と自衛隊(下総・厚木他)付近ではあの柔らかい発動機音が聞けなくなるが、海上自衛隊下総基地などでは基地イベントの際に「体験搭乗」としてP3C共に活躍、YSに乗れるチャンスは未だ残っている。

 航空事故史にも度々登場したYSだが、事故割合は少ないらしい。海外に渡った機材は未だ多くが現役であり、今回引退のJA8766機とJA8768機は海外の航空会社に売却の予定があると言われている。

 今はありがとう!そしてお疲れさまと言って上げたい。(理事長)

※尚、JA8766機は10月1日午前、鹿児島から羽田に自力回送飛行を行い、本当に「ラストフライト」となる。(交通部)

※10月28日に開催される海上自衛隊下総航空基地開設記念行事にて144名(抽選)でYS−11Tの体験搭乗を募集中です。また当日は公開見学もあります。詳細は以下にて。

http://www.dii.jda.go.jp/msdf/simohusa/event/openhouse06.htm


第154号(平成18年09月29日号)
変電所火災で京葉線ダウン・人的災害との批判も

 9月28日04時17分頃、東日本旅客鉄道管内東京駅京葉地下1階の信号機器室と地下2階の鍛冶橋変電所が火災となり、京葉線東京〜潮見間(複線直流電化)送電と、東京京葉線ホーム付近分岐器・信号機が損傷し使用不能となり、京葉線